YAMAPバイヤー推薦|夏の「コレは買い!」厳選アイテム

「どのギアも高機能で使いやすいと謳っているけれど、実際に使いこなせるかは別問題」「お財布事情を考えたら、容易に買い替えられないし…」などなど。アウトドアギアの買い物は悩みが尽きないものです。それならば、バイヤーに直接「これは買い」なアイテムを教えてもらいましょう!

今回教えてくれたのは、YAMAP STOREの仕入れを担当するバイヤーの河上稔(かわかみ・みのる)。彼はアウトドア業界でギアの販売に20年以上携わり続ける正真正銘の目利きです。稔さ〜ん!いま、どんなアイテムがアツいんですか?

今回紹介するアイテム

YAMAP STORE バイヤー

河上 稔(かわかみ みのる)

STOREで取り扱っている商品すべてをメーカーからセレクト。 近年はライトトレッキング勢で、公園などのピクニックから山はキャンプ・スノーアクティビティ、海はシュノーケルなど、年間通じて自然の中で遊ぶことが好き。

下山後お風呂セットの決定版


登山を趣味にしていると汗を流すために、自ずと温浴施設へ行く回数は増えますよね。世の中に数多あるお風呂セットの中でも、特におすすめしたいのが「Matador(マタドール)」の収納ギアの数々です。

フラットパックトイレタリーケース・ジッパートイレタリーケース|Mataor(マタドール)

シャンプーやリンスが入っているボトルや歯ブラシなど、どうしても水分を含んでしまうのがお風呂セット。一般的な防水ポーチだと、何日経っても濡れたままで気持ち悪いし、カビ臭くなってしまいます。
そこで活躍するのが、マタドールフラットパックトイレタリーケース・ジッパートイレタリーケース。これは防水透湿素材をフルに活用したスタッフバッグで、なんと「濡れていたはずの収納ギアが中でカラッと乾いている」という驚きのアイテムなんです。

素材としては特に珍しいものを使っているわけではありません。ただ、透湿素材を使うならウェアに使用し「蒸れを予防する」というアイデアが一般的なのですが、スタッフバッグに採用するというのはそもそもの着眼点が違う。透湿性をフルに活用し、「濡れた収納物をドライな状態に近付ける」というコンセプトがミソとなっています。

2つのケースの違いは開口部。ジッパー式とロールトップ式の2種類がありますが、旅行にはジッパー式山にはロールトップ式がおすすめ。
旅行で使うだけならジッパー式でも十分だと思います。ただ、山の場合は収納物のサイズが変わる可能性があるので、容量を調整できるロールトップ式の方が便利ですね。あと、ジッパー式は便利で個人的に好きですが、破損する可能性もあるので、フィールドではロールトップ式が安心ではないでしょうか。
……そう考えると、ジッパー式・ロールトップ式の両方を購入するのも正解です(笑)

フラットパックボトル3P|Mataor(マタドール)

YAMAPバイヤー推薦|夏の「コレは買い!」厳選アイテム

こちらは個人的に私が愛用している携帯式の詰め替えボトルです。サイズ感も良くて、フックでどこにでも引っかけられる上に、減ったらちゃんとコンパクトになる。詰め替え用ボトルは世の中に様々な種類のものがあるのですが、言ってしまえば「これじゃなくてもいいけど、これであるメリットは大きい」アイテムです。

ボトルごとのカラーリングもいいですね。色で内容物を認識できるので、シャワー中に薄目しか開けられないときも、ボトルを間違わず使えるのでグッドです。先ほど紹介したフラットパックシリーズと組み合わせれば、トラベル用のテッパンお風呂セットができあがります。

ハードな登山こそ「長く使えるレインウェア」に頼るべし

レインウェアは登山における三種の神器のひとつ。今回イチオシするのが「finetrack(ファイントラック)」の「エバーブレスフォトンジャケット」です。4〜5年振りのリニューアルとなった本ウェアは、機能性と着やすい雰囲気を兼ね備えた1着になっています。

エバーブレスフォトンジャケット|finetrack(ファイントラック)

まず注目したいのが、「AquaGuard® Tightened(アクアガードタイトゥンド)」という新型ファスナーを採用した点。実際に使ってみるとわかるのですが、止水ファスナーって意外と水が入ってくるし、テープが生地を嚙んでしまうなど、使いづらさを感じることがありました。
この不便さを改善したのが、アクアガードです。ファスナー単体で十分な耐水圧を備えており、従来の止水ファスナーよりも格段とスムーズに開閉できるようになりました。噛み合わせの注意点もあるので慣れる必要がありますが、閉めづらさはかなり改善されましたね。

さらにこのリニューアルで、生地もアップデートされました。高い次元での防水透湿性を実現しながら、繰り返しのストレッチや皮脂汚れによる防水透湿膜へのダメージに対する強度も向上。軽量性は謳っていませんが、耐久性と引裂強度、使いやすさのバランスは特に優れています。頑丈さ、劣化のしづらさから「長く使ってもらう」ことに対するこだわりを感じられます。

「着やすい雰囲気のデザインになった」というのも大きなポイントだと思います。

ファイントラックといえば、山のイメージが強いブランドです。ただ、このモデルをはじめ近年のファイントラック製品は、色使いやデザインが少し変わり、以前よりも身に纏いやすい雰囲気になりました。例えば、ブルーのブランドロゴが控えめなカラーに変化するなど、細やかなマイナーチェンジもされています。

新作のエバーブレスフォトンジャケットも、これまでとはテイストの異なるカラー展開になっています。ただ、「赤」や「黄色」など、ハードな場面だから生きる色も健在。いざという時に頼りにしたいレインとして、是非手に取っていただきたいですね。

腹落ちしたバックパック。今季注目は意外なブランド

バックパックって、国内外幅広いブランドから出ていますが、今もっとも注目したいのが「NEMO(ニーモ)」のアイテムです。ニーモといえば、テントやスリーピングマットのイメージが強いですが、今季はバックパックのデザインをリニューアルし、新たな風を巻き起こしているんです。

パーシスト30L|NEMO(ニーモ)

YAMAPバイヤー推薦|夏の「コレは買い!」厳選アイテム

パーシストのすごいところは、このニーモ独自の背面システムです。これまでの多くのバックパックの背面システムだと、どれだけ通気性を謳っていても結局スポンジが汗を吸ってしまうので、感じられる涼しさには限界がありました。

パーシストは、背面に設置したスポンジを両サイドまで延長することで、保持された液体が蒸発する際に周囲から熱を取り込み(気化熱)、その結果として背面の汗を効率的に乾かす仕組みになっています。背中が浮く、腰に空間が生まれるというのはもちろんすごいところですが、サイドに熱が逃げていくという作りに、なんというか腹落ちしましたね。

もう1点、ぜひ注目してもらいたいのが、多機能ポケットがふんだんに盛り込まれている点です。海外メーカーでは堅牢性を重視するためポケットは簡素化される傾向にあり、こういうポケットは意外と珍しいんです。

パーシストはサイドポケットやショルダーストラップのポケット、ウエストベルトにはジッパー付ポケットと展開可能なボトルホルダーが付属。プロダクトデザインの感覚が日本人の感覚と似ているように感じています。

パーシストはニーモのバックパックリニューアルの最新作であり、集大成。今季大注目のアイテムをいち早くチェックしてみてくださいね。

キャップはこれがベストであり、最適解である

デザインや素材、さらにその人に似合うか似合わないか…など帽子選びってかなり難しいですよね。そんな数ある帽子の中で、私が「ベストであり最適解である」と考えるキャップが、RIDGE MOUNTAIN GEAR(リッジマウンテンギア)のベーシックキャップです。

ベーシックキャップ|RIDGE MOUNTAIN GEAR(リッジマウンテンギア)

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素材、デザイン、機能。ベーシックキャップは、この3つの要素のバランス感覚に優れています。素材をはじめ、製造も厳選された国内工場に限られており、リッジマウンテンギアのものづくりに対する信念を感じられます。
シックスパネルで構成されたキャップは、幅広い日本人の頭にフィットするのが特徴です。

YAMAPバイヤー推薦|夏の「コレは買い!」厳選アイテム

後頭部のコードでサイズ調整ができますが、絞ったとしてもふわっと美しい膨らみで優しい印象に。このように形が綺麗に出るのも、リッジマウンテンギアの優れたパターンのお陰なんです。

シンプルに被って、かっこいい。シチュエーションを選ぶことなく、普遍的に使えるのがこのベーシックキャップ。とりあえず買って損はない逸品です。

「想像すること」がギア選びの楽しみ

ギア選びのコツは、「こんな悩みを解決したい」「こういう使い方がしたい!」と具体的に想像すること。そして、この「想像」こそギア選びの楽しさだと稔さんは言います。
「そのギアを使ったシーンを想像すると、実際に使ってみたい気持ちになりますよね。新しい素材や機能を見ると、自分の使用シーンに合うか考えてしまったり、不便なことが解消されるのではと期待してしまったり。だから新製品をついついチェックしてしまうんです」
悩むことも楽しみのひとつ。さまざまなアイテムを吟味しながら、ぜひ自分にぴったりなギアを見つけ出してみてくださいね。

河上 稔(かわかみ みのる)

河上 稔(かわかみ みのる)

STOREで取り扱っている商品すべてをメーカーからセレクト。 近年はライトトレッキング勢で、公園などのピクニックから山はキャンプ・スノーアクティビティ、海はシュノーケルなど、年間通じて自然の中で遊ぶことが好き。

    紹介したブランド

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