人気スタイリスト、福田麻琴さんが今最も注目する「タウンでも使えるアウトドアブランド」とは!?
本格的な山シーズンに向けて山の服でも揃えたいな、でもファッションに自信がないし、アウトドアウエアはちょっと高いのが難点…と思っているかもしれませんね。でも、山用のハイスペックなアウトドアウエアを、タウンでも上手に着回せるとしたら?
今回は、ご自身も「アウトドアが好き!」という、多数の女性誌で活躍中の人気スタイリスト・福田麻琴さんが、YAMAP STOREでも取り扱いのある今人気の2ブランドで、男女別の素敵なコーディネートプランを練り上げてくれました。
「登山ファッションに自信が持てない」「いつもワンパターンでマンネリ化している」、そんなオシャレ迷子になってしまっているという方は特に必見。山でも街でも使いまわせて、毎日が一気に楽しくなる、そんなスタイリング提案を早速見てみましょう。
ファッション誌で活躍中の人気スタイリスト・福田麻琴さんが指南!
大人シンプルな芯の通ったスタイリングが人気の福田麻琴さん。実はご本人も山登りやアウトドアがご趣味で、今は、8歳になる息子さんとの山小屋デビューを画策しているそうです。そんな福田さんのアウトドアファッションの極意は、「せっかくのハイスペック服を街でも使おう」ということ。
「山の服はスペックが高いですよね。そのスペックは、街をさらに快適に過ごすためにもっと使ったほうがいいと思うんです。これから白Tシャツを買うなら、山でも着られる吸水速乾や熱を逃がしてくれて普段使いできるシンプルなものを。私が山服を選ぶ基準は、“山以外でも活躍するアイテムか”なんです。
以前は山の服は山だけで着るという考えや、タウンスタイルに落とし込むのが難しいデザインが多かったのですが、最近は街でも着られるような雰囲気のあるデザインになってきました。ファッションの傾向も全体的にリラックスカジュアルに。それぞれが歩み寄ってきましたね」
福田さんが今も注目しているアウトドアブランドは、新進気鋭の日本発ブランド「and wander(アンドワンダー)」と、世界中のクライマーから愛されるスウェーデンのブランド「HOUDINI(フーディニ)」。基本のアイテムを、山と街で着まわすスタイリングを男女別にご紹介いただきます。
これがアウトドアウエア⁉と驚いたデザイン性の高いMade in Japanの新進気鋭ブランド「and wander」
2011にスタートした、日本発のアウトドアブランド「and wander」。パリコレクションブランドで培った企画力と、共同デザイナーのお二人自身が自然や山を楽しんでいるからこその肌感覚が、新世代のアウトドアウェア・ギアに活かされています。
「もともと面白いブランドだなと注目していました。YAMAP STOREでも取り扱いがあると聞き、アウトドア界でも認められてるんだ!と更にポイントUP。山のスペックを街でも使えるデザインに落とし込んでいて、デザイン性が高く、ユニセックスのものも多数。山と街、男性と女性、という境がないのが今っぽくて魅力的ですね」と福田さん。
コーディネート:1
「and wander/レーザーホールオーバードライ ロングスリーブシャツ と 60/40クロスショートパンツ」を着回す
「可愛さも大人っぽさも演出できるパーフェクトなニュアンスカラー配色は春・夏に大活躍」
今年らしいニュアンスカラーの配色で快活な街歩き
福田「とにかく配色がかわいい! 白とブルーグレーという全体的にスモーキーで曖昧な色の組み合わせは、ニュアンスカラーが流行りの今年らしい配色です。他にも、グリーンとグレー、ピンクとベージュの間の色なども人気です」
【and wander】レーザーホールオーバードライ ロングスリーブシャツ/ホワイト、パワードライジャージーショートスリーブT/ホワイト、60/40クロスショートパンツ/ブルー、スピードクロスサンダル/ホワイト、シルサコッシュ/グレー
コーディネートのポイント① サンダル
福田「タウンの足元の定番。これなら足元が明るくなりそうですね。素足でも、ざっくりとした白ソックスと合わせても上手にまとめられます」
コーディネートのポイント② サコッシュ
福田「街歩きの定番ですね。メンズ・ウィメンズ問わず使えるし、カジュアルなコーディネートはもとより、ロングワンピ―スと合わせて“外し”として使うのでもOK」
靴とバックが違うだけで、本格的な登山スタイルに早変わり
福田「靴とバッグをチェンジ。そこに、ケガや虫刺され、日焼けを避けられるよう、ショートパンツにはタイツをプラスしてみました。黒とグレーの小物を使うことで全体的に引き締まった印象に」
【and wander】レーザーホールオーバードライ ロングスリーブシャツ/ホワイト、パワードライジャージーショートスリーブT/ホワイト、60/40クロスショートパンツ/ブルー、エックスパック30L バックパック/ブラック 【patagonia】センタードタイツ/グレー 【LA SPORTIVA】TX5 GTX/ホワイト×グレー 【私物】靴下
コーディネートのポイント① 白シャツと白Tシャツの同系色配色
福田「同系色やワントーン、グラデーションでまとめるのが今年らしいカラーリング。アウターとインナーに同じような色を着るだけでいいから簡単です。山でもぜひ実践してみて」
コーディネートのポイント② ショートパンツとタイツのグラデーション配色
福田「ショートパンツがブルーグレーなので、グレーのタイツを合わせてグラデーション配色に。黒ではなくグレーにすることで、やわらかな感じに仕上がります」
コーディネート:2
「and wander/テックショートスリーブシャツ」を着回す
「メンズの半袖シャツが今年アツい! 2度見されること間違いなしの大人カジュアルコーデ」
トレンドのカーキシャツをグラデーションで軽やかに着こなす
福田「こちらも同系色のカーキシャツとベージュのショートパンツを合わせてみたもの。実はこのくらいの色の差が今年らしいんです。人気のシャツをタウンでも涼しく着られるのは高機能だからこそ」
【and wander】テックショートスリーブシャツ/カーキ、クロスショートパンツ/ベージュ、パワードライ ジャージーショートスリーブT/ブラック、シルサコッシュ/カーキ、スピードクロスサンダル/ホワイト 【RIDGE MOUNTAIN GEAR】ベーシックキャップ・バイカラー/カーキ×ベージュ
コーディネートのポイント① セット配色
福田「キャップもサコッシュもカーキのシャツに合わせた同系色のセット配色に。全体敵に統一感が出て、いい感じにまとまって見えます」
コーディネートのポイント② シャツとTシャツのグラデーション配色
福田「今回のように黒で締めるのもよし、同系色を持ってきてもよし。なお、白のTシャツにするとボーイッシュに、黒だと大人っぽい雰囲気になることも押さえておくとGood」
アウトドアなのに一目置かれること間違いなしのきちんと感
福田「こんな人が山にいたら、絶対振り返っちゃう(笑)! カジュアルなアウトドアのコーディネートなのに、セットアップだからきちんと感も出ていて、このまま街歩きやカジュアル通勤にも使えそう」
【and wander】テックショートスリーブシャツ/カーキ、テックパンツ/カーキ、クロスハイクシューズ/ブラック、エックスパック30L バックパック/ブラック 【halo commodity】クレビスキャップ/ブラック 【FLOAT】リゲル/グリーン×ブラック
コーディネートのポイント① 黒キャップ 黒サングラス
福田「今回は、服以外の小物全てを黒に。黒で締めるとよりかっこよさが増しますね」
コーディネートのポイント② セット配色
福田「こちらも黒でまとめています。小物やザック、靴を同じ色で揃えることで、着る服が変わっても一体感が出るのおすすめ」
デザイン性が高いのにシンプル。コーディネートの可能性が限りなく広がる「HOUDINI」
「HOUDINI(フーディニ)」は 、手付かずの大自然が残るスウェーデンで1993年に設立。フリースのパイオニアとして知られ、機能美を追及する哲学により人気を博す一方で、 革新的なデザインがアウトドアスポーツ愛好家たちに支持されています。
福田「実は、今回YAMAPさんとご一緒して初めて知ったブランドです。今時な雰囲気やカラーリングで、街歩きにも使えそう。削ぎ落されたミニマルデザインがアレンジしやすそうだなと感じました。合わせ方次第でコーディネートの幅が一気に広がりますね」。
コーディネート:3
「HOUDINI /ルートシャツドレス」を着回す
「この1枚さえあれば!頼れるシャツドレスはどんなシーンでも主人公に」
同系色でまとめた大人クールはキャンプでも活躍
福田「ネイビーからブラックにかけての同じトーンでまとめたコーディネート。全体的に無地なので、バンダナをオン。突然違う色にするのではなく馴染む色を使うこと。柄が入ると可愛く華やかになります」
【HOUDINI】ルートシャツドレス/ネイビー 【patagonia】センタードタイツ/ブラック 【halo commodity】シールドバナーキャップ/ブラック 【and wander】スピードクロスサンダル/ブラック 【YAMAP×KINTO】デイオフタンブラー/チャコールグレー 【私物】バンダナ
コーディネートのポイント① 黒のサンダル
福田「サンダルを始め小物をすべて黒系でまとめるのがポイント。小物に統一感があると、メインのワンピースがどんな色になっても映えます。自分なりのセットを持っておくとGood」
コーディネートのポイント サコッシュ使い
福田「着る服に合わせて、靴・バッグといった小物セットを作っておくとコーディネートを考える時に便利。私は山用に自分と子どものベストセットを探し中です!」
シャツワンピを前アキにつかえば羽織としても活躍
福田「前が開く服はバリエーションが出せて使い勝手も抜群。今回のように羽織として使うこともできます。その時はどこかにネイビーを取り入れると全体がまとまります。今回はTシャツで」
【HOUDINI】ルートシャツドレス/ネイビー、ワジパンツ/ベージュ、ウェザーT/ネイビー 【halo commodity】クレビスキャップ/ベージュ 【PAAGO WORKS】バディ16/ベージュ 【LA SPORTIVA】TX4ミッドGTX/ブラウン
コーディネートのポイント① ネイビーシャツとネイビーTシャツの同系色配色
福田「微妙な色の違いがある同系色の服を合わせるのに自信がないという人も多いはず。そんなときは、服と服の間にちょっとした柄モノのバンダナなどを挟めると“同系色初心者”も上手くまとめられます」
コーディネートのポイント② デイリーでも使えるリュック
福田「街にも山にも使えるちょうどいいサイズのリュック。コットンのマキシスカートや夏のリネンドレス、麦わら帽子などの夏ファッションとも相性がよさそう」
コーディネート4:
「HOUDINI /トレイルベスト」を着回す
「今人気のベストを中心に全体を黒でまとめ上げ、圧倒的なスタイリッシュ感を演出」
今年のトレンド「ベスト」で全体をミニマル、シンプルにかっこよく
福田「かっこいいですねー(笑)。メンズもレディースもベストは今年のトレンド。アウトドアなのにここまでスタイリッシュなデザインは素晴らしい。Tシャツが黒だとおしゃれ度が一気にUP」
【HOUDINI】トレイルベスト/ブラック、ワジパンツ/カーキ 【halo commodity】シールドバナーハット/ブラック 【and wander】パワードライ ジャージーショートスリーブT/ブラック 【rig】フリップフロップ 【FLOAT】リゲル/グリーン×ブラック
コーディネートのポイント① サンダル、サングラスのタウン小物
福田「アウトドア用のサングラスはロゴが大きいことが多いのに、フロートのサングラスはベーシックでロゴが表に出ていないから普段使いしやすいですね」
コーディネートのポイント② ハット&サコッシュのセット小物
福田「小物合わせがファッションのつまづきやすいポイントなので、帽子とサコッシュがセットだと間違いがないコーディネートが可能に。洋服選びが簡単になります」
全体を黒でまとめつつベージュパンツを差し色に
福田「黒のロングTシャツ、タイツ、登山靴を山仕様にチェンジ。街ならオールブラックもかっこいいけれど、山はどこか1点に差し色を。ザックやブーツで色を取り入れるのも素敵ですね」
【HOUDINI】トレイルベスト/ブラック、ワジショーツ/ベージュ 【patagonia】キャプリーン ミッドウェイトクルー/ブラック、キャプリーンミッドウェイトボトム 【PeakPerformance】アルムキャップ 【MYSTERY RANCH】クーリー40L /ブラック 【LA SPORTIVA】TX5 GTX/イエロー×チャコールグレー 【DARN TOUGH】ハイカーブーツソックフルクッション/グレー
コーディネートのポイント 黒×黒の同系色配色
福田「まるで特殊部隊!? 黒のベストを使った同系色配色は、上級コーディネートなのに手軽に使えるテクニック。黒でまとまっているからこそ、差し色のショートパンツのベージュが映えます」
アウトドアウエアを山でも街でも着回そう
アウトドアブームやキャンプブームの広がりも影響して、アウトドアブランドは街のファッションとしても注目されるアイテムになっています。だからこそ、山の服は山だけで着るのではもったいない! 今回のコーディネートテクニックを参考にしながら、山でも街でも着まわして、毎日をより楽しい一日にチェンジしてみてはいかがでしょうか。
今回は福田麻琴さんが今最も注目するアイテムを教えてくださいました。次回からもアウトドア好きたちのスタイリングの悩みを解決していってもらいましょう!
今回のコーディネートで紹介したアイテムはこちら
コーディネート1〈and wander・ウィメンズ〉
コーディネート事例2〈and wander・メンズ〉
コーディネート事例3〈HOUDINI・ウィメンズ〉
コーディネート事例4〈HOUDINI・メンズ〉
福田 麻琴(ふくだ まこと)
1998年に文化服装学院を卒業後、アパレル会社勤務を経てスタイリスト森美幸氏に師事。2003年に独立。女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動中の2009年にフランスへ留学。帰国後もスタイリストとして活動を続けながら、パリと東京を行き来している。 書籍 『ただ着るだけでおしゃれになる ワンツーコーデ』西東社/2020年 『コスパのいい服』すばる舎/2019年 『38歳から着たい服 本当に似合うものだけ少量持つ』すばる舎/2018年 『THE FRENCH STYLE BOOK カジュアルで女性らしいパリジェンヌな着こなし』KADOKAWA/2018年 SNS Instagram https://www.instagram.com/makoto087/