ヤマップのスタッフが自腹で購入した夏山パンツ、購入の決め手と愛用ポイントは？推しの山道具座談会【YAMAP別注パンツ編】

本題に入る前にまず、みなさんが夏山のボトムスに求めるもの、重視していることをうかがいたいんですが。

夏山は気温が高く、自分自身も汗っかきということもあって「快適であること」を一番大事にしています。 肌にベタつきがちなものはなるべく避けて、サラッとした肌触りのもの。さらに汗がすぐ乾く速乾性も重視しています。ついでに言うと、テント泊でも、夏の仕事の現場でも、汗をかいた後に履き替えたいときもあるので、着替えとして複数もっていても気にならない軽さも気にしています。

じゃあ、ショーツは普段から愛用してる？

わりと日常的に履きますね。

私の場合、意外と「見た目重視」だったりします。撥水性や動きやすさっていうのは、山のパンツであればほぼ備わっている機能かなと思っているので、それ以外でとなるとシルエットの美しさで選びたい。個人的に普段からテーパードのかかったパンツがすごい好きで、それこそスマランは私の好みドンピシャなんです。下山した後に街中に行っても、違和感ないような細身のシルエット。色にまでこだわりはないんですけどシンプルなファッションに馴染むような落ち着いた色合いが好きですね。

似合ってますね。うんうん。

嬉しい！ 本当に毎日着倒しているので、3本目買おうかなと思ってるくらいです。

私も挾間さんとちょっと似てますね。というのも初めて山登りを始めた時にトレッキングパンツのシルエットの悪さに結構びっくりして。もちろん、モデルさんとかが着たらどんなパンツでもきっとカッコいいんですけど、私は脚も太いし短いしで、それが普通のストレートのトレッキングパンツを履いた時のカッコ悪さにもう愕然としたんです。「なにこれ？」みたいな感じで（笑）。それでまあ、こうして山の道具を作る仕事に携われるようになったとき、いつか本当にシルエットが良いパンツを作ってやろうと密かに決意していたくらい。

私と同じですね。その結果、グラミチにたどり着いた？

グラミチを愛用している要素はもちろんシルエットもですが、腰まわりがめちゃくちゃゆったりしていて本当にストレスがないのと、生地が軽くて薄いから夏でも軽やかに履けるところですね。あと、シルエットにゆとりがあるがゆえ、その下にタイツとか履いてもそんなにキツくならない。だから夏山は1枚で、秋口や冬場には下にタイツを重ねたりしています。残雪期の登山もそれでいけるので、わりと汎用性も高い。でもやっぱり一番気に入っているところはシルエットですね。

ちなみに女性陣は絶対ショーツを履かないんですか？

ショーツはそうですね…。それこそやっぱり体型に自信がないのでためらいがちです。その点スマートランパンツは視覚効果で細く見えるじゃないですか。トップスをゆったりめでボトムスをタイトにしておくと、全体的に脚が細く見える効果があるので好んで履いてます。

私はトレランをやるときは涼しさ優先で、ショーツを履いてますね。一方、山歩きの時はいろんな山域があるし、藪とか笹をこいだりすることもあるし、停滞や休憩も多いので虫に刺されることもある。となると、やっぱりロングパンツがいいなと思いますね。

やっぱりショーツならではの涼しさ、軽さ、快適さはありますよね。グラミチのショーツは短すぎず長すぎない丈がちょうどよくて。短すぎると35歳の男性としては「生足を出しすぎじゃない？」ってちょっと恥ずかしい面があって、かたや長すぎると膝くらいまで覆っちゃうので野暮ったいしで。その点、グラミチのショーツはちょうどいい長さだなと思ったんですよね。

そういえば、このショーツを開発するときパートナーと同じ話をしたんですよ。某A社のショーツはあと2cm長かったら欲しいし、某B社のハーフパンツはあとちょっと短くなったら欲しい。そんなほどよい丈感を求めて、グラミチのショーツを調節したのを今思い出しました。

素晴らしい！まさに、これが求めていた丈感ですよ。こういう仕事をしているとショーツでも許されるんですけど、涼しさを追求する一方で短すぎるとどうかな？という思うところもあって。この間も2泊3日の取材で茨城県北に行ったんですけど、低山に登って、その足で店舗取材みたいなシーンでもグラミチの丈感なら違和感なくずっとこれ1本で過ごせました。山も街も夏場はこれ1本でずっと過ごせるという点では絶妙な丈感だなと思いました。

本音では、私もショートパンツを履きたいという憧れがあるんですけどね。今城さんがおっしゃるように、夏だとショーツが断然快適。あと10kg痩せたら考えます（笑）。

わかるよ。私も脚が細かったら履きたい（笑）。だからやっぱり体型をカバーしてほしいという人にはロングパンツですよね。あまり気にしない人はショーツで。

みなさん、それぞれお気に入りのパンツを履いてどこに行きましたか？ 一番の思い出に残った山行とかあります？

私はもう夏場なら、山でも、キャンプでも、日常でも、どこでも履きまくっています。先日は赤城山に履いて行きました。今年の夏は九州の山を縦走してみようかなと思ってて。スマランは、すごく柔らかいソフトシェル素材で薄くて通気性もいいから、暑い夏の九州でも快適そうだなって。

あと日常でもよく履いてます。子どもと公園に行くと屈伸運動がめっちゃ多くなるんですけど、スマランだと快適ですね。膝の曲げ伸ばしが楽で、今はそれがもう当たり前になってしまったので、たまにデニムを履くとつらいなって。

スマランはおしりのパターンを高く作っているのと、あと、膝の部分にダーツ（つまみ縫い、ギャザー）が入っているので、ゆとりがあってストレッチしやすくなっているんですよ。ストレッチ性だけでいえば、膝の部分はパーツを切り替えちゃえばいいんですけど、膝まわりに縫い目が入っているとあまりにもトレッキングパンツぽくて街中だとちょっと恥ずかしいなと思って。

確かに！山パンツといえば切り替えが本当多くて、山でしか履けないなって印象が強かったんですけど、スマランは膝周りがスッキリしていて、それでいて屈伸しても突っ張ることもないし、ヨレて広がって伸びたりすることもなく、ちゃんとシワも元に戻ってくるところが日常で履きやすいポイントかなと思います。

私も去年トレイルパンツを買ってから、基本的な山行はほぼこれ1本です。乗鞍も北アルプスも全部これ。トップスにグレーをあわせたいときだけは別の色のパンツにすることもありますけど、基本的にグラミチを最初に出してきますね。秋口や残雪期も履いちゃうので、本当に厳冬期以外はこのパンツで出かけています。いま写真を見返してもこのパンツしか履いてないし。いや、残雪期の表銀座は寒くてちょっと失敗したかな（笑）。でもまあ春から秋までタイツと組み合わせれば基本OK。

僕も夏の登山シーンではだいたい履いていますね、それこそ先週はこの時期蒸し暑い地元の低山で履いたり。あとは普段使い。ポケットがそれぞれが広くて、スマホ入れたの忘れたかなって思うぐらい腰のシルエットがゆったりしてるから、財布、スマホ、エコバッグを入れてちょっとスーパーやコンビニに行ったり。

財布は、「めぐるしか」のプレイウォレットなので小さめですけど。でも、それだけで出かけられちゃうから、本当に手ぶらです。

ではあらためて各アイテムを自腹で購入された、その決め手は何でしょう？

やっぱりちょうどいい絶妙な丈感。それとスマホポケットですね。スマホポケットは他社のパンツで見てその便利さにすごく惹かれていたんですけど、そしたらグラミチの別注ショーツにも付くというのを聞いて即決です。色も好みだったし、お値段も高すぎなくてリーズナブルかなって思える感じだったから、あんまり悩まずに買いました。

確かに買いやすい価格ですよね。

私の場合、スマートランパンツは入社してすぐにひと目惚れ的なかたちでポチったんですよ。それで可愛いだけじゃなくて実際履きやすいし、普段着にもあわせやすいところが気に入って、半年以上履いた上で2本目をポチって。いかにも登山！という格好しているのが恥ずかしかったんですけど、スマランを履くようになってからは気兼ねなく飲食店に入れるようになりました。たぶん来年も3本目を買うと思います。

私は、くり返しになりますけど、グラミチのシルエットって一般的なアウトドアブランドでは絶対に出さないシルエットだと思うんですよね。実際グラミチってもはやライフスタイルブランドになってて、そのファッション着として受け入れられるシルエットを作っているブランドだからこそ、山行にも耐えうる生地を組み合わせたときに別注ですごいものができるんじゃないかと思って。これは自分で開発している時点から、絶対買おうと思って作ってました。

ちょっと今トレイルパンツ履いてみたんですけど、たしかにゆったり目のシルエットなのに形はきれいめですね。登山靴もですが、サンダルにも合わせやすい。え、買っちゃおうかな。

あ、挾間さんが心変わりした（笑）でも本当にスマートランパンツもトレイルショーツ、トレイルパンツも山だけでなく、夏のさまざまシーンで履きやすいからどれも好きなんですけどね。私も久しぶりにスマランを履いて山に行きたくなりました。