登山に最適なレインウェアとは?必携の理由と「エバーブレス®フォトン」徹底ガイド

レインウェアは、登山靴やバックパックと並び、“登山の三種の神器”と称されるほど、山登りを始めるならまず手に入れたい必須アイテムです。
今回はレインウェアの必要性と、ファイントラックが手掛ける最新鋭のレインウェア「エバーブレス®フォトン」の注目の機能に迫ります。
晴れ予報でも油断禁物!なぜ山にレインウェアが必要なのか?
そもそも、山にはどうしてレインウェアが必要なのでしょう。
「晴れの予報なら持っていかなくてもいいのでは?」と考える人も少なくありませんが、それは大きな落とし穴かもしれません。
日本は世界的に見てもとても雨が多い国。そして、アウトドアでの天候は変わりやすく、特に山の天気は一瞬で変わることもあります。
天気予報が晴れでも、山では急に雨や強い風に変わることがあります。また、道に迷ったりケガをしたりして下山できず、救助を待つ間に雨に降られることもあるかもしれません。こうした事態は「自分には関係ない」と思っていても、いつ誰に起きても不思議ではありません。
そのときにレインウェアを持っていなければ、衣服が濡れる、濡れた衣服によって体温が奪われる、低体温症が悪化して行動不能になる、最悪の場合、命を落とすこともあります。できれば考えたくないことですが、こうした危険は山を登るうえで常につきまとうリスクです。
万が一の事態に備えるという意味では、レインウェアはファーストエイドキット(救急用品)やビバーク装備(緊急の野宿道具)と同じような位置づけの装備だと言えます。緊急時に使う道具を、「使うかどうかわからないから」といって持っていかない人はあまりいませんよね。そう考えると、レインウェアの大切さも自然と納得できるのではないでしょうか。
雨は防ぐのに汗は逃がす、レインウェアの仕組みとは?

「レインウェアって、ふつうのアウターと何が違うの? どうやって選べばいい?」登山やアウトドアでよく聞く“レインウェア”。でも実は、その仕組みや役割をきちんと理解している人は、意外と少ないかもしれません。
「雨は通さないのに、汗はちゃんと外に逃がす」――そんな不思議な機能をもった登山用レインウェアには、知っておきたい3つの特徴があります。
1. 防水性:雨を通さないバリア
雨を通さず、内部をドライに保つための性能。レインウェアの生地には「防水膜(メンブレン)」という超薄いフィルムが使われていて、水の粒子(雨)を通さない構造になっています。防水性の指標としては「耐水圧」という数値があり、一般的に10,000mm以上の耐水圧があればアウトドア用途で安心です。登山のように天候が変わりやすい場所では、命を守る対策も必要なため、20,000mm以上の性能があるものを選ぶようにしましょう。
例:エバーブレス、GORE-TEX(ゴアテックス)、eVent、Pertex などの防水素材
2. 透湿性:汗を逃がす通気の仕組み
人間は運動すると汗をかきますが、そのままレインウェアの中にこもると蒸れて不快になります。透湿素材は「水蒸気(汗の蒸気)」のような小さな粒子だけを外に逃がすことができる構造です。
これにより、レインウェアの中をドライに保てるのです。
3. 生地の構造:3層・2.5層・2層のちがい
レインウェアの性能や快適さに大きく関わるのが、「生地の構造」です。主に以下の3タイプがあります。
3層構造(3-layer)
表地(耐久性・防水撥水)
+ 防水透湿膜(雨を防ぎ、汗を逃がす)
+ 裏地(肌触りが良く、膜を守る)
特徴:
☑︎ 表地・防水膜・裏地の3層構造で、耐久性や快適性に優れる
☑︎ 長時間の使用やハードな登山向き
☑︎ 価格はやや高め
2.5層構造(2.5-layer)
表地
+ 防水透湿膜
+ 簡易裏地(薄いコーティング)
特徴:
☑︎ 2レイヤーに特殊なプリント加工を施し、裏地の代わりとしたもの
☑︎ 軽量で携帯性が高い、コストを抑えやすい
☑︎ 長時間の着用ではやや蒸れやすく、耐久性が劣ることも
2層構造(2-layer)
表地
+ 防水透湿膜
(裏地なし。インナーやメッシュライナーなどを併用)
特徴:
☑︎ 裏地がないため軽量
☑︎ 裏地がないため肌触りが悪いことも。着心地はインナー次第
☑︎ ファッション性の高いカジュアルモデルにも多い
それぞれの構造にメリット・デメリットがあるので、用途(登山・街用・携帯性重視など)や環境に応じて選ぶのがポイントです。
また、透湿性が高ければ必ずしも快適とは限りません。「高透湿=風も通しやすい」ため、標高が高く気温が低い場所では、体温が奪われて寒く感じることも。寒冷地・高山などの気温が低く風の強い場所では「透湿性+防風性」のバランスも重要です。
ファイントラックの防水透湿レインウェア「エバーブレスフォトン」がリニューアル!進化のポイントを徹底解説

国産アウトドブランド「finetrack(ファイントラック)」が手がける「エバーブレス®フォトン」は、同ブランドが誇る定番のレインウェアシリーズ。2012年の発売以来、その高い機能性と性能で注目を集め、ユーザーの間でも広く支持される人気アイテムとなっています。
エバーブレス®フォトンに使われている生地は、エバーブレス®ファブリックという、ファイントラック独自の防水透湿素材。防水性はもとより、行動中の蒸れにくさと動きやすさにこだわり、優れた防水透湿性と驚異のストレッチ性を備えています。
まず、エバーブレス®フォトンがもつ耐水圧は20,000mm以上。一般的にレインウェアに必要とされている耐水圧は10,000mm以上といわれているので、およそ2倍もの性能を備えていることになります。
次に、透湿性は10,000g/㎡/24hという数値で、耐水圧と比べると飛び抜けて優れる印象は受けません。ですが、前述した通り、透湿性が高ければ必ずしも快適とは限らないのがこの数値です。
透湿性を測る方法には種類があり、ファイントラックでは、実際の使用シーンの則したテスト結果を得られるA-1法という測定方法を採用。数値だけ見ると、透湿性には期待をもてないと思われるかもしれませんが、フィールドで着用したまま行動してみると、熱のこもりにくさは一目瞭然。
「実着用における実感」を重視した透湿性は、ユーザーの高評価からも証明されています。
最後に、ストレッチ性に関しては、縦に約107%、横に約117%という伸縮率をマーク。数多あるレインウェアのなかでも圧倒的に着心地がよく、ジャケットを着て腕を上げてもパンツを穿いて足を上げても、生地が突っ張って体の動きが妨げられることはありません。
ここが変わった!止水ファスナーと生地構造の進化に注目

エバーブレス®フォトンがリニューアルするのは、今年で2度目。リリースから13年のあいだに手を加えられたのが2回だけというもの、発売当初からの完成度の高さを表していますが、今回はさらに品質を高めるために、止水ファスナーとエバーブレス®ファブリックの裏地の作りが見直されました。
主な止水ファスナーには新たに、「AquaGuard®Tightened(アクアガード タイトゥンド)」というパーツを採用。2020年からYKKで開発が始まった製品で、ファイントラックは2022年に完成した初めてのプロトタイプからフィールドでテストを行い、フィードバックを通して協力してきた経緯があります。

「アクアガード タイトゥンド」が備える最大の特長は、強力な耐水圧です。従来の止水ファスナーは耐水圧がなく、裏側に隙間から浸入した雨水をせき止めるフラップを設けることで、レインウェアに求められる防水性を確保してきました。対して「アクアガード タイトゥンド」は左右のテープが密着する構造で高い耐水圧を発揮。そのため、エバーブレス®フォトンでは、「アクアガード タイトゥンド」が使われている部位はフラップが省略されています。
フラップを省くことで作りがシンプルになり、ファスナーを開閉するときにスライダーが生地を噛む心配がゼロに。不要なストレスを感じずにファスナーを操作できる点は、新しくなったエバーブレス®フォトンの大きな注目ポイントです。
裏地糸を20デニールに刷新:耐久性と透湿性の最適バランスを実現


エバーブレス®フォトンは、防水透湿性を持続させることにもこだわりをもって開発されてきました。
レインウェアの性能を長く維持させるためには、優れた撥水性のサポートが欠かせません。生地が水を弾かなくなると水蒸気が通り抜ける孔が水膜で覆われてしまい、透湿性が損なわれるばかりか、ウェア内に湿気がこもることで結露が発生しやすくなり、自身の汗で体を濡らしてしまうことにもつながるからです。それを防ぐために、エバーブレス®フォトンの生地は、表地と裏地の両面に耐久撥水加工が施されています。

今回のリニューアルでは、肌面に使用されているニット裏地の糸を15デニールから20デニールに変更。やわらかい生地感と肌触りを生み出すニット構造はそのままに、生地そのものの耐久性が向上。汗や皮脂汚れによって透湿孔が塞がれる現象も抑制され、性能劣化がより起こりにくくなるよう進化しています。
加えて、生地全体の構造も見直され、20,000回のストレッチテストではほぼ100%、30,000回の摩耗試験でも約80%という高い耐水圧の保持率を実現。
防水透湿性の耐久力において、群を抜いた信頼性を誇るレインウェアと言えるでしょう。
ますます頼もしく進化した山の相棒「エバーブレス®フォトン」

信頼性・快適性・耐久性のすべてにおいて進化を遂げた最新のエバーブレス®フォトン。過酷な環境下でも快適に行動できる高機能と、細部までこだわり抜かれた設計は、まさに山で頼れる一着といえるでしょう。
天候の急変がつきものの登山では、装備の選択がそのまま安全性につながります。新たな防水ファスナー「アクアガード タイトゥンド」の採用や、裏地糸の20デニールへの変更による性能向上など、着実なアップデートを重ねたこのモデルなら、あらゆるシーンで安心して身を委ねることができます。
変わりやすい山の天気に備えて、信頼できる一着を。進化したエバーブレス®フォトンとともに、これからの山歩きをより快適に、より安全に楽しんでください。