初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス

山々は緑に包まれ、本格的な登山シーズンに突入した今日この頃。天気予報とにらめっこしながら、山行の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。今回のテーマは、「初心者を連れて歩く山」。未経験者にとって、登山は思った以上にハードルが高く「どうやってはじめていいかわからない!」という方も。そんなビギナーが頼れるのは経験豊富な先輩……ということで、登山をはじめるのにぴったりなコーディネートとオススメギアをご紹介。「山に行きたい!」というお友達を誘って、夏の山に出かけてみてはいかがでしょうか?

絶景ハイクが楽しめる「霧ヶ峰」へ!

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

YAMAPクルーが向かったのは、八ヶ岳の北に位置する「霧ヶ峰」。車山(長野県・標高1925m)をはじめとする山々が連なる山域で、多彩なハイキングコースが整備されているのが魅力です。八島湿原周辺には木道が設けられ、登山初心者でも安心して楽しめます。

今回は、YAMAP STOREスタッフの伊藤(左)と小谷野(右)がナビゲーターとなり、登山ビギナーのうららさん(中)の登山デビューをサポートします。

YAMAP STORE コンテンツディレクター

伊藤 真理(いとう まり)

YAMAP STOREのコンテンツ製作に携わっています。YAMAP入社後、周囲に影響されて始めたトレイルランにどっぷりハマり、山を駆け抜ける喜びを噛み締めています。ダンスやキャンプ、山で生まれる交流が好き。やりたいことがありすぎて一年があっという間です。

和田 うらら(わだ うらら)

10歳でダンスをはじめ、ヒップホップ、ガールズ、R&B,ハウスなど様々なジャンルを学ぶ。独創的な世界観を編み物に落とし込んでいる"uraporin the world"を展開し、不定期で販売中。 山登りにもこれから挑戦していきたい。

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YAMAP STORE 商品企画

小谷野 聡(こやの さとし)

アパレルメーカーでの商品企画職からキャリアを積み、アウトドア好きが昂じて、某有名アウトドアショップの看板スタッフにキャリアチェンジ。2023年よりYAMAPにて商品企画開発を担当している。アウトドア歴は20年。低山ハイクから北アルプスの縦走登山、雪山のテント泊までなんでもこなすオールラウンダー。試したいアイテムをモリモリに詰め込んで、1泊のテント泊が縦走並みの荷物になる時があるのが悩みのタネ。

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

コースは、八島湿原駐車場の登山口から(男女倉山)ゼブラ山までの往復4.5kmほどのルートをセレクト。のんびりハイクで山を歩き、山頂でピクニックを楽しもうという計画です。コースタイムは片道1時間ちょっと。余裕があればその先の北の耳や南の耳、さらには車山まで足を伸ばしてもOK。体力や楽しみ方にあわせてルートを選ぶことができ、ビギナーでも安心して楽しめる山なんです。

  • 小谷野

    「天気がよければ、南アルプスはもちろん、北アルプスや中央アルプスまで見わたせる景色のよさも魅力です」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

まずは、コーディネートのチェックから。

  • うらら

    「登山用のウェアって、どういうものを選んだらいいのかわからなくて。普段着ではダメなんですよね?」

  • 伊藤

    「街で着る服と登山ウェアにはたくさん違いがあるんだけど、まず知っておいてほしいのが『素材』。山用の服は、汗をかいても快適さを維持してくれたり、雨に濡れてもすぐ乾く速乾性を持たせていたりと、さまざまな機能があるんです」。

  • うらら

    「なるほど! でも、想像していた登山ウェアよりも、カジュアルな感じ。もっとハードルが高いと思ってました」

  • 伊藤

    「今日のコーデは、ぱっと見は街使いでも違和感のないアイテムを選んでみました。スポーティーな感じを抑え、落ち着いた色味とデザインがポイント。実はセレクトしたアイテムはすべてユニセックス展開で、パートナーとお揃いで着ることもできるんですよ!」

日帰り登山コーディネートの基本ポイント

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

まずは、「ジャケット」から。山では稜線に出た時に強風が吹いたり、標高が高くなると気温が下がったりと、環境の変化が大きいんです。そのため、夏場も長袖のジャケットがあると安心。今回着用している「ゴージャケット」は、スウェーデンのアウトドアブランド「HOUDINI(フーディニ)」のソフトシェルジャケット(ストレッチ性や通気性に優れたジャケット)。動きやすさを支えるストレッチ性、多少の雨でも濡れにくい撥水性など、アウトドアで活躍する機能を備えています。

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

多彩なポケット類やベンチレーションにもなるダブルジッパーなど、使い勝手のよさを追求したデザインも魅力。適度な通気性と防風性があるので、低山ハイクからアルプス登山まで幅広く活躍してくれます。

  • 伊藤

    「いい意味で山っぽくないデザインがイチオシ。トラベルやキャンプ、街使いもできるオールラウンダーなんだよ」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

インナーには、同じく「フーディニ」の「フーディニツリーT」をセレクト。肌に触れるウェアは、快適性を大きく左右するアイテムです。たくさん汗をかく夏山では速乾性と吸湿発散性が必須の性能。「綿100%のシャツは登山に向いていない」と言われる理由は、この性能に劣るためです。

  • 小谷野

    「こちらはリヨセル繊維と呼ばれる自然由来の機能性素材を採用。吸湿発散性と通気性に優れているので、どんなときもサラッとした着心地を提供してくれます」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

日差し対策の必需品、ハットもお忘れなく! 「YAMAP限定 クレビスハット」はクラシックな見た目ながら、着用感に優れるストレッチ性のあるリップストップ素材を使用した本格的なアウトドア仕様。帽子と言えば、大きく分けてハットとキャップがありますが、首裏の日焼けを防ぐならハットに軍配が上がります。頭は意外と汗をかくので、シャツと同じく速乾性・吸湿拡散性を持つ素材を選ぶのがベター。

  • 伊藤

    「素材も登山向きだし、形状回復性も高く、バックパックに入れておいてもシワになりにくいスグレモノ!」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

歩きを支えてくれるシューズは、ハイキングからトレイルランニングまでさまざまなシューズを展開している「SALOMON(サロモン)」の「ジェネシス」をピックアップ。ハイカットやミッドカットに比べて、軽量なローカットタイプのトレイルランニングスタイルですが、足を優しく包み込むアッパーや悪路でも安定性を損なわないソールなど、信頼性の高いスペックを誇ります。

「ジェネシス」の魅力が、「クイックレースシステム」と呼ばれるワンタッチ仕様を採用していること。一般的なシューズのように靴紐を結ぶタイプよりもスピーディーな調整が可能です。

  • 小谷野

    「パーツと余ったコードは専用のポケットに収納できるため、歩いているときに引っからなくて安心です」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

コーデチェックを済ませたら木道を歩いていきます。八島湿原をぐるっと周回するように整備されてる道は贅沢な山歩コース。見上げれば霧ヶ峰の山々が。木道の終点からゼブラ山へは登り道を進んでいきます。

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
  • うらら

    「登りがつづくと暑い! こういうときはどうしたらいいのかな?」

  • 伊藤

    「気温が低くても、体を動かすと汗をかいてしまいます。そんなときは、ジャケットのジッパーを開けたり、ウェアを脱ぎ着して体温調整をしましょう!」

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
  • うらら

    「天気にも恵まれて、すごい絶景! でも思ってたより日差しが強いですね……」

  • 伊藤

    「山では遮るものが何もない場所をずっと歩かなければいけない時もあるので、普段よりしっかりとした紫外線対策が必要。 日焼けで思ったより体力が奪われてしまうこともあるんですよ! 」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

夏山では紫外線対策のために長袖を着用するのが理想的。でも、気温が高く、汗をたくさんかいてしまうようなシーンでは、できれば半袖で歩きたい…という方もいるはずです。そんなときにオススメなのが、「Goldwin(ゴールドウィン)/C3fitクーリング アームカバーウィズ パームです。

  • 伊藤

    「紫外線カット率85%以上(ホワイトの場合)なのに、薄手素材でサラッとした着用感。しかも驚きなのが「涼感機能」。腕を動かしたり、風があたるとひんやりとした感覚があるんです。夏の暑さ対策にもバッチリ!」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

帽子も夏の必需品。紫外線だけでなく、強い太陽光から目や顔を守ってくれる大切なアイテムです。伊藤が着用している「YAMAPオリジナル ルートハット」は、清涼感のあるメッシュ生地に首の日焼けを軽減してくれるシェードをプラス。取り外し可能なのでシーンにあわせてコーディネートを楽しめる逸品です。

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

サングラスは、日本発のブランド「FLOAT(フロート)」を代表するモデル「リゲル」。紫外線カット率99.9%の偏光レンズが強烈な照り返しや乱反射をカットして目の疲れを軽減してくれます。一般的なサングラスと比べて風景の色味の変化が少ないのが特徴です。

  • 伊藤

    「サングラスで目を守りたいけれど、空の青さや山の緑が楽しめないのは残念……という方にこそ試していただきたいアイテムです」

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

最後に紹介するのは「YAMAPオリジナル トレイルタンブラー」。保冷保温タイプなので、夏は冷たいドリンクを持っていけば、山頂でクールダウンすることが可能。ちなみに炭酸OKな仕様なので、携行できるドリンクの幅が広いのがポイントです。

  • 小谷野

    「こっそりビールを入れて……きてはないです!(笑)」

テーマは「暑がりのための通気コーデ」YAMAP伊藤のコーディネート

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
  • 伊藤

    「足捌きが良いショートパンツに、カジュアルになりすぎないようシャツを合わせた、暑がりにおすすめ通気重視のコーディネートです。シャツは身幅がゆったりめだけど全身で使うカラーを同じ色味で合わせて縦にラインができるようにすることで、スッキリ見えるように工夫しています」

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
  • 伊藤

    「フーディニのツリートップはシャツの中ではショート丈の仕様で、裾がもたついて邪魔になる事がないです!肌触りがとても良く、麻のような質感は汗でベタつきがちな季節にもストレスなく着られます」

  • うらら

    「裾を絞ってシルエットをアレンジできるのもいいですね!」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

夏山の暑さ対策として抑えておきたいのが、インナーのクール化。「ショートスリーブドライドットライトクルー」は、ゴールドウィン独自開発の「DRY DOT テクノロジー」を採用。小さなドットが設けられたを二重構造の生地で、汗の吸水拡散が抜群です。

  • 伊藤

    「汗をかいても肌に張り付かないので汗冷えしにくいんです」

テーマは「リラックス登山」YAMAP小谷野のコーディネート

初心者にオススメの夏山ウェア&シューズ|経験豊富な先輩がアドバイス
  • 小谷野

    「今日は、リラックス重視にコーデにしてみました。いつもガチガチの登山スタイルなので、ゆったりサイズ&普段着でも使えるデザイン性の高いアイテムを組み合わせています。サイズはゆったりめで、街着っぽい感じですが、Tシャツは匂いが出にくいウール混素材で汗対策も考慮していますし、シャツは防風性があってウインドシェル的に使えるものを選びました。山の上では風が強くて寒い!ということもあるので防風・防寒対策もしています」

  • 伊藤

    「登る山に合わせてコーディネートできるのも、登山ウェアの楽しみのひとつ。山行を重ねながらお気に入りを見つけていくのもいいですね」

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基本装備を揃えて、夏山登山を快適に楽しもう!

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

景色を楽しみながらのんびりハイク。あっという間にゼブラ山に到着。山頂からは山々を見わたす大パノラマが広がっていました。

  • うらら

    「登山のウェアや装備選びって、もっと難しいものだと思っていました。」

  • 小谷野

    「もちろん、登る山やスタイルによって、装備は変える必要はある。でも、第一歩を踏み出すのが大事。ちょっとずつ学んでいけばいいんだよ」

  • 伊藤

    「これからは本格的な夏山シーズン。次は八ヶ岳あたりなんてどう?週末の予定、空けておいてね!」

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

山頂の広場でピクニック。コーヒーを淹れたり、ホットサンドメーカーでサンドイッチをつくったり、のんびり自然を楽しみました。霧ヶ峰エリアは緩やかな山が連なり、はじめての登山にぴったり。隣接する八ヶ岳連峰を望むことのできるロケーションのよさも魅力です。この夏は、友達を誘って、山の絶景を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

YAMAP STOREセレクト「はじめての山」3選!

山を好きになって欲しい友達と行く、夏山歩きとウェア&ギアのすすめ

1)木曽駒ヶ岳(中央アルプス)
中央アルプスの最高峰である木曽駒ヶ岳(標高2,956m)。カール地形が美しい千畳敷まではロープウェイでアクセスできることもあり、手軽にアルプスの絶景を楽しめます。山頂の木曽駒ヶ岳はもちろん、スリリングな岩場歩きができる宝剣岳など、日帰りハイクからテント泊・小屋泊の登山までバリエーション豊かな山行を楽しめます。

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2)北横岳(八ヶ岳)
こちらもロープウェイを活用した山行プラン。山頂駅の標高は2,237mあり、辛い樹林帯のアプローチをスキップすることで、のんびりと八ヶ岳の山々を歩くことができます。北横岳山頂の往復は、コースタイムで約3時間ほど。休憩や安全の拠点となる山小屋もあるため初心者でも安心して八ヶ岳の山々を楽しめます。

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3)日光白根山 (群馬・栃木)
標高は2,578m。火山ならではのダイナミックな山並み、弥陀ヶ池、五色沼といった湖沼、夏にはシラネアオイやコマクサなどの高山植物が咲き誇ることから、人気の高い山のひとつとなっています。ロープウェイを利用した山頂往復の白根山ルートは約5.5時間のコースタイム。本格登山のデビューにはぴったりの山と言えるでしょう。

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