快適＆おしゃれに楽しむ「初夏の山コーデ」の基本

暑さがストレスとなり、半袖や半ズボンを選びがちなこれからの季節。しかし夏山は、他の季節に比べて肌を露出することによるリスクが増えてきます。

例えば、虫刺され。沢沿いで、ヤブ蚊やブヨ、アブなどの害虫に追い回されることは多々あります。湿度が高くなると、ヒルも増えてきます。すぐに処置できない山中で刺されてしまうと、かゆみがひどくなったり、跡が残ったりすることも。

また、意外と油断してしまうのが日焼けのリスク。一見涼しそうな半袖、半ズボンスタイルですが、肌を太陽にさらすことで、脱水症状や熱中症の危険が増すことも。日焼けをすると、体力の消耗にもつながります。

どの季節でも言えるのは、肌を露出することによる怪我のリスク。岩場や木の枝による擦り傷や、転倒したときの打ち傷リスクも高くなります。

日が長くなり、寒さの心配も少なくなるこれからの季節こそ油断大敵。いますぐにでもできるウェアの着こなしを工夫することにより、リスクを最小限に留めましょう。

上半身は、通気性と透湿性・吸汗速乾性に優れた長袖ウェアを羽織りつつ、脱ぎ着したり、ベンチレーションを開けたりして、汗だくになる前にさっと涼しさを確保できるレイヤリングを選びましょう。

下半身は気軽に脱ぎ着できないため、通気性が良く肌にまとわりつかないロングパンツや、ショートパンツに夏用タイツを履くのがおすすめです。 

ここからは、上記でご紹介したリスクを回避しつつ、おしゃれに着こなせる具体的なコーディネート例を、シルエット別にご紹介。シルエットはYライン、Hライン、Aラインの３つです。

アクティブ派におすすめなのは、ショートパンツで足元をすっきりと動きやすくまとめた「Yライン」。

山だけでなく街着でも使いたいという方には、上下ともゆったりした「Hライン」。

シンプルなコーデでリラックスした時間を過ごしたい方には、トップスはスッキリ、ボトムスはゆったりまとめた「Aライン」。

好みのシルエットや自分の山行スタイルに合うものを見つけて、ぜひ試してみてください。

アクティブ派におすすめのYラインは、上半身に余裕を持たせつつ、下半身はすっきりとさせる逆三角形シルエット。スポーティーに見せたい時におすすめです。足元はショートパンツにサポートタイツで動きやすいため、歩行時間が長い山行や、岩場、鎖場が多い山などでは、足さばきがよく歩きやすいでしょう。

天候の変わりやすいこれからの季節に重要なレインウェア。でも、最もストレスを感じやすいアイテムでもあります。「Goldwin（ゴールドウイン）/パーテックスシールドエアーアドバンスドライトジャケット」は、レインウェアでありながらウィンドシェルのように使える軽さと通気性を兼ね備えたジャケットです。

高温多湿の環境下でも、着たまま行動することを想定して開発されたハイテク素材「パーテックスシールドエア」を使用。高い透湿性、通気性、耐久性と、光が透けるほど薄くしなやかな生地が、夏山登山のストレスを解消してくれます。

袖口のフラップ、裾のドローコード、ポケットを省くなど、細部まで軽量化を追求したつくりで、レインウェアとは思えない軽さです。

インナーには、ウールと化学繊維のよさをいかした生地を使用した「ゴールドウイン/アドバンスドライトハイブリッドウールティーシャツ」をイン。

ハイブリットウールは、ウールの持つ温度・湿度の調節機能と防臭性、ポリエステルの持つ吸汗速乾性を兼ね備えています。背中側には通気性の高いメッシュ素材を使用することで素早く汗を外に逃がしてくれるので、暑い時期のインナーにぴったり。

ショートパンツには、サポートタイツ「ゴールドウイン/インパクトブリーズロングタイツ」を合わせて。サポートタイツは、筋肉や脂肪のブレを防ぎ、運動効率を上げてくれる登山の心強い味方です。でも、夏場にピッタリとしたタイツを履くのは暑そうと、敬遠していた人も多いのでは？

この「インパクトブリーズロングタイツ」は、熱がこもり汗をかきやすい足の付け根や太もも部分にメッシュ素材を使用することで蒸れを解消し、涼しさをキープしてくれます。また、部分的にメッシュ素材を使用することで、締めつけすぎることなく適度な圧着で履き心地もソフト。

ソフトな履き心地でありながら、動きの激しい膝周りやふくらはぎ、安定感の欲しい腰回りはしっかりとサポートしてくれるパターンが採用されています。テント泊縦走が増えるこれからの季節には頼りになるアイテムです。

Hラインは、上半身・下半身共にゆったりしたシルエットのこと。ラフな雰囲気を出しつつ、気になる体型を隠すことができるところもポイントです。いかにもアウトドアなスタイルが苦手な人、山から街まで幅広く活躍するアイテムが欲しい人におすすめ。

ここ数年の山シャツブームにより、羽織ったり、ボタンを開けたり閉じたりと、シャツの使いやすさが見直されています。今回のおすすめは、軽量で強度のあるリサイクルナイロンを使用した「ゴールドウイン/フィールドベンチナイロンシャツ」。撥水加工が施され乾きやすく、汗をかいてもサラッとしていて着心地抜群です。

特徴は、脇から裾にかけての大胆なベンチレーション。ダブルファスナー仕様のため、汗ばんできたら脇だけ開放したり、裾側だけ開けてお腹周りをゆったりさせたりと細かい調節が可能。

ワッシャー加工を施した生地はコットンのような風合いを持ち、普段着としても使いやすい1枚です。

山シャツの中にレイヤリングするのは、速乾性と着心地のよさを両立させた「ゴールドウイン/コンベクシティコンフォートTシャツ」がおすすめ。

肌に接する面には、吸水性を高めるナイロンを使用し、吸い上げた汗は表面のポリエステルがすばやく拡散。肌を常にドライに保ってくれます。

抗菌防臭加工が採用されていたり、UVプロテクト機能（UPF50＋ 紫外線カット率95％以上）があるのも夏場には嬉しいポイントです。

とことん着心地を追求した凹凸のある生地は、ニットのようなストレッチ性と肌触りが特徴。泊まりがけの山行が増える夏山登山で、行動中だけでなく、テントや小屋で休む時にも着用したい着心地の良さです。

Hラインのスタイルでは、パンツもゆったりとしたシルエットに。ワイドパンツは山で邪魔になるのでは？と思われる人もいるかもしれません。

この「ゴールドウイン/ワイドアンクルイージーパンツ」なら、裾をドローコードで絞ることができるので、足にまとわりつくこともなく、足上げのストレスも軽減してくれます。シューズに合わせて裾の形を変えてみるのもおすすめです。

素材はポリエステル100％。ストレッチ性と通気性、速乾性だけでなく、UVケア（UPF15-30 紫外線カット率85％以上）、撥水性も備え、普段着の雰囲気をまといながらもアウトドアに便利な機能を十分に備えた使えるパンツです。

Aラインは、上半身をタイトにまとめ、下半身にボリュームを出すシルエットのこと。重心を下に持ってくることで、安定感のある美しいシルエットをつくれます。ボリュームのあるパンツを合わせて、リラックスしたこなれ感を出してみてはいかがでしょう？

この服装で登山？と思われる人もいるかもしれません。そう、このスタイルは、日常＋山、旅行＋山など、山と何かを組み合わせた、のんびり低山派におすすめのスタイル。日の長い時期だからこそ楽しめる山行スタイルです。

トップスの「ゴールドウイン/ブリーザブルドライエアーフリースロングスリーブティーシャツ」は、季節を問わず快適に着られる汎用性の高いベースレイヤーです。春や秋にはベースレイヤーとして、冬は保温性を保つ薄手のミッドレイヤーとして、夏はTシャツとして1枚で着ても肌をサラッとドライに保ちます。

生地には吸汗速乾性に優れ、軽量な素材「Octa」を採用。汗をすばやく拡散させながら、細かな起毛によりやわらかな肌触りです。

肌に接する面には撥水加工を施しているため、拡散させた汗を再び戻すことなく汗ばむ夏でも快適に過ごせます。

ボトムスに合わせるのは前出の「ゴールドウイン/ワイドアンクルイージーパンツ」。シャツがシンプルな分、ワイドパンツのシルエットが映えます。裾のドローコードを絞ったり緩めたりして調節することで、シーンに合わせたスタイルに。山では裾を絞って、下山後は広げてゆったりと。

カラーはブラックとオリーブの2色展開。Tシャツがイエローならパンツはブラック、Tシャツがグレーならパンツはオリーブにするなど、モノトーン✕アースカラーにすることでこなれ感を出すことができます。

Y、H、Aラインと一般的に使われるシルエットを例に説明してきましたが、アウトドアウェアを着こなすうえで一番かっこいいのは、その機能を理解し存分に生かして着てあげること。

街中でもアウトドアウェアを着こなしている人をよく見かけるようになりましたが、過酷な環境下でも快適に過ごせるよう研究開発されたウェアの真価が発揮されるのは自然の中でこそ。その真価を試すべく、ファッションを楽しみつついざ山へ！