6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

登山は、「歩く」というシンプルなアクティビティであるからこそ、ムレ、ニオイ、ズレなど、足回りのトラブルがストレスになりやすいものです。小さなアイテムながら、靴下選びが登山の快適性を大きく左右すると言っても過言ではありません。

YAMAPでは、日本の靴下産地である奈良県のファクトリーとタッグを組み、オリジナルの登山向け靴下「トレイルソックス」を開発しています。素材選びから構造設計に至るまで、登山での利便性を追求したオリジナルの靴下。その実力を確かめるべく、6泊7日間、履き替えなしで使い続けるというリアルテストに挑戦しました。

「本当にムレないの?」「ニオイは大丈夫?」など、多くの人が気になるポイントを徹底検証!アウトドアだけでなく、日常使いでも活躍する可能性を秘めたこの靴下の実力を、余すことなくお伝えします。

<着用テストを行った製品はこちら>

YAMAPトレイルソックスの特徴をおさらい

レビューに進む前に、今回着用テストを行った「トレイルソックス ウールナイロンタビミドル イージーフィット」について簡単にご紹介。肌に直接触れる足元のベースレイヤーでありながら、ギアとしての機能性も求められる「登山用のソックス」として開発された、この靴下の特徴に迫ります。

POINT①:指をしっかり使える「足袋」デザイン

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

足袋は、親指とそれ以外の指が分かれるデザインによって、指を自然に広げやすくし、地面を掴む動きをサポート。親指は歩行時に力を発揮する要であり、他の指は接地面を広げてバランスをサポートする役割を担っています。こうした指の働きを活かすことで、安定感のある歩行が可能になり、足底の筋肉が鍛えられるために外反母趾の予防や姿勢改善も期待できます。

POINT②:足のアーチを支えるテーピング構造

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

この靴下を製造している奈良県のファクトリー「西垣靴下」の社長は、大の登山愛好家。自身の豊富な登山経験と高度な技術を活かし、靴下製造における数々の特許を取得してきました。その中のひとつ「テーピング構造」は、プロが施すテーピングのような効果を発揮し、足のアーチをしっかりサポートします。

また、この構造により靴下のフィット感が高まり、歩行中に靴下が緩んだりずれたりするのを防ぎます。さらに、フィット感が向上することで足の汗を素早く吸収し、肌に汗をためないためムレ感が軽減され、長時間の歩行や運動時にも快適さが保たれます。

POINT③:編み込む滑り止めで、外も内も滑らない

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

靴の中で足が動いてしまうと、運動時の力がうまく地面に伝わらず、疲れやすくなるだけでなく、靴擦れなどの怪我につながることもあります。足指の動きを地面までしっかり伝えるためには、足、靴下、シューズが一体となることが非常に重要です。

この靴下には、細いゴム糸を編み込む滑り止め機能が組み込まれています。ゴム糸は足指の付け根部分とかかとの手前に配置され、編み込むことで靴下の内側と外側の両方に滑り止め効果を発揮するのが特徴です。

靴の中で靴下がたるんだりシワになったり滑ったりするのを防ぐ上、足と靴下、さらに靴との一体感が飛躍的に向上します。その結果、靴擦れを予防するなど、快適な歩行をサポートすることができるのです。

POINT④:ウール×ナイロンで匂わず快適

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メイン素材には、調湿性と防臭性に優れたウールと、摩擦に強いナイロンを組み合わせた特製糸を使用しています。

メリノウールは汗をかいても蒸れにくく、長時間履いても臭いが気にならない自然由来の機能素材です。その一方で、耐久性が弱いという欠点がありますが、ナイロン糸を組み合わせることで摩擦に強い靴下を実現しています。

POINT⑤:優しい履き心地のイージーフィット

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

長時間の着用を考慮し、履き心地や締め付け感にも配慮しています。ミドルカットの靴にも対応するミドル丈で、足を柔らかく包み込む太めのリブを採用しました。これにより、山歩きで足がむくみやすい方でも快適に履ける設計になっています。


 7日間、計160kmのロングハイキングでの使用感をレビュー

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

ここまでご紹介してきた「トレイルソックス ウールナイロンタビミドル イージーフィット」。果たしてこの靴下は、7日間・計160kmというロングハイキングでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか?YAMAPスタッフによるリアルな体験をもとに、その答えをお届けします。

YAMAP バックオフィス

愛澤 僚典(あいざわ りょうすけ)

山が好きすぎて2024年3月にYAMAPに入社。情シスや総務、カルチャーコミュニケーションなどのバックオフィス業務を担っています。 夏のアルプステント泊縦走が大好物。最近は海外登山に興味津津。活動日数は年間75日ほど。

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こんにちは!YAMAPスタッフのあいずーこと、愛澤です。 7日間の休暇を利用して、「大阪から東京へ、できるだけ山道を通りながら歩く」というチャレンジに挑戦しました。(活動日記はこちら

ロードとトレイルの割合は半々。途中でバスや電車を使いつつ、3つのセクションを歩いてみることにしました。

今回実際に歩いたのは以下の3区間です:
和歌山県・熊野古道中辺路(65.3km)
愛知県・伊良湖岬からJR二川駅間(56.3km)
神奈川県・大山登山口から高尾山口(45.1km)

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

朝から晩まで歩き続け、夜もそのまま履き続けた「トレイルソックス ウールナイロンタビミドル イージーフィット」。今回は、7日間のハイキングを通じて感じたリアルな使用感をお届けします!

1日目:最初に感じたのは「フィット感」

普段から登山でウールソックスを愛用している僕ですが、この靴下で特に大きな違いを感じたのは「フィット感」です。履いた瞬間はやや窮屈に感じたものの、歩き始めると足にしっかりフィットし、ズレることなく快適な履き心地に。さらに、メリノウール特有の消臭性も素晴らしく、就寝前に脱いで匂いを確認してみましたが、全く気になりませんでした。

2日目:氷点下でも足先は快適

2日目はテント泊。気温は氷点下2度まで下がり、朝には芝生やテントが霜で覆われるほどの冷え込みでした。夜もこの靴下を履いたまま過ごしましたが、ウール素材のおかげか寒さを感じすぎることもなく、保温性についても問題なさそうです。

3日目:若干のニオイはあれど、履き心地はそのまま

熊野本宮大社を目指して65.3kmのトレイル区間を歩き切った時点で、さすがに足に疲れが出始め、痛みも感じるようになったためバスで移動することに。街に戻り、靴下の匂いや履き心地に変化があるか確認してみたところ、若干匂いを感じるものの、まだまだ気にならない程度。履き心地は依然として快適で、4日目も引き続きこの靴下を履いて過ごすことにしました。

4日目:街歩きにも馴染むシンプルなデザイン

この日は、三重に住む友人と合流し、伊勢神宮を参拝するなど観光を楽しみました。足首やふくらはぎを圧迫しすぎないルーズフィットなリブのおかげで、リラックスシーンでも違和感なし。さらに、ロゴや柄のないシンプルなデザインが街着スタイルにもマッチし、観光中もアウトドア感を気にせず過ごせたことも印象的でした。

観光を終えた後は鳥羽港からフェリーで伊良湖岬へ移動。テントを張る場所を探し、公園にたどり着きました。近隣の住民の方に許可をいただき、公園にテントを設営。実はこの日は大晦日。公園で一人静かに年越しを迎えるという、少し寂しくも特別なひとときとなりました。

5日目:砂浜でも驚きの安定感

この日は、海沿いの砂浜を歩き続ける、最も過酷な40km超の行程でした。砂浜は不安定な地面で足を取られやすく、滑りやすいだけでなく、余計な力が入ることで疲労が増しやすい環境。しかし、この靴下の特徴である編み込みのすべり止め構造がしっかりと機能したおかげで、踏み込んだ力をしっかり地面に伝えることができ、安定感は抜群。ストレスフリーな履き心地を改めて実感しました。

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

6日目:身体の一部のような履き心地

2つ目のセクションを歩き終え、一気に丹沢山地、大山の麓まで移動。ここからゴールの高尾山口駅を目指して歩いたのですが、これくらい靴下を着用し続けると自分の身体の一部のような感覚になるんですね。履いていてストレスがないからそう思えたのかもしれません。
足袋型なので履いていたベアフットシューズとの相性も良く、足指の自由な動きを助けてくれましたし、指の間にムレを感じることもありませんでした。ちなみに気になるニオイですが、3日目から変化なし。驚きの防臭力を実感した6日目でした。

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証▲大山阿夫利神社からの景色

7日目:帰宅までずっと履き続けられた!

ついにゴール。目的地の高尾山口駅に無事到着することができました。ここには何度も来ていますが、到着した際の達成感はもちろんこれまでで1番。さすがに7日も履き続けたので、嫌になったら着替えようと思って替えのソックスも持っていたのですが、ニオイも気にならず、帰りの電車でもそのまま履き続けられたので、結局無駄になりました(笑)。

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

着用テストの総評は…?

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証


消臭性:◎

2日目までは全く匂わず、3日目以降は「嗅げばわかる程度」の軽いニオイが発生。ただし、7日目にも漂うようなニオイはなく、1週間の連続使用にも支障はありませんでした。7日も履き続けることはそうないと思うので、2泊3日、3泊4日などの長期縦走でも問題なく履き続けられると思います。

フィット感:◎

履き始めは窮屈に感じたものの、歩行中はズレることがなく快適。この7日間を通して、舗装路、トレイル、砂浜などさまざまな場所を歩きましたが、このフィット感と足袋型のデザインが、歩きやすさに直結していると実感することができました。

保温性:◯

今回は低地メインでの着用テストでしたが、歩行中のオーバーヒートもなく、ちょうど良い温度感でした。夏でも涼しい高山であれば、通年問題なく使用することができそうです。

耐久性と汚れ:◯

白い靴下でテストをしたのでさすがに7日間の行程を終えた後は土汚れが目立ちました。しかし、過酷な行程を経ても穴が開くことなどはなく、ナイロン混紡の耐久性能を実感。汚れが気になる方は、濃い色の靴下を選んでいただくのがおすすめです!

YAMAPのウールソックスを、アクティビティの相棒に!

6泊7日連続使用&160km踏破!YAMAPオリジナルウール靴下の実力を検証

YAMAPスタッフ・あいずーが身体を張って挑んだ7日間のレビュー、いかがでしたか?実際の山行を通して得られたリアルな感想から、この靴下の実力が伝わったのではないでしょうか。特に、登山中に気になりがちなニオイの問題への対応力や、山歩きのために設計されたディテールが高く評価されました。

今年、さらにアクティブに山を楽しみたい方にとって、頼れるアイテムになること間違いなしです。「トレイルソックス ウールナイロンタビミドル イージーフィット」を履いて、快適な山歩きをぜひお楽しみください!

<YAMAPオリジナルTRAILSOCKS製品一覧>

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