「YAMAP STORE AWARD 2021下半期」受賞アイテムを発表
あっという間に2021年も残すところわずか。恒例の「YAMAP STORE AWARD」も、下半期の受賞アイテムを発表する季節がやってきました。
YAMAP STOREでは、下半期もスタッフが吟味を重ねた結果ほれ込んだ、高品質でユニークな商品の数々をご紹介してきましたが、その中でもっとも注目されたアイテムに送られるのが、「YAMAP STORE AWARD」。ウェア部門、ギア・その他部門に分けて、それぞれにゴールド・シルバー・ブロンズの受賞アイテムを選定しました。今年は、シェルやアウターよりもインナーや小物に注目が集まった印象です。
選考の基準として、商品としての機能性や性能、人気を示す販売数はもちろんですが、そのアイテムによって、「アクティビティがより楽しくなるか」という点にも注目しました。大切な自然やフィールドを守るというテーマも、重要な選考ポイントのひとつです。
今回は、新しい発想やアイデアで、これから先の定番となるであろう、息の長さを感じさせる良作が揃いました。さっそくご紹介していきましょう。
ウェア部門
【ゴールド】
finetrack(ファイントラック)
ドライレイヤーウォーム ブラトップ ロングスリーブ
栄えあるゴールドの栄光を掴んだのは、ブラ付きのロングスリーブメッシュシャツ。ベースレイヤーの下にもう1枚重ねて着ることで、汗をすばやく処理して肌をドライに保つ「ドライレイヤー」のなかでも、保温性を重視した「ウォーム」シリーズからの1着です。
2021年秋冬シーズンに登場した、1枚でブラ機能、保温、汗処理もこなす万能アイテム。冷えやべたつきなど、汗によるバスト周りの悩みを軽減し、締め付け感や肌ストレスのない着心地も実現させました。タンクトップ型のものはこれまでにもありましたが、ロングスリーブにブラ機能を付けたのは画期的。汗処理の先駆者finetrackの技術と、女性ならではの発想が生んだ商品は、ニッチな存在ながら非常に多くの支持を集めました。
評価者の声
・着る枚数が増える冬こそ、1枚で済めば荷物も減るし、着替えも楽なのでありがたい。締め付け感のないブラタンクの着心地が気に入っていたけれど、冬は仕方なくブラに長袖を重ねていたので、よくぞ作ってくれたという感じ。
・実際に山登りをする女性でなければ作れないアイテム。ひと目見て、冬場のレイヤリングで漠然と感じていた不満に気づかされた。ソフトなのにフィット感もあって、ずり上がりなどのストレスもない。これで汗処理も保温もできるなんて、まさに万能!
【シルバー】
C3fit(シースリーフィット)
アドバンスウォーム ロングタイツ
登山をはじめとするスポーツでの運動効率アップが期待できるものの、少しハードルが高いイメージのあるコンプレッションタイツを、もっと気軽に取り入れられるように。シンプルで使いやすい、エントリー向けのロングタイツがシルバーに輝きました。
コンプレッションタイツに最も重要な「着圧」に機能を絞ることで、リーズナブルな価格を実現。関節や筋肉のブレを抑制し、登山中の運動効率アップや疲労軽減効果が、シンプルだからこそしっかりと体感できます。着圧が高すぎないソフトな履き心地なので、高サポートタイプにありがちな、タイトすぎて動きにくい、着脱が大変などというストレスもなく、UVカット機能付きもうれしいところ。登山以外にも、ジムやヨガなどに使える汎用性も魅力のひとつでしょう。
評価者の声
・この価格で効果があるなら、試してみようと思える。シンプルなデザインだが、サイドの切り替えのせいか、足がすっきり見えるのもいい。
・以前使っていたタイツは、キツすぎて足上げがしにくく、脱ぐのも履くのも一苦労で、効果はあったが結局使わなくなってしまった。これなら履きやすそうなのでまた使いたいし、初めてコンプレッションタイツを試す人にも勧められる。
【ブロンズ】
patagonia(パタゴニア)
R1エア クルー
「動けば暑い、止まると寒い」という冬のアクティビティを、快適に過ごすための機能派フリースがブロンズを獲得。保温性と通気性という相反する要素を併せ持たせることで、着たままで行動し続けられる「アクティブフリース」という新しいカテゴリーを確立しました。
中空糸を使用したフリースは、繊維の中に空気を取り込んで、薄手でありながら高い保温性を発揮。運動量が増えて衣類内の温度が上昇すると、ジグザグ状に見える隙間が通気性を発揮して、内部の熱を放出して、オーバーヒート状態を解消します。通気性を意識した保温素材が多く開発された今も、フリースならではの優しい着心地と扱いやすさの魅力は健在。100%リサイクル素材を使用するなど、環境に配慮した点も評価されました。
評価者の声
・薄くて暖かいのに暑くなりすぎず、ストレッチ性も高くて着心地もいいので、いろいろあっても結局これに手を伸ばしたくなる。パタゴニアらしいデザインもいい。
・従来の毛足の長いタイプとはまったく違うイメージだが、軽くて着心地のいいところはフリースそのものという感じ。アクティブシーン用の機能が特徴だが、暖房による温度差が激しい街使いにも重宝しそう。
ギア・その他部門
【ゴールド】
KATADYN(カタダイン)
ビーフリー (0.6L / 1.0L)
ギア部門のゴールドには、軽量コンパクトな浄水ボトルが選ばれました。ソフトフラスクのような柔らかな樹脂素材でできたボトルには、キャップ部分に浄水フィルターが内蔵されていて、川などから汲んだ水を、キャップから直接飲むことができる、シンプルなスタイルです。
ボトルを握って圧力をかけるだけで、高性能フィルターによって水が浄化されるというしくみで、除去性能は、微生物99.9%、バクテリアは99.9999%という高さ。使わないときは丸めてコンパクトに持ち運ぶことができ、しかもたった59gという軽さ。非の打ちどころのない完成形で、満場一致でゴールドに決まりました。水の確保が難しい登山やハイキングはもちろん、海外旅行などにも便利。浄水ボトルの新定番として定着することは間違いないでしょう。
評価者の声
・性能、軽量コンパクト性、使い方、どれをとっても、どうして今までなかったのかと思うほどのすばらしさ。お手入れも、きれいな水を入れて振るだけと極めて簡単。これ以上のものが今後出てくる気がしない。
・あてにしていた水場が枯れていたときや、雨の後で沢の水が濁っているときなどでも、これがあれば安心。登山やハイキングはもちろん、防災用にもひとつ備えたい。
【シルバー】
ALTRA(アルトラ)
ローンピークアルパイン
トレイルランニングシューズの大定番、「ローンピーク」シリーズから今年デビューした「ローンピークアルパイン」が、見事シルバーを受賞しました。アッパーにスエード素材をプラスして耐久性を高めたデザインが、より幅広いユーザーの心を掴んだ大ヒット作です。
つま先とかかとの高低差を無くすことで、体を自然に近いバランスに保つ「ゼロドロップ」理論や、ぬかるみにも強いグリップ性など、ローンピークの優れた機能はそのままに、より重い荷物を背負ったときの安定感を重視したハイキング仕様。岩場でのグリップ性も強化され、オールラウンドに使える1足に仕上がっています。キャンバスとスエードのアッパーが醸し出すクラシカルな雰囲気は、これまでのローンピークにはない新しい一面を見せてくれました。
評価者の声
・高級感のあるデザインに一目ぼれ。これなら山の服以外にも似合うので、普段からゼロドロップの履き心地を堪能できそうです。
・ゼロドロップに慣れたら、それ以外のシューズは履きたくないという人も多いなか、より広い用途で使いやすい機能とデザインは、人気が高いのもうなずける。
【ブロンズ】
YAMAP(ヤマップ)
山バッジタペストリー
ブロンズには、「山バッジタペストリー」がランクイン。せっかく買った山バッジの使い道がない、どこかに飾りたいけれどいい飾り方が思いつかないなどという声に応えて、YAMAPがゼロから作った自信作が、多くの反響をいただきました。
山バッジの多くが、引き出しの中で眠っているという現実を知って提案したのが、インテリアとしての新たな使い道。鹿革のナチュラルなテイストや、バッジがひとつづく増えていく過程も楽しめるように、できるだけシンプルに、どんな空間にもなじむようにデザインしました。森の生態系に深刻な影響を与えている、人間と野生のシカに関する問題に、ひとりでも多くの人が意識を向けるきっかけになればという想いも込めた商品です。
評価者の声
・これまでは飾るという発想がなかったので、専用のタペストリーはナイスアイディアだと思います。今までは気が向いた時に買っていたけれど、これからは積極的に集めたいと思い始めました。
・あまり使い道のなかった山バッジに、インテリアとしての新たな価値を与えた商品。鹿革を有効活用することも、山で遊ぶ者にとって意味のあることだと思う。
以上が2021年下半期のYAMAP STORE AWARD受賞アイテムでしたが、みなさんの気になるアイテムはありましたか? YAMAP STOREがこだわって選んだアイテムのなかでも、製品自体にもメッセ―ジのあるものばかり。使う人の心まで豊かにしてくれる「良品」として、自信をもっておすすめします。
YAMAP STOREではこれからも、世の中にある多くの製品のなかから、幅広い目線でよいものを探し、作り、届けていきたいと思います。楽しいアウトドアの世界をより多くのみなさんと共有するために。これからのYAMAP STOREにも、引き続きご注目ください!