ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

新しく購入した道具をワクワクしながらおこなう開封の儀。あの瞬間がたまらなく好きです。そして、それをすぐに試したくなるのは、ハイカーの性(さが)というもの。山仲間たちに聞いてみると、テントの初おろしを近所の公園でおこなったことや、寝袋を購入した夜を部屋の片隅で過ごしたことなど、山まで待ちきれずにフライングしてしまったエピソードは枚挙にいとまがありません。火元に注意しながら恐る恐るクッカーに点火したベランダでの思い出を、まるで昨日のことのように語ってくれた友人もいました。

とはいえ、やはり道具は山で試したいものです。個人的には、あまり構えずに身近なホームマウンテンに出かけていき、実際に道具を使ってみる――そんなシンプルなスタンス。たとえば、こんな具合に……。

<執筆>大内 征(低山トラベラー)

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

春の川原でのんびり、水面に浮かぶチェアリング

ゆっくり起きた、とある春の朝。カーテンを開けた瞬間、文字通り目の覚めるような真っ青な空が目に飛び込んできました。登山をするにはいささか遅い目覚めですが、この空の下で自然の中に身を置いたらさぞかし気持ちいいだろうなーと、ザックを手繰り寄せて出かけることに。向かうのは、身近なところにある山の辺。がっちり山に入るわけではなく、歩き慣れた山河の一端で、先日手に入れた道具をちょっと試そうかなと思ったというわけ。

ここ数年のことですが、チェアリングの気持ち良さに目覚めたぼくは、よく椅子を持って近所に出かけています。お気に入りは奥多摩や奥武蔵のせせらぎ。日ごろ山歩きをしながら目ぼしい浅瀬や川原をチェックしておき、折に触れてチェアリングをしに出掛ける……。登山に行けないときでも、それくらいの“お散歩以上、登山未満”な遊び方をいくつか覚えておくと、自然との距離感がぐっと縮まります。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

ヘリノックスの椅子は、組み立て簡単にして軽さと丈夫さに感嘆!

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か
ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

やって来たのは、自宅から1時間とかからない飯能市は吾妻峡の中平河原。ここは秩父の大持山を源にした入間川の流れが美しい峡谷で、周辺には散策路やトイレまで整備されています。とはいえ、このポイントだけ川原が広いためか、その名に「峡」という字がつくほどには両岸の岩壁が険しい印象はありません。むしろ明るくひらけた空間と浅瀬の多さとに魅了され、多くの人が憩う。そんな場所です。

今日の装いは、日の当たるところは暖かいものの空気は少し冷たいだろうと予想したコーディネートです。しっかり目のロングスリーブとしてHOUDINI(フーディニ)の「モノ エア クルー」と極上のメリノウールが暖かい「ウーラーフーディ」を。それと、ストレッチが効いた細身の定番パンツはTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の「アルパインライトパンツ」から。こちらは春らしい新色のブルーグリーンをチョイスしました。足元は軽快な「ローンピーク6」が気分。つま先とかかとが同じ高さの“ゼロドロップ”ソールが特徴で、粘り気のある歩き心地は大地をしっかりとらえてくれる安心感があります。

HOUDINI(フーディニ)/モノ エア クルー

HOUDINI(フーディニ)/ウーラーフーディ

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)/アルパインライトパンツ

ALTRA(アルトラ)/ローンピーク6

さて、到着してすぐに水量と周辺の安全を確認して、さっそく川辺へ。ウキウキしながら組み立てにかかった椅子は、お気に入りのHelinox(ヘリノックス)「タクティカルチェア」。座り心地はもちろん極上です。特筆すべきは組み立てが簡単なことと、その軽さ、そして丈夫さでしょう。身体を預けてもしっかり支えてくれる強度は、キャンプなどでも大活躍しています。

理想は、これに加えて同じヘリノックスの「タクティカルスピードスツール」を組み合わせること。オットマンのように足置きできる最強のコンビネーションの完成です。これ、ちょっと贅沢だけど、本当にリラックスできます。

Helinox(ヘリノックス)/タクティカルチェア

※次回は6月頃の入荷を予定しています。お待たせして大変申し訳ありませんが、ご希望の方は以下の商品ページから「入荷連絡ご案内フォーム」にご記入ください。

Helinox(ヘリノックス)/タクティカルスピードスツール

※次回は6月頃の入荷を予定しています。お待たせして大変申し訳ありませんが、ご希望の方は以下の商品ページから「入荷連絡ご案内フォーム」にご記入ください。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。幸せか

川辺チェアリングの楽しみを何倍にもしてくれるアイテムの数々

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川に出かけるとき、必ずザックの中に忍ばせておくのがショーツとサンダルです。とくにショーツはpatagonia(パタゴニア)の名作「バギーズショーツ5インチ」が絶好調。濡れてもすぐに乾くし、ラフに扱えるのが魅力です。同ブランドの名品「フーディニジャケット」などと同様に“シーズナルカラー”が登場するため、ファンはその年にしか購入することができない限定色を買い足すほどの人気ぶり。
個人的には、今年はこの“Lago Blue”が気に入ったので迎え入れました。YAMAP STOREでは、ひとつは持っておきたい定番カラーを扱っていますが、いずれも大人気商品ゆえに夏が近づくにつれて在庫が薄れていく可能性が大。見かけたら即買い推奨なのです。

patagonia(パタゴニア)/バギーズショーツ 5インチ

patagonia(パタゴニア)/フーディニジャケット

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川辺に立つと、泳がないまでも、ついひざ下くらいまでは入りたくなっちゃうんですよね。いまの季節はまだちょっと水が冷たいけれど、サンダルに履き替えたぼくは無敵です。冷たさなんてお構いなしにザブザブと足を入れ、浅瀬に椅子を直置きして、まるで水面に浮かぶようにくつろぐことしばし。これぞ春から夏にかけた川辺チェアリングの楽しみ方です。ああ、極楽。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か写真はイメージです。ビールは4月中旬の出荷を目指し製造中(最終購入可能日は2022年4月11日)

こんなとき、やはりはずせないのはビールでしょう。太陽の下でビール、最高ですよね。

ということで、まだ午前中ですが「わざわざ持って行くだけの価値があるビール」を標榜してつくられたクラフトビールこと「Beer for Mountains Summit1」をプシュっとな。これ、多摩川の源流にある醸造所Far Yeast BrewingとYAMAPが共同開発したビールなのです。まさしく晴れた日のチェアリングに贅沢なひとときを添えてくれる“最高峰”の一杯。うーん、浴びるように飲みたいぞ。

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お酒が飲めない人は、珈琲なんていかがでしょう。お気に入りの豆とミル、ドリッパー、そしてカップを持ってきて、自分で淹れる至極の一杯。ビールに負けない贅沢な一杯です。お湯はTHERMOS(サーモス)の「山専用ステンレスボトル」に入れてくれば、火器を使わず手軽に注ぐことが可能。香り立つコーヒーと涼やかな水の音をBGMに、のどかなひとときが流れていきます。

YAMAPオリジナル Beer for Mountains Summit1

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クラフトビールの購入はこちら

THERMOS(サーモス)/山専用ステンレスボトル/750ml

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そうそう、チェアリングを楽しむ日帰りの装備は、とくにザックに注意を払いたいところ。というのは、ここまで紹介してきたような道具類――チェアやボトルなど――は、薄い素材のザックだと背中に当たって痛くなることがあったり、表生地を岩場などで擦って破ってしまう可能性が否めないため。ゆえに、状況や目的に応じて、丈夫な生地で作られた型崩れの心配がないザックがおすすめです。

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その点、このmacpac(マックパック)の「ウェカ」は、耐久性に優れたアズテックという素材を使っていて、その類の心配がないのが嬉しいところ。軽量で極薄なナイロン素材が注目されている現代登山シーンですが、このアズテックはタフで他にはない風合いにファンも多いとか。そういえば、登山をはじめた当時、ぼくもこの質感に憧れていたんですよね。

macpac(マックパック)/ウェカ

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木漏れ日の樹林でまったり、地面スレスレのハンモック

水辺でチェアリングを楽しんだあとは、ちょっと山の中を歩いて身心をチューニング。登山というほどではないものの、この“ただただ山道を歩く時間”はぼくにとってこの上なく重要なこと。暖かくなるとともに草木や土は春の匂いを放ち、野鳥はさえずりはじめ、花と芽吹きの色合いは艶やかになり、春風が吹き抜ける樹林の雰囲気そのものが心を解きほぐしてくれます。

そんな樹林の魅力を“より身心に近い”ところで感じられるのが、地面スレスレのハンモック。実はこれを試したくて、今日はここまでやって来たのでした。ザックから取り出したのは、COCOON(コクーン)の「ウルトラライトハンモック」「ハンモックストラップ HTSW」。これが想像以上に小さくてびっくり、そして軽い! 道具はたったのこれだけです。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

ほどよく木々が繁るところを見つけ、さっそく試してみることにしました。5mほどの間隔を目安に木を選び、自分の目線の高さに巻いたストラップとハンモックの両端をしっかり連結。カラビナでつなぐだけなので、とても簡単です。

何度か座り心地を調節し、自分的にちょうどいい低さの“地面スレスレ”なポジションを定めました。低めにしたのは、このハンモックを吊るし椅子にして座り、お昼ごはんを作ろうと思ったから。ハンモックは完全に寝転ぶことができるので、そこがチェアリングとの決定的な違い。これ、やってみたかったんですよね!

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宙ぶらりんの薄い生地の上に自分の大きな身体を委ねると、ちょっと不思議な心地よさです。目を閉じるとそのまま寝てしまいそうになる浮遊感に、あやうく寝落ちしてしまうところでした。すんでのところで目を開けると、天に向いた視線の先には、さんざめく木々の枝葉。そこに、やわらかな陽光がこぼれ落ちていました。春だなあ。

COCOON(コクーン)/ウルトラライトハンモック
COCOON(コクーン)/ハンモックストラップ HTSW

※5月中旬頃の入荷を予定しています。お待たせして大変申し訳ありませんが、ご希望の方は以下の商品ページから「入荷連絡ご案内フォーム」にご記入ください。

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ホームマウンテンで、食べて寝る。幸せか!

ところで、チェアリングにしてもハンモックにしても、思い立ったら気軽に出かけられる距離にホームマンテンをもつことは、精神衛生上とても大切な気がします。大きな公園や河川敷もいいですね。ともすれば、遅く目覚めてしまうと山行きを諦めてしまいがちですから。そんなときこそ、ごく最小限の荷物を背負って出かけるフットワークの軽さ。これ大事です。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

ハンモックに寝そべりながら本を読んでいたら、お腹が空いてきました。ここでお待ちかねのランチです。しかも、お湯を沸かすだけの簡単調理にして激ウマのレトルトカレー。熱湯15分のアルファ米「尾西の白飯」を丁寧にお皿に盛って、そこに温めたばかりのカレーを流し込む、たったこれだけで完成です。

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

このカレーは、にしき食品のオリジナルブランド「NISHIKIYA KITCHEN」のシリーズからYAMAPがセレクトしたもの。中でも「山で食べたいカレー 日帰り登山セット」は、今日という日にふさわしいではありませんか。ペロリと食してしまったのはバターチキン。言うに及ばず、お味は最高。もう少し白米があれば、もうひとついけたな……。

「NISHIKIYA KITCHEN(ニシキヤキッチン)/山で食べたいカレー」シリーズ
Onisi(オニシ)/アルファ米 白米3個セッ

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チェアリングの場合は、ごはんも食べたしお昼寝しよう!とはいかないけれど、ハンモックならそれができてしまいます。そんなときのためにも、防寒対策は面倒くさがらずにしておきたいところです。

木陰に入ってから少し肌寒かったので、ザックに忍ばせてきたパタゴニアの「アルプライトダウンプルオーバー」を着用していましたが、これがすこぶる快適な着心地のよさ。プルオーバータイプの超軽量ダウンジャケットゆえに、冷気をシャットダウンしつつ暑すぎないのが◎です。これがあれば、軽くお昼寝するくらいは問題なし。

patagonia(パタゴニア)/アルプライトダウンプルオーバー

そうえいば、寝ている間に虫などの侵入が不安だという人はCOCOONの「ウルトラライト モスキートネットハンモック」がおすすめ。カヤの役割を果たしてくれるネットのおかげで、ちょっとあたたかい気も……。

この日、うっかりアイマスクを忘れましたが、サングラスのおかげでしっかり1時間寝ることができました。気軽に出かけられる身近な山で、歩いて、座って、食べて、寝る。これ、クセになりますよ。

COCOON(コクーン)/ウルトラライト モスキートネットハンモック

もっとチェアリング派? やっぱりハンモック派?


奥多摩「御岳渓谷」

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

写真:さくらさんの活動日記より

奥多摩「氷川渓谷」

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

写真:きままにゆるりと過ごし中さんの活動日記より

奥多摩「清東園キャンプ場」

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写真:大内 征


四尾連湖「水明荘キャンプ場」

ちょっと道具を試したくて。|ホームマウンテンで歩く、座る、食べる、寝る。最高か

写真:やじきたさんの活動日記より

大内 征(おおうち せい)

大内 征(おおうち せい)

低山トラベラー、山旅文筆家。歴史文化や神話民話を辿って日本各地の低山霊峰を歩き、ローカルハイクの面白さを探究。ピークハントだけにとらわれない“知的な冒険”を山旅に求め、文筆と写真と小話とでその魅力を伝えている。 NHKラジオ深夜便「旅の達人~低い山を目指せ!」レギュラー、著書に『低山トラベル』シリーズ(二見書房)、『低山手帖』(日東書院本社)など。YAMAP MAGAZINEで連載中の「低山トラベラー大内征の旅する道具偏愛論」が好評。

紹介したブランド

  • HOUDINI

    HOUDINI

    フリースのパイオニアとして、世界中のクライマーやスキーヤー、トレイルラ...

  • patagonia

    patagonia

    パタゴニアは、1957年にイヴォン・シュイナードが、ロッククライミング...

  • THE NORTH FACE

    THE NORTH FACE

    1966年、米国のカリフォルニア州サンフランシスコで創業。高品質のグー...

  • ALTRA

    ALTRA

    「自然な走り方」ができる究極のシューズ。 アルトラのシューズは、『ヒー...

  • Helinox

    Helinox

    Helinox(ヘリノックス)は1988年にスタートして以来、精密で高...

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    1973年、ニュージーランドで生まれたマックパックは、「Simplic...

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