夏山の「汗」と「暑さ」のお悩みはこれで解消!“クールアイテム ”6選をご紹介
真夏の登山の悩みといえば、なんといっても”暑さ”と”汗”。登山において、暑さは寒さより軽視されがちですが、熱中症の恐れもあり、体力も奪われます。汗でベタつく不快感は、暑い感覚を助長させ、気になる臭いのもとにも。夏もいよいよ本番。これら夏山の悩みを解消してくれるクールなアイテムを取り入れて、快適な夏の山を楽しみましょう!
汗を残さずクールに!①ドライレイヤークール(インナー)
誤解を恐れずに言うと、山用のウェアでもっとも重視したいのは下着ともいえます。人はどうしても、見える部分に気を使いがち。でも、下着を変えるだけで、山登りは劇的に快適に、そして安全にもなるのです。
夏に下着が発揮してくれる効果は、体の表面に汗を残さないこと。山頂に着いた時点で全身ぐっしょりとなるあの不快感、暑さは体のベタつきで2割増しに。高山への遠征時には、汗で濡れたまま稜線や山頂で風に吹かれると、夏でも一気に体温を奪われ、体力の消耗にもつながり危険です。全身を機能性の高い下着に変えるだけでも、夏の不快感や危険から解放されるのです。
そこでおすすめしたいのが、finetrack(ファイントラック)のドライレイヤー。メッシュ素材の速乾性インナーで、年中手放せない愛用者が続出中のシリーズに、より涼しい「クールタイプ」があるのはご存知でしたか?大きな違いは、通常のベーシックモデルよりも2倍涼しいことと、素材がポリエステルになることで、ひんやりとした肌触りを実現したこと。抗菌作用も備え、気になる臭いを抑えてくれるとくれば、真夏の登山には欠かせません。
finetrack(ファイントラック)ドライレイヤークールT
透けて見えるくらい薄いメッシュ地の穴から汗を外に出し、生地に撥水加工を施すことで、一度出た汗を体に戻さず、雨など外からの水分も体に伝えにくい構造。山で常に体をドライに保ってくれるインナーです。機能を最大限に生かすには、サイズ選びと適切なレイヤリングが重要。汗を吸わせるために、体にフィットしたサイズを選び、外に出した汗を吸わせるために、上には必ず吸汗性ウエアを重ねましょう。75gを切る重量も、長期縦走が多い夏には重宝します。
finetrack(ファイントラック)ドライレイヤークールブラタンクトップ
極薄生地でも、ちゃんとブラトップ型が展開されているのが女性にとって嬉しいポイント。汗がたまりがちなアンダー部分には、汗抜けのいいメッシュゴムが施され、パッドは胸が揺れにくい構造で山歩きに最適な締め付け具合に仕上がっています。
finetrack(ファイントラック)ドライレイヤークールボクサー/ショーツ
正直、このくらいはなんでもいいやと後回しにされることの多い山用アンダーショーツ。しかし、一番汗をかくのは腰回り。この部分こそ、高機能下着を使いましょう。足回りやウエスト部分は、縫い目を外側にした優しい縫製。また部分は肌触りのいい吸汗素材を使用しています。
finetrack(ファイントラック)スキンメッシュソックス 5本指レギュラー
愛用者の誰もが絶賛のソックス。靴の中のモワッとしたムレと、臭いを解消してくれます。ウェアと同様、上に吸汗性の靴下を重ねばきして使用しましょう。
流れる水を補給してクールに!②ビーフリー(ハンディ浄水器)
夏山で一番の心配事は水分補給。ガブガブ飲みたいけれど、残量も気になるところ。そんなときは、ザックにカタダインのビーフリーを忍ばせて!フィルター内臓のキャップがついた浄水器で、ボトルに川の水を汲むだけですぐに飲むことができます。何より嬉しいのは、登るその山が蓄えた水を飲めること。沢を見つけるたびに使いたくなります。ソフトボトルのため、コンパクトに収納でき、ファーストエイドの一つとしてもザックに常備したいアイテムです。
KATADYN(カタダイン)ビーフリー
折りたためるソフトボトルに、フィルター内臓のキャップがついた携帯用浄水器。微生物は99.9%、バクテリアは99.9999%除去する能力を備えています。北海道の山で気になるエキノコックスもOK。防災アイテムとしても使えます。1L用は63gと軽量で、約1000L分浄水可能。
汚れをぬぐってクールに!③ナノタオル
日常的に使うものだからこそ、素材にはこだわりたいタオル。過酷な夏山ならばなおのこと。汗を拭くのにも、首に巻いて涼をとるのにも、タオルが一番活躍するのは夏山です。このタオル、他のタオルと何が違うのかというと、汗だけじゃなくなんと「汚れ」も拭ってくれる優れもの。髪の毛の7500分の1という極細の繊維が、まるで石鹸で洗ったかのように汚れを落としてくれます。お風呂に入れない遠征時、どっと汗をかく夏の低山で活躍するタオルです。付属のスタッフバックにコンパクトに収納し、ザックのショルダーベルトに常備しておきたいですね。
finetrack(ファイントラック)ナノタオル/ナノハンカチ
速乾インナーのドライレイヤーで定評のあるfinetrack(ファイントラック)のタオルとハンカチ。通常のポリエステルの400分の1という細さの「ナノフロント」で編み上げられています。細かい繊維は、汗を拭き取るだけでなく、汚れや匂いも除去できます。クーリング性能にも優れ、濡らして首に巻けば、熱中症の予防にも。
日差しを防いでクールに!④アームスリーブ
夏の登山は半袖で涼しく登りたい。そんな時心配なのは、日焼けや虫刺され。でも長袖は暑いから着たくない…。その悩みを解消してくれるのがこのアームスリーブです。長袖との大きな違いは、袖口から風が入ること。昼の休憩時や、樹林帯で日陰が続くときはササッと簡単に着けたり外したりすることができます。車を運転する際の日焼け防止にも。
C3fit(シースリーフィット)インスピレーションアームスリーブ
着圧設計のアームカバーです。筋肉のブレを抑えるだけでなく、紫外線カット率90%以上というUVカット効果もあるため、強い日差しから腕を守ってくれます。肌ざわりがソフトで馴染みのよいナイロンベースの素材を使用しているため、着心地重視の方でも安心して着用することができます。
香りで、瞬間クールに!⑤ハッカ油スプレー
せっかく自然の中に入るなら、山に登るときくらいケミカルなものは遠ざけたい。だがしかし!虫に、暑さに、流れる汗。夏山の三大不快を解消するために、虫除けスプレー、制汗スプレーなどなど、山の中でスプレー缶を振りまくっている人もいるのでは?
そんな人にオススメしたいのがハッカ油。天然成分100%のため様々な用途に使用OK。虫除けはもちろんのこと、薄めて肌にスプレーすれば、メントール成分の効果でスッとして暑さを和らげてくれます。おすすめは、縦走時のテントや、小屋で過ごす際、靴やザック、就寝時の顔まわりにワンプッシュ。清涼感のある香りで一瞬でスッキリ気分転換できますよ。
北見ハッカ(キタミハッカ)ハッカ油スプレー
ハッカ生産の長い歴史を持つ北海道、北見ハッカのハッカ油は、今や登山者にはおなじみのミントスプレー。虫除けから、暑さ対策、除菌、消臭効果まで使える万能オイルです。長期縦走時や汗を大量にかく夏山など、臭いが気になる時にスプレーすれば、リフレッシュ効果抜群。
※肌の弱い方は、精製水で薄めたり、濡れタオルにプッシュして体を拭くなど、直接肌にスプレーしないようご注意ください。
【おまけ】夏はどこでも短パンでクールに!⑥水陸両用ショーツ
もう夏は、家でも会社でも山でも海でも、寝ても覚めても、どこまででもショーパンで過ごしたい!これは万国共通の夏の願い。家でいつも過ごしている格好でふらっと山に登り、下山してそのまま海へドボンなんてできたら最高!しかし、ショートパンツはシンプルな作りであるがゆえに「帯に短したすきに長し」なことが多々あります。
そんな時に活躍するのが水陸両用ショーツ。メッシュのライナーや、ポケットの水はけ処理、キーリングなど、海や山でのストレスを解消してくれる工夫が満載です。山でかいた汗は、川や海で流してしまいましょう!
Teton Bros.(ティートンブロス)クライミングサーフショーツ
コンセプトは「海から岩場まで」。岩場に耐えうる素材に、波に負けないウエストの仕様。ジッパーポケットにはキーリング、ポケットの下部はメッシュ仕様、ストレッチ素材のうえに、サイドにはスリットも。海から岩場まで行かないともったいない万能パンツです。
patagonia(パタゴニア)バギーズショーツ 5インチ
泣く子も黙るバギーズショーツ。1年のうち、半年はこのパンツを履いてるんじゃないかという人も少なくないはず。軽くて柔らかく履きごごち抜群の素材に、メッシュライナー、スナップポケットなどの厳選された機能が備わっています。人と被りたくない?そんな心配はご無用のカラー展開。
夏山は日も長くなり、他の季節よりゆっくり登山を楽しめます。寒さの心配もなく荷物も減るため、身軽に歩けるのも夏山のいいところ。「暑いから…」と諦めるにはもったいない。暑さを解消してくれるアイテムを手に入れて、青空に白い雲の浮かぶ、夏の山にでかけましょう!
米村 奈穂(よねむら なほ)
幼い頃より山岳部の顧問をしていた父親に連れられ山に入る。アウドドアーメーカー勤務や、九州・山口の山雑誌「季刊のぼろ」編集部を経てフリーに。九州の登山WEBサイト、山學舎などで活動中。