人気スタイリスト・福田麻琴さんが作る、冬のボーダレスコーディネート
多数の女性誌で活躍中のスタリスト・福田麻琴さんが、YAMAP STOREのアイテムを使ったコーディネートを紹介する人気のシリーズも、今回で4回目となりました。
2022年秋冬シーズンのYAMAP STOREの注目は、オリジナルのアイテムを中心に、ユニセックスで使えるアイテムが充実しているところ。アウトドア用のアパレルは、もともと男女や年齢によるデザインの違いが大きくはありませんが、とくに最近は、シンプルなデザインやナチュラルなカラーで、山でも街でも使える、ユニセックスなアイテムが増えています。
そこで、今回は年齢も性別も、街と山の境界も軽やかに飛び越える、ボーダレスなアイテムを軸にしたコーディネートを、福田さんに提案してもらいました。それぞれのアイテムの特徴を生かした感度の高いコーディネートを、この秋冬シーズンの着こなしの参考にしてください。
ボーダレスアイテム①
YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドクルー/
MOUNTAIN HARDWEAR
ふわりとした毛足と軽くソフトな肌触りのフリースは、マウンテンハードウェアとYAMAPとのコラボアイテム。暖かいのに暑すぎず、汗をかいてもムレずに着続けられて、登山中も休憩中も、街のお出かけやリラックスタイムまで、さまざまなシーンで使えるものを目指した、こだわりの1着です。
ポーラテック社の「ハイロフトグリッドフリース」は、フリース素材を目の粗いニット状に編み上げた素材。高い保温性と通気性を兼ね備えているので、驚くほど薄手なのに保温力が高く、軽くソフトで、ゴワつかず重ね着がしやすいのも特徴。山では機能的に、街ではスタイリッシュに活躍してくれます。
福田さん「何にでも合わせやすいシンプルな形だけれど、ジャケットを脱いでもインナーっぽくなりすぎず、1枚でさまになるのがいいですね。オンにもオフにも使いまわせて、持っておくと便利な1枚です」
MEN’S×山コーデ
色数をおさえたレイヤリングで、冬の白をクールに
福田さん「白を基調にカーキ系のカラーを組み合わせた、冬の森を思わせる配色がポイント。ソフトな印象の白のフリースも、他のアイテムのトーンを揃えることで、コントラストが効いたクールな着こなしができます」
Styling Tips ① 首元のレイヤードでスタイリッシュに
福田さん「白のクルーネックの下に、ブラックのハイネックを重ねているのがポイント。ハイネックをのぞかせることで首元が寂しくなりすぎず、今年らしいレイヤードスタイルをつくることができます」
Styling Tips ② 小さく畳める本格バックパック
福田さん「たっぷり荷物が入るのに、手のひらに乗るほど小さく収納できるバックパック。背負い心地もよく見た目もスタイリッシュなので、サブバッグとして荷物の中に入れておけば、山だけでなく日常生活でも活躍しそう」
▼コーディネートに使用したアイテム
WOMEN’S×街コーデ
冬のオールホワイトは異素材ミックスが決め手
福田さん「同じ白でもいろいろな素材を組み合わせると、単調にならず立体感のある印象が作れます。冬の街はどうしても黒が多くて重くなりがちですが、こんなコーディネートなら気分も明るくなりそう。冬の白は魅力的ですね」
Styling Tips ① 陰影で見せる白のぬくもり
福田さん「同じ白だからこそ際立つ、素材ごとの質感の違いが魅力的。シャツのクリーンな印象、デニム特有の凹凸感と合わせることで、フワフワとしたフリースの温かみがより感じられて、寒々しくないオールホワイトが完成します」
Styling Tips ② 甘い雰囲気に小物でスパイスをプラス
全体にやさしい雰囲気に、サングラスでピリッとアクセントを効かせました。少しテイストの違うものを小さな面積で加えるとぼんやりした印象にならないという、白を使いこなすおしゃれ度アップのテクニックです」
▼コーディネートに使用したアイテム
ボーダレスアイテム②
アルファダイレクトフーディ/
and wander
続いてのアイテムは、保温と通気の両方を備え、行動中脱がずに着続けられるテクニカルフーディ。保温性と通気性を兼ね備えた、新時代の保温素材「アルファダイレクト」を使用し、着たり脱いだりを繰り返さなくても快適な温度を保つことができる、冬のアクティブシーンに欠かせない1着です。
「保温」と「通気」の両立は、最近のアウトドアウェアのトレンドのひとつ。アルファダイレクトフーディは、素材の機能に加えて、熱のこもりやすい場所と、寒さを感じやすい場所で素材を使い分けることで、さらに温度調節機能を向上させました。1枚でも、上にジャケットを重ねても使える機能性と、都会的なデザインで、どんなシーンにも似合うスマートさが特徴です。
福田さん「フード付きのプルオーバースタイルと、素材の切り替えがスタイリッシュ。山で使える機能がありながら、着ていて楽しくなるようなデザイン性もあって、いろいろなシーンで幅広く使える、アンドワンダーらしい技ありの1着です」
MEN’S×街コーデ
街に似合うシンプル&シックな装い
福田さん「ジャケットのブラウンを活かして、ボトムスも小物も、黒でシックにまとめました。シンプルな組み合わせですが、トップスのデザインを最大限に引き出した、全体的にまとまりのあるスタイルです」
Styling Tips ① ひとつで何役も果たす技ありスヌード
福田さん「ハイネックのトップスに、アイディア次第でいろいろな使い方ができる変形スヌードを合わせました。どちらのアイテムも防寒とおしゃれが同時に手に入り、アウトドアはもちろん、街のスタイルとの相性も抜群です」
Styling Tips ② シルエットの美しさがきれい目コーデの決め手
福田さん「タウンでも人気のワジパンツは、カジュアルだけどシルエットがきれいなのが特徴。裾にコードがあって、スニーカーやブーツなど、シューズに合わせて長さやシルエットを変えられるのがいいですね」
▼コーディネートに使用したアイテム
WOMEN’S×山コーデ
山の機能をファッショナブルに着こなす
福田さん「山で使えるユニセックスなスカートという、自由な発想のアイテムを中心に組み立てました。ジャケット以外はすべてブラックですが、同じ黒でもそれぞれに質感が違うから、単調にならず面白いコーディネートができます」
Styling Tips ① 暑すぎず寒すぎない動くための保温着 福田さん「汗をかいて体温の上がりやすいところには、通気性のいい素材を使い、それ以外には風を通さない素材を使った、機能性の高さがポイント。切り替えがアクセントにもなって、デザイン性も高いですね」
Styling Tips ② 絶妙なボリューム感がスタイリッシュ
福田さん「アンドワンダー別注のシューズは、機能もデザイン性も高い一足。少しボリュームがあって、スニーカー以上ブーツ未満というイメージで、ハイキングから街まで、季節も問わず活躍しそう」
▼コーディネートに使用したアイテム
ボーダレスアイテム③
ムーンウォーク ショーツ/
HOUDINI
時代を超えて使えるシンプル&ベーシックなデザインと、最新素材の機能とユニークなアイテムづくりに定評のあるフーディニが、冬でもアクティブに行動したいショートパンツ派のために、暖かくて動きやすいインサレーションショーツを作りました。
使用されている素材は、ソフトで滑らかな肌触りの、ポーラテック社「Power Air Light」。糸を立体的に編みこむことで、生地の内側に小さなカプセル状のエアポケットを作り、その中に暖かい空気を閉じ込めて断熱性を発揮。フリース同等の温かさを発揮しながら、マイクロファイバーの抜け落ちを防ぐ、環境にも優しい素材です。
冷えやすいお腹を守る前面には、撥水素材の表地に保温素材を封入して、さらに保温性をアップ。動きやすさと温かさを両立することで、冬場のハイキングやランニングにも、スノーシーンのインナーパンツとしても活躍。組み合わせ次第で、さまざまなシーンに使いまわすことができます。
福田さん「冬用のショートパンツは、存在自体が斬新なアイテム。取り入れるだけでコーディネートに幅が出ますね。スポーティーになりすぎないスリムなシルエットなので、組み合わせ次第でシックなイメージでまとめられます」
MEN’S×街コーデ
自由でカッコいい大人のショートパンツスタイル
福田さん「冬=ロングパンツという既成概念にとらわれず、あえて足を出した着こなし。いろいろな黒をレイヤードすることで、軽快だけれどカッコいい、今年らしいレイヤードコーディネートが完成します」
Styling Tips ① リラックスと垢抜けの二刀流
福田さん「中綿の入ったウェアは、厚みが出る分少し動きにくくなることがありますが、このパンツは薄手なのに暖かくて、ストレッチ性もあり楽に履けるのがポイント。街着やアウトドアだけでなく、家でゴロゴロするときにもよさそう」
Styling Tips ② ソックス×シューズの上級テクニック
福田さん「黒のシューズと黒のソックスの組み合わせは、ショートブーツのようなバランス感が作れて、ウィメンズでもよく取り入れるテクニック。ソックスの長さで肌見せの分量を調節すると、バランスよくまとまります」
▼コーディネートに使用したアイテム
WOMEN’S×山コーデ
寒色をポイントにしたモノトーンコーデ
福田さん「冬らしい透明感を感じさせる、寒色系のカラーをポイントにしたコーディネート。モノトーンのなかに、柔らかいパステルカラーが入ることで、重くなりがちな冬のコーディネート全体が明るい印象になります。」
Styling Tips ① 美肌効果で映えること間違いなし!
福田さん「落ち着いたアースカラーのイメージが強いフーディニにはめずらしい、明るくクリアなカラー。微妙なニュアンスのある色は、着ているだけで山が楽しくなりそうです。顔写りがいいから美肌効果もありそう!」
Styling Tips ② 日常にも取り入れたい機能派タイツ
福田さん「動きやすくて防寒性の高い、メリノウールのタイツを合わせれば、ショートパンツの活躍の幅はぐっと広がります。動きやすくてレイヤリングしやすいので、自転車や外仕事など、普段の生活にも取り入れたいアイテムです」
▼コーディネートに使用したアイテム
ボーダレスアイテム④
YAMAP別注 ポリゴンライトパンツ/ finetrack
優れた素材開発力とオンリーワンのアイデアで、ユニークで機能的な製品を次々と生み出す国産アウトドアブランドfinetrack。オリジナルのシート状保温材「ファインポリゴン®︎」は、軽量で水濡れに強く、優れた速乾性で安定した保温力を発揮する素材として、多くの登山者から信頼を集めています。
finetrackが自衛官向けに開発した専用モデルの機能とテイストを、より多くのユーザーに知ってもらおうと、YAMAPがオリジナルモデルを別注し、ミリタリーテイストあふれるインサレーションパンツを作りました。
福田さん「このパンツ、すごくいいですね。軽くてほどよい厚さで動きやすいので、中綿入りのパンツにありがちなもったりした感じにならず、きれいに着こなせます。化繊でお手入れもしやすいので、ダウンよりも気軽に使えますね」
MEN’S×山コーデ
トレンドのセットアップコーデを山にも取り入れて
福田さん「パンツと同じくYAMAPが別注した、ポリゴンライトジャケットを合わせました。トレンドのセットアップを取り入れて、山でも感度のいいおしゃれが楽しめます。ジャケットがクルーネックなのも、レイヤリングの幅が広がるポイントですね」
Styling Tips ① 山で頼れる高機能素材の力
福田さん「極薄のシートにシワ加工で凹凸を作った生地を2枚重ねることで、たっぷりの空気をため込んで保温力を発揮する技術を採用。軽量で小さく圧縮できるので、携行にも便利。通気性がよくてムレにくいのもうれしい」
Styling Tips ② 山でも街でもマストハブなコンパクトマフラー
福田さん「コンパクトなダウンマフラーは、スマートなルックスも魅力。スリーブに通すだけで形が決まり、素材感もきれいめなのでウールのコートなどとも相性が抜群。山にも街にも使える、持っておいて損のないアイテムです」
▼コーディネートに使用したアイテム
WOMEN’S×街コーデ
トレンド感あふれるあったかコーデ
福田さん「パンツの形を活かして、トレンドのサイドゴアブーツを合わせたら、アクティブなのに今どきな、トレンド感あふれるコーディネートに仕上がりました。ナチュラルなのにアクセントにもなる絶妙なパンツのカラーがポイントです」
Styling Tips ① 冬を楽しむ2wayキャップ
福田さん「耳のフラップを上げ下げすることで、まったく違う表情になるあったか素材のキャップ。保温性はもちろん、見た目にも暖かそうな素材とデザインの存在感が、コーディネートをぐっと底上げしてくれます」
Styling Tips ② 技あり仕様のシンプルアウター
福田さん「シンプルに見えて、両脇にファスナー付きの深いスリットがある凝ったデザイン。ファスナーを開けると動きやすさが増し、スカートやパンツのカラーをチラ見せするテクニックも使えます。着たまま着替えがしやすいのも便利」
▼コーディネートに使用したアイテム
ファッションに境界なんてない!機能もデザインも着心地も自由に手に入れよう
山で身につける衣類には、見た目以上に大切にしなければならない、安全性や快適性を守るための機能があります。
逆にいえば、その要素が保たれてさえいれば、メンズやウィメンズ、街と山などの範囲を超えて、ウェアを選ぶこともできるはず。山でできないおしゃれを街で楽しんだり、街の感覚を山に取り入れたり、自由な着こなしをすることで、いつもの生活を、もっと楽しく過ごすことができるでしょう。
今回のコーディネートは、MEN’S/WOMEN’S、山コーデ/街コーデの組み合わせでご紹介しましたが、どれもボーダレスに参考にできるものばかり。ぜひみなさんの自由な感覚で、コーディネートのヒントを取り入れてみてください。
福田 麻琴(ふくだ まこと)
1998年に文化服装学院を卒業後、アパレル会社勤務を経てスタイリスト森美幸氏に師事。2003年に独立。女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動中の2009年にフランスへ留学。帰国後もスタイリストとして活動を続けながら、パリと東京を行き来している。 書籍 『ただ着るだけでおしゃれになる ワンツーコーデ』西東社/2020年 『コスパのいい服』すばる舎/2019年 『38歳から着たい服 本当に似合うものだけ少量持つ』すばる舎/2018年 『THE FRENCH STYLE BOOK カジュアルで女性らしいパリジェンヌな着こなし』KADOKAWA/2018年 SNS Instagram https://www.instagram.com/makoto087/