ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

日本のヘッドウェアブランド「halo commodity(ハロ コモディティー)」をご存知ですか?アウトドアシーンでも遜色なく使うことのできる機能性と、トレンドやニーズを捉えたファッション性をバランスよく兼ね備えたアイテムは、若手のハイカーを中心に絶大な人気を集めています。

作り手にとっても、買い手にとっても、山道具で一番重要とされるのはやはり「機能性」。ですが、フィールドは違えど自分の身に纏うものであることは、山も街も同じ。アウトドアシーンでも『自分らしさ』を大切にしたいですよね。

ファッションの視点からアウトドアを捉える、halo commodityの絶妙なバランス感覚から生み出される製品に、今、多くの人々が魅了されています。個性溢れるhalo commodityのアイテムたちは、一体どんな発想や思いで形作られているのでしょう?ブランドをすでに知っていても、ヒストリーやものづくりの背景については知らない方も多いはず。そんなhalo commodityの隠れたルーツを、代表・川野 樹一さんにお伺いしました。
(インタビュアー:乙部晴佳、記事:小川郁代、写真:鈴木千花)

ファッション目線だからできる、枠にとらわれないものづくりの姿勢

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ーアウトドア用のアパレルや小物を作るブランドはたくさんありますが、帽子を中心としたヘッドギアに特化したところは他にあまりないと思います。なぜ数あるジャンルから「帽子」を選んだのですか?

そうですね。帽子メーカー自体は多いですが、「帽子専門」で、なおかつ「アウトドア用」というブランドは、あまりないかもしれません。「ハロコモディティ」を立ち上げたのは、独立して7年目の2017年なんですが、独立して会社を始める前も、帽子メーカーで営業をやっていたんです。もうかれこれ20年くらいは、ずっと帽子に関わっていることになりますね。ブランドを立ち上げるときに、「ヘッドウェア」を選んだのは自然な流れでした。ハロコモディティを立ち上げてからも、並行してファッション系の帽子ブランドを続けています。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ーアウトドア用の帽子を作り始めたきっかけはなんですか?

偶然、自分の周りにアウトドアをやる人が多かったんです。自分が帽子を生業にしているので、「アウトドア用も作りなよ」だとか「こんなの作ってよ」などと言われ続けているうちに、少しずつ意識がアウトドアに向いていきました。当初はアウトドアといっても、登山などの本格的なものは実はあまり意識していなくて。屋外で長時間使うための帽子は、ファッションアイテムとしての帽子と何が違うのか、どんな要素が必要なのかを考えるところから始めました。


ー既存のアウトドアブランドとは少し違ったアプローチですが、当初からユーザーに受け入れられる手ごたえはありましたか?

正直なところ、、、あまりなかったですね。最初は知り合いのアウトドアショップなどに置いてもらったんですが、やはり見た目が普通のアウトドアのものと違うので、僕たちの想いやこだわりが伝わりにくい部分はあったかもしれません。

けれども、店頭に並べてもらったことでユーザーさんの声を聞くことができました。それが、今に繋がる大きなきっかけになったと思います。ものづくりのコンセプトとして「使う人に寄り添う」という考えが常に基本にあるのですが、ユーザーさんがどんな場面でどのように使うのか、どんなことに不便や不満を感じるのかを聞いて、考えていくことで、少しずつアウトドアのニーズに合う製品としての個性が磨かれていったように思います。ユーザー目線でのものづくりは、今展開している「インスペックライン」にも色濃く反映されていますね。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線縦走登山やファストパッキングなど、よりハードな環境のアクティビティ向けに開発されたhalocommodityの「インスペックライン」。コアアウトドアユーザー向けの限られた販売店だけが取り扱うことができます。


ーそういった経緯を経て、今、企画のなかで一番大切にしていることはなんですか?

やはり、機能面をしっかりと充実させることですね。外で使うなら、多少雨が降っても大丈夫なように撥水性や速乾性は必要だし、脱いでパックやポケットにしまうことを考えると、コンパクトに畳めてシワや型崩れのないものがいい。汗やニオイなども意識する必要があるし、日差しや風、寒さなどから頭を守るという、帽子本来の役割もより重要になります。

ただ、既存のアウトドアの帽子にはない、ハロコモディティならではの感覚は大切にしたいと思いました。大手のアウトドアブランドさんが作る帽子は、ベーシックだけれどひと目でアウトドア用とわかるようなものが多くて、使える場面が限られるという印象を受けました。うちがやるなら、必要な機能はちゃんと備えつつ、デザインやカラー、素材感など、これまで培ってきたファッション目線の感覚を大切にして、どこでも気軽に、おしゃれに使えるものを作りたい。カラーも、目立つ色で主張するよりも、顔なじみがよくてコーディネートしやすい色をそのときどきで選んでいます。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ー確かに、アウトドアブランドの帽子は機能が優先で、その結果としてデザインが決まることが多いのかもしれません。

同じハットでも、ちょっとしたツバの角度やクラウンの形で、被ったときのイメージはまったく違うものになります。素材にしても、撥水性や速乾性は同じでも、厚さや光沢感などで表情は大きく変わるので、それぞれのデザインにふさわしいものをこだわって選びます。ぱっと見の印象も、機能性と同じくらい大切だと思っています。


ー機能を第一に考えるアウトドアのものづくりとは逆に、見た目やデザインなど、ファッションの要素を入口に、アウトドアの機能をプラスしていくというものづくりの方向は、まさにブランドの個性だと感じます。

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シビアな環境を視野に。進化を始めた「インスペックライン」

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ー先程話題にも上がりましたが、「インスペックライン」の商品と定番商品の具体的な違いはどのような点でしょうか。

素材やパーツ選びなど、あらゆる面でよりシビアな視点で考えていますが、解りやすい点としては、生産をすべて国内で行なうことです。海外の生産拠点もとても技術レベルは高いのですが、やはり密にコミュニケーションがとれるという点では、国内が有利。ディティールの細かいニュアンスなどをダイレクトに共有できることで、より完成度の高いものを作ることができます。生地やパーツも厳選し、妥協なくいいものを選びます。見た目にものすごく違いが出るというものではないのですが、「見る人が見ればわかる」というような繊細な部分にまで徹底してこだわっています。


ー本格的になるほど求められるものも多くなり、デザイン性やトレンドという視点で解決できない部分の比率が大きくなるのでは?

そうですね。使う環境が違えば必要な要素も変わるので、それをいかに的確にとらえて製品に反映させるかが、このラインを作るうえでの課題でした。

そこで考えたのが、テスターの起用です。何人かの方にお願いをして、縦走やスルーハイクなどでの使用感をフィードバックしてもらっています。山の経験が豊富で、いろいろな製品も使ってきた方々なので、ありがたいことにメリットやデメリット、アイディアなどを、細かい部分まですごく丁寧にフィードバックしてくれるんですよ。本当に使えるものを作るには、使い手の生の声に勝るものはありません。それをすぐに製品に反映させる為にも、国内生産にこだわっているんです。

2021FW「インスペックライン」商品はこちら

【halo commodity × YAMAP】別注アイテム

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ー実は今季、YAMAPが別注をお願いしているアイテムがあります。まずひとつ目が「シャークフラップハット」。YAMAP STOREでも人気の「シャークハット」に、秋冬シーズンならではのアレンジを加えていただきました。

ベースはシャークハットと同じで、表地には撥水素材を、裏にはメッシュ素材を使用した、1年を通して使えるラウンドハットです。これに、取り外し可能な、毛足の長いフリース素材のイヤーフラップを付けました。ハットとイヤーフラップが収納できるサコッシュが付属し、サコッシュのストラップは、ハットのアゴ紐としても使えます。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線表地は撥水加工のポリエステルリップストップ
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線裏面はソフトメッシュを採用
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線取り外し可能なイヤーフラップ付き
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線ハットと付属品を収納できるサコッシュも付属

コーディネートに加えるだけで雰囲気をがらりと変えられて、見た目の季節感も楽しんでいただけるものに仕上がっています。気温が低いなかでのアクティビティで、頭は汗をかくのに耳が冷たいというときに便利ですし、ニットキャップだと脱いだ時の髪の乱れが気になるという方や、冬でも日差しを遮るツバ付きがいいという方にもおすすめです。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ーハロコモディティさんの商品は、ファッション性をそこなわずに、サイズ調整ができるよう工夫されているのが魅力だと思います。「シャークフラップハット」にも、サイズ調整のためのドローコードをつけてもらいました。

フィッティングという考え方も、アウトドアを意識したときに重視した要素です。サイズ調整で快適に被れて、風が吹いても動いても簡単に脱げない。当たり前のことですが、確かにファッション系のものではあまり重視されていません。夏用のヘアバンドも、後ろにバックルを付けて簡単に着脱できるようにしたことで、とてもいい反応をいただけたと思います。

ーこれぞハロコモディティさんの真骨頂ともいえる、遊びと機能が融合した商品になりました。そしてもうひとつが、「フラッターポーチ」のYAMAPオリジナルモデル。冬仕様のスマートフォン用ポーチ。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

こちらは、うちで展開しているオリジナル商品がベースになっていますね。低温時のスマートフォンのバッテリーの消耗を抑えるために、裏側に保温性の高いフリース生地を、外側は丈夫で撥水性の高いポリエステルリップストップ生地を使用しています。


ー充電しながら持ち運べるよう、コードを繋いだ状態で収納できるようにしたいと提案して一回り大きなサイズで作っていただきました。

その提案は、とても面白く参考になりました。YAMAPとスマートフォンは絶対に切り離すことのできない関係ですよね。ポーチのサイズを大きくしたことで、インナーポケットにカイロや小物を入れることもできる。YAMAPさんらしい素晴らしいコラボレーションになったと思います。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線表地は撥水加工のポリエステルリップストップ
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線裏面は起毛フリース
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線バッテリーを繋いだまま収納可能
ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線ストラップは取り外し可能

ースマートフォンを常に使うYAMAPユーザーにとって、モバイルバッテリーはマストアイテムです。とくに冬場はバッテリーの消耗が早く、行動中に充電が必要になることも多いので、スマートに持ち歩ける仕様をリクエストしました。YAMAPユーザーのみなさんにも喜んでいただけると思います。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ーファッションから入ってアウトドア、そしてさらにシビアな世界へと、商品の幅を広げていらっしゃいますが、今後の展開として何か考えていることはありますか?

まずは、男性のユーザーさんを増やしていきたいですね。ほとんどの商品はユニセックスで考えているのですが、現状では圧倒的に女性のユーザーさんが多いんです。それはとてもうれしいのですが、せっかくなら、男性にもたくさん使って欲しいと思っています。

「インスペックライン」の充実も考えています。テスターの起用もまだ始まったばかりですが、さらに多くのフィードバックを活かして、より広い範囲で使える商品を開発していきたいです。

もちろん、ファッション的なアプローチはこれまで同様に大切にして、セットアイテムとして人気のあるサコッシュなどのように、帽子以外の関連アイテムも作りたいですね。いずれにしても、使ってくれるユーザーさんの声を活かして、使う人に寄り添ったものづくりをしたいという基本的な姿勢は変わりません。

ファッションとアウトドアをつなぐ、「halo commodity」の視線

ーいろいろな方向で新しい商品が見られそうですね。今後の展開がますます楽しみです。本日はありがとうございました。


halo commodity 21FW ピックアップアイテム

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YAMAP STORE・商品企画 / 乙部晴佳 ・ halo commodity・代表 / 川野樹一

YAMAP STORE・商品企画 / 乙部晴佳 ・ halo commodity・代表 / 川野樹一

【川野 樹一(かわの きいち)】 365日ほぼ毎日帽子を被り、考え続ける事約20年。 既に帽子が好きという概念は無く、そこにあって当たり前の存在。帽子を通して、人と出会う事や楽しみも増え続けています。そのアイテム一つで外に出た時の気分が変わることが出来る様に、その日一日を安全で快適に、ハッピーにもなれるような帽子を作り続けたいと思っています。まだまだ知らない事が沢山あり、日々勉強中。 【乙部 晴佳(おとべ はるか)】 アウトドアブランドのアパレルMDを経て2021年9月にYAMAPに入社。登山をメインに、スノーボードからトレイルランニングまでアウトドアを全方位楽しみながら、フィールドで得た気づきを生かして商品企画を行う。

紹介したブランド

  • halo commodity

    halo commodity

    機能性とファッション性をバランス良く調和させ、時と場所を選ばず、そのシ...

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