YAMAP別注ハットの実力はいかに?人気ハイカーたらしらさんのフィールド着用レポート
山やアウトドアに関わるアイテムを、幅広いジャンルで取り揃えるYAMAP STOREには、YAMAPでしか販売していない限定商品があるのをご存じでしょうか? 各ブランドが作り出す素晴らしいアイテムに、日ごろから多くの時間をフィールドで過ごすYAMAPスタッフの、アイデアや遊び心がたっぷりと詰め込まれています。
「YAMAP別注 シャークフラップハット」と、「YAMAP別注 フラッターポーチ」も、YAMAPとハロコモディティとがタッグを組んだコラボアイテム。冬のフィールドを楽しむためのユニークなアイディアを、YAMAP目線でプラスしました。
その使用感をよりリアルに感じていただけるように、実際にフィールドに出て使い心地を試す、フィールドレビューを行うことにしました。レビュアーは、たらしら(@tarashiras)さん。1年を通してあちこちの山に出かける、ハロコモディティ公式テスターです。
今回のテストフィールドは、埼玉県の日高市にある日和田山。東京や埼玉の人に親しまれる、日常に最も近い裏山的な低山です。標高は305mと気軽に登れるのですが、本格的な岩場のあるルートもあり、コンパクトながら本格的なアルパイン要素が詰まった充実感が魅力。今回の2商品の使い勝手をたっぷり試すために、複数のコースを使って、麓から山頂までの間を歩いてもらうことにしました。
それではさっそく、たらしらさんのフィールドレビューに密着していきましょう!
準備は万端!いざ、レビューをスタート
この日の空は、冬らしい澄んだ青色。登山口付近の温度計は、気温3℃を示していました。風もなく日差しもあって過ごしやすい気候ですが、やはり早い時間はしっかりとレイヤリングをしていても、木陰でじっとしていると手袋をしたいような冷えを感じます。
斜め掛けした「YAMAP別注 フラッターポーチ」からスマホを取り出して、YAMAPアプリをオン。
「暑がりで汗かきなんですけど、手足は冷たい末端冷え性なんです。雪山だとニット帽をかぶることが多いけど、汗で頭がムレるのがイヤで、あまり気温が低くなければ、帽子ではなく、耳の隠れるヘッドバンドを使うこともありますね」
「冬でも日差しが強い時は、本当ならツバのあるものがうれしいけれど、冬用のハットって厚手の素材のものが多いから、結構ジャマに感じることもあるんです。
このハットは裏がメッシュになっているのでムレないし、ハットなのに耳がカバーできるのが便利。見た目もちょっと個性的で新鮮。耳当てが触れているだけでも、こんなに暖かさを感じるんですね」
「帽子もウェアみたいに、温度調節できるのが便利!」
しばらくは、笹のなかを進むなだらかな登りが続きます。出発時は肌寒かったけれど、少し動いたらすでに少し汗ばむくらい。たらしらさんも、いつの間にかシェルやインナーのフロントを開けて歩いています。この先はもっと暑くなりそうだから、給水のついでにインナーを脱ぐことにしましょう。
「すっかり体も温まったし風もないので、耳当ても外しちゃおう。ウェアは小まめにレイヤリング調整するのが当たり前だけど、帽子で気温に合わせて変えられるものって、そういえばあまりないですよね」
オールシーズン使えるハットと、ボア素材の耳当て。季節に合わせて耳当てを付け外しする使い方はすぐに想像できますが、ウェアと同じように、1日の中でも小まめに帽子の保温性をチェンジするというのは、確かに新鮮な発想なのかもしれません。
外した耳当ては付属のポーチに。こうすれば、シェルやバックパックのポケットに突っ込んで行方不明になったり、うっかり片方だけ落としたりということも防げます。
スマホを守るキルティング素材の威力、その①
うっそうとした杉林を抜けると突然現れるのが、壁のようにそそり立つ岩場のエリア。岩にはペンキでマークも付けられていて、まさに本格的な岩稜地帯といった雰囲気。ここが低山であることを忘れそうです。
地図上で見る限り、長い距離ではなさそう。足場もしっかりとあるので、慎重に行けば問題ありませんが、運動量が増えてさらに体感温度が上がりそうなので、その前にシェルも脱いで、バックパックに入れてしまいましょう。
岩場を登り切ると、視界が一気に開けます。目の前に広がる景色は、高麗(こま)の街並み。遠くには東京スカイツリーや西武ドーム、そして、右手には真っ白な頭をのぞかせる富士山の姿。
「めっちゃいい景色! 普通何時間も登らないとこんなの見られないでしょ。写真も動画もたくさん撮っておこうっと」
アウトドアでは必須のフィッティング性能は?
標高はさほどないものの、目の前を遮るものが何もないから解放感は抜群。撮影に夢中のたらしらさんを時おり正面から風が吹きつけますが、アジャスターでフィッティング調整をすれば、ハットが飛ばされるのを防ぐことができます。
「こんなところで飛ばされたら回収するのがものすごく大変だけど、すぐに調節できるから安心ですね。アウトドアで使うものは、こういうところがちゃんと作られていることが大事。サイズ調整しても、ハット自体のシルエットが崩れないのもうれしいなあ」
山頂まではまだ少し距離があるのですが、このあたりが一番の絶景ポイント。腰を下ろして景色を眺める人や、コンロを出してお湯を沸かす人など、ほかのハイカーものんびりと時間を過ごしています。日当たりもよく離れがたいほど快適なのですが、山頂はまだ先。
もうここでいいか……と思う気持ちを押さえて、せっかくなら山頂を目指しましょう!
到着した山頂は、先ほどの神社とは反対に立ち木に囲まれた静かな場所。ここでしばらく休憩することにします。すると、たらしらさんがスマホポーチから取り出したのが、出発前にYAMAPスタッフがプレゼントした「エネもち」。
ハイクにぴったりな行動食「エネもち」
「登山口でもらって、スマホポーチに入れたらサイズぴったりでした。笑」
「『エネもち』ははじめて食べたけど、甘さ控えめでナチュラルな味わいで、すごくおいしいですね。シールをはがすように開けられて、細かいゴミが出ないから山では便利。買ってみようかな」
そんな話をするうちに、ふと気づけばかなり体が冷えてきたよう。時折吹き抜ける風が冷たく、数分前にいた日当たりのいい場所に比べると、体感温度は実際の気温差よりもかなり大きく感じられます。
「うーさむっ! こんな低山でも、止まるとやっぱり冷えますね。でも、体が冷え切る前にインナーダウンを着て、耳当ても付けよう。ボタンを止めると顔周りにフィットして、包まれてるみたいで安心感があるし、ボアのモコモコ感が気持ちいいですね」
登りはじめの完全防備スタイルに戻ったたらしらさん。初めての日和田山登頂を満喫しているようですが、ウェアリングをリセットして、そろそろ下山しましょうか。
スマホを守るキルティング素材の威力、その②
「下り始める前に、スマホの充電もしておこう。今日は短い時間だけれど、写真や動画をいっぱい撮ったから念のため。このポーチ、モバイルバッテリーやコードも一緒に収納できるのが便利ですよね。それになんといっても、裏ボアのキルティングでできていて保温性があるのがめちゃくちゃいい! 気温が低い時って、びっくりするくらいバッテリーが早くなくなるから、歩きながら充電できると安心です」
ポーチ内側のポケットの深さが段違いになっていることと、ファスナーがL字に開くことで、さまざまな形やサイズのスマホやモバイルバッテリーに対応して、ポーチに入れた状態でも、スマホを使いながらでも充電できるのが、このポーチの最大のメリット。
上部だけが開くタイプのポーチだと、モバイルバッテリーのジャックの位置によっては収納した状態での充電ができないことがありますが、これなら縦横どの位置でも問題なし。
写真や動画を撮ったり、GPSが作動していたりで、行動中もスマホのバッテリーは常に消耗し続けます。さらに、気温の低い環境では、特に消耗が激しくなるとされています。いつも通りに使っていると、現在位置を確認しようとYAMAPアプリを開こうとしたら、まさかのバッテリー切れなどということにもなりかねません。そんな状況に陥らないためには、充分な容量のモバイルバッテリーを必ず携行することと、早めの充電を心がけることが重要です。
「さすがにスマホを忘れることはないけれど、うっかりバッテリーやケーブルを忘れる可能性はあるから、このポーチに全部まとめて入れられるのは、忘れ物防止にもなっていいと思います。スマホを使うたびにモバイルバッテリーも目に入るから、自然と充電を意識しますね」
雑談をしながらサクサク歩いていけば、あっという間に登山口。本日のミッション完了!おつかれさまでした。
駐車場まで戻ると無人売店に吸い寄せられていくたらしらさん。
「登山帰りは地元の野菜や果物を買いに道の駅に立ち寄ることが多いです。ここで売ってる山芋、すごい量だ!こういうお買いものも、登山の醍醐味ですよね」
たらしらさんの本日のスタイリングは?
青系の色味をベースにしつつ、グレーやベージュのハイライトカラーを差し色にすることで軽やかな印象にまとまった、たらしらさんの本日のコーディネート。YAMAP STOREで取り扱うアイテムもコーディネートに取り入れ、フィールドでの着用の感想を聞かせてくれました。
THE NORTH FACE / クライムライトジャケット
「薄手でコンパクトなので、レインウェアだけどウィンドシェルにもなりますね。マットな生地感なので街着でも使えそう。丈が長すぎないので低身長な私でもバランスよく着れました!ネイビーのLサイズを着用しています」
商品を見るTAION / クルーネックボタンダウンジャケット
「クルーネックはフードや襟付きインナーに合わせやすいし、フロントボタンのデザインは、ファスナーが重ならないのが便利。こちらもLサイズを着てみたけどサイズ感は結構コンパクトですね。シェルを重ね着しても嵩張らないので着やすかったです」
商品を見るTHE NORTH FACE / オルタイムホットクルー
「表面は普通のロンティーって感じなのに、袖を通してみたら、内側が起毛素材でびっくり。ふわっとソフトな着心地です。実際に山で使って、吸汗速乾性も高いと感じました。シンプルだけど1枚でも下着っぽくならないのが暑がりな私には嬉しいな。モックネックのデザインも重ね着しやすくて良かったです!」
商品を見るPAAGO WORKS / YAMAP別注 バディ16 SP
「上に大きなハンドルがあるので、背負うときや移動させるときがすごく楽でした。ファスナーの引手が大きくて、開け閉めしやすいのも便利。普段からUL系のザックをよく使うので、外付けのメッシュポケットは外せないポイント。今日は我慢したけど、本当はここにいっぱい駄菓子を入れて山に行きたいです」
(※2月再販予定)
たらしらさんのレビューコメント
「日和田山サイコー! たった30分で岩稜登山の雰囲気や絶景を楽しめるなんて、ここに来られてよかったです。あ、本題は商品のレビューですよね。正直なところ、最初に想像していたよりも、ずっと使いやすくて驚きました」
「ハットは、1年中使えるお得感はもちろん、耳当てを付けたり外したりすることで、防寒や日よけなど、そのときに必要な機能を自分で選べるような自由度があるところが、すごく使いやすいと思いました。もっと寒い時期や雪山に行くなら、ニット帽とこのハットを両方持って行くのもいいかな。小さくたたんでポーチに入れれば持ち運びにも困らないから、気温や天候に合わせて使い分ければ、寒さもムレも感じずに、ずっと快適に過ごせると思います」
「ポーチは、やっぱり保温性がいいと思います。いつも雪山でバッテリーの消耗が激しいのを実感しているので、これがあればかなり心強い。形やサイズ、ファスナーの開き方もすごくよく考えられているし、ガチガチのアウトドアアイテムという感じじゃないデザインも好き。普段も使えるなと思いました」
「どちらも想像以上に使いやすくて、見た目も可愛い。さすがハロコモですね。YAMAPらしいデザインや機能性もあって、使ってみてさらにおもしろいコラボだなと感じました。今日は、ありがとうございました!」
晴天に恵まれて、冬の低山を満喫しながらのフィールドレビュー。初めての山とYAMAPオリジナルのアイテムの、どちらも充分に楽しんでもらえたようです。
アウトドアに必要な機能と、カジュアルで優しい印象のバランスが、幅広いフィールドを自由に遊ぶたらしらさんのスタイルに、うまくフィットしたのでしょう。
ハロコモならではの街とフィールドをつなぐセンスと、YAMAPが求める便利で快適なアイディアが交じり合って生まれたオリジナルアイテム。ぜひみなさんのフィールドにもお供させてやってください。