山でも街でも着たくなる“最高の着心地”が、地球を守るきっかけに。「HOUDINI」のブランドポリシーを徹底解剖

フーディニの始まりは、スウェーデンの女性クライマーのロッタ・ジオノフェリスがハンドメイドで製作した、フリース素材のアンダーウェア。クライミングやスキーツアーなどのストップ＆ゴーを繰り返すアクティビティでも、オーバーヒートや汗冷えを防ぐアンダーウェアを求めていたためです。外から見えないアンダーウェアでしたが、ロッタはデザインも妥協しませんでした。

ロッタのつくるウェアは友人知人から多くの支持を集め、1993年に「HOUDINI（フーディニ）」を設立することに。スタイリッシュでミニマルなデザインのアイテムは、より多くのアウトドアマンの心を掴み、現在に至ります。

そして今回は、フーディニのブランド理念や製品のひとつひとつに込められた想いをお伺いすべく、ブランド営業担当の田口さんを訪ねました。

田口さん「創業当初から大切にしているのはCORE COMFORT（最高の着心地）なアイテム作りです。素材、デザイン、シルエットなど、細部に至るまでこだわり尽くされたアイテムのみが製品化されています」

どこか上品な印象を与えるフーディニのウェア。デザインはもちろんですが、手に持っただけでも着心地のよさを期待させられるほど。

田口さん「フーディニのデザインチームの合言葉があるんです。それが、『We need clothes that can do more.（我々には、一着でなんにでも使えるウェアが必要だ）』。大量生産、大量消費のファストファッションに対するアンチテーゼのような言葉ですね。山でも街でも着られる一着のウェアがあれば、他の服を持つ必要がなくなり、必要以上の消費をしなくて済む、と言う理念です」

服を作る工程では、大量の水やエネルギーを消費します。焼却処分されるときには、さらに二酸化炭素を発生させるなど、服をつくるだけでも、少なからず環境に負荷がかかっているのです。

しかし、山でも街でも着られる一着のウェアがあれば、私たちは用途やシーンを選ばずその服に袖を通すことができます。必要以上の消費をやめることが、大量生産・大量消費を止め、結果的には地球環境を守ることに繋がるのです。

田口さん「山でも街でも快適に着られる服の条件こそ、『最高の着心地』であるとフーディニは考えています。素材、デザイン、シルエットなど、フーディニが世に送り出すアウトプットのすべては、『山でも街でも快適に着られること』すなわち『地球環境を守ること』が根幹にあります」

多くの人が魅了された魔法の着心地「パワー」シリーズ

「パワーフーディ」と同じ素材で作られた「パワーハット」は、ヘッドバンドとしてもネックウォーマーとしても使えるフリースチューブです。肌面のやわらかい肌触りで、首元や頭にあたたかさをもたらしてくれます。

YAMAP STOREでもロングセラーとなっている「アウトライトパンツ」は、「ポーラテックパワーストレッチプロライト」と呼ばれる、「パワー」シリーズの素材のライト版を採用しています。

アウトドアアクティビティのミドルレイヤーとしても使いやすい、適度な保温性とストレッチ性を兼ね備えた「アウトライト」シリーズは、実は日本などの多湿な山岳環境に配慮して開発されたものなのだとか。

田口さん「パワーフーディはフーディニのフラッグシップアイテムですが、スウェーデンと日本では気温も気候も全く異なるため、日本では着用時期と場所がかなり限定されてしまいます。そのため生まれたのがこのアウトライトシリーズです。秋から冬、春まで長いシーズンで着用できる程よい保温性を持っています」

ゆったりしたシルエットはシャツやフーディなどを重ね着しやすく、マフラーやネックゲイターも装着しやすい襟元のデザインです。

田口さん「袖のないライトなデザインであり、保温性と通気性を兼ね備えているため、運動強度の高い雪山登山やランニング、スキーツーリングなどでの行動用保温着としてかなり重宝します。アウトドアアクティビティだけではなく、肌寒い季節のライフスタイルウエアに保温性をプラスするアイテムとしても使いやすいインサレーションです」

「モーショントップパンツ」は防風性と透湿性を両立し、高いストレッチ性をもつソフトシェル生地を採用したアウトドアパンツです。アウトドアフィールドでの使い勝手にこだわりながらも、シルエット、ディテールなどで着用シーンを制限しないデザインを実現しています。

自然環境で分解されず、環境や人体への影響が懸念されている「フッ素化合物」を使わない、PFCフリーの撥水加工を採用。機能性を付与する際にも、環境配慮への余念がありません。

田口さん「大切な人とのひとときも、山にいるときも、ずっと着ていられる。それは、スタイリッシュなデザインとCORE COMFORTな着心地を備えるフーディニのウェアだからこそ実現できることだと思います」

ほぼ毎日フーディニのウェアを着用している田口さん。機能美があるミニマルデザインや、落ち着いたカラーリングでまとめられた商品群は、どんなアイテム同士でも合わせやすくついつい手が伸びてしまうのだとか。

フーディニの理念や想いを、いちばん肌で感じているのが田口さんなのかもしれません。

フーディニのデザインにはいくつかのチェックリストがあります。

自然と街がそれぞれ独立し、分離されている地域では、山ではアウトドアウェアを、街では普段着を、と衣服を着分けている方も少なくありません。しかし、アウトドアフィールドで安全な機能性は、街では快適さをもたらしてくれます。

ハイカーに必要不可欠なアウトドアウェアを日常シーンにも取り込むことで、消費は少なくなり、環境にもやさしい生き方やスタイルへと繋がっていきます。アウトドアフィールドに対応する機能と、日常シーンに合わせられるデザインを併せ持つフーディニのウェアなら、山も街も快適に、そして心地よく過ごせるはず。

まずは自身への一着目のアイテムとして。はたまた大切な人への想いを込めたギフトとして。フーディニのプロダクトを通して、みなさんの暮らしがより豊かなものになることを願っています。

今回ご紹介したアイテム一覧