【2024年最新】富士山登山に必要な服装・持ち物|YAMAP STORE版
言わずと知れた日本最高峰・富士山。古くから信仰の山として崇められ、2013年には「信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録された名峰です。登る山としても人気があり、「一生に一度は登りたい!」「初めて挑戦した登山が、富士山だった」という方も少なくありません。
そんな富士登山に挑戦したい!という方のために山道具をセレクト。「揃えておきたい基本セット」から「富士登山がより快適になるアイテム」までご紹介します。これまで登山をしたことがなかった人はもちろん、低山ハイクはやってきたけど富士山ははじめてという方まで、必見です。
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すべての装備を一度に揃えるのは金銭的な負担が大きい…という登山の初心者には、必要な装備を気軽にレンタルできるサービス、「YAMAP RENTAL」がおすすめです。富士山の装備に必要なザック、レインウェア、登山靴をはじめとする、各種道具を取り揃えております。安全登山につなげるための必須アイテムはぜひ、YAMAP RENTALをご活用下さい。
富士登山セットを見る富士登山をはじめるなら、まずは「基本セット」から
「登山デビューは富士山」という方も多い「入門の山」として親しまれてきた富士山ですが、山頂の標高は3776m。北アルプスの山々よりも高く、夏でも気温は10℃を下回ることも。決して気軽な装備で登れる山ではありません。
この記事では、登山の三種の神器と呼ばれている「登山靴」「バックパック」「レインウェア」をはじめ、富士登山に欠かせない「キホン」アイテムからご紹介します。
登山の三種の神器と呼ばれる【基本的な装備】
登山靴
富士山は火山ということもあり基本的には溶岩質なのですが、歩きやすく舗装された登山道からゴツゴツとした岩場、細かな溶岩の小石が堆積するザレ場などシチュエーションはさまざま。
しっかりと足首を支えてくれて、グリップ力のあるソールを備えたミッド・ハイカットタイプの登山靴がおすすめ。ローカットだと足首から小石が入り込んでしまうこともあり、ミッド・ハイカットが効果を発揮します。
バックパック(ザック)
レインウェアや行動食、小屋泊の場合はインナーシーツなどの小物も多く、使いやすいのは30〜40リットルほどのバックパック。自身の身長に合わせたサイズを選ぶことで背負ったときの快適さが変わります。また、荷物の出し入れがしやすいのも選ぶ際のポイント。登山用のバックパックには、歩行時の安定感を高める背面設計や柔らかくフィット感に優れるショルダーハーネスなど快適な登山を支えてくれる機能が盛りだくさん。
レインウェア
富士山は周囲に山がない独立峰のため、天候がめまぐるしく変化します。「登っているときは晴れていたのに、山頂付近についたら雨が降ってきた!」ということも少なくありません。天気予報は晴れでも、山頂で雨風に吹かれる可能性はゼロではありません。雨に濡れてしまうと不快なだけでなく、低体温症などの危険もあるので、レインウェアはセパレートタイプのものを選び、上下で携行するのが鉄則です。
厳しい環境の高所で身を守る【身につけるもの】
ドライレイヤー(肌着)
富士登山の「隠れたマストアイテム」といっても過言ではない重要アイテムです。富士山は基本的にはずっと「登り」がつづくため、体温が上がり汗だくになってしまうことも。汗がウェアに溜まってしまうとベタつき不快なだけでなく、風により熱が奪われ体が冷え切ってしまいます。肌面を常にドライに保つ「finetrack/ドライレイヤーシリーズ」を着用して、汗からくる冷えをなくしましょう。
ベースレイヤー(長袖Tシャツ)
富士山の登山口より上には樹木がありません。それはつまり、日差しを遮るものがまったくないので、お肌は常に日光と紫外線に晒されているということ。日焼け止めを塗るのもいいですが、なるべく日差しそのものをカットすることが重要になるので、長袖Tシャツの着用がおすすめです。長袖といっても、吸い上げた汗をすぐに蒸散させる速乾性の高いウェアなので、汗をかいてもあまり気にならないのもうれしいポイント。
登山用パンツ
岩や砂礫から足元を守ることを考えると、パンツはロングタイプを選ぶのがベター。さらに慣れない高所では疲れてくると、足の動きも鈍くなりがちになるので、脚の動きがスムーズになる伸縮性のある素材のパンツを選ぶといいでしょう。濡れると重くなるコットン素材やジーパンは避けて、軽く、速乾性も備えているので登山パンツを選択。
帽子
登っていくうちにどんどん「近くなる」太陽。気温は低くても陽射しの強さを実感します。つまり、その分紫外線も強くなっていくので、「1日で日焼けで真っ黒!」ということも。日焼けは肌へのダメージだけでなく、体力も奪っていくため、帽子で確実にカバーしたいところ。日焼け防止、そして熱中症対策にも必ず持っていきたいアイテムです。
手袋
岩場での手の保護から、手の紫外線対策、防寒対策まで何通りもの役割を持つアイテムといえば手袋。夏場のハイシーズンの山なら、登り始めから気温の低い山頂でも使える薄手のタイプを選ぶことをおすすめします。指先部分がタッチパネル対応のものなら、わざわざ外す手間もなくスマートフォンの操作を楽に行えます。
靴下
登山専用でない普段履いているコットンの靴下は、汗を溜め込んでしまうので「気づいたら靴のなかがビショビショ…」ということも。乾きにくいコットンはニオイや蒸れの原因になってしまうのです。一方ウールは汗で濡れてもベタつかず快適性が持続するうえに、ニオイが発生しにくいのも特徴です。どうしても汗による蒸れが気になる方は、汗を吸い上げて足をさらさらに保つ効果のある靴下を重ね履きすることをおすすめします。
ゲイター(スパッツ)
富士山の下山道には「砂走り」と呼ばれる小さく軽い溶岩の道があります。ザクザクとスピーディーに下ることができるのですが、シューズに小石が頻繁に入ってしまいます。都度靴を脱いで取り出すのは骨の折れる作業。そこでゲイターを着用すれば、シューズとパンツの裾を完全にブロックでき、小石や砂だけでなく雨天時は水の侵入を防ぐこともできます。
ストック(トレッキングポール)
足や膝に不安のある方はぜひともトレッキングポールを。富士山登山は距離も時間も長く、予想以上に疲労が溜まり、足腰には負荷がかかります。歩行時のバランスの確保に加え、下山時などは体重を分散してくれるので、足への負担を軽減。いざというときに、きっとポールのありがたさを実感するでしょう。使わないときは折り畳んでバックパックにくくりつけておけばOK。
時計
時計は、休憩時間や全体行程の目安、ご来光の時間を確認するのに欠かせません。スマートウォッチや電池式、ソーラー充電式と種類はいくつかありますが、手袋をはめたままでも扱えるか、暗闇のなかでも時刻を確認できるかを事前にチェックしておきましょう。
使わずとも必ず持ち歩きたい【ザックに入れるもの】
防寒着
山では、標高差100mごとに-0.6℃ほど下がるとされており、3776mの富士山山頂は海抜0mと比較すると約22℃低い計算になります。夏山だからといってTシャツだけで登るのはご法度。山頂で「山ってこんなに寒いんだ…」と震えないためにも、防寒着はしっかり用意して登山に挑みましょう。コンパクトに収納できる、防風機能や保温機能を備えたウェアをひとつ忍ばせておくのがおすすめです。
ザックカバー(レインカバー)
雨からバックパックを守ってくれるザックカバーですが、雨だけでなく岩とのスレの予防にも効果的。休憩のときにバックパックを下ろすときも、富士山の登山道はどんなに優しく置いても地面はゴツゴツした溶岩だらけなので、スレたり穴が空いてしまいます。大切な登山の相棒・バックパックを長く使うためにも、レインカバーの着用がおすすめです。
ヘッドランプ、ライト
多くの方が見に行く山頂からのご来光。山頂で朝日を待つということは、暗いうちに登山道を歩いて登る必要があるため、明かりは欠かせません。転倒の危険やバッテリーが減ることを考えると、スマホのライトを手に持って歩くのもNG。必ずヘッドライトを持参して、両手をフリーにした状態で歩きましょう。消灯後の暗い山小屋の中で、荷物を探すときにも役立ちます。
予備電池
主にヘッドランプの電池が切れたときに使う予備の電池。暗闇での行動を想定するなら、予備電池は必ず持ち歩きます。充電式のヘッドランプなら、充電用のモバイルバッテリーを忘れずに入れておくと安心です。
行動食
消費カロリーが大きい登山では、空腹を感じる前に細かく栄養を補給します。山小屋でもカレーやラーメンといった軽食は取れますが、それだけでは足りないので、おにぎりやパンを持っていきます。口当たりの良いゼリー飲料なら疲れて食欲がない状況でも、補給しやすいのでおすすめです。
飲料水
富士山登山における必要な水分量は1日に約1~1.5リットルと言われています。水分が足りなくなると、体がバテてしまい行動不能となる危険もあるので、必要な分の水は必ず持参すること。水を補給したい場合、山小屋の売店で購入することになりますが、山頂に近づくに連れて、値段も高くなるのでなるべく持参しておきたいところ。
トイレットペーパー
有料トイレにはトイレットペーパーが備え付けられているので、トイレでの出番はあまりないかもしれませんが、鼻をかむのに使ったり、濡れたものを拭いたりと何かと便利に使えるアイテムです。ビニール袋に入れると濡れる心配もありません。
タオル・てぬぐい
日差しが強く、汗が吹き出すような登りシーンで出番の多いタオル。首に巻いて使うなら、薄手で乾きやすい手ぬぐいなどがベター。下山後はそのまま温泉用のタオルにしてもOK。口周りを覆うことで、砂ぼこり対策としても併用が可能です。
ファーストエイドキット
擦り傷や怪我に備えた絆創膏、消毒液などの外傷薬に胃薬や解熱剤などの内服薬を用意。常備薬はひとつの袋にまとめて入れておくと、いざという時でもサッと取り出しができます。
予備の靴紐
登っているときに靴紐が切れることも。万が一、靴紐が切れることに備えて、靴紐の予備を入れておきます。
必要なときにすぐに取り出せる【サコッシュ(小物入れバッグ)に入れるもの】
小銭・現金を入れる財布
飲み物や軽食、トイレの使用料など、富士登山では現金を使うシーンがあります。とくにトイレ使用料用に100円玉は多く持っておくと安心。普段使っている財布よりも山用のコンパクトで軽量なものがあると便利。最低限の小銭・カード類が入るサイズならなんでもOKですが、せっかく買うのなら、そのまま街でも使えるデザインのものを選んでみるのもいいかもしれません。
サングラス
強い日差しから目を守ってくれるサングラスも、できれば携行したいアイテムのひとつ。標高を上げていくと雲は遥か眼下へ。太陽を遮るものは何もありません。裸眼では眩しさと紫外線が蓄積していくと目にも疲労が溜まってきます。そんな日差し対策に加え、砂埃が目に入らないようガードしてくれるため、サングラスは富士登山で使用推奨度高めのアイテムです。
スマートフォン
起動中のYAMAPを細かくチェックするなら、歩きながらでもすぐに取り出せるサコッシュに。地図の確認の他にも、写真や動画を撮影するため頻繁に出し入れするなら、取り出しやすい位置に置いておくといいでしょう。
モバイルバッテリー
スマートフォンの充電だけでなく、充電式のヘッドランプにも使える予備バッテリー。濡れないようビニール袋に包んでしまっておきます。
日焼け止め
強烈な山の紫外線から露出した肌を守るために、欠かせないグッズ。汗をかくとすぐに落ちてしまうため、手に取りやすい小物入れにいれておくことでこまめに塗りなおすことができます。帽子とサングラスと併用して使うとより効果的です。
マスク
7、8月の富士山は混雑が予想されます。多くの人でごった返す山小屋で感染症の不安がある人はマスクの持参を。砂埃が発生する下山時にも役に立つはずです。
保険証
登山中の怪我や病気になったときに備えて、健康保険証は必ずもっておきましょう。
富士登山をより快適にしてくれる【便利アイテム】
富士山は近場のハイキングとはルートや標高も異なるため「富士登山特有の悩み」が発生しがちです。また、基本的には宿泊も伴うので、普段の登山とは違うものが必要となる機会も増えてくるはず。そんな富士登山をより快適に、安全に楽しむためのアイテムもセレクトしました。もちろん富士山に限らずさまざまな山で活躍するものばかりなので、普段から登山を楽しんでいる方もぜひチェックしてみてくださいね。
インナーシーツ
コロナ禍での定番アイテムのひとつ、トラベルシーツ。小屋泊の布団との間に一枚「壁」を作ることができます。防虫効果があるのでダニ予防もOK。保温力アップも期待できる一石三鳥の多機能アイテムです。
スタッフバッグ(整理用小分け袋)
レインウェアや防寒着、小物などはしっかりスタッフバッグで整理してバックパックへ。「ヘッドライトが見つからない」「レインウェアはどこかな」と、使いたいシーンであたふたしないためにも、整理整頓は大切です。防水のスタッフバッグをひとつ持っておくと、雨や汗で濡れてしまった衣類を入れたり、濡らしたくないものをまとめておいたりと、大活躍してくれること間違いなし。
ネックウォーマー
平地より20度も低い山頂付近では、真夏でも冬並みの気温。寒さを感じるときは、首周りを温めるとからだ全体を効果的に温めることができます。首周りの紫外線対策や、下山時の砂ほこり対策としても活用することができます。
汚れ落としタオル
お風呂に入ることのできない山小屋泊登山では、どうしても汗をかいたあとのニオイが気になるところ。そんなときに持っておくと安心なのが「finetrack/ナノタオル」です。水で濡らして身体を拭くことで、汗や皮脂の汚れを落としてくれる効果があるため、1日の行動が終わったあとにぜひ使いたいアイテム。速乾性も高く、歩行中の汗を拭うのにもぴったりです。
ニット帽子
昼間はキャップ・ハットで過ごせても、早朝や夜になるといっそうと寒くなるのが富士山です。そんな気温がぐっと下がるときに一枚もっておくと安心するのがニット帽子。頭全体をすっぽり覆うから、髪の乱れも気になりません。
耳栓
大部屋に複数人で雑魚寝というスタイルが一般的な富士山の山小屋では、やはり他の人のいびきやしゃべり声が気になってしまうもの。耳栓があると、周りの雑音を一切シャットアウトできるので、周りを気にすることなくしっかりと体を休ませることができます。
アイマスク
こちらも、耳栓同様に山小屋での宿泊には持っておきたいアイテム。消灯後も、トイレに行く人や出発準備する人のヘッドランプがちらつき眠れなくなることも。耳栓と一緒に、アイマスクも装備しておけば、山小屋でも快適な睡眠をとることができます。
ウェットテッシュ
水が貴重な富士山では、気軽に手を洗うことができません。食事の前後や、トイレ後の手拭き用としてウェットテッシュを用意しておくと気持ちよく過ごせます。
カイロ
山頂付近でご来光を待つ間は、体も動かせないので冷えて寒くなりがちに。すべての防寒着を着ても寒いというときに備えていくつか用意しておくと安心です。
ボディシート
お風呂に入れない状況だと汗によるベタつきやニオイが気になるという方は、サッと拭けるボディーシートを忘れずに。
登山後に用意しておくと便利なもの
着替え
下山後に温泉で汗と砂ぼこりを落としたあとに着る服を用意するといいでしょう。公共交通機関で行く場合は、常にザックの中に入れて持ち歩くため、なるべく軽量のTシャツとショートパンツがベスト。防水のスタッフバッグに入れて持ち歩くと濡れる心配もありません。
サンダル
履き慣れない登山靴で平地を移動したくない、早く足を開放したいという方はサンダルも忘れずに。ビーチサンダルなら軽くて、ザックに入れていても邪魔になりません。
温泉セット
下山後の温泉で使う石鹸やシャンプー、メイク落としなどはポーチに入れておくと便利です。
登山道具をレンタルする選択肢も
「いつかは富士山に登りたい」と思っていても、必要な装備の多さに事前準備の段階で諦めたこともある人もいるかもしれません。YAMAPでは、いちから揃えるには金銭的負担が大きく購入をためらってしまう人や、道具を購入を検討しているけどまずは試してみたいという人に、山道具のレンタルサービス「YAMAP RENTAL」をご用意しています。
まずは、レインウェアやバックパック、シューズといった富士山登山に必要なアイテムを気軽にレンタルしてみて、良かったなと思ったアイテムがあればそのまま購入することも可能。もっと気軽に登りたいという方には、登山道具のレンタルを活用してみるのもおすすめです。
富士山で必要な持ち物を揃えよう!持ち物リスト
不安定な足元に、遮るものもなく容赦なく降り注ぐ日差し、そしてときには真冬のような寒さになることも。街中とは違う過酷な環境の富士山では、服装や装備も相応なものを揃えていく必要があります。どういったアイテムが必要か、こちらのチェックリストを参考に、まずは持ちものを確認してみてください。
正しく準備して、安全で快適な富士登山を楽しもう
富士山は日本アルプスのように山脈に連なる山ではなく、周囲に高い山がない独立峰。そのため、天候が悪化すると強風や雨、気温の変化に晒されることも少なくありません。いかに安全・快適に登るかが、富士登山を楽しむコツ。万全の準備を整えたうえで、登山に挑んでいただきたいと思います。
そうして頂上にたどり着くことは、ほかの山では味わえない特別な経験です。日本一高い場所から見下ろす絶景、長い道のりを歩ききったという達成感。そこには登ったことのある人しか味わえない感動が待っています。普段は登山を楽しんでいる方も、今年の夏はぜひ富士登山にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?