ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

季節を問わず活躍の場面の多い、レインウェアやシェルなどのアウターは、アウトドアの重要アイテムの代表格。アパレルを扱うアウトドアブランドなら、必ずといっていいほど手がけるアイテムだからこそ、各ブランドがそれぞれの個性や特徴を打ち出した、ブランドの看板商品が揃うカテゴリーでもあります。今回は、YAMAPSTOREでもおなじみの3ブランド、「パタゴニア」、「ファイントラック」、「ティートンブロス」の担当の方に、各ブランドが自信を持ってすすめるアウターの、特長やこだわりのポイントなどを紹介していただきました。

【パタゴニア】営業部 大島さんに聞いた「トレントシェル3L」の魅力

今回、教えてくれたのは・・・・

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

パタゴニア日本支社営業部 大島 秀文さん

パタゴニア勤務歴13年。大阪、札幌、福岡の直営店舗で勤務し、現在は営業部に所属する。趣味はスノーボード、テレマークスキー、サーフィン、フライフィッシングなど、季節を問わず、様々なアウトドア・アクティビティを楽しむ。大好きなフィールドは北海道。

ユーザーにも自然にもやさしい1着を

オリジナルの防水透湿素材、「H2Noパフォーマンス・スタンダード」を採用したレインジャケット。2020年春夏シーズンから、より耐久性の高い3層構造素材にアップデートされました。防水性・透湿性がさらに長く持続し、さまざまなシーンで、ドライで快適な着心地を維持してくれます。
表地はリサイクル・ナイロンを100%採用。防水メンブレンは、バイオ成分を13%含むポリカーボネート・PUメンブレンを使用することで、加水分解による劣化を抑えて、捨てずに長く使えるジャケットに生まれ変わりました。環境への負荷を軽減することを考えた、パタゴニアの取り組みのひとつです。
また、この製品を実際に作った人たちに対し、製品1点ごとに賞与が支払われる、「フェアトレード認証」を取得した製品だということも、ぜひ知っていただきたいことのひとつ。フィールドでのパフォーマンスはもちろん、環境ストーリーもあわせ持つ、パタゴニアを代表する1着です。

こんな場面で使って欲しい!

3層構造にアップデートされたことで、雨が多く、高温多湿な日本の環境で、より快適に使えるようになりました。日本国内であれば、里山のハイキングからアルプス登山まで、幅広い場面でしっかりと機能を発揮し、レイヤリングで調整すれば、残雪期や晩秋の登山までに対応。登山以外にも多用途に使えます。
個人的には渓流のフライフィッシングで使用することも多く、コンパクトに収納できるので、突然の天候変化に備えて、バックパックにいつも入れています。雨風を防ぎたいあらゆるアウトドアシーンで活躍すること間違いなしです。

こだわりのポイントはココ!

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

ポイント① フード

こだわりのポイントはココ!

2方向から調整可能なフードはフィット感が抜群。雨風の侵入を防ぎ、首の動きに沿ってスムーズにフードが追従するため、視界が妨げられる不快感はありません。

ポイント② ビットジッパー

こだわりのポイントはココ!

透湿性素材の調節速度を超えるほど、温度や湿度が上がったときは、大型のピットジッパーを開けて、熱のこもりやすい首や脇まわりを直接換気。快適な状態をキープできます。

ポイント③ ドローコード

こだわりのポイントはココ!

裾のドローコードは、片手で引っ張るだけで調整が可能。急な雨や強い風に見舞われても、面倒な調整なしで、すばやく風雨の侵入をブロックします。

こんな人に使って欲しい!

これからアウトドアを始める方や、環境に配慮した製品をお探しの方に、「ファースト パタゴニア」として手に取っていただけたらうれしいです。登山やその他のアウトドアスポーツだけでなく、キャンプや農作業、通勤・通学時のジャケットとしても大活躍してくれます。
ムダな機能を省いたシンプルなデザインで、あらゆるシーンにマッチする、生まれ変わったトレントシェル。きっとみなさんの楽しいアウトドアライフのお手伝いをさせていただけると思います!

patagonia(パタゴニア)/トレントシェル3Lジャケット

【ファイントラック】商品企画課 相川さんに聞いた「エバーブレス フォトン」の魅力


今回、教えてくれたのは・・・・

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

finetrackプロダクト事業部商品企画課課長 相川 創さん
年間100日以上は遊んでいる「遊び手=創り手」を地で行くプロダクト事業部商品企画課課長。好きなアクティビティはバックカントリーテレマークと沢登り、クライミング。いろんな遊びを組み合わせて国内外のフィールドにオリジナルのラインを描きたい。

ストレッチして動きやすく、素材からこだわり抜いたマルチシェル

「エバーブレスフォトン」は、finetrack独自開発の防水透湿メンブレン「エバーブレス」を採用し、最高レベルの防水透湿性を備えながらも、優れたストレッチ性と動きやすさ、さらに着た時のシルエットの美しさにこだわった春夏用マルチシェルです。
ヨコストレッチ130%という伸びの良さを備えているため、登山だけでなく、トレイルランや自転車といったハードなアクティビティにもお勧めしています。また、このストレッチ性を最大限にいかした立体裁断によって、ダボッとして見えがちなアウターシェルの概念を覆す、スリムで美しいシルエットに仕上げました。
また、エバーブレスフォトンを含むすべてのfinetrack製品は、生地の開発から製造の縫製に至るまで日本国内で完結したメイドインジャパンです。フィールドで培われた経験とアイデアを世界No.1の繊維産業と高品質の縫製技術によって、長く愛用できる確かな品質を求めるモノづくりをしています。エバーブレスフォトンも登山で欠かすことのできないレインウエアだからこそ、素材からこだわり抜くfinetrackスピリッツの詰まった一着です。

こんな場面で使って欲しい!

雨天時のレインウエアとしてはもちろん、気温が低い早朝行動や風の強い稜線、スピードを伴う自転車等でも、寒さを防ぐため、風を防ぐためといった様々なシーンで活用いただきたいです。行動中の汗や蒸れも、「エバーブレス」メンブレンに備わった疎水性の多孔質膜によって高いレベルの透湿性を可能とし、ウエア内の蒸れを生地全体で排出するため、行動中も、もちろん休憩時においても快適な着心地が続きます。
また、アウターシェルを着たままでのハイクアップでは、体温が急激に上がり熱くなりがちですが、そんなときは、片手で開閉可能でショルダーハーネスに干渉しない両脇の大型ベンチレーション開けることで一気にクールダウンでき、煩わしい着脱の手間から解放されて、行動にも集中できますよ!

こだわりのポイントはココ!

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

ポイント① ストレッチ性とパターン(型紙)

こだわりのポイントはココ!

単にストレッチ性に優れた生地を採用しているだけではなく、それを最大限に生かしたパターンに工夫しています。わかりやすいのは袖の部分。生地の伸びる方向と腕の動きをリンクさせた、「トルネードスリーブ®」というオリジナルのパターンを採用しました。部位によって、生地の地の目が変化し、あまりストレッチの必要のない前身側の肩の部分はあまり伸びず、ストレッチ性の欲しい後ろ身側の肩の部分や袖部分は最大限に伸びるようになっています。ぜひ実物を確かめてください!

ポイント② フード

こだわりのポイントはココ!

ヘルメットにも対応するサイズながら、後頭部と顔周りの調整によってヘルメット未使用時にもしっかりフィットして動きに追従、視界も妨げません。特長はアジャスト部分をすべて後頭部にまとめていることなんです。ヘルメット対応の大型のフードではドローコードが長くなるので、オールシーズン対応の襟の低いシェルでアジャスト部分を顔の前につけると、強風時に余ったドローコードが顔に当たって非常に不快なのですが、アジャスト部自体が後頭部にあれば、その心配はありません。また、アジャスト部分を納める庇を利用して、フード着用時に聞こえにくい後方からの音を聞こえやすくする、「音抜き穴」までつけてしまいました。

ポイント③ 細部までこだわった防水仕様

こだわりのポイントはココ!

シェルで一番防水が難しいポイントが実は、ポケットなんです。内側から普通にシームテープを貼るだけではポケット内には水が浸水します。縫製せずに貼ってつけると防水性は担保できますが、強度が心配。
そこで、エバーブレスフォトンは強度のかかる底面部は、内側と、ポケット底の両側にシームテープを貼りそれ以外の辺をシームテープで貼ってつける、という仕様にしています。ポケット取り付けの縫製部に内部からシームテープを貼っているシェルなんて、ほとんどないと思います。

こんな人に使って欲しい!

登山に限らず、自転車やトレイルランなどのアウトドアアクティビティを楽しまれる方、みなさんに使っていただきたいです。レインウエアはできれば早く脱ぎたい、雨だからしかたなく着るという印象や経験をお持ちの方には、エバーブレスフォトンのしなやかな着心地や、シェルらしからぬ異次元のストレッチ性を、ぜひ体感していただきたいです。きっと雨の日の登山や風の強いフィールドも、今よりももっと楽しいものになるはずですよ。

finetrack(ファイントラック)/エバーブレスフォトンジャケット

【ティートンブロス】代表 鈴木さんに聞いた、「ツルギジャケット」の魅力

今回、教えてくれたのは・・・・

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

Teton Bros.代表 鈴木 紀行さん

アメリカで ”アウトドア・インストラクター” を目指し、単身アメリカ、ワイオミング州へ。持ち前の運動能力で、気づけばパウダーが大好きなJackson Holeのローカルになっていた。帰国後、スキーやアウトドア・ウェアの輸入販売を始め、その頃からウェアの開発にも興味を持つようになった。日本に合ったウェアの開発を依頼し自らアドバイスも行なったが、自分の理想とするウェアを作ろうと、Teton Bros.を立ち上げた。

機能が生むデザイン、デザインが育てる快適性

ティートンブロスの原点である「TB ジャケット」をベースに、3年の期間を経て完成したのが「ツルギジャケット」。NATOの山岳部隊に所属したことのあるアイスクライマーとともに、当初はアイスクライミングに特化したシェルとして開発しました。
軽量で動きやすく、アイスクライミング特有の腕を大きく上げる動きを考えて、肩関節の可動域にストレスのない、特別なカッティングを施しています。
斜めのジッパーやプルオーバースタイルなど、見た目の印象が特徴的ですが、これらは単なるデザインではなく、すべて機能を伴うもの。機能的な理由があるからこそのデザインです。
素材は、ティートンブロスがポーラテック社とともに開発した、「NeoShell(ネオシェル)」を使用。ナイロン100%のメカニカルストレッチで、優れた通気性と耐久性を備えたシェルジャケットです。

こんな場面で使って欲しい!

NeoShellの特徴が最大限に実感できるのが、低温下での運動量の多いアクティビティでの場面。動くと大量の汗をかき、止まると一気に冷えるという過酷なウェア内環境を、優れた通気性が常にドライで快適な状態に維持します。
タイトなシルエットながら、あらゆる関節の動きを妨げないので、アイスクライミングのみならず、トレッキングからバックカントリースキー&スノーボードまで、寒さと汗が切り離せないさまざまなウインターアクティビティの場面で活躍します。

こだわりのポイントはココ!

ブランド担当者に聞く「注目アウター徹底解剖」!こだわりのポイントとは?

ポイント① フロントファスナー

こだわりのポイントはココ!

斜めに配置されたフロントファスナーは、大きく開いて着脱に便利。通常のセンターファスナーだと、うつむいたり前かがみになったりした時に、ファスナーが体の前でたわんで邪魔になることがありますが、斜めにすることで膨らみが抑えられるため、足元の視界を遮ることがありません。

ポイント② 裾のドローコード

こだわりのポイントはココ!

ドローコードの調整パーツは、サイドではなく正面に配置。アイスクライミングで、ハーネスに付けたクイックドローなどのギアが干渉しないようにと考えた仕様ですが、自然な動作でコントロールしやすく、ハーネスを使用しないシーンでも便利に使えます。

ポイント③ ベンチレーショ

こだわりのポイントはココ!

ハの字に設置されたフロントファスナーとポケットは、どちらも脇の下の動脈を効果的に冷却する、ベンチレーションも兼ねています。ポケットの内側はメッシュ素材で、熱源のない環境で濡れたグローブなどを体温で乾かすための、ドライポケットとしても機能します。

こんな人に使って欲しい!

厳しい自然環境の中でも安全にアクティビティを楽しんでもらうために、低体温症などのリスクを避け、できる限りストレスを減らすことをコンセプトに開発した製品です。エクスペディションレベルのアクティビティからトレッキングまで、自然を楽しみフィールドから無事に帰るまでのパートナーとして、選んでいただければ幸いです。

Teton Bros.(ティートンブロス)/ツルギジャケットKB

徹底解剖で際立つ、それぞれのブランドの魅力

おなじみの3ブランドから、それぞれの看板アウターを紹介していただきましたが、いかがだったでしょうか?
どれも大人気のアイテムですが、できあがった製品の裏にある開発ストーリーや作り手のこだわりを知ると、それぞれの製品やブランド全体の個性がより際立つように思います。こちらでご紹介したアウター選びはもちろん、他のアイテム選びにも、参考にしていただけるとうれしいです。


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Teton Bros. (ティートンブロス)を徹底解剖! ツルギジャケット誕生秘話から商品開発にかける想いまで。

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