夏は「縦走登山」に挑戦! なが〜く、どっぷり自然で過ごすための必須ギア特集
梅雨が明けるといよいよ夏山登山シーズンのはじまりです。
急な夏山シーズンの訪れに、慌てて活動計画を練っているという方も少なくないはず。
そこで、今年の夏の登山に向けて、YAMAP STOREがおすすめしたいのが、自然にどっぷり浸かれる「縦走登山」。
今回お届けするのは、通称「表銀座」と呼ばれる、3泊4日(2泊3日)の縦走コース。北アルプスの名だたる山々をめぐることのできる人気ルートです。
山を存分に味わうなら日帰りではもったいない!
いつもより長く、深く自然で過ごすための縦走登山で活躍する山道具をご紹介します。
縦走登山、最大の魅力は「稜線歩き」
縦走登山の最大の魅力は、なんと言っても「稜線歩き」。
谷を挟んで奥に見える山々、どこまでもつづくトレイル、雄大なアルプスの景観を眺めながら歩く時間は縦走登山ならではの醍醐味です。
そんな魅力たっぷりの稜線ですが、注意しないといけないのが「風」。森林限界を越えると風を遮るものがないため、高山の冷気をダイレクトに受けてしまうこともあります。
防風対策が重要な稜線歩きを伴う登山なら、風をブロックし、体温をキープする「ウインドシェル」や「防寒着」を携行しましょう。
軽量ウインドシェルジャケットの決定版!
「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)/スワローテイルフーディ
縦走にかかわらず夏山登山で持っていたいアイテムのひとつ、ウインドシェル。レインウェアでも代用できますが、生地が厚く熱が篭りやすいため、ウェア内がムレて不快…ということも。そんなときは、薄手のウインドシェルが大活躍します。
「スワローテイルフーディ」は、防風性能もさることながら、撥水加工を施してあるので、多少の雨でもOK。さらに前後にはベンチレーションがプラスされ、ムレ知らずの通気性を確保しています。
軽量なウインドシェルでは省略されがちなポケットを完備するなど、使い勝手も考えられたアイテムです。右側にはファスナー付きのインナーポケットを設け、貴重品の携行も安心。また、背面側にもベンチレーションをプラスすることで、空気の流れを確保しています。
コンパクトに携行できるのも「スワローテイルフーディ」の魅力。フード内側に専用のポケットがついており、不使用時は手のひらサイズに収納可能。バックパックのサイドポケットなどに忍ばせておけば、寒さを感じたときすぐに取り出して着用できます。
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夏であっても、気温が低いのが標高の高いアルプスの気候。
縦走登山では稜線を歩く時間も長く、休憩をしたいと思っても、風をよけられる場所がない…ということもあります。
そんなときに欠かせないのが、インサレーションジャケット。
稜線上はもちろん、朝晩の冷え込みにも対応できる防寒ウェアは、縦走登山必須のアイテムです。
夏山の防寒対策の強い味方。
「patagonia(パタゴニア)/ナノ パフ ジャケット」
「ナノパフジャケット」の最大のポイントは、ダウン(羽毛)ではなく、化繊素材「プリマロフト®︎」を中綿に使用していること。保温性はそのままに、濡れに強く、ダウンと同じくらい軽量であることが特徴です。デリケートなダウンジャケットと比べて扱いやすく、雨や湿度によって湿っても保温力が落ちる心配がありません。
シート状の中綿素材を使っているため、キルティングのパターンも独特。ウェア全体が均一に保温されるようにステッチが施されており、動きやすさも配慮されています。
荷物をコンパクトにまとめたい縦走登山では嬉しいパッカブル仕様。夏の縦走登山では常に着用することは少なく、朝晩の冷え込みや休憩時に使用するのが一般的。インナーポケットがそのままスタッフサックになるので、着ないときはサッと畳んでバックパックに収納できます。
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長期間の山行で気になるのは、衣服のニオイ。天然の防臭素材「ウール」で対策を!
長く辛い登り、日差しを浴びて歩く登山道。
頬からは汗が滴り、背中がべったりと滲むことも。
夏山登山でもっとも不快なのは、やはり汗による「濡れ」や「ニオイ」。山にいる時間は長く、汗をかいては引いてを繰り返すうちに、いやでも気になってくるのがこのふたつですよね。
そこでオススメしたいのが、「ウール製のインナー」。
羊の毛を加工してつくられたインナーは、適度な保温力を備えつつも、汗を効果的に発散。
しかも、ニオイの原因となる雑菌の繁殖を抑える機能もあり、縦走登山のような、着替えをいくつも持っていけない山行にはとてもありがたいアイテムなんです。
YAMAP STOREでは、ウールの最高峰とされるニュージーランド産のメリノウールを使用した「icebreaker」のベースレイヤーを豊富に取り揃えています。夏山にぴったりの3アイテムをご紹介しましょう。
夏山におすすめのウールインナー [その1]
「スフィア2ショートスリーブティー」
素材はニュージーランド産のメリノウールと天然由来のリヨセルをブレンド。吸湿性に優れるためサラッとした着用感が特徴で、リヨセルを配合することで得られるソフトかつ滑らかな風合い、涼しげな手触りが魅力となっています。
「ウール素材は夏には暑い」と感じていた方にこそ試していただきたい一着。メリノウールならではの防臭効果はもちろん、快適性が持続する着心地を体感いただけるはずです。
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夏山におすすめのウールインナー [その2]
「テックライト2ショートスリーブティー」
メリノウール100%で仕上げた「テックライト2ショートスリーブティー」は、化学繊維を一切使わないことによる肌触りのよさ、着心地のよさが魅力です。
ウール特有のふくらみのある質感があり、その分かいた汗をしっかり含んでくれるためベタつきを感じにくいのが特徴。ウールの特性を存分に体感できる一着。シリーズのなかでも細めのシルエットを採用しています。
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夏山におすすめのウールインナー [その3]
「グラナリーショートスリーブポケットティー」
春夏をはじめ、オールシーズン使いやすい薄手メリノウール100%の半袖Tシャツです。
普段のコーディネートにも取り入れやすいボックスシルエットで、リブ仕様の襟やチェストポケットなど、クラシックなディテールをプラス。山向けのTシャツはスポーティーすぎて苦手…という方にもオススメです。
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※ウィメンズモデルは胸ポケットが付属しません。
長く歩く縦走登山。足元装備にこだわって「歩き」を快適に
山歩きに大切なのはシューズ選び…だけではなく、機能性インソールや快適性を高めるソックスなど、「歩き」にまつわるアイテムはまだまだあります。
山道具のなかでは目立たない「サブ」的な立ち位置ですが、あなどることなかれ。これこそが快適な山行を支える大事な装備なんです。
プラスワンの歩行サポート①|インソール
インソール専門メーカー・BMZとYAMAPが共同開発した「BMZ(ビーエムゼット) YAMAP別注 山を歩くインソール」。歩行時の「バランスを取る」「衝撃を吸収する」「歩くために蹴り出す」という3つの動作で発生する負荷をしっかり支え、足本来の機能を取り戻す効果があります。
とくに縦走登山では、足の疲労は甚大。インソールを交換するだけで、歩きが劇的に改善されると、発売以来好評をいただいているアイテムです。
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プラスワンの歩行サポート②|ソックス
シューズ内のムレだけでなく、マメや靴擦れなど、足にまつわる悩みは尽きないもの。でも、これらはソックスを高性能のものに変えることで解決できるケースも少なくありません。
指の間の汗を吸収し、快適な状態にキープする五本指ソックスや、汗を肌から遠ざけドライに保つスキンメッシュのインナーソックスは、縦走登山でこそ真価を発揮する大切なアイテムです。
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プラスワンの歩行サポート③|トレッキングポール
縦走登山での歩行は、長時間、長距離になります。足への負担を軽減するためにも、トレッキングポールは用意しておきたいアイテムのひとつ。
「GRIPWELL(グリップウェル)ジェム・カーボン」は、軽量で強度の高いカーボンを採用。使いやすいスクリューロックタイプの3段式で、使わないときもコンパクトになるのが特徴です。
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山小屋泊なら、快眠のための装備を忘れずに
アルプスの登りはハード。急登を歩き切り、山小屋にたどり着いた瞬間は安堵と達成感でいっぱい。
テント泊と比べて、装備が軽く済むのが山小屋のいいところ。
そして、居心地のよい空間で過ごす時間も、宿泊者だけの特権です。
山小屋で快適に過ごすために、居心地のよい室内用のウェア、安心のための衛生ツールは必ず持っていきましょう。
登山ウェアそのままではNG。
室内用のウェアを用意することで、山小屋での滞在の質がワンランクアップしますよ。
山小屋泊のススメ [その1]
「リラックスウェアを用意しよう」
HOUDINI(フーディニ)/モノ エア クルー
フリースに代わる新素材・Polartec® Power Air Lightを使用したクルーネック。柔らかく滑らかな肌触りが特徴で、小さなエアポケットに中綿と空気の層を含む特殊なカプセル構造による断熱効果が温かさを生み出します。軽量で伸縮性があるため、着心地は抜群。山小屋でのリラックスウェアに最適です。
C3fit(シースリーフィット)/リポーズ スウェットパンツ
リカバリー時専用ウェアとして開発された「Re-Pose(リポーズ)」。体が発する遠赤外線をウェア内に留めることで快適さを作り出す「光電子®」と呼ばれる特殊素材を生地に採用。山小屋で休んでいるときも体力のロスを最小限に抑え、疲れを癒す効果があります。コットン50%で肌触りもよく、就寝時のウェアとしてもオススメ。
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山小屋泊のススメ [その2]
「インナーシーツの携帯はマナー」
コロナウイルス対策として、多くの山小屋がトラベルシーツの携行を推奨しており、小屋泊の必須アイテムのひとつです。
「COCOON(コクーン)/インセクトシールド サファリトラベルシーツ コットン」は、最高品質のエジプト産コットン100%を使用したトラベルシーツ。コットン特有の気持ちのよい肌触りや優れた吸湿性が魅力で、 寝袋や毛布の中に一枚敷くだけで快適性がグッと向上します。
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夕方〜朝のマジックアワーは縦走登山者だけの特権!寒さ対策を万全にして過ごそう
刻々と変化する空の色。静かに表情を変える山並み。
夕方、夜、そして朝を山で過ごすことこそ、
日帰り登山では味わえない縦走登山ならではの山の楽しみです。
登山者が下山し、静まり返った山の上で、
いつまでも眺めていたくなる景色が目の前に広がります。
しかし、日没後は一気に冷え込むのがアルプス。
標高3000m近い山域では、夏でも5〜10℃程度まで下がります。
昼間の暑さはどこへやら。こんなときに、防寒アイテムのありがたみを実感するでしょう。
夏でも必要な防寒小物①|ビーニー&ネックゲイター
日差し対策のハットやキャップに加え、持っていると安心なのが「ビーニー」と「ネックゲイター」。
「HOUDINI(フーディニ)/パワーハット」はドローコードがついているので、帽子とネックウォーマーの2WAYで使える優れもの。首周りが寒い時の防寒や、山小屋などで過ごすときの頭部の保温に活躍します。裏起毛の柔らかな肌触りも魅力です。
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夏でも必要な防寒小物②|防水グローブ
夏の山行ではついつい忘れがちなグローブも、縦走登山では忘れずに携行しましょう。
風のある稜線や、夏に多い突然の雨にも対応できるよう、防水・防風のグローブがおすすめです。「finetrack(ファイントラック )/エバーブレストレイルグローブ」は、同社のレインウェアと同じ素材である撥水透湿素材「エバーブレス」を採用。濡れだけでなく、ムレにも強く、常に快適な着用感で行動が可能です。
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歩きつづけるための山道具
朝を迎え、山小屋に別れを告げ、ふたたび山へと向かう。
山で過ごす時間が長くなるほど、ウェアの快適性やギアの調子や使いやすさが大事になってきます。
長期間の山行では、山道具が安全な山行を支えてくれる大切な要素であることを、より一層実感するはずです。
準備は入念に。計画は綿密に。
そうして歩いた夏の縦走登山は、
かけがえのない思い出になるでしょう。
まだ見ぬ景色を見に、今年の夏は縦走登山に出かけませんか?
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縦走登山が楽しめるオススメの山をご紹介!
燕岳~大天井岳~槍ヶ岳〜上高地
通称「表銀座」と呼ばれる、3泊4日(2泊3日)の縦走コース。今回の記事で登った燕岳から大天井を経て、さらにその先に聳える槍ヶ岳を登頂、上高地に下ります。山小屋が充実しているので、小屋泊であれば身軽に歩くことが可能。北アルプスの名だたる山々をめぐることのできる人気ルート。
立山三山縦走
雄山、大汝山、富士ノ折立の3つの山の総称・立山。3000m級の山々が連なる山域でありながら、登山口である室堂は標高2450mとアプローチが良好。サクッと日帰りで歩くこともできますが、雷鳥沢をはじめとする山小屋やキャンプ地もあり、1泊2日でじっくりとアルプスの景観を楽しむのがオススメ。
常念山脈縦走
1泊2日で北アルプスを縦走したいのであれば、三股登山口から蝶ヶ岳、常念岳をめぐり、ふたたび同じ三股登山口に戻る「ループコース」を。登山口が同じなので、マイカーで行けるのがポイント。穂高や槍ヶ岳といった北アルプスを代表する山々を稜線上から眺めることができ、縦走登山の魅力を存分に味わえます。ただしアップダウンが激しいため、健脚向き。