身近な自然を満喫! 低山ハイクの楽しみ方をご紹介します
日常の生活から少しだけ離れて、近所の山や森を歩く。頬を撫でるそよ風や鳥のさえずり、土の香り。頂上からは自分が住んでいる街が見える。
気軽に登れて、登山口までの移動時間もかからない。そんな「地元の低山」が、最近注目を集めています。自分が住んでいる街の自然を楽しんでみようと思う人が増えているのです。そこにはきっと、身近にあるからこそ心を癒してくれる「優しい自然」が広がっているはず。
今回は、そんな夏の地元低山をゆっくりと快適に楽しむために知っておきたい5つのポイントについて、ご紹介します。
1. 低山ハイクを軽快&安全に楽しむために、必要な道具を知ろう
1つめのポイントは、低山を楽しむための荷物について。
低山とはいえども、山には危険がつきものです。安全に関する道具は必ず持っていくべきですが、必要以上に重い荷物を背負っては、せっかくの身近な自然も軽快に楽しむことができません。
大切なのは、それぞれの登山に応じた道具のチョイス。「高い山を長時間かけて歩く登山」と「地元の低山を軽快に歩く登山」で道具を使い分けることが、低山ハイクを快適に楽しむコツなのです。
低山ハイクのザックの中身は?
レインウェア
天気予報では晴でも、夕立や突然の豪雨など、夏の天気は急に崩れることが多々あります。近所の低山とはいえ、レインウェアは必ず持っていきましょう。
ファーストエイドキット
低山では「転倒による怪我」や「虫刺され」が多いようです。怪我については、消毒薬や絆創膏をお持ちの方も多いと思いますが、盲点なのが虫刺され。薬の用意がない方は購入をオススメします。
ナビゲーションツール
植物がルートを隠してしまったり、ルートが多岐に渡ったりと、低山には道迷いリスクが意外と多いのです。紙地図とコンパス、スマートフォンのナビゲーションアプリなどを持っていくようにしましょう。スマートフォンは、予備のバッテリーもあると安心です。
水
体重60kgの登山者が5〜7kgのザックを背負って5時間程度歩くと想定した場合、1.5L〜2L程度の水が必要です。ただし、これは季節などによっても変化しますので、おおよその目安として考えるとよいでしょう。※調理等で水を使う場合、量は増えることがあります。
着替え
夏の登山は、汗をかきやすいものです。下山後の快適性も考え、せめてTシャツの替えくらいは持っていきましょう。登山中に着替える可能性も考慮し、吸汗速乾性を備えたポリエステル系素材のTシャツがオススメです。
食糧
昼食や行動食などを行動時間に合わせて持っていきましょう。行動食はクッキーや飴、羊羹、ドライフルーツなどがオススメ。チョコレートは高温で溶けてしまうため、夏の登山では避けた方が良いかもしれません。汗を多くかくため、塩分を補給できるものも忘れずに。
ヘッドランプ
宿泊が伴わない登山でも、いざという時のことを考えてヘッドランプは忘れずに持っていきましょう。アクシデント発生により、日没までに下山できない可能性も十分に考えられます。
その他
万が一に備え、サバイバルシートやホイッスルも用意しておくと安心です。また、手拭いやティッシュなどの日用品も忘れずに。
2. 日帰り低山ハイクには、20L前後のデイバックがおすすめです
ただし、荷物をきちんと精査しても、荷物に対してザックが大きすぎたり小さすぎたりしては、本末転倒です。少ない荷物を大きめのザックに入れて低山を登っている方をよく見かけますが、バランスが悪かったり、ザック自体が重そうだったりと歩きにくそう…。ということで、2つめのポイントはザック選び。
上にあげた「低山ハイクのザックの中身」を入れて、往復約5時間の低山を登るのであれば、20L程度のデイバックがイチオシです。
山ごはんをしっかり作りたい!という方は食材や調理器具、保冷バックなどの用量も考え30L程度をチョイスすると良いでしょう。
PAAGOWORKS(パーゴワークス)/バディ16
デザイナー兼代表の斎藤徹氏によって、2011年に創業されて以来、デザイン性に優れたギアで熱狂的なファンを増やしてきたパーゴワークス。バディシリーズは「軽量コンパクトな道具で山をとことん楽しむこと」をテーマに作られた低山にぴったりのシリーズです。
その中でも最小のモデルが、容量16Lの「バディ16」。メインとなる大きな収納スペースと小物を入れるのにも便利な深さ18cmのポケットからなり、どちらも上部にあるファスナーからのアクセス。クッション性に優れた着脱式のバックパネルや、スライド式で移動できるチェストベルトなど、デザイン性とともに優れた機能性をも兼ね備えたデイバックです。スタイリッシュに低山ハイクを楽しみたい方にオススメですよ。
PAAGOWORKS(パーゴワークス)/バディ33
同じくバディシリーズから、こちらは33Lのモデル。特徴的なのは、メインとなる収納スペースへのアクセス。上部からも可能ですが、フロント右サイドにある大型ファスナーからもアクセスが可能なので、下のほうに入れた荷物にもすばやく手が届きます。
荷物を降ろさず、背負ったまま左だけショルダーを外して、パックを体の前に回して荷物を取り出すこともできそう。
内部には、貴重品などを収納できる、小型のファスナー付きポケットが1つ。おおよそ縦横20㎝のフラットな形です。
NORRONA(ノローナ)/ノローナ 15Lパック
北欧ノルウェーで1929年に生まれた老舗アウトドアブランド「ノローナ」からは、「ノローナ 15Lパック」をご紹介します。まず注目すべきはその軽さ。生地そのものにこだわり、驚異の470gを実現しています。
また、汗をかきやすい背面には、バックと背中の間にスペースを作り出すパットとメッシュネットを搭載し、不快なムレを予防。ショルダーストラップやウエストベルトにもメッシュ素材を採用し、こちらも快適性を重視した作りとなっています。汗に悩まされがちな夏の低山にはぴったりのモデルです。15Lながら、チェストベルト・ウエストベルト両方を備えているのも嬉しいところです。
3. 軽快に登れて、下山後もストレスフリーなローカットシューズに注目!
3つめのポイントは、シューズ選びについて。最近の登山靴のトレンドとして、よくメディアに取り上げられるのが、ローカットシューズです。これは、ひとえにトレイルランニングシューズのバリエーションが充実したこと、そしてそれを登山に使用する人が増えてきていることが要因のようです。
「トレイルランニングシューズ」とは言いながらも、もちろん登山にも使用可能。しっかりした作りのハイカットシューズに比べて軽いものが多く、足回りを柔軟に動かせるので、軽快に歩くことができます。また下山後にどこか立ち寄る際、スニーカーのように利用できるのも便利!
ただし、足首の保護などについては、ミドルカットやハイカットシューズの方が優れているのも事実です。歩く距離や岩場などの状況に応じて選びましょう。
SALOMON(サロモン)/センスライド5
多様な環境で使えるトレイルランニングシューズとして登場した「センスライド5」。ランナーはもちろんハイキングや舗装路までカバーし、オールラウンドなシューズとして注目を集めています。
歩きやすさの秘訣は、バランスのとれたソールにありました。ミッドソールにはエナジーフォームを使用し、優れたクッション性と適度な反発性を兼ね備えています。程よい弾力性で、着地した際の衝撃を推進力に変換。歩きからランまで快適な行動をサポートします。
さらに包み込まれるようなフィット感と通気性も人気のポイント。サロモン独自のセンスフィットという構造でオーダーメイドのような履き心地を実現しました。アッパーに採用された3Dメッシュも快適なホールド感と通気性をキープします。
ALTRA(アルトラ)/ローンピーク8
足のトラブルを軽減する独自の設計と、シーンを問わず使える汎用性の高さに定評がある「ローンピーク8」。
その人気の秘密は、つま先とカカトの厚みに差をつけないフラットなソール構造「バランスクッション」と、つま先部分に余裕を持たせた「フットシェイプデザイン」。
つま先周りの幅だけでなく、高さもゆったりとしているため、初めてアルトラのシューズを履く方は、その開放的な履き心地に少々驚くかもしれません。
4. 快適に登山するための服装とは?
4つ目のポイントは、低山ハイクを快適に楽しむために大切な服装について。夏の低山であれば、日差しを避ける薄手の長袖や、速乾性に優れたTシャツなどにもこだわりたいところです。もちろん、歩きやすいボトムスも必須。日射病を避けるための帽子も忘れずに持っていきましょう。
低山とはいえ、普段着でよく使う綿のTシャツやジーンズなどで登ってしまうと、汗冷えや動きにくさなどに悩まされるので、きちんとした登山用の服装を揃えるようにしましょう。
MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)/YAMAP別注 エアトレイルパンツ
東レが開発した独自素材「ドットエア」を採用した、細身シルエットのロングパンツ。ストレッチ性に優れた素材、かつ股下がガゼットクロッチ仕様になっているので、登山時の足上げも非常に快適です。
最大の特徴でもあるドットエア素材は通気孔を備えた機能性素材で、足の動きに合わせて生地が伸び、通気孔が拡大することで、素材自体の通気性を高める、という特性を備えています。
夏場でもロングパンツ派、だけど暑いのは嫌だという人には、ぴったりのアイテムです。生地に撥水加工も施されており、突然の小雨や汗を保持しません。
MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)/YAMAP別注 コアエアシェルシャツ
軽量で防風性に優れたパーテックスクァンタムエア生地を使用した、シャツ型のウィンドシェル。スナップボタン採用でファスナー使用のシェルよりも換気がしやすく、行動中のムレを抑えられます。ゆったりシルエットでストレッチ性もあり、着心地も非常に良いアイテムです。また適度な通気性と透湿性、フッ素を使用しない軽い撥水加工も施されています。
携行性にも優れ、丸めてザックの中に入れておいても場所を取りません。風を防いでくれるので、早朝の行動時や標高の高い場所での休憩時などでも、寒さの軽減に効果的です。
patagonia(パタゴニア)/キャプリーンクールデイリーグラフィックシャツランズ
パタゴニア製品の中で最も多用途に使えるアイテムのひとつが「キャプリーンクールデイリーグラフィックシャツランズ」。
このテクニカルTシャツは、湿度の高い環境下や、長時間体を動かし続けるような活動下でも、快適さを損なわない機能性を備えています。通気性の高いキャプリーンポリエステル製の生地は、肌から一番近いベースレイヤーとして着用するのに最適です。
素肌に柔らかく軽やかなポリエステル100%(リサイクルポリエステル50〜100%含む)を使用しており、肌に触れるとサラッとした涼しい着心地も夏にはぴったり。
ハイキュ・ピュア防臭加工済みなので、汗の匂いが気になりにくくなっています。また、伸縮性にも優れており、激しい運動の際も動きづらさを感じることはありません。
finetrack(ファイントラック)/finetrack × YAMAP別注 ドライレイヤーベーシックT
多くの登山者から絶大な人気を誇るファイントラックの「ドライレイヤーベーシックT」は、ベースレイヤーの下に着用するアンダーウェア。
撥水加工がされたメッシュ構造の生地が肌から素早く汗を引き離し、肌をドライに保つため、汗冷えやベタつきの不快感を解消してくれるアイテムです。
「finetrack(ファイントラック)/finetrack × YAMAP別注 ドライレイヤーベーシックT」は、その名の通り、ファイントラックとYAMAPがコラボした、別注モデル。
商品を購入することで、売上の一部が登山道整備団体へ寄付され、山を守る活動に使われます。価格や性能はオリジナルのものと同じ。ぜひ、気になっていた方はこの機会に「素敵なお買い物」をしてみませんか?
2024年7月31日(水)までは、実際に着用して性能にご満足いただけなかった場合、返送料を含む全額を返金させていただくキャンペーンも実施中。この機会にぜひお試しください。
halo commodity(ハロ コモディティー)/YAMAP別注 リッジトレイルキャップ
最近、男女問わず人気のキャップ。ファッションに軽さを加えてくれる日除けアイテムとして様々なシーンで活躍しますが、唯一の欠点は首元の日焼けです。
そんな悩みを解消してくれるのが「ハロ コモディティー/YAMAP別注 リッジトレイルキャップ」。ラフに被れるメッシュキャップに、首裏を日焼けから守ってくれるサンシェードをプラスしました。
サンシェードは取り外し可能なので、キャップ単体での着用もOK。使い勝手抜群の仕上がりになっています。取り外したサンシェードやスマホなどを収納できるミニサコッシュ付きなのも嬉しいポイントです。
5. 近場ならではの時間のゆとりを使って、山ごはんを満喫しよう
そして、いよいよ最後。5つめのポイントは、食事について。登山口までの移動時間が短い分、山頂でゆっくりと過ごせるのも身近な低山の魅力です。日頃はおにぎりやパン、カップ麺などで済ましている昼食に、ぐっと工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか?近場の低山であれば、おいしいお昼ご飯を理由に、家族や登山初心者の友達を誘って登るのも楽しそうです。
初めに紹介した荷物リストには入っていませんが、「大きめのクッカーセット」と「バーナー」を持っていけば、大人数のメニューだってできちゃうんです。
※山中での調理もふまえて、持参する水の量は調整しましょう。
高野豆腐でつくる、簡単「麻婆豆腐」
「軽い」「簡単」「美味い」という、山ごはんの食材に必要な三要素を兼ね備えたレシピ。中華スープを使ってしっかり味を染み込ませるのも美味しさの秘訣です。高野豆腐を戻すときにはお湯で10分ほど茹でる必要があるので、適宜固さを見つつ、水が足りなければ足しつつ、お好みのタイミングでお召し上がりください。
材料 (2~3人分)
高野豆腐…好きなだけ/麻婆豆腐の素…2人前/中華スープ粉末…小さじ12/ねぎ(わけぎ)…好きなだけ/水…400cc
作り方
① お湯を沸騰させ中華スープを溶き、高野豆腐を戻す
② 麻婆豆腐の素を入れてすこし煮立たせる
③ 火を止めて、水で溶いたとろみ粉を回し入れ、最後にひと煮立ちさせる
④ ねぎをふりかけてできあがり!
味噌とクリームの相性抜群「なめこと味噌のクリームパスタ」
フリーズドライ味噌汁の「なめこ」を使ってつくるのは、なんとクリームパスタ!「味噌汁でパスタ?」と驚くなかれ。味噌とホワイトソースって意外にも相性抜群なんです。なめこ汁のコクがしっかりと活きた、美味しい山パスタをぜひご賞味ください。
材料 (2~3人分)
フリーズドライみそ汁(なめこ)…2個/スパゲティ…200g/水…500cc程度/ホワイトソースの素…2袋/ベーコン…好きなだけ/粉チーズ…適量/ブラックペッパー…適量
※気温が高い場合は、ベーコンではなく、サラミなどでも代用可能です。
作り方
① ベーコンを炒め、お湯を沸かす
② みそ汁をお湯に溶く
③ パスタを入れ、水分が飛ぶまで茹でる
④ 水分がなくなる直前にホワイトソースの素とチーズを混ぜ、仕上げにブラックペッパーをかけてできあがり
PAAGO WORKS(パーゴワークス)/トレイルポット
「トレイルポット」は、パーゴワークスが3年の試行錯誤を経て完成した、渾身のモデル。フィールドでの使いやすさを追求した角形アルミクッカーは、調理のしやすさはもちろん、収納性にも工夫が凝らされています。
ガスのカートリッジ、バーナー、コンビニやスーパーで購入した食材など、ありとあらゆるものが驚くほどにシンデレラフィット。持ち運びと調理に最適なサイズ感に設計してあるのです。
深なべ、フタ、フライパンの3つで構成されています。満水容量は1.2L。2人分のご飯や鍋料理を作れる深なべ、グリルに適したフライパン、お皿としても使えるフタと、ソロにもグループにもちょうどよい組み合わせです。
内部にはコンビニやスーパーで購入できる「サトウのごはん」をはじめ、袋麺やレトルト食品がちょうどよく入るようにデザインされており、発想がなんともユニーク。もちろんOD缶(110、250)とバーナーを収納してもOK。
道具を揃えて身近な低山ハイクを楽しもう
今回は、夏の低山を楽しむためのポイントと道具について、ご紹介しました。これからの季節、山には命が溢れ、緑も美しい季節を迎えます。自宅の窓から見える低山に気軽に出かけて、身近な自然を楽しんでみてはいかがでしょうか?
YAMAP STOREでは、YAMAPスタッフが厳選したおすすめのアイテムを揃えています。
ぜひ、お気に入りの一品を見つけて、身近な自然を満喫してください。