【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースパンツを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

2016年に当時最年少でエベレストに登頂。現在は国内外でフリー、アイス、アルパインクライミングを楽しみながら登山ガイドとして活動する伊藤伴さんが、新作の「YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドパンツ」をレビュー。秋の八ヶ岳・赤岳でのフィールドテストの様子をお届けします。

MOUNTAIN HARDWEAR 公式アスリート

伊藤 伴(いとう ばん)

中学3年でヨーロッパアルプス・モンブラン、高校3年でヒマラヤ・ロブチェイーストに登頂。大学3年では当時最年少でエベレストに登頂。同時に世界第4位のローツェにも連続登頂を果たす。現在は登山ガイドとして活動しながら、国内外でフリー、アイス、アルパインクライミング、バックカントリースキー、ハイキング、キャンプなど四季を通してアウトドアフィールドで活動している。コロンビアスポーツウェアジャパン所属、日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

山行は、美濃戸口から赤岳を往復する一泊二日の行程を計画。樹林帯のアプローチハイクから、寒さや風への対策を求められる稜線へのハイクアップ、さらには早朝の冷え込む時間帯でのサミットプッシュ、テント場でのリラックスタイムなど、盛りだくさんの内容となりました。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

—まずは、登山口から樹林帯を歩き、行者小屋までのハイクについて教えてください。

気温は15〜20℃程度。晴れ間が見えつつも、時折ガスで陰るようなコンディションでした。いつもなら薄手〜中厚手のトレッキングパンツを着用するのですが、「YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドパンツ」を履いて歩きました。

秋とはいえ、歩くと少し発汗するのを感じましたが、風が吹くと起毛フリースのグリッド部分からムレが逃げてくれました。休憩時も汗冷えすることもなく、しっかりと保温してくれたので、結構よさそうだなという予感がありました。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

—通常のトレッキングパンツと比べて、違いはありますか?

秋冬だと、アプローチではソフトシェルタイプのトレッキングパンツを使用する方が多いと思います。もちろんそれで正解だと思うのですが、「YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドパンツ」は肌触りがすごくいい。生地もすごく伸びるし、シルエットがスッキリしているので足捌きも抜群に良好です。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

—さらに進んで、初日は地蔵尾根を上がりました。稜線に出ての印象は?

フリース部分の通気を感じましたが、一方で腰回りと膝から下の生地がしっかりと防風してくれるので、とてもバランスの取れたトレッキングパンツだという印象でした。すべてがフリース生地だとさすがに通気しすぎると思うので、2つの生地を使用している意図をフィールドで感じることができましたね。

ちなみに、内腿には大きな動脈が走っていて、そこを通気でクールダウンすることで、ハイクアップ時のオーバーヒートを防ぐことができます。もし風が強く、寒さが厳しければ、オーバーパンツを着用すればOK。それは他のトレッキングパンツでも同じだと思いますが。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

—小屋、テントでのリラックス時の着用感はどうでしたか?

ガイドでお客さんを連れているときも思うのですが、小屋やテントでのパンツって結構悩ましいんですよね。トレッキングパンツだとリラックスできませんし、とはいえインナータイツだと歩き回るのには都合が悪いです。そういう意味でも、小屋泊やテント泊での停滞時にもベストなトレッキングパンツだと思います。小屋用のウェアを持っていかなくていいので軽量化にも繋がりますね。

【YAMAP×マウンテンハードウェア】別注フリースを秋の八ヶ岳でテスト&レビュー|登山ガイド・伊藤伴

—「YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドパンツ」にオススメの山、山行スタイルはありますか?


11月からの紅葉が終わるタイミングから、4月までの残雪期にちょうどいいパンツだと思います。低山であれば、1000m以下くらいで雪がないところのハイキングにはぴったりだと思います。

また、雪のある厳冬期登山でも、ミドルレイヤーとして可能性はとても大きいと思います。ウールのインナー、「YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドパンツ」、ハードシェルというレイヤリングなら、冬の赤岳はもちろん、アルプスのテント泊登山にも対応できるはずです。

フリース生地はもちろん、防風生地のところも裏地が起毛仕様になっているので、すごく着心地がいいんですよね。山行はもちろん、前後の移動でもずっと着ていたいウェアだと思います。

< 伊藤さんが着用しているアイテムはこちら>

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