登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)とYAMAPが共同で開発した「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」。適度な「保温」と効果的な「通気」を両立することで、防寒着でありながらも行動時の着用を可能にした、プルオーバータイプのアクティブフリースです。

しかし、登山用のフリースといえばジッパータイプが一般的。「クルーネック仕様、プルオーバータイプのメリットは?」と思うこともあるでしょう。

YAMAPオリジナルデザインによる「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」は、ライフスタイルからハイキングまで対応できるマルチな一着であることが大きな特長です。

ジャケットではなく、クルーだからこその魅力もたくさん。本記事では、マウンテンハードウェアのアンバサダーであり、世界最高峰エベレストのサミッター(登頂経験者)でもある登山ガイドの伊藤伴さんのレビューとともに、その魅力について掘り下げていきたいと思います。

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登山ガイドの下見ハイクの一日に密着!


マウンテンハードウェアのアンバサダーとして活躍している伊藤伴さん。登山にめざめたのはなんと小学4年生。中学時代にはでヨーロッパアルプスの最高峰であるモンブラン(4,809m)、高校3年生でヒマラヤ・ロブチェイースト(6,119m)に登頂。そして大学3年生では当時日本最年少でエベレスト(8,849m)の登頂を果たすなど、登山そのものが人生といっても過言ではないクライマーです。

現在は登山ガイドとして活動。日本各地の山々を案内する日々を送る伊藤さんですが、お客さんを連れていく山にはかならず下見に行くのだとか。コースタイムや危険箇所の有無、山頂からの眺めもチェック。万全の準備が欠かせないそう。

ということで、取材は伊藤さんの「下見登山」に密着。冬の低山ハイクでの「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」の実用性、伊藤さんが感じたメリットについて伺いました。

AM6:00 起床〜準備

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル身長:181cm / 着用サイズ:Lサイズ

取材は伊藤さんの自宅からスタート。すでに上半身は「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」を着用中。さっそく、伊藤さんに登山ウェアの選び方について話を伺ってみました。

  • 伊藤
    まずは、行く山域に合わせてウェアを選びます。その後に、その日の天気やコンディションに合わせて微調整できるようにレイヤリングを考えていきますね。登山口で着替えることもありますが、できれば山行で着るウェアで移動できると荷物が少なくなるのでベターだと考えています。とくに電車移動の場合は、できるだけ荷物を少なくしたいですね。 今日は標高300mくらいの低山での下見で気温は平地と大きく変わらないので、ウールのベースレイヤーの上に「YAMAP別注ハイロフトグッドクルー」を着て行こうと思います。
登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    ジッパータイプのフリースジャケットって普段使いはあまりしないので、ファスナーが気になったり窮屈に感じたりするじゃないですか。登山中の利便を考えたら脱ぎ着のしやすさが大切ですが、それ以外の時間を考えたらジップがついていない「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」が、普段着に近い感覚と着心地で身に付けられるので楽だなと感じています。

AM10:00 登山口を確認

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

登山口に到着したら周辺の道や駐車場の場所を確認。伊藤さんいわく、駅やバス停から登山口までの道は、意外とわかりづらく、迷いやすいのだそう。

  • 伊藤
    登山口の最寄りの駅に集合することが多いので、まずは集合場所をチェック。それから登山口までの距離や時間、ルートを把握しておきます。低山の登山口は住宅街や民家の間にあったり、案外わかりにくい。ガイドとして、間違えると恥ずかしいのでここは欠かさず確認しますね(笑)
登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

確認を済ませたら、登山道へ。低山とはいえ、冬の朝は冷え込みが厳しく、「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」の上にダウンジャケットを着用していた伊藤さん。歩きはじめて体が温まってきたらレイヤリングを調整します。

  • 伊藤
    今日は風がなく日が出ているので、基本は「YAMAP別注ハイロフトグリッドクルー」一枚で行動できそうですね。登りでは汗をかくこともあるので、保温だけでなく通気性も備えたミドルレイヤーは重宝します。毛足の長いフリース素材ですが、生地がグリッド構造であることで厚みを抑えているのでオーバーヒートも起きにくく、脱ぎ着してレイヤリングを調整する必要がないのがおすすめポイントです。

AM10:30 ルートとロケーションをチェック

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

山頂を目指しつつ、トレイルのコンディションや危険箇所の有無、見晴らしスポットや史跡といったロケーションをチェック。事前に確認し、場合によっては予備知識を調べておくことで、ガイド時にお客さんに説明できるようにしておくのだそう。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    一番大切なのは、自分で楽しいと思える山かどうかということ。関東には、近場でも魅力的な低山がたくさんあります。まずは自分がその魅力を知り、それからどうしたらお客さんが楽しめるようにガイディングできるか考えています。

AM11:00 ビュースポットで休憩

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

樹林帯を経て、岩場を登り切った先のビュースポットでひとやすみ。登りでは、春のような陽気を感じるほど。気温差が大きいシーンでしたが、「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」の通気の効果は実感できたのでしょうか。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    下見など、ひとりで登るときは、かなりハイペースで歩いてしまうんですよね。そうすると汗をかいたり、暑さを感じるのですが、「YAMAP別注ハイロフトグリッドクルー」は汗が溜まらずにじんわり抜けていく感覚があります。熱が効果的に発散されているので、行動中もずっと快適です。厚手のフリースであれば途中で脱がなければなりませんが、ずっと着ていられますね!

PM12:00  ゴールはランチスポット

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

今日の下見先が低山ということもあり、あっという間に山頂に到着。日帰りの低山ハイクであれば、山頂やビュースポットでランチをすることが多いのだとか。実際の眺めを確認し、どのような景色が見えるのか、ベンチなどの有無もリサーチします。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    景色のいい場所というのは、木々などがなく視界を遮るものがない場所。それはすなわち、風を遮るものがないということと同義です。つまり、ビュースポットでは防寒着が欠かせません。今回のような低山ハイクであれば、休憩時は上にウインドシェルやダウンを羽織ります。防風性のあるウェアを上から重ねることでフリースの中にも空気の層ができるので、保温性がグッと高まります。

PM13:00 下山ルートもチェック

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

山頂から登山口へ。下山のルートもしっかり確認します。樹林帯に入ると、太陽光が届きにくくなり、体感温度もじわじわと下がりはじめました。そんなときには、ウインドシェルを羽織って保温力をキープします。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    通気性を備えたフリースは、逆に空気の流れを止めることで保温力を維持することができます。下山とはいえ行動中ということもあり、ダウンジャケットではなくウインドシェルをセレクトしました。ウインドシェルはコンパクトになるので、「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」と組み合わせて使うと、細かな気温や行動の変化にも素早く対応できますね

伊藤伴 × YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー インタビュー

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

伊藤さんの下見ハイクに密着してきましたが、ここで「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」のインプレッションをお届け。行動時に積極的に着られるアクティブフリースがどのようなシーンで活躍するのか、また伊藤さんの視点での上手な使い方のコツもお伺いしました。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

—「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」が活躍するのは、どのような山なのでしょうか。

冬シーズンであれば低山のハイキングですね。標高1000m以下くらいで、積雪のない樹林帯メインの山。関東であれば奥多摩や丹沢などでしょうか。春や秋であれば行くことのできる山域はもっと広がると思います。

クルータイプということもあり、最大の魅力はその着心地のよさ。家から移動、山行までずっと着たままということを考えると、僕ならデザインそのものがシンプルなクルータイプに軍配が上がりますね。

フリースというと、デザインや保温性を重視して毛足が長く厚手なものが選ばれがちですが、ハイロフトグリッドは適度な保温力とグリッドタイプならではの抜けのよさもあり、行動中にも着用できる。クルーはジッパータイプに比べて脱ぎ着がしにくいのがデメリットですが、汗抜けのよさのおかげでハイクアップ時であっても脱ぐ必要はなかったですね。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

— 下見ハイクのときも、ダウンやウインドシェルを組み合わせて体温調整をしていましたが、おすすめのレイヤリングはありますか?

行動中はウインドシェル、停滞時はダウンや化繊インサレーションを上に着用するのがいいと思います。ウインドシェルは空気の層を作ることでフリース自体の保温力を高める効果があり、ダウンはさらに保温力をプラスするイメージです。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル行動時の体温調節にはウィンドシェルを
登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル休憩時の体温調節にはインサレーションジャケットを

ポイントは、汗抜けのよいフリース素材だからこそ、その通気性を妨げすぎないウェアを選ぶこと。とくに行動中であれば、透湿性のあるウインドシェルや薄手のレインジャケットがおすすめです。ダウンは行動向きではありませんが、停滞時のことを考えて携行しておくのが安心です。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

—伊藤さんにとっての「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」のおすすめポイントを教えてください。

ポケットが充実しているのが嬉しいですね。チェストポケットはジッパー付きなので貴重品の携行にも安心ですし、サイドポケットがあるのもハンドウォーマーとして役立つので便利だと思います。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

— 着てほしい、試してほしいという人物像はありますか?

「アクティブフリース」と聞くと、本格的な山行で使うウェアというテクニカルなイメージを持つ方も多いと思います。しかし、着用してみて感じたのは、山をはじめたばかりの人、低山や樹林帯の山をのんびり歩くのが好きという方にこそ使ってほしいということ。

1〜2時間ゆっくり景色を楽しみながら山歩きをして、山頂でランチをして、温泉に入って帰るというような、身構えないで楽しむようなハイキングにはぴったりだと思うんです。

「行動中にずっと着ていられる=レイヤリングの調整が少なくて済む」ということなので、脱ぎ着の回数が減ります。つまり、山行そのものがスムーズになるんです。もし登山用のフリースジャケットを一枚選ぶなら?と聞かれたら、「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」をおすすめしたいと思います。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

PM14:00 下見のあとはロープクライミング

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

実は、今回下見に行った山のすぐ近くにはクライミングスポットが。伊藤さんも来たことがあるようですが、もう何年も前のことだとか。「せっかくなのでやってみましょうか」ということで、外岩未経験のYAMAPスタッフにロープクライミングをレクチャーしてくれました。

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

最後にクライミングシーンでも「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」のインプレッションをお届けします!

  • 伊藤
    クライミングのときは、風が少ない森の中なのでフリースウェアを着ることが多いです。ただ、ロープやギア類を肩に掛けることが多いので、フリース生地にダイレクトに当たってしまうとちょっと心配なんですよね。
登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル
  • 伊藤
    「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」のいいところは、肩に補強の生地が配置されているところ。補強がある分、他のフリースウェアに比べて安心感があります。思いっきり、集中してアクティビティを楽しめますね。

街と山をつなぐアクティブフリース YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー

登山ガイド・伊藤伴が提案する「クルーネックフリース × 冬の低山ハイク」というスタイル

結果的に家から移動、山行、そしてクライミングまでこなしてしまった「YAMAP別注 ハイロフトグリッドクルー」。保温と通気を高いレベルで実現し、組み合わせるウェアにより得られる効果が広がる、革新的なアイテムです。

冬の低山ハイクの防寒着を探していた、行動時に着られるフリースに悩んでいたという方にこそ試していただきたい一着。

もちろんはじめてのフリースジャケットとしても最適です。YAMAP STOREだけの限定アイテム、ぜひともチェックしてみてください。

今回ご紹介したアイテムはこちら

YAMAP × MOUNTAIN HARDWEAR 限定アイテム

    紹介したブランド

    • MOUNTAIN HARDWEAR

      MOUNTAIN HARDWEAR

      1993年にアメリカ・カリフォルニア州で設立されたマウンテンハードウェ...

    • YAMAP

      YAMAP

      「つづく、つながる、ものがたる」を大切にしているYAMAP STORE...

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