秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

1日の時間帯による寒暖差が大きい秋冬の山。登り始めは冷えている体も、登るにつれて汗ばむほどに。気温の変化だけではなく、自分の体の変化にも対応しながら快適に山を登るために、アクティブに動くための正しいレイヤリングをしましょう。

「寒いから」とただ重ね着をしていませんか?

ミドルレイヤーには保温性と”ある機能”が重要といいます。「ミドルレイヤーは保温性だけではリスクがある」というファイントラックさんに、アクティブに動けるミドルレイヤーについて伺いました。

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1.暖かいだけではダメ?ミドルレイヤーに必要な機能とは

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

ミドルレイヤーは、ベースレイヤーとアウターシェルの間にレイヤリングする行動保温着。保温性が必要な秋冬の山には欠かせないウェアです。

これまでのミドルレイヤーの主流は保温性と通気性の高いフリースでした。たしかに暖かく着心地もいいのですが、汗処理は少し苦手。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

秋冬の山は気温が低いとはいえ、登るにつれて汗をかき、ウエア内も蒸れが生じます。暑さに立ち止まって、バックパックを下ろして、ウエアを脱いでバックパックにしまって、バックパックを背負いなおして、また登り始め…なんて経験はありませんか?

この手間ひとつひとつがとてもわずらわしく、登山の行動時間が伸びてしまう原因にもなります。では、『本当に良いミドルレイヤー』とはどんなものなのでしょうか?

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

「ずっと着続けられるのが、安全で快適な登山ができるミドルレイヤーです」とfinetrack TOKYO BASEの柴崎さんは言います。

ファイントラックは濡れを肌から離す『ドライレイヤー』で知られている通り、汗処理にこだわったアイテムを展開しています。汗によるトラブルから登山者を守るために、それぞれのウエアの相乗効果で汗処理機能を高める『5レイヤリングシステム』を提唱するほどの徹底ぶり。

柴崎さん「ミドルレイヤーに必要なのは保温性だけではなく、“汗処理機能”なんですよ」


2.ミドルレイヤーの『汗処理機能』が、登山を安全で快適にする

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おしぼりを体に当てると夏の暑さが涼しくなるように、濡れた物は熱伝導によって体から体温を奪います。

汗で濡れたウエアが体に触れていると、登山中でも体温が奪われて体が冷やされます。これが「汗冷え」といわれるもの。風が冷たい秋冬の山で汗冷えの状態が続くと、体温がどんどん奪われて低体温症のリスクも高まります。

柴崎さん「ベースレイヤーに吸汗速乾性があっても、ミドルレイヤーに“汗処理機能”がないとウェアは濡れたままの状態になってしまい、低体温症などのリスクが高くなります」

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柴崎さん「休憩中にボリュームのある保温着を着ても体がなかなか温まらず、逆に冷えたりするのは、濡れたウエアの上から保温着を着ているからなんです。“汗処理機能”を持ったミドルレイヤーをレイヤリングしていると、ウエアはドライなため、保温着のボリュームを抑えられます。荷物の軽量化ができるんですよ」

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柴崎さん「ダウンをミドルレイヤーとして考えている方もいると思います。でも、ダウンは汗処理機能がなく、濡れるとあのふわふわなロフトがなくなって、保温性がなくなってしまうので、おすすめしていません。」

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“汗処理機能”をもつミドルレイヤーをレイヤリングすると、

・ウエア着脱のわずらわしさから解放
・行動時間も削られない
・ウエア内がサウナ状態になってのぼせる『オーバーヒート』を予防
・ウエアがドライで暖かいため、着替えや余計な保温着を持っていく必要がなくなる

と、いいことがたくさん。登山がより安全で快適になります。


3.たくさんあるミドルレイヤーからどう選んだらいい?

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最近ではフリースのような1枚地のミドルレイヤーだけではなく、保温中綿素材が入った『アクティブインサレーション』というミドルレイヤーも出てきています。秋冬の登山にはどんなミドルレイヤーを選んだらいいのでしょうか。

柴崎さん「秋冬の登山におすすめのミドルレイヤーは2つあります。汗による“濡れ”対策をしたい方にはドラウトクローを、運動によるウエア内の“蒸れ”を軽減したい方にはポリゴン2ULですね」


4.汗濡れ対策したい登山者におすすめの「ドラウトクロー」

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ドラウトクローは汗処理機能がとても高いミドルレイヤー。登山中に大量にかいた汗もどんどん吸い上げて蒸散させ、ウェアの外に排出するため、汗濡れを気にすることなくアクティブに動き続けられます。

ほどよい保温力と通気性をもち、ハンドポケットもあるためアウターとしても使いやすい1着です。

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一般的なフリースと比べて圧倒的に速く乾くというドラウトクロー。それは、汗処理に特化させたファイントラック独自の「ドラウト構造」の生地によるもの。肌面から吸水層、導水層、蒸散層の3層構造で、汗をスムーズに処理します。

また、ヘタりにくいパイル生地でかさ高を確保しているため、高い耐久性を実現しています。起毛素材ではないため、マイクロプラスチックの流出も抑制できます。使い手目線でありながら、環境面への配慮にもつながる機能素材です。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

今シーズンのモデルから採用されたアップデートであり、レイヤリングをベースに考えるファイントラックならではのこだわりがフロントファスナーにあります。それはファスナーと身生地を繋ぐ縫製の仕様。

「TPS縫製」と呼ばれるこの仕様は、強度を維持しながら身生地とファスナーを重ね合わせずに縫製する手法で、生地同士を重ねないことで縫製部分が厚くかさばらない効果があります。レイヤリング時はミドルレイヤーの上にシェルを重ねることもあるため、ファスナー同士が干渉して生じるごわつきを軽減します。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

側面にあるベンチレーションはバックパックのショルダーハーネスに干渉することなくサッと開閉でき、ウエア内をスムーズに換気できます。

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ドラウトクローは「汗かきだけど汗冷えからは体を守りたい」というハイカーにおすすめの、秋から冬の登山に活躍するミドルレイヤーです。

5.ウエア内の蒸れを軽減したい登山者におすすめの「ポリゴン2UL」

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「ポリゴン2UL」は、ウエア内の蒸れを排出するほど良い通気性と適度な保温力を両立したアクティブインサレーション。

軽量コンパクトで暖かいため、夏は携行保温着としてテント場などの停滞シーンで着用できます。秋冬の行動着だけではなく、オールシーズン活躍するミドルレイヤーです。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

ポリゴン2ULの保温素材にはファイントラック独自開発の「ファインポリゴン」を採用しています。

ファインポリゴンは濡れに強く、速乾性の高いシート状の保温素材。シート状で透けるほど薄いため、水に濡れてもすぐに乾きます。ダウンと違い、水に濡れてもロフトを維持するため、汗をかく行動中でも着続けられます。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

ほど良い通気性と裏地に施した親水コーティングで、汗による濡れと蒸れの双方に対応。アクティブに動けるミドルレイヤーとして、レイヤリングによる汗処理機能を高め、快適に行動し続けられます。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

重さは、ジャケットタイプで210gほど(メンズ Mサイズ)。付属のスタッフバックに収納すると500mlペットボトルほどのコンパクトさになり、バックパックにパッキングしやすいサイズになります。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

ポリゴン2ULは、ウェア内の蒸れを気にせずに暖かく行動したい登山者や、あたたかいシーズンには保温着としても使い回したい登山者におすすめのミドルレイヤーです。

6.シーンを問わず使いやすいYAMAP別注「ポリゴンライト」

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

山も街もシームレスに、アクティブに行動したい方におすすめのミドルレイヤーは「YAMAP別注ポリゴンライトジャケット」です。

秋冬登山に使いやすい「ファインポリゴン」を採用し、YAMAPが別注したこのミドルレイヤー。防寒小物とのレイヤリングを考えた、襟のない仕様です。カラーはミリタリーテイストのチャコール、カーキ、ベージュの3色展開で、日常生活でのアウターとしても使えるシンプルなデザインに仕上げています。

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アウターとしてより使いやすいように、小物の収納に便利なハンドポケットを付けました。

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ロゴはジャケット生地と同じ色に。街中など日常生活にも馴染むデザインに仕上げています。

秋冬レイヤリングの要!汗を遠ざけてアクティブに動けるミドルレイヤー

「YAMAP別注ポリゴンライト」は、秋山での気温の低い早朝や冬の低山登山では行動着として、夏山のテント場での保温着としてオールシーズン活躍します。

シンプルなデザインのため、登山中だけではなく、街から山へのアプローチや下山後まで着用し続けられます。山も街もシームレスに、アクティブに行動したい方におすすめのミドルレイヤーです。

7.汗を処理するアクティブなミドルレイヤーで安全登山を

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「寒いから」と暖かいウェアをただ重ねて保温性を高めるだけでは、余計に汗をかいて体を冷やしてしまいます。秋冬のレイヤリングで大事なのは、濡れを遠ざけて汗冷えを軽減すること

寒暖差が大きい秋冬の山では、保温性と汗処理機能を兼ね備えたアクティブなミドルレイヤーをレイヤリングしましょう。ウエア内のドライ感が高まって、ウェアの着脱のために立ち止まる回数も少なくすることができますよ。

アクティブなミドルレイヤーで、今年の冬も快適で安全な登山を楽しみましょう。

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