ひとつで、ふた役。山 to 街で行動を軽やかにする「2WAY」サコッシュ|使い勝手をレビュー

ここ数年、登山の定番アイテムとして定着した「サコッシュ」。行動食や山地図など、歩きながらでもパパッと出し入れできる便利さから、サコッシュを愛用するハイカーは増えましたよね。

かくいう筆者も機能的なサコッシュが大好物で、ここ数年で集めたサコッシュの数は20モデル以上。どれも気に入っていて、出かける山域や服装、その日の気分によって使い分けていますが、またまた出会ってしまいました、唯一無二の便利サコッシュに。

「かゆいところに手が届く」新発想のサコッシュ

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筆者のサコッシュコレクションに仲間入りしたのは、MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)とYAMAPが共同開発した「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」です。

上記の写真を比べると、一見「サコッシュ」と「ショルダーバッグ」という姿形の異なるアイテム。ですが、じつはこれ一体になっているんです。

山で、下山後の散策で、旅行で、日々の暮らしにも役に立つ、「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」の魅力を徹底解剖していきます。

ぱぱっと5秒で、大容量バッグに変身

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ぱっと見はシンプルなサコッシュ。でも、ロゴのない面のファスナーを開けると……一瞬でショルダーバッグに様変わりします。

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サコッシュの内側にポケットがあり、そこにショルダーバッグが内蔵されているという、今までありそうでなかった秀逸なギミックです。

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ショルダーバッグの大きさは、幅40cm・高さ33cm・マチ8cm。登山靴、中厚手のフリース、レインジャケットをひとまとめにできる大型サイズ。

これまで筆者は、荷物が増えたとき用に折りたたみバッグ(いわゆるエコバッグ)も持ち歩いていましたが、その必要がなくなり、このサコッシュだけで済むようになりました。

また、パッカブルになるエコバッグというと手に持つタイプが多く、自ずと片手が埋まってしまっていましたが、これならストラップを肩にかけるだけなので両手が空いて楽ちんです。

山ではサコッシュとして使い、移動中や下山後はショルダートートとして。ここが普通のサコッシュと大きく違う、最大の魅力です。

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もちろん、サコッシュ本体に入れていた貴重品の居場所はそのままでOK。出し入れのしやすさは、変わりません。

では、実際どんなシーンでこの内蔵ショルダーバッグが役に立つのか? 筆者の使い方を5つご紹介しましょう。

使用例1【山行中】|山小屋やテントサイトの周辺を散策するときに

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山小屋泊やテント泊のとき、荷物をおろしたあと、周辺を散策したいときってありますよね。でも、その辺を歩くだけとはいえ、貴重品、飲み物、雨具や防寒具など最低限のアイテムは持ち歩きたいというシーンってあると思います。

背負ってきたバックパックでもいいんですが、それだと大きすぎたり、大袈裟すぎたり。そんなときこそ、「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」の出番。アタックザックならぬ、散策バッグに早変わりします。

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登山の前後でふもとの街に宿泊する、なんてときにも、大きなバックパックは宿に置いて、「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」ひとつで身軽に行動できます。

使用例2【下山後】|登山靴の持ち運びに

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下山後“一番目”のお楽しみ、それは登山靴を脱ぐ瞬間ではないでしょうか。重たい登山靴と湿った靴下を脱いで、素足でサンダルに履き替えたときの解放感といったら……。そりゃもう、ハイカーにとって至福のひとときですよね。

内蔵のショルダーバッグには8cmのマチがあるため、ソールの分厚い登山靴もすっぽり。バックパックにスペースがないときも、スマートに持ち帰ることができます。

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ショルダーバッグの素材は、ポリエステル100%。ツルッとした素材感なので、汚れがついても落としやすいところもいいんです。

使用例3【下山後】|お土産、温泉グッズ入れとして

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山のふもとの街散策や、道の駅でのお買い物も、山旅の醍醐味です。バックパックはパンパンでも、ぱぱっと内蔵のショルダーバッグを出せば、荷物が増えても問題なし! かさばる箱のお土産だって、すっぽりおさまります。

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タオルに着替え、下山後の温泉バッグとしてもちょうどいいサイズ感です。

使用例4【移動中】|かさばるアウターを入れる

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電車やバスなど公共機関を使っての移動は、暑くなったり寒くなったり、上着の脱ぎ着が増えますよね。手に持っているのは煩わしいし、かといって、いちいちバックパックに出し入れするのも面倒……。

そんなときにも、このショルダーバッグにかさばるアウターウェアを入れてしまえば、両手が空いてストレスフリー。

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ちなみに、登山靴を入れた上からでも、中厚手のフリース、レインジャケットを入れることができるくらい収納力があります。

使用例5【普段使い】|買い物やお出かけで、手荷物が増えたときに

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コンビニやスーパーでの買い物はもちろん、子どもとのお出かけ、旅先での散策など、「もしかしたら荷物が増えるかも」というシーンは、日常でもたびたび出くわします。

別途折りたたみバッグを持っていけばいい話ではありますが、うっかり忘れてしまうことも多いので、サコッシュとショルダーバッグが一体型になっているのはとても嬉しいポイント。

買い物袋を買わずに済む=エコな行動につながるところも、自然を愛する身としては大切にしたいですね。

使い心地のよさを突き詰めたディテール

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状況によって、サコッシュと大容量ショルダーバッグ、ふたつの顔をもつ「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」。

単なる"コンパクトバッグ"にとどまらず、各部ディテールにもこだわりを感じます。

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例えば、ショルダーストラップ。ある程度の荷物を入れて持ち歩くことを想定しているため、肩に当たる部分がクッション材入りのパッドになっており、重たい荷物を入れても、肩に食い込みにくい仕様になっています。

ストラップが細すぎると当たりが気になることがあるので、個人的にここは好感度が高かったポイント。

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そして、口元には荷物の広がりを防ぐスナップボタン付き。これにより、荷物を詰めたあとに口元がガバッと開いてしまうのを防いでくれます。スナップボタンを留めることで、見た目もすっきり。

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内蔵のショルダーバッグ自体は、薄手ながらも強度のあるポリエステル素材を使用しているので、使わないときはスマートに収納できます。

折りたたみ方はシンプルで、ご覧のとおり折りたたんでいくだけ。時間がないときは押し込むだけでもOKです。

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この手のポケットに収納するタイプの折りたたみバッグは、元のサイズに折りたたむのに手こずることがありますが、しなやかな生地を採用しているので、仮に少々雑に収めたとしてもゴワつかないところにも、作り手のこだわりを感じました。

サコッシュとしての使い勝手も抜かりなし

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さて、ここまでは脇役の内蔵ショルダーバッグについて語ってきましたが、もちろん、サコッシュとしての使い勝手もバツグンです。

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メイン素材は、防水性に優れるX−PAC。強度、軽量さにも長けていると同時に、ファッション性の高さも兼ね備えている素材です。

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防水素材を使用しているサコッシュなので、もちろんファスナーは水が入り込みにくい止水仕様になっています。これなら雨天時での使用も、安心感高し。

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サコッシュ本体のサイズは、幅24.5cm、高さ19.0cm。お財布、行動食、日焼け止め、虫よけスプレー、サングラスなど、使用頻度の高い小物たちを入れておくのにちょうどいいサイズ感です。

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さらに、7.5cmのマチがあるおかげで、500mlペットボトルやタンブラーも収まります(ペットボトルは頭だけ出てしまいますが、雨じゃなければそこまで問題ないでしょう)。ここも使い勝手のいいポイントです。

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試しに500mlペットボトルが何本入るかやってみたところ、3本まで収めることができました。サコッシュ自体にも、それなりの収納力があります。

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外側のメッシュポケットも地味に便利で、スマホやリップクリーム、移動時に必要なチケットなど、すぐに取り出したい小物アイテムの居場所にぴったり。

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そして、メッシュ=通気性がいいので、汗を拭った手ぬぐいや、濡れてしまったグローブの収納場所にも最適。濡らしたくないアイテムと区別できます。

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ショルダーストラップ込みの総重量は、約175g。スマホと同じくらいの軽さで、これだけのこだわり(機能)が手に入るって、控えめに言ってサイコーです!

サコッシュひとつで「快適」が手に入る

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山行中は、サコッシュとして。手荷物が増えたら、内蔵のショルダーバッグをさっと出して、収納を拡張できる「YAMAP別注 2WAYサコッシュ」。

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これを使っていれば、「つい買い物袋忘れちゃった」なんてこともありませんし、荷物の中からゴソゴソと折りたたみバッグを探さなくて済みます。

山で、街で、日常で。何かと荷物が増えがちなお出かけの頼もしい存在になってくれますよ。

山畑 理絵(やまはた りえ)

山畑 理絵(やまはた りえ)

登山歴15年のライター・編集者。元アウトドア用品専門店スタッフ。のんびり日帰り低山から、山小屋グルメ堪能ハイク、テント泊縦走まで楽しむ。ホームマウンテンは奥武蔵。現在は3歳の娘と山歩きとクライミングジム通いに没頭中。

    紹介したブランド

    • MOUNTAIN HARDWEAR

      MOUNTAIN HARDWEAR

      1993年にアメリカ・カリフォルニア州で設立されたマウンテンハードウェ...

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