パーゴワークスイベントに潜入!「Navi and Camp2024」レポート前編
6月初旬、長野県・富士見高原リゾートにてPAAGO WORKS(パーゴワークス)が主催する「Navi and Camp2024」が開催されました。
「本気で学んで、本気で遊ぶ2日間」と題されたこのイベントは、一般参加者がロゲイニング・火起こし・パッキング・オリエンテーリングの4種目で得点を争うレース形式。どの種目もレクチャーが付いているため、アウトドア初心者でも安心して参加できるのが特徴です。さらにはパーゴワークスの製品に触れられたり、直接スタッフと話せたり、パーゴワークスファンにとってはたまらない機会となっています。
今年で公式開催2回目を迎えた本イベントにチームYAMAPが突撃参加! 汗まみれ、雨まみれになった2日間から、ロゲイニングにフォーカスしてお送りします。
(文:大城 実結 写真:藤田慎一郎)
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突然ですが、獣道からお届けします
こんにちは、ライターの大城です。突然ですが私は今、獣道を小走りしています。
そして50m先にあるのは、オレンジ色のフラッグ。無我夢中で駆け寄り、「あった!」と奇声を上げ、大人げなく飛び跳ねて喜ぶ我々でありました。
これはロゲイニングという競技のワンシーン。ロゲイニングとはコンパスと地図だけを使用して指定されたCP(チェックポイント)をまわり、いかに多く得点を獲得するかというレースです。
チームYAMAPのふたりにとって今回が初めてのロゲイニング体験。コンパスを片手に地図を読み、半信半疑でトレイルを進み、時には道なき道を進みCPを捜索しました。
それでは、大会当日の朝まで時間を戻してみましょう。
本気で遊んで学ぶ2日間、始まる
八ヶ岳連峰が雲の間から顔を覗かせる爽やかな朝、パーゴワークスが主催するNavi and Camp2024、通称「ナビキャン」が幕を開けました。集まったのは58組、事前募集に申し込んだ総勢116名のアウトドア愛好家たちです。
このイベントでは1日目にロゲイニング、火起こし、2日目にパッキング、オリエンテーリングの計4種目による競技を実施し、ペアで協力し高得点を狙います。とはいえ、ガチガチのレースではないのがナビキャンの良いところ。エントリー層でも参加しやすいよう事前にレクチャーを受けられ、本気で競技に取り組めるプログラムになっているのです。
第一種目となるロゲイニングも例に漏れず、しっかりとしたレクチャーを受けられます。八ヶ岳を拠点に活動しているオリエンテーリングクラブ・トータスの皆さんが少人数で講習会を実施。地図の読み方からコンパスの使い方、ロゲイニングのルールまで詳しく教えてくれました。
頭では理解したとはいえ、実際にできるかは別問題。このイベントでは習った知識をすぐに半強制的に実践することになるので、知識を体に叩き込めるのが強みです。習ったことを復習していたら、あっという間にロゲイニングの競技開始時刻に。ここでようやく大会で使用する本番地図が配布されます。
配布されるのは1/25,000国土地理院地図に、CPが記されたマップ。CPは距離・難易度によって設定された得点が異なります。3時間の競技時間で、いかに多くの得点を獲得するかが勝敗の決め手となっており、地図配布後の10分間は相棒と地図を読みながら作戦を立てる時間として与えられます。
各チーム、それぞれの体力や経験値をもとに、回り方や目標CPを定めます。ちなみに制限時間の3時間を過ぎてゴールしてしまうと、減点が発生するため、できるだけタイムオーバーをせずいかに多くの得点を獲得するかが重要です。
連日の編集・執筆作業で心身ともにヘロヘロになっているチームYAMAPは、かなりの弱気。無理のなさそうな範囲を巡り、着実に点数を取る方針に固めました。
相棒とコンパスと自分を信じて進め
作戦タイムが終了し、出走時間がやってきました。どのチームの顔にも笑顔が浮かんでいるのが印象的。走り出すのは皆同じですが、方向がバラバラなのがこの競技の面白いところです。
それでは、スタート!
最初のCPまでは多くのチームが同じ方向に進んでいましたが、一度山に入ってしまうと人気がなくなり、鳥の声だけがこだまする空間に。
普段の登山と同じような情景ですが、競技中はまったく違うものとして伝わってきました。
生えているのは針葉樹なのか広葉樹なのか、高度は上がっているのか下がっているのか。水流のような音は聞こえないか。五感を研ぎ澄ませ、地図と照らし合わせる作業が続きます。気を抜けば道を見失ってしまいそうな森の迷宮。一歩を踏む足の裏さえピリッと緊張が走るようです。
しかし慣れてくると、とんでもなく壮大で豊かなフィールドに、心が弾み始めました。ときに巨木を跨いだり、凜と佇む銀竜草の群生に声を上げたり、CPを目指しながら自分たちのペースで進み始める一行。そして……!
一面緑の中に、ぽつんとオレンジ色のCPを見つけたときの快感たるや否や。まるで荒天の中、山小屋が見えたような安心感と、憧れだった頂に自力で辿り着いたような高揚感で全身が満たされます。ここから我々はエンジンがかかったように競技に前のめりになっていきました。
フィールドで実感、パーゴワークス製品の現場力
今回チームYAMAPではパーゴワークス製品を軸にしたコーディネートをしていました。そしてやはり、パーゴはフィールドで強い! 移動しながらその良さをとことん堪能しました。
【バックパック】RUSH(ラッシュ)/BUDDY(バディ)
左がトレランを想定して作られた「ラッシュ30」、右がハイキングを想定して作られた「バディ30」。どちらもたっぷりの積載量に背負いやすさを兼ね備え、さらにパッキングしやすさに重点が置かれたアイテムです。
筆者(右)が背負っていたのは「バディ33」です。見た目以上の積載パワーを持ち、なおかつ軽量フレームが入っているおかげで、多少雑にパッキングしてもしっかり自立するのが魅力でした。1泊2日分の荷物を全て背負ってロゲイニングに参戦しましたが、おかげで難なく行動できました。
実際に使用してみて便利だったのが、ザックサイドの出し入れ口です。荷物を取り出したいときにサッと側面から出し入れできるため、気軽に荷物を取り出せたのが印象的でした。
【フロントポーチ】SWITCH(スイッチ)
斜め掛けのポーチやウエストポーチ、フロントポーチなど、どんなシーンでも役立つ「スイッチL」も今回の名脇役です。
筆者は普段からお出かけポーチや、サイクリング用ポーチ、登山時のチェストポーチとして使用しています。今回は貴重品や手ぬぐい、ケア用品などを入れ、フロントポーチとして活躍してもらいました。見た目以上の収納力にはいつも驚かされます。
【ショルダーポーチ】SNAP(スナップ)
「小腹が減ってしまった……」そんなときにもサッと手を伸ばせる位置にあるのが「スナップ」です。筆箱のような細長い形状をしたスナップは筆記具やサングラス、日焼け止めを入れるのにもぴったり。私は今回ひとくち羊羹と梅干し、スマートフォンを収納していました。
表のメッシュポケットの固定力はピカイチで、どんなシーンでもスマートフォンを落とすことなく使えたのが非常にグッドでした。
【ヒップポーチ】RUSH HIP(ラッシュヒップ)
相方が装着していた「ラッシュヒップ」はトレイルランナーの強い味方です。ベルトのように腰回りに巻くだけで、収納スペースを拡張できる優れもの。
相方はここに携行食を携え、いつ何時もハンガーノックを起こさないように備えていました。
【収納ポーチ】W-FACE POUCH(ダブルフェイスポーチ)
「ダブルフェイスポーチ」はニーズに合わせて大小幅広いサイズが展開されています。筆者は1LサイズのP1を愛用しており、普段の登山やアクティビティからエイドキットを収納しています。
一番の特徴は2面に分かれた構造です。視認性の良いメッシュ面と、しっかりアイテムを持ち運べるインナー面で使い分けられるため大変便利。マチもしっかりと作られているため、想像以上に収納できるのもポイントです。
野山を駆けまわった3時間もフィナーレへ
長く感じた3時間も気付けばあっという間に終了時刻が迫ってきていました。八ヶ岳の西麓で繰り広げられていた今回のロゲイニングは、基本的に北東から南西にかけて下っている地形になっており、多くのチームが帰路は登りと格闘しなければならないコースとなっていました。
得点が欲しい、でも遅刻はしたくない! 焦る気持ちは自然と足取りにも表れます。どうしてもあと1ヵ所回りたいと、藪をかき分け道なき道を進んだり、CPをクリアしたあとにゴールへ向かって駆け出したり、スタート時よりも機敏な動きを見せるチームYAMAP。
太陽が真上に登り、初夏を思わせる気候が会場を包んだ頃、無事制限時間内にゴール!
初参加にしては善戦したようにも感じる、58チーム中36位でした。そして会場には次々と参加者が飛び込んできます。
中にはコスプレをして野山を駆けまわったり、ロゲイニングの達人たちは想像も付かないような遠いCPを確実に取りに行ったり。広い意味でチームの個性が光る競技でした。
そしてイベントは続く、続きはその目でまた来年
そしてナビキャン2024の第一種目が終了し、しばしのリラックスタイムへ。その間もテントを設営してくつろいだり、お風呂に行ったりとチルな雰囲気に包まれます。チームYAMAPはパーゴワークスのニンジャタープを設営し、風に吹かれながらゆるゆるとくつろぎました。
改めてロゲイニングの魅力にどっぷりとハマり込んだ3時間でした。これまで山を歩くときは、いざというときに備えて地図を持ち歩く感覚だったのですが、もったいないことだと痛感。地図には等高線や植生などの情報が詰め込まれています。それらを感じて、一歩ずつ踏みしめると、五感に飛び込んでくる情報量が濃密なものに変化していくのを感じました。
そして相棒と協力し、臨機応変に作戦を練っていくことは、互いの長所を発見することにつながります。前と後では、山との距離も、相棒との信頼関係も濃密なものになったと感じます。
さて、パーゴのナビキャン2024は始まったばかりですが、レポートはここでおしまい。
気になる続きは、来年のナビキャンにてぜひその目で確かめてみてくださいね。次は現地でお会いしましょう!