秋冬登山の落とし穴?! 安全で快適な山歩きの「基本装備」をおさらいしよう
山はすっかり秋の様相。暑さがやわらぎ、紅葉の知らせもちらほら。日帰りはもちろん、縦走登山にとってもベストシーズンがついに到来しました。
週末の天気を見つつ、山行の計画を立てている方も多いはず。しかし、心地よい気候が魅力の秋山ですが、
「思ったより寒かった…」
「夏とは違って日暮れも早い」
「天気の変化にびっくり!」など、
行ってみてから気付くリスクがたくさんあるんです。
そこで今回は、安全な秋山登山のための「基本装備」をお届け。準備を万全にして、短い秋を存分に楽しみましょう!
朝晩の冷え込み対策に保温ウェアを
日が昇る前に登山口に到着。
ドアを開けてみると、キリリと冷たい空気に包まれます。
日中はポカポカ陽気の秋山ですが、
朝晩や標高が高い場所では冷え込みが厳しく
フリースやダウンなどの防寒着は欠かせません。
歩きはじめて体が温まるまでは
体と首周りをカバーしてくれる防寒着は必須。
見上げれば白みはじめる空。
これから登る先にどんな景色が待っているのか。
ソワソワしつつもパッキングの最終チェックをして登山口へと向かいます。
行動中も着られる中間着の定番「R1エアフルジップフーディ」
秋山登山の防寒着として活躍してくれるフリースですが、ひとことでフリースと言ってもバリエーションはさまざま。そんななか、定期的に改良をつづけロングセラーとして愛されているのが、「patagonia(パタゴニア)/R1エアフルジップフーディ」です。
ポイントは、ジグザグ織りジャカード生地。冷え込みから守ってくれる「保温」はもちろん、行動中の暑さを逃す「通気」も兼ね備えており、ハイキングからクライミングまで、幅広いシチュエーションで快適な山行を約束してくれます。
早朝のハイクアップ時は気温が低く、防寒着を着用して登ることは多いですよね。「R1エアフルジップフーディ」は、通気性もあるので、行動中に着ることが可能。つまり、登りの暑さに耐えかねて脱ぎ着する必要が少なくなるんです。
一方、顔まわりをカバーするフーディータイプなので、風が強く寒さが厳しいシーンにも対応してくれます。
レインウェアを活用して防寒をプラス「ゴアテックス パックジャケット」
フリースだけでは防寒力に不安があるならレインウェアをプラスしましょう。レインウェアを着用することで、体温で温まった空気を留めることが可能になります。防風の役割もあるので尾根や稜線に出たときの防寒としてもOK。
「PeakPerformance(ピークパフォーマンス)/ゴアテックス パックジャケット」は、防水透湿素材のなかでも軽量な「GORE-TEX PACLITE®」を使用。冷えの原因となる汗を効果的に発散してくれるため、ウェア内がムレにくく快適な着心地が持続します。
風速1mで体感温度は1℃下がると言われています。気温が10℃で、稜線で10mの風が吹いていたら…体感温度は0℃。さらにもし雨が降っていたら…と思うと、風対策はとても大事だということがわかります。
秋山登山では、冷たい風を体に当てないこと。そのためにも防水透湿性のあるレインウェアは欠かせません。
足元を濡らさないのも秋山登山のコツ
小鳥がさえずりはじめる朝。
まだ薄暗い登山道を登っていきます。
朝日が雲海を照らし、遠くには山の姿が。
休憩のたびに目まぐるしく変わる景色に見とれてしまいます。
夏よりも装備の機能を実感するのが秋の山。
だからこそ、少しの不安もなく挑みたいもの。
軽快な足どりを支える防水シューズ「ローンピークオールウェザーミッド」
夏はムレが少ない通気性の高いシューズを選ぶことも多いのですが、秋山には防水タイプがオススメ。というのも、ぬかるみや水溜りで濡れてしまうと、冷えが伝わって低体温症のリスクを引き起こしてしまうから。
また、防水メンブレンのおかげで保温性に優れるのも防水タイプのメリットのひとつ。「ALTRA(アルトラ)/ローンピークオールウェザーミッド」は、軽量なUL(ウルトラライト)スタイルでありながら、足首を守るミッドカット仕様で、防水性もバッチリ。雨の日でも安心です。
ミッドカットスタイルなので、縦走登山のテント泊装備で荷物が重かったり、足場が悪いトレイルがつづくような山行でも安定感抜群。ローカットモデルでは不安という方にも使いやすいトレッキングシューズに仕上がっています。
防水メンブレンには透湿性も兼ね備えた「eVent」を採用。シューズ内がムレにくく、ロングハイクや縦走登山でも快適性が持続します。
防寒小物でコーディネートを楽しもう
トレイルにさすまばゆい光。
見上げてみると、
梢のはっぱは色づきはじめているよう。
そこかしこに隠れている小さな秋を探して歩きます。
秋山の安全登山のポイントは防寒。
あれも必要これも必要…と足踏みしてしまいそうですが、見方を変えれば、コーディネートを楽しめるということでもあります。
小物のセレクトも、
秋山登山の醍醐味のひとつです。
メリノウール製のロングライフニット「メリノニットビーニー」
秋冬に活躍するビーニー。カラーやデザイン、シルエットなど、バリエーション豊かなのでコーディネートのアクセントとして選ぶのも楽しいアイテムです。
上質なメリノウールをふんだんに使い、かつ片畦編(かたあぜあみ)と呼ばれる目の詰まった製法で編まれた逸品。保温性や着用感のよさだけでなく、しっかりした作りで長く使えるのも魅力です。
メリノウール製なので汗をかいても匂いが出にくく、長期間の山行にもOK。汗をかいてもベタッとしないのもポイントです。寒いときは耳まですっぽり被せれば防寒もバッチリ。今シーズンのヘビロテアイテムになってくれるはずです。
指先フリーの保温グローブ「パワーリストゲイター」
POLARTEC社の伸縮性に優れたフリース「Power Stretch Pro」を使用したリストゲイター。指先がフリーになったグローブというアイテムで、手首と手の甲を保温してくれます。カメラや調理小物を使うようなシーンでは、指先までカバーされたグローブだと使いづらいことも。そんなときはこちらのフィンガーレスタイプがオススメです。
すっきりしたデザインなので、冬山登山やウインタースポーツのインナーグローブとしても◎。4方向に伸縮する「Power Stretch Pro」のおかげで快適な着用感も魅力です。
日照時間が短い秋。行動はスマートに!
標高を上げていくと、木々はすっかり秋模様。
秋の低い日差しが色づいた葉をオレンジに照らします。
紅葉を静かにじっくり楽しみたいのであれば、自分のペースでソロハイク。
人気スポットではなくマイナールートをセレクトするのもオススメです。
初秋は日没が早くなっていることに気づきにくく
夏と同じ感覚でいるとあっという間に日が暮れてしまいます。
足元や細部が見えにくくなるため、
転倒や怪我をしやすくなり
道迷い、遭難のリスクも高まります。
ついつい紅葉を眺めてしまい「時間切れに…!」
なんてことのないよう、山行はスマートに。
サクッと調理、でも美味しい!「Onisi(オニシ)/アルファ米」
山ご飯の定番「Onishi(オニシ)」のフリーズドライフードにエスニックなテイストの「ビリヤニ」と「ナシゴレン」が新登場。いろんな味を楽しみたいという方にはうれしい選択肢です。秋の山は日が短いのもありサクッとご飯を済ませたいもの。手軽なアルファ米はスマートな登山には欠かせません。
調理方法はいつも通り。お湯を注いで15分待てばOK。出来上がるまではホッカイロのようにウェア内に入れて温まることも可能。冷えが気になる停滞時の防寒にも使えて一石二鳥です。
お気に入りの行動食は予備を持っていくのがオススメ。「Enemoti(エネもち)」
秋は寒さから身を守るために体がカロリーをたくさん消費します。ちょっとした休憩時にしっかり栄養補給をしておきましょう。「Enemoti(エネもち)」は、パラチノースと呼ばれるエネルギー源を配合することで、山行中のスタミナ切れを防いでくれます。
「Enemoti(エネもち)」の製造元は北海道銘菓で知られる天狗堂宝船。同社のクルミ餅をベースに、カリッとしたクルミの食感と、お米の自然な甘みを楽しめるよう、おいしさにもこだわった一品です。
ハイキングからトレイルランニングなどのパフォーマンスが求められるアクティビティで活躍します。また、かさばらないので予備の行動食やエマージェンシー用としてもOK。1つ2つ、余分にバックパックに忍ばせておきましょう。
下山が夕暮れどきになることも。必ずヘッドライトを携行しよう
秋分の日が過ぎると、グッと日暮れが早くなる秋の山。太陽が沈むと、あっという間に暗くなってしまいます。
意図しないナイトハイクでも
ヘッドライトがあれば安心。
「使わないから大丈夫」と思わず、必ず携行しておきましょう。
途中で捻挫してしまった時や、万が一のときの助けにもなりますよ。
コンパクト&大光量のヘッドライト「MS-G2 USBマルチファンクション」
重量はわずか28gでありながら、明るさは驚愕の400ルーメンのヘッドライト。しかもワイド照射仕様で足元の視認性を確保してくれるので、岩場や木の根が多いトレイルでも安心です。
明るさ調整、5点灯パターンな多機能製も大きな魅力。お守りとしてバックパックにしまっておきたいアイテムです。
薄暗いトレイルやテント場で手元を照らすときには目に優しい電球色を。最大14時間点灯可能(10%照射時)なので山行途中の電池切れの心配もありません。USB充電、IPX4の防まつ対応でシーンを選ばずお使いいただけます。
ユニークなモバイルランタン「エバーグローライトチューブ」
夜間の車中での準備やテント場、キャンプにオススメしたいライトチューブ。風船のように空気で膨らませるだけで完成。マグネットで貼り付けることが可能なので、車のドアなどにくっつければ即席の光源になります。
電源はモバイルバッテリーから。調光機能もついているので、使用シーンに合わせて明るさを選べます。マグネット内蔵の「エクストララージ(86cm)」「ラージ(66cm)」と、マグネットなしの「レギュラー(46cm)」の3サイズが揃います。
大きな安心を生む、ほんの少しの装備の違い
秋は、紅葉はもちろんロングハイクや小屋泊登山、美味しい食材を使った山ご飯や温泉を楽むにはこれ以上ない季節です。ただ、朝晩の冷え込みや天候変化など、気をつけないといけないことがあるのも事実。今回紹介したアイテムのように、実はそれほど特別なものではなくても、持っているだけで大きな安心が得られるものはたくさんあります。だからこそ、行ってから「寒かった」「辛かった」とならないために、しっかりした準備が大事。完璧な装備で、短い秋をたっぷり楽しんでいただければと思います。