パーゴワークスの新型RUSH登場! ビギナーからアスリートまで愛されるトレランパックを徹底解説

パーゴワークスが展開するトレイルランニング向けバックパック 「RUSH(ラッシュ)」。日本人向けに開発されたフィッティング設計、レースで活躍する豊富な機能性を備え、ビギナーからトップアスリートまで幅広いランナーの支持を集めてきました。そんなRUSHシリーズが、フルリニューアル。そこで、パーゴワークス代表でありデザイナーの齋藤徹さんにインタビューを敢行。どこよりも早く、5アイテムそれぞれの解説に加え、新型RUSHシリーズの開発に込めた思いをお届けします。

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パーゴワークスのトレランパック「RUSH」が愛される理由

パーゴワークスの新型RUSH登場! ビギナーからアスリートまで愛されるトレランパックを徹底解説

2014年のデビュー以来、いまやトレイルランニング向けバックパックの代名詞となっているPAAGOWORKS(パーゴワークス)の「RUSH」。その最大の魅力は、「日本人ランナーのために開発されたトレランパックであること」といっても過言ではないでしょう。RUSHが登場した2010年代初頭のトレイルランニングブーム下において、当時のトレランパックは海外ブランドの製品が主流でした。サイズ展開は当然ながら欧米人向け、フィッティングシステムはビギナーには難しい専門的な機構を採用しているなど、多くのランナーが悩みを抱えていたのだそう。

  • 齋藤

    自分自身もトレイルランニングの大会に出たり、カルチャーの盛り上がりを感じていました。ハイキング用のバックパックと違い、トレイルランニング向けのものはアップダウンのある山を『走る』ので、揺れを抑える安定性をはじめ、荷物の出し入れや給水といった機能性を追求したデザインが求められます。2011年にパーゴワークスを立ち上げて、デザイナーとしての腕試しをしたいという気持ちもあり、RUSHの開発に着手しました。

パーゴワークスの新型RUSH登場! ビギナーからアスリートまで愛されるトレランパックを徹底解説フルリニューアルを遂げた「RUSH」シリーズ

齋藤さんが目指したのは、誰でも簡単にフィッティングができて、ランを純粋に楽しめる「みんなのRUSH」。海外ブランドのレース向けモデルにありがちなフィッティングの難しさを解決し、ビギナーでも気軽に使えるカジュアルなバックパックでした。

  • 齋藤

    トレランをはじめる人にとっての敷居を下げたかったんですよね。最初に作ったのは、7リットルモデル。短距離のトレイルを中心に、普段のトレーニングまで使えるベーシックなアイテムです。その後、よりハードなレースをターゲットにしたもの、ファストパッキングやオリエンテーリングを想定したものなど、さまざまなモデルを「RUSH」の名前で展開してきました。初代のRUSHが出てから約10年。マイナーチェンジやモデルチェンジで各モデルをブラッシュアップしてきましたが、あらためて『RUSHシリーズ』として完成させるべく、フルリニューアルに取り組みました。

パーゴワークスの新型RUSH登場! ビギナーからアスリートまで愛されるトレランパックを徹底解説

新型RUSHの開発を支えたのは、パーゴワークスが信頼をおくトレイルランナーたち。レースでの使用感や気付きをランナーから集め、デザインに反映。ランナーとタッグを組んで開発を行うことで、より満足度の高い製品が完成したのです。

  • 齋藤

    新型RUSHのキャッチフレーズは『Designed by the Runners』。これまでRUSHを背負って走ってくれたランナーの声が開発を支えてくれました。RUSH史上、最高の自信作です!

新型「RUSH」のディテールに迫る!

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今回のフルリニューアルでラインナップが一新。レース向けのベスト型を採用した7リットルと11リットルモデル、そしてレギュラーの10、20、30リットルモデルの5アイテムが揃いました。ここでは、それぞれの使用シーンや特徴について解説していきます。

ベスト型のショルダーハーネスを採用したレースモデル


まずは、レースを想定した多機能モデルからご紹介。50kmから長ければ100マイル(160km)以上を走破する過酷なレースを支える、まさにフラッグシップモデルとも言えるシリーズです。

RUSH 7R:ショートからミドル(〜50km)を想定

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レース向けモデルは、いわゆる『ベスト型』と呼ばれる設計を採用。一般的なバックパックと違い、ショルダーハーネスの下部がボディ本体と連結していて、背負うより『着る』ようなデザインになっています。このことにより、より高いフィット感が得られ、かつポケットも充実させることが可能となっています。

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  • 齋藤

    『RUSH 7R』は、50km程度まで、エイド(補給ポイント)が充実したレースにちょうどいいサイズ。レインウェアや行動食、水やエマージェンシーキットといった必携品が大会によって定められているのですが、その容量に対応できるサイズ感。

    レース向けモデルですが、幅広いトレランシーンに対応できる容量となっているので、トレーニングやファンランでもOK。背面はセンタージッパータイプ。シンプルな構造で、ジャケットや行動食などの出し入れが容易です。

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  • 齋藤

    前モデルからの大きな変更点は、ボトムのポケット。メッシュタイプなのですが、両サイドに「返し」をつけることで、荷物の脱落を防いでいます。ペットボトルでも、このように「返し」でキャップ部分と底部分を包むことでしっかりと固定することができます。

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  • 齋藤

    生地は現行モデルにひきつづきダーリントンメッシュ。横には伸縮性があるのですが、縦には伸びないのが特徴です。荷物量に合わせて横には伸び縮みしますが、ランによる縦揺れは抑えることが可能です。

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  • 齋藤

    ショルダーハーネスに関しては、7リットルと11リットルモデルは共通です。非常に安定感がたかく、ボトルやフラスク、補給用のジェルなどの携行を想定した設計になっています。ポケットは肩だけで全部で12個。前モデルの8つからかなり充実しました。

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  • 齋藤

    新型モデルでは、内側にスマートフォン用のポケットを採用。スマートフォンの大型化に対応するためには、外側ではなく内側がベストでした。走っているときに滑り落ちることもなく、ボトルとも干渉しないのがポイントです。ちなみにこの位置にスマホポケットを設けたのは、世界初だと思います。

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  • 齋藤

    ハーネスは無段階で調整可能。ステッチが目印になっていて、体型や身長に合わせて最大8cmほど調整できます。この仕組みにより、サイズ展開が1つでありながら、大柄な男性から小柄な女性まで、ほとんどの方にフィットすることが可能になっています。ちなみに、ショルダーの調整ができるバックパックは、ヨーロッパブランドの一部のモデルをのぞいてほとんどありません。

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  • 齋藤

    細かなところですが、ショルダーハーネス下部のフィット調整もブラッシュアップしています。ベスト型は調整機構と複数のポケットが重なる設計になっているのですが、コードを引いてもポケットの機能が損なわれないようにデザインしています。

RUSH 11R:100マイルレースをターゲットにした上位モデル

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  • 齋藤

    100マイルランナーをターゲットに限定で販売していた「RUSH UT」をベースにしたモデルです。レース距離が長く、必携品も多いレースでの実用性を追求しています。

    最大の特徴は、肩甲骨の上あたりに重心を置いた高重心設計。これには2つメリットがあるのですが、ひとつめは重さを感じにくいこと。走るときは前傾姿勢になり、前足に重心位置が来ます。その直上にバックパックの重心を持ってくることで、後に引っ張られる感覚もなく、スムーズなランが可能になります。

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  • 齋藤

    もうひとつが、ショルダーハーネスの付け根を一体化することで、縦揺れを抑えていること。荷室とショルダーが分かれていると、どうしても縦方向の動きに追従できず、バックパックが揺れてしまいます。ハイキング用のバックパックにあるトップスタビライザーを、本体とハーネスで一体化させているイメージですね。

    メインコンパートメントへのアクセスは、「RUSH 7」はセンタージッパーだったのに対して、荷物量の増加に合わせてトップから。荷物量に合わせて揺れを抑えるコンプレッションコードも配置しています。ショルダーハーネスに関しては、「RUSH 7」と共通です。

< ベスト型のショルダーハーネスを採用したレースモデル >

幅広いランシーンを支えるレギュラーモデル


日本のトレランシーンを牽引してきたといっても過言ではない、「RUSH」シリーズ。レギュラーモデルに関しては、レースモデルで培った機能性を盛り込むことで、使いやすさはそのままによりブラッシュアップ。サイズ展開は10、20、30リットル。ランだけでなく、ハイキングやファストパッキングまでカバーするラインナップとなっています。

RUSH 10:トレランパックのスタンダートモデル

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  • 齋藤

    初代RUSHには根強いファンがいます。誰でも使えるシンプルな設計が長年愛されてきた理由。ガラッと変えるというより、実用性の高い機能を盛り込んで正常進化させたイメージです。

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  • 齋藤

    大きく変わったのはショルダーの長さ調整ができるようになったこと。レースモデルと同じように、ショルダーハーネスの上部に調整機能を設けています。ほかにもポケットレイアウトを変更。従来とは逆で、ボトルが上、スマートフォンを下に入れる設計にしています。

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  • 齋藤

    ポケット容量も大きくしています。近年はスマートフォンが大型化しているので、そのサイズに対応していることと、500mlのペットボトルも入れられるようにしています。フラスクなどの専門の道具がなくても、気軽にランを遊んでもらいたいんですよね。ベスト型と比べて、肩にフォームを入れているので、背負い心地も良好。ハイキングにも最適です。

RUSH 20:中距離レースやファストハイクに

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  • 齋藤

    逆台形の高重心設計が特徴で、20リットルという中型バックパックでありながら、ランにも対応する安定感が魅力。不快な揺れを抑え、体とバックパックとの一体感を追求した設計となっています。

    ターゲットは、トレランはもちろん、スピード感のあるデイハイク。冷え込む時期や長距離のトレイルで必要な装備が多いシーンで活躍します。UL装備にすれば、夏なら1泊の野営も可能なサイズ感ですね。

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  • 齋藤

    もちろんハーネスは上部で無段階調整できる仕様。『RUSH 11R』と同様の高重心設計と揺れを抑えるトップデザインを採用しているので、中距離レースに挑戦したいという方にも最適です。

RUSH 30:オーバーナイト(野営)のファストハイクに

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  • 齋藤

    サイズと機構は前モデルを踏襲しています。もともとは28リットルモデルとして発売し、30リットルに変更、さらにマイナーチェンジをしたのが前モデルだったんです。今回は、10と20リットルモデルとのデザインの共通化とディテールのブラッシュアップを行いました。

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  • 齋藤

    『RUSH 30』の最大の特徴は、上部の開閉機構。トップスタビライザーとフラップを共通化することで、操作をシンプルにするだけでなく、バックパックの安定性を向上させています。この機構はパーゴワークス独自のデザインです。

    実は、ハイクカテゴリーの『BUDDY』は、この機構を採用しています。RUSHで培ったアイデアを、ハイクシリーズにも落とし込んだりと、カテゴリーは異なっても優れた機能は積極的に採用しているんです。

< 幅広いランシーンを支えるレギュラーモデル >

ランナーの期待に応える新型「RUSH」

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トレイルランニング向けバックパックとしてすでに高い評価を得ている「RUSH」シリーズですが、フルリニューアルを経て、性能はもちろんデザインも大きくブラッシュアップ。パーゴワークスが掲げる開発のテーマである「Designed by the Runners」の言葉通り、RUSHユーザーの声を反映することで、レースでトップを狙うアスリートからファンランを楽しむビギナーまで、幅広いランナーからの期待に応える仕上がりになっています。

これまで「RUSH」を使ってきた方はもちろん、これからトレイルランニングに挑戦したいという方にも、自信を持ってオススメできるアイテムです。ぜひともチェックしてみてください。

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『誰にでも背負いやすいトレランパック』をコンセプトに掲げ、「みんなのラッシュ」を合言葉に多くのユーザーに愛されてきたトレイルランニングパックシリーズ「RUSH」。2023SSシーズンのフルモデルチェンジにあたり、あらためて多くの人に「RUSH」について知ってほしいと、パーゴワークスの代表でありデザイナーである齋藤徹さんにお話を伺いました。開発の経緯からコンセプト、過去のモデルチェンジの変遷など、「RUSH」の歴史を振り返る貴重なインタビューをお届けします。

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    • PAAGO WORKS

      PAAGO WORKS

      パーゴワークスは2011年にスタートした日本のアウトドアブランドです。...

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