「もっと遠くへ、もっと素早く」登るためのザックとウェア|Rabが研ぎ澄ます機能美
本格的な登山シーズンの幕開けが近づいています。週末や連休など、限られた時間の中で、思いきり山を楽しみたい。そのために今年こそ「もっと素早く行動して、もっと遠くへ行きたい」という野望を抱く人もいるでしょう。
そんな想いを叶えるため、今回ご紹介するのがイギリスのアウトドアブランド「Rab(ラブ)」です。玄人好みで知られるラブの魅力を紐解きながら、ULに挑戦したい人におすすめな3アイテムをピックアップ。きっと、研ぎ澄まされたプロダクトに魅了されるはずです。
アイテムの目的を徹底的に追求したラブのフィロソフィー
「目的」と「必要な機能」を考え抜く。ラブを表現するならこの言葉が最適でしょう。
ラブはイギリスを代表するアルパインクライマー、ロバート・キャリントンの手によって、1981年に生まれました。ちなみに、ラブというブランド名はロバートの愛称に由来しています。

数々の高所登山に挑戦していたロバートは、登山靴でなくフリクションシューズで登攀を成功させるなど、固定観念にとらわれないスタイルを貫いていました。
そんな彼が立ち上げたラブは「何が目的なのか」「どういう機能が必要とされているのか」を重視しています。

ラブではダウンやインサレーションなど、様々なプロダクトを展開しており、その一つひとつがシチュエーションごとにカテゴリー分けされています。
ハイキングやトレイルラン、厳冬期登山やクライミングまで、目的に合わせた機能に特化しているため、シビアなシチュエーションでも信頼できるギアとして多くの登山家やハイカー、トレイルランナーから支持を集めているのです。
ベイルXP30:どんな天候でも突き進むためのザック
ラブが手がける「ベイルXP30」は、ロングトレイルや縦走など、どんなコンディションでも行動し続けたいシチュエーションを想定した中型ザックです。

まず特筆すべきは、IPX4防水テストに合格した超軽量防水バッグだということ。
シームテープ加工と防水素材、シリコンコーティングを組み合わせることで、雨天でも収納した装備を濡れから守ります。これによってザックカバーやドライバッグを装備から削れるため、装備全体の軽量化が叶います。

メインの開口部には防水性の高いロールトップ式を採用。サイドバックルも付属しているため、ギアの量に応じて圧縮や拡張が可能です。
快適に行動し続けるための工夫も。背面に当たる部分には、クッション性、快適性、吸水速乾性を高次元で実現した「3Dハイロフトメッシュバックシステム」を採用。クッカーなどの固いギアが背中に当たる感覚もありません。

ショルダーハーネスおよびウエストベルトには、向こう側が透けるほど薄いモノメッシュを採用。疎水性が高く、常にドライな背負い心地で行動を続けられます。
気の利く収納ギミックにも注目です。まずピックアップするのは大小さまざまなポケット類。胸元のフラスクポケットは500mlのペットボトルも収納可能なサイズ感で、表面ポケットにはスマートフォンをしまうことも可能。
フロントとサイドにはストレッチメッシュ素材による大型ポケットを取り付けました。
目を引くフロントポケットは、シェル類やグローブなどを収納するのにぴったりです。本体生地の防水性が高いため、濡れてしまったアイテムも気兼ねなく収納できます。
ポールもサイドスリーブおよびハーネス前面の2つの方法で収納できます。ザックを下ろすことなくポールを出し入れできるハーネス前面での取り付けは、特に素早さを重視する行動のときに重宝するはずです。

限られた時間だから、もっと遠くへ行きたい。そう願うほどに行動ペースは上がり、そのために装備は削られゆくもの。ベイルは荷物の軽量化に大きな一手をもたらすキーアイテムになるでしょう。
\ここがポイント/
①超軽量防水バッグ:IPX4テストに合格した防水ザックなので、ザックカバーやドライバッグを省けます。
②背負いやすく快適:長時間の行動を前提に作られた背面システム。汗をかいてもドライな背負い心地で快適です。
③多彩なポケットで行動をサポート:チェストのフラスクポケット、フロントポケット、サイドポケットなど便利なポケットワークにも注目です。
ファントムジャケット:わずか104.5gの防水シェル
ファントムジャケットは着ていることを忘れるほど軽快な着心地の防水シェルです。真価を発揮するのは、やはりULハイクやファストパッキング、ロングトレイル、トレイルランニングなど軽量性が重要になるアクティビティでしょう。

特筆すべきはその軽量性。ジャケットはわずか104.5g(UK10サイズ)で、同シリーズのファントムパンツ(84g/Mサイズ)と合わせても、わずか188.5gと驚異的な数値を誇ります。
その軽さを叶えたのは、無駄をそぎ落としたミニマルなデザインです。例えば袖口や裾にはベルクロやドローコードを用いずに伸縮素材を配置。軽量性を追求しながら、快適性と実用性を配慮した構造になっています。
素材には「Pertex® Shield 2.5レイヤー」を採用。7デニールの超極細のナイロン繊維によって軽量化を達成しながら、耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hを叶えています。

突然の雨や強風にも耐えられるように設計されているのがファントムジャケットの特徴です。フードは伸縮部分と柔らかなフレームが入ったつばで構成されており、後頭部にはドローコードも付属。顔回りのフィット感にも優れているため、トレイルランニングでも活躍します。

さらに後頭部のドローコードはパッカブル時の巾着口も兼ねており、手のひらサイズに収納することも可能なのです。

軽量レインウェアは、荷物のUL化には欠かせないアイテムのひとつ。ただ、登山やハイキングの「一応持って行こう」というケースでも、気軽にザックに詰め込んで行けるのがファントムジャケットです。
\ここがポイント/
①超軽量レインウェア:極薄素材とミニマムなつくりを組み合わせたUL防水シェルです。
②手のひらサイズに収納できる:フードのベンチレーションがパッカブルに。コンパクトになるので、ハンドポケットにサッと収納することも。
③高機能素材で雨をシャットダウン:耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hの「Pertex® Shield 2.5レイヤー」を採用しました。
ファントムパンツ:早く遠くへ進み続けるためのパンツ
そしてファントムジャケットの相棒がファントムパンツです。やはり本領発揮するのは、この2アイテムが組み合わされたとき。防水ウェア一式の買い替えを検討しているのなら、ぜひセット買いがおすすめです。

素材にはジャケットと同様、防水性および透湿性の高い「 Pertex® Shield 2.5レイヤー」を採用しており、肌に張り付く感覚が少ないのが特徴。ショートパンツの上から履くときにも、蒸れ感なく着用できます。

すらっとしたスリムなシルエットでありながら、動きやすさに配慮した設計もポイントです。
裾はマイクロゴム仕様+面ファスナーとスナップボタンが付いており、トレイルシューズやウォーキングブーツの上からでも着用しやすいつくりになっています。

そして手のひらサイズになる超コンパクトなパッカブルも魅力的です。ジャケットとパンツを合わせて持っていても、煩わしさを感じることなくポケットにしまい込めます。

スマートなシルエットと共に目を引くのが、再帰反射タイプのロゴプリント。ミニマルなプロダクトに映える絶妙な抜け感でクールな印象に。ぜひジャケットと合わせて着こなしたい一本です。
\ここがポイント/
①上下合わせても188.5g:ファントムジャケットとの組み合わせが最適。驚異的な軽さです。
②すらりとしたシルエット:スリムなシルエットながら動きやすさを確保。どんな動きにも追随します。
③もちろんパッカブルに:超コンパクトに折りたためます。「一応持っておこう」というシーンでも気兼ねなくザックにイン。
ラブのプロダクトとまだ見ぬ景色へ

装備を軽量化することは「目的」ではなく、あくまでもスピーディーに遠くへ行くための「手段」です。その上で、どんなプロダクトを選択するかはユーザー次第。軽量性を高めることと同時に、使いやすさや快適性、そしていざというときに頼りになる信頼感も重要になってきます。
その全てに応えるのがラブのプロダクトです。胸の内に秘めた目的があるのなら、それに応えてくれるアイテムがきっとラブにはあるはず。新たなザック、ウェアとともにまだ見ぬ景色を探しにいきませんか。
今回ご紹介したアイテム