流行りの山シャツを着こなすには?今っぽくおしゃれに楽しむスタイリング術
昭和の登山ブームから親しまれてきた山用のシャツ。一世代前の印象が強いがゆえに、「山シャツって、どうしても野暮ったく見えちゃう…」と敬遠しているハイカーさん、意外と多いのではないでしょうか? じつは今のシャツは機能とデザインが大きく進化し、アウトドア界隈では山シャツブームが再来。
良くも悪くも、着こなし方ひとつで印象に大きな差が生まれるのがシャツの特徴です。でも、だからといって試さずに遠ざけるのはもったいない!ポイントを押さえて着こなすことができれば、シャツ1枚で清潔感とこなれたおしゃれ感をゲットできる、まさに神アイテムなんです!
まじめにかっちり? それとも抜け感たっぷりにラフに着る? 山シャツを今っぽく、こなれて着るためのポイントと実際のスタイリング例をご紹介します!
山シャツの魅力って?
山に欠かせない機能を搭載
登山では汗をかくのが当たり前。一般的な綿素材のシャツと違い、山シャツは吸汗速乾性に優れた高機能素材から、通気・防風性に特化したウィンドシェル的な役割を持つアイテムまで機能はさまざま。肌に張りつかない、冷えも防ぐなど、山の行動中にほしい機能を搭載することで快適な行動をサポートしてくれます。
紫外線対策にも優れた素材や機能
山の紫外線は平地よりもずっと強力。
ロングスリーブや襟付きデザインの山シャツは、日焼けしやすい腕や首元をしっかりガードしてくれます。さらに紫外線カット効果のある素材を使っているものも多く、肌へのダメージを軽減。風による乾燥対策にもなるため、春から秋にかけて大活躍します。
動きやすさを考えたパターン設計や軽さ
長時間歩く登山では、衣類の軽さと動きやすさが大きな差を生みます。
最近の山シャツは軽量かつ薄手で、動きやすさを追求した立体的なパターン設計が特徴。バックパックに入れてもかさばらないので、予備のシャツとして持ち運ぶのにも最適です。風を遮る性能を備えたモデルも多く、ちょっとしたウィンドシェル代わりにも。
体温調節のしやすさ
行動中は暑くても、休憩時には一気に冷えることもある登山。
そんなとき、山シャツならフロントボタンの開閉や、袖をまくることで、気温や活動量に合わせて体温を細かく調整できます。
また、防風性を備えた素材を使ったモデルなら、アウター代わりとしても優秀。夏の稜線歩きにも、寒い時期のレイヤリングの一部としても、幅広いシーンに対応できます。
・・・そして何より、機能性とデザイン性を兼ね備え、街でも山でも着られるのが山シャツの魅力!
コーディネートに悩む朝も、1枚羽織るだけで「それっぽく」キマる。
登山ウェアでありながら、日常にも自然になじむ、そんな頼れる存在が「山シャツ」なんです。
さて、ここからはYAMAP STOREの撮影担当の大室が、山シャツコーディネートに苦手意識があるあなたに、ちょっとした工夫でかっこよく・可愛く着こなすためのヒントをお伝えします!
普段のコーディネートにも取り入れ可能なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
YAMAP STORE コンテンツディレクター
大室 明子(おおむろ あきこ)
男児ふたりを引き連れて、低山ハイクにキャンプにとアウトドアな育児を満喫中。スタミナと筋力をアップして、もう少し高い山も目指したい。YAMAP STOREでコンテンツ制作や撮影を担当しています。年間何百着ものアイテムに触れ、目が肥えるものの財布の中身は減る一方。紫外線が天敵。
ポイント①|体型カバーも叶う!今っぽさを出すなら、リラックス感ある“ゆったりシルエット”を選んで
シャツの「サイズ感」、思い切ってワンサイズ大きめを選んでみるのはいかがでしょうか?
程よくルーズなシルエットは、抜け感が出てこなれた印象に。さらに、気になる腰まわりやヒップラインもさりげなくカバーしてくれます。動きやすく、着心地もバツグンで、アウトドアにも日常にもぴったりです。
【WOMENS】夏の気になる「肌面積カバー」&「体型カバー」、一挙に叶えるシャツコーデ!

Tシャツにショートパンツの組み合わせだと、ちょっと若すぎ・・・?と心配な方におすすめなのが、こちらの組み合わせ。
シャツはワンサイズ大きめのサイズをチョイスして、ロング丈風に着こなしてみて。
私もショートパンツが好きでよく履くのですが、体のラインが出過ぎてしまうのがちょっと気になるお年頃…。そんな時、シャツが1枚あると安心です。腰まわりをさりげなくカバーして、露出感をやわらげてくれますよ。
お腹まわりの気になる男性にも、おすすめの着こなしテクニックです。

【MENS】体型をカバーしつつ、足元でメリハリをつくるスタイルアップコーデ

シャツは、体型をカバーしたい男性にもおすすめのアイテム。
体のラインを拾ってしまうTシャツやロンTを1枚で着るよりも、スリム体型の方は華奢さをカバーでき、がっしり体型の方は肩や胸元の厚みをほどよく和らげ、全体的にバランスの取れた印象をつくることができます。
コーディネートのポイントは、ボトムとのシルエットバランス。
ゆったりめのシャツには、スリムフィットのパンツやアンクル丈のパンツを合わせると引き締まって見え、メリハリのあるスタイルに。
反対に、ワイドパンツと合わせれば全体にリラックス感が出て、こなれた雰囲気が楽しめます。

ポイント②|さまざまな着こなしが楽しめるのも、シャツの魅力
シャツは、ウエストでタックインしてメリハリをつけたり、アウターとしてIラインシルエットを作ったりと、着こなしの幅が広いのも魅力。
また、山で着るときには、ボタンをいくつか外すことで、ベンチレーション的に着こなすこともできます。さらに「コアエアシェルシャツ」は、襟をボタンで留めてタートルネック風に着ることも可能。さまざまな着こなしを楽しむことができます。
【WOMENS】山シャツのイメージをガラッと変える、タックインスタイル

いつもの山シャツスタイルを少しアレンジして、こんな「タックインスタイル」はいかがでしょうか?
一歩間違えると野暮ったく見えがちな「タックイン」ですが、ポイントをおさえれば、ぐっと大人っぽく、おしゃれに仕上がります。
まず意識したいのは、トップスに余裕を持たせること。程よくゆったりしたサイズ感のシャツを選び、裾に少しゆとりを残してタックインすると、こなれ感が出ます。
逆に気をつけたいのは、次の3点。タイトなパンツと合わせないこと、パンツを上げすぎないこと、シャツをしっかり入れすぎないこと。
この3つを意識するだけでも、バランスの取れたタックインスタイルに仕上がりますよ。

【MENS】ボタンを活かしたチラ見せカラー!シャツならではのおしゃれテクニック

「コアエアシェルシャツ」は、襟先のボタンを留めるとタートルネック風に着ることのできる変形シャツ。こちらはもともと防風や紫外線対策のためにある機能ですが、コーディネートでもワンポイントに活用できます!
シャツのボタンをちょっと開けて、インに着たアイテムをチラ見せ!なんて、おしゃれ度の高いコーディネートもおすすめ。インに着たアイテムとバックパックや小物などで色を合わせると、全体感も◎。

ポイント③|面積を変えられるシャツだからこそ、コーデにカラーが差し込みやすい!
シャツはボタンの開閉でコーデにおける面積を変えられるのもポイント。思い切って派手色を選んでも、前を開けたり、袖をたくしあげたりすることで、カラーの面積が変えられます。
季節感のある色味を選べば、着こなしも一気に旬の雰囲気に!
【WOMENS】サマームードを盛り上げるオレンジコーデ

ぱっと華やかな印象に仕上げてくれる、鮮やかな「オレンジ」。
身にまとうだけで気分も明るくなるようなビタミンカラーは、夏に着映えるおすすめのアイテムです。
ただ、ちょっと全面に使うのは勇気がいる色でもあります。そんな時はシャツで取り入れてカラー面積の割合の調節を!
また、派手色を取り入れる時は、靴下などの小物とカラーを合わせる小ワザもおすすめです!

【MENS】レイヤードスタイルは「I」ライン意識でスタイルアップ!

「ヒュッテカーデ」は襟なしなので、フーディタイプのベースレイヤーとの相性バツグン。
何気なく前を開けていますが、ホワイトの分量を縦に揃え「I」のラインを作ることで、スタイルアップ効果も狙えるんです!
こちらは他のカラーでも応用ができるので、ぜひ縦の「I」ラインを意識してコーディネートを組んでみてください。

ポイント④|日常コーデにも大活躍!
一枚で着ても、羽織りにしても、重ねてもOK。ロングシーズン使えるのが、シャツのうれしいポイントです。また、空調の効いた室内や外との寒暖差にもサッと対応できるので、日頃からバッグに忍ばせておくのもおすすめ。
トレンドの「ゆるシルエット同士の組み合わせ」では、“重心を下に”まとめるのが、こなれ見えのコツです◎
【WOMENS】重厚になりがちな黒ワンピースは、シャツを羽織ってカジュアルダウン!

黒のロングワンピースは、それ1枚でも存在感があって素敵ですが、着こなしによっては「ちょっとモードすぎるかも…」と感じることも。
そんなときにおすすめなのが、シャツを“羽織り”としてプラスするスタイル。
たとえば、ベージュの山シャツなら、黒の重たさを程よく和らげて、抜け感のあるナチュラルな印象に。
ベージュは主張が強すぎず、黒はもちろん、カーキやネイビーなど他のカラーとも相性がよい万能カラーです。カジュアルにもきれいめにも振れるので、1枚持っておくと普段使いでも登山でも重宝します。

【MENS】Tシャツ+短パンでもどうにかしてくれるのがシャツの力

逆に、カジュアルなスタイルに「きちんと感」をプラスしてくれるのもシャツの得意技。
たとえば、Tシャツに短パンというラフな格好でも、上からシャツを1枚羽織るだけで、一気に大人っぽく、こなれた印象に。
特に山シャツは、シルエットがすっきりしていて素材にもハリ感があるので、カジュアルすぎず、だらしなく見えないのがポイントです。ボタンを留めずにさっと羽織ったり、袖をラフにまくったりするだけでも、ほどよい「きちんと感」が生まれ、抜け感のあるスタイリングが完成します。

目指せ、山シャツマスター!

シーズン問わず活躍する山シャツは、登山の心強い味方。
機能も見た目も妥協せず、コーデを楽しみたい人にこそおすすめです。
お気に入りの一着を見つけて、あなたも「山シャツ上手」になってみませんか?