はじめての雪山登山 白銀の景色を求めて
真っ白な雪、太陽にきらめく氷に覆われた木々。
いつかは…と、雪山への憧れを抱いている方も少なくないはず。
でも、冬山登山は厳しい環境、マイナスをゆうに下回る低い気温など、技術的にも、経験的にも、なかなか足を踏み出しにくいもの。
そこでオススメなのが、まずは身近な山からスタートしてみること。
YAMAP STORE的、雪山ハイクをお届けします。
雪山登山の前に、ギアを装着
今回登るのは「入笠山」。長野県にある赤石山脈にある1955mの山で、麓には富士見平パノラマリゾートがあり、スキー用のロープウェイで1780mまで一気にアクセスできるのが魅力。山頂駅から入笠山の山頂までは往復3時間ほどの登山道が整備されていて、比較的フラットで危険箇所も少なく、雪山登山やスノーシューハイクの入門の山として知られています。
入笠山情報
ロープウェイを降りて林道を歩いていくと、30分ほどで登山口に到着。ここで、降り積もった雪がシューズに入り込まないようにするゲイターと呼ばれる足首周りのプロテクション「OR/クロコゲイター」と雪や氷でスリップしないようにしっかりと地面をグリップするアイゼン「PETZL/バサックLLU」を装着しましょう(積雪状況によってはロープウェイを降りたところで装着)。
ようこそ、白銀の世界へ!
登山道に降り積もった雪をしっかり踏みしめ、ゆるやかな登山道を登っていきます。静かな山に、ザクザクと響くアイゼンの音。風は冷たく、澄み切っています。木々の間から差す光が雪で乱反射して、まさに白銀の世界。真っ青な空に眩しい雪と氷。冬にしか見られない光景が飛び込んできます。
ゆっくり歩きながら、冬山を楽しもう
入笠山山頂の往復は3時間ほどのコースタイム。ゆっくり、じっくり登っていきます。アイゼンをはじめて装着する方は、爪を裾にひっかけないように歩き方をマスターしましょう。また、急いで登って汗をかくと冷えにつながってしまうので、「汗をかいていないかな?」と気にしながら歩くのもポイント。ギアの使い方を習得しながら、景色や身の回りのものに目を向けてみましょう。そこには雪山ならではの楽しみがいっぱい。
いよいよ入笠山の山頂へ!
斜面の登りにはピッケル「PETZL/グレイシャー」を。不安定な登山道でバランスを保ったり、斜面で滑落したときに「滑落停止」のために必要な大切な道具です。さらに本格的な雪山登山をするときは技術習得のための講習を受けるのがオススメ。
そしてあっという間に山頂です。樹林帯を抜けるとさらに冷たい風が吹いてきました。美しくも厳しい世界。振り返ると八ヶ岳の姿が目の前に!
気持ちのよい雪原歩きを楽しもう!
山頂で一休みしたら下山です。ここでぜひとも立ち寄ってほしいのが「お花畑」と呼ばれるエリア。下山時は右手に見える広大な斜面です。春〜夏には高山植物が咲き誇るお花畑なのですが、冬は雪に覆われた雪原に様変わり。雪に埋もれてしまっている箇所もありますが、コースガイドを目印に通り抜けてみましょう。ふかふかの雪が待っていますよ!グローブは「OR/アレートグローブ」をセレクト。インナーとアウターに分かれた本格仕様。指先の冷えを気にすることなく雪と戯れられます。
最後に、入笠山での雪山登山で使ったギアをご紹介。ビギナーはもちろん、本格雪山登山にも対応する信頼のおけるアイテムを取り揃えました。
「PETZL/グレイシャー」
雪山登山の必須アイテムのひとつ、ピッケル。滑りやすい斜面での安定性を高め、滑落時には体を止めるための命綱的ギア。シャフトをアルミ製にすることで軽量化を実現。60cm、68cm、75cmの3サイズ展開しています。
「PETZL/ピックスパイクプロテクション」
「PETZL/グレイシャー」専用のプロテクター。ピッケルの鋭利な先端をカバーすることで、安全に携行できるようになります。装着しないと先端がバックパックを傷つけたり、最悪の場合はぶつかったときに刺さってしまうこともあるため、必ず用意したいアイテム。
「PETZL/バサックLLU」
雪山登山に欠かせないアイゼン。爪は12本あり、本格的な雪山登山にも対応する本格モデル。底の部分に雪がつきにくい「アンチスノー機構」採用。登山靴に装着がしやすく、はじめてのアイゼンにオススメ。
「PETZL/ウルトラライトポーチ」
「PETZL/バサックLLU」など、アイゼンの携行に便利な高強度のX-pac製のポーチ。尖った刃先がバックパック内の荷物傷つけることなく収納・携行できます。
「OR/クロコゲイター」
パンツと登山靴の間からの雪の侵入を防ぎ、足回りをしっかりとガードしてくれるゲイター。雨や泥から守る夏山登山用のものとは異なり、しっかりした素材でできているのがポイント。アイゼンが当たっても破けにくい高強度ファブリックを内側に採用しています。
「シナノ/スノーバスケット」
「シナノ/トレッキングポール」専用のスノーバスケット。ふかふかの雪でもトレッキングポールの先端が埋まることなく、しっかり支えられるように面積が広くなっているのが特徴。
バランスが取りづらいときはトレッキングポールを使用することをオススメします。
「OR/アレートグローブ」
ゴアテックスファブリックを採用し、防水性と透湿性を高いレベルで実現したアルパイングローブ。インナーとアウターに分かれていて、防寒性も抜群。保温性を備えながらも指の動かしやすさにも配慮した設計が魅力。
「finetrack/YAMAP別注ダブルフェイス・ネックゲイター」
ご存知finetrackとYAMAPがコラボした登山用ネックゲイター。前と後で異なる生地を使用することで、「通気」と「保温」を両立。気温の低い雪山登山では顔まわりと首をしっかり守ってくれる大切なアイテムのひとつ。
「patagonia/トレントシェル3Lジャケット」
生地が3層構造になってリニューアルしたパタゴニアの定番レインジャケット。防水透湿性に優れたH2No規格を採用し、雨はもちろん雪もしっかりブロックしつつ、ウェア内を快適に保ってくれます。
まずは「雪」に慣れることからはじめよう
好天に恵まれた入笠山登山。雪山のなかでも比較的危険度が少なく、登りやすい山のひとつではありますが、もちろん吹雪などの天候が悪い日は避けるのがマスト。降雪の有無や風速にも注意して山行に挑んでいただきたいと思います。まずはギアに慣れて使いこなすことからはじめましょう。ちなみに入笠山の山頂からは、真っ白な八ヶ岳や北アルプスの山々を望むことができます。「次はあの山に!」と、野望に火がついてしまうかも?!
初めて雪山に行く方は、必ず雪山経験者と一緒に登るようにしましょう
冬山登山の注意点
・積雪期はコースタイムの1.5倍の時間を見積もって行動することをお勧めします。
・コースタイムに休憩時間は含みません。時間に余裕を持った計画を立ててください。
・ゴンドラやリフトは運休することもあります。最新情報を施設サイトにてご確認ください。
・山小屋、売店、トイレなどの施設が冬季休業や営業時間の短縮をしている場合があります。事前によく調べるようにしましょう。