【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

ハイカーなら一枚は持っているトレッキングパンツ。快適な山歩きのために欠かせないアイテムですよね。

でも、意外と悩ましいのが「冬」はどんなパンツをはけばいいのか? ということ。「夏向きのパンツ+タイツ」で乗り切るべきなのか。はたまた、しっかりとした「冬向きのパンツ」を買うべきなのか……。

雪がたくさんある山に行くなら万全の装備を揃えるつもりだけれど、雪のない(もしくは雪が少ない、雪があるか分からない)低山へ行くのに、ハイエンドの冬山用パンツを買うのをためらってしまう方はきっと多いはず。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

今回は登山初心者で、冬山用パンツ迷子のYAMAPスタッフ「近藤」が、山の大先輩で、新商品の企画を担当する「乙部」に弟子入り。

寒い季節に冬山用パンツをはくべき理由、そして乙部が愛用する「YAMAP別注 ウィンタートレイルパンツ」の魅力を語ってもらいました。

(ライター:山畑理恵、写真:茂田羽生)

YAMAP STOREコンテンツディレクター

近藤 巧(こんどう たくみ)

キャンプ系メディアの編集者を経て、2023年11月ヤマップに入社。低山メインに登山を楽しむ山ビギナー。猫とビールとアニメが好き。

YAMAP STORE 商品企画

乙部 晴佳(おとべ はるか)

YAMAP STOREの商品企画担当。アウトドアブランドのMDを経て2021年YAMAPに入社。現在は様々なブランドさんとの共同企画商品や、ユーザーさんのお悩みに寄り添うオリジナル商品の開発に日夜明け暮れています。衣食住を背負って移動する縦走登山やバイクパッキングが好き。今年は伊藤新道を歩きに行きたいです。

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そもそも「冬山用パンツ」ってどんなもの?

近藤:いきなりですが乙部さん、いわゆる「冬山用のパンツ」って、どんな仕様のパンツですか?

乙部:生地が厚手だったり、起毛していたり、インサレーション(中綿)や防風のメンブレンが入っていたり、暖かいための工夫がされているパンツのことだよ。

気温が低い場所の登山に対応できる「あったかいトレッキングパンツ」と考えるのがシンプルかな。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

冬山用パンツは絶対に必要?

近藤:「冬山用パンツ」は分かりました。でも暖かさだったら、夏山用のパンツに厚手のタイツをはけばいいのでは?

わざわざ冬の時期だけのために、買い足すのもお財布が痛いのですが......。

乙部:もちろん雪のない低山でお天気のいい日であれば、パンツの下に暖かいタイツをはくのもOKだと思ってて。

でも、夏山用パンツの戦闘能力が「5」だとして、タイツが「2」だとすると、合計で「7」になるよね。

一方で、冬山用パンツはパンツ自体に保温力があるから戦闘能力が「8」、同じ「2」のタイツを使ったとすると、合計で「10」。冬は冬山用パンツをはいた方が、単純にあったかいんだよ。

それでいて、撥水、引き裂き強度、耐摩耗性、ストレッチ性といった、いわゆる一般的なトレッキングパンツに必要な機能も持ち合わせているから、寒いときは冬山用パンツをはいた方が快適だと思わない?

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

近藤:そう言われると、たしかに……。

乙部:それに、山では下半身をずっと動かして歩くわけだから、何枚も重ねると動きづらいよね。生地と生地の摩擦で足上げがしにくくなったり、腰まわりがきつくなって動きづらくなったり。だから下半身の重ね着は2枚が限界

低山でも場所や季節によって雪が降ることもあるから、「綺麗な雪景色が見たい」と思ったとき、さすがに夏山用パンツにタイツを重ねるだけでは保温力が足りなくなってくる。

たとえ低山しか登らなかったとしても、行動範囲を広げる意味も含めて、私だったら冬は冬山用パンツをおすすめするかな。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

近藤:冬山用パンツがあると、秋冬のたくさんのシーンで快適に過ごせると。

乙部:そう。それに上半身は寒くなったらフリースやダウンジャケットを重ね着できて、人目を気にせず脱ぎ着できるけど、下半身のレイヤリングは一回歩き出したら脱ぎ着しにくいから、ある程度の保温力は確保しておくべきだなって。

逆に「今日は晴れててちょっと気温高めかも」ってときは、タイツなしではいてもあったかいしね。冬山用パンツの多くは肌面が起毛していて保温力が高いから。

近藤:素足ではいても暖かく感じられるのはいいですね。僕はタイツをはく習慣がないこともあって、股周りがゴワゴワするのがどうも苦手で......であれば、単体でもOKな冬山用パンツは魅力的ですね。

冬山用パンツはどうして高いの?

近藤:とはいえ、夏山用のパンツと比べて、値段が高い印象があるのですが......

乙部:基本的に、値段は機能に比例しているんだよね。「保温性」という機能をプラスするために、ものによって生地が2倍の厚みになる。そうなると、そのぶん糸の使用量も2倍になるから、材料費が上がっていく。

さらに「裏起毛」仕様になると、裏生地を起毛させる工程が必要。生地をつくるための工数が上がれば、必然的にコストも上がっちゃう。これは仕方のないことなんだよね……。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

近藤:乙部さんが愛用する「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」は17,820円。夏向けのモデルと比べると、約4,000円高いですが、それは生地の違いにあると。

乙部:そうだね。「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」に関しては、表地は撥水性と防風性のあるソフトシェル。

裏地は保温性のあるグリッドフリースと2つの素材を重ねて1つの生地に織った「ストームフリース」という二重織の素材。いわば生地が2枚使われているのと同じ。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?(「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」の表地と裏地の違い)

乙部:さっきも言ったけど、「保温性」「防風性」といった機能を付与するために生地も厚くなるから、1枚生地で済む春夏向きのパンツより価格が高くなってしまうのはやむを得ないんだよね。

「冬山だけに使う」を変えたパンツ

近藤:乙部さんが「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」を推す一番の理由ってなんですか?

乙部:とにかく「使えるシーンが多い」というのが最大のポイント。

「冬は低山からはじめて、いつか雪山もデビューしてみたい」とか「初心者向きの雪山に誘われたけど、雪山用のパンツ(いわゆるハードシェルパンツ)って本当に必要なのかな?」と思ったときに、このパンツは、肌寒い季節の低山ハイクはもちろん、タイツやゲーターを合わせることで雪山にだって行ける。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

乙部:企画時のコンセプトは「街でも使える山のボトムス」。だから、冬山用パンツにはよく搭載されているベンチレーションやアイゼンの歯から生地を保護する裾の補強材は、あえてカット。

登山に寄りすぎないディティールにすることで「守備範囲が広いパンツ」になっているから、多くの場面で活躍してくれるよ。

「週7日」はけるデザイン性

乙部:もちろん、普段着としてもおすすめ。パンツの裾にかけて細くなるテーパードシルエットで足元がスッキリしているから、トレッキングパンツっぽく見えない。

色味はブラックとチャコールの2色展開で、着まわしやすいカラーも推したいポイント。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?(YAMAP社内でも、愛用者が続出するデザイン性)

乙部:あと私は部屋にいるときにもよくはいてるかな。

ほかのトレッキングパンツだとそういう気にはならないんだけど、「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」はとにかくあったかくて、肌触りがよくて、動きやすい。そのままふらっと出かけることもできちゃうデザインだから、ついはきたくなっちゃう。

近藤:山・街・家で使える=守備範囲が広い=はく機会が増える=コスパがいいってことですよね。

乙部:そうそう。「登山用のパンツ」って考えちゃうと、そのシーンでしか使えないと思ってしまうから高い買い物に感じちゃうけど、山も快適に行けるし、普段づかいもしやすいデザインでもある。ストレッチ性があって動きやすいから、キャンプとかでも活躍してくれると思うよ。

近藤:月1回の登山のために買うんじゃなくて、普段着としても買うって考えたら、めちゃくちゃお得な感じがしますね。毎日、オフィスにはいていけるな......

乙部:毎日はやりすぎかもだけど、魅力が伝わって嬉しいよ(笑)。

こだわりのディテールはポケットにもあり

近藤:ほかにも「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」のお気に入りのポイントを教えてください!

乙部:バックポケット! これがスマホ収納にちょうどいい。右のおしりのエクボ部分に配置してるのがポイントで、座ったときにも邪魔にならない絶妙な位置。スマホの出し入れがスムーズにできる。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

近藤:僕、登山中はスマホのカメラでこまめに撮影するし、頻繁に「YAMAPアプリ」も開くので、出し入れしやすいのはストレスがなくていいですね。ちなみに乙部さんはどんなシーンではくことが多いですか?

乙部:冬のアウトドアシーンで考えると、逆に使わないのはバックカントリーとかゲレンデのスノーボードくらい。それくらい山に行くときはヘビロテしてる。

使い方次第で、歩ける山がぐんと増える

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

近藤:良いとこ尽くしの「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」ですが、逆に弱みってないんですか?

乙部:さっきも言ったように、山での利便性を「第一」に考えたデザインではないから、パンツの裾をハイカットのブーツにかぶせにくかったり、防水性まではなかったりする。だから本格的な雪山登山には向いていない。

でもゲイターを付け足すことで幅広く対応できると思っていて。実際私は、初心者向きの雪山だったら「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」にタイツとゲイターを組み合わせて行ってるよ。

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?(アイテムの特性を理解して弱点をカバーすれば、初心者向けの雪山にも対応できる)

寒い山も、街も、自宅も。これ1本でシームレスな行き来を!

近藤:乙部さん、今日はありがとうございました!最後にどんな方に「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」を使ってほしいですか?

乙部:冬の装備は夏と比べるとお金がかかるし、そのためだけに高価な道具を揃えるのはハードルが高い。だから冬は山をオフシーズンにしちゃう方は多くいらっしゃると思うんです。私も昔はそうでした。

でも、必ずこれじゃなくちゃいけない装備と、それじゃなくても意外と行ける装備、その両方があると思っていますアイゼン、ピッケル、雪山登山靴、アウターシェルなどは替えがきかないけれど、帽子は普段の登山でかぶっているニット帽でも行けなくはない。パンツにも同じことが言えると思っています。

もちろん本格的なハードシェルパンツをはいた方がいいシーンもありますが、「雪山やってみたいけどいろいろ揃えるのはハードルが高い」、「雪山のためだけにパンツを買うのはためらいがある」方がいたら、ぜひ「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」を使ってほしいなと思います!

【愛用者が語る】「冬のパンツどうすれば...」を解決する万能ウェア。その魅力とは?

▼編集後記

乙部さんに話を聞いた後、実際に「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」を購入しました。裏地のフリース素材の肌触りがほんと良い。家にいる時はもちろん、急遽、撮影に呼ばれた時もそのままフィールドに行けるし、電車や車の中でもゴワゴワ感がなくて快適。私服でも、夏用パンツを頑張ってはいていたので、これはありがたい。2024年早々、良い買い物ができました。(近藤)

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