この冬、人気の山道具は?|YAMAPユーザーのトレンドを分析
慌ただしかった年末年始も終わり、そろそろ日常が戻り始めた方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、まだまだ冬は続きます。一年で最も寒さが厳しい「大寒(だいかん)」は、1月20日〜2月3日にかけて。この時期に各地で年間最低気温が記録されることも多く、しばらく防寒アイテムの出番は続きそうです。
そこで、今回はこの冬(2023年11月〜12月)に、YAMAP STOREで注目を集めたアイテムとトレンドを各カテゴリーごとにご紹介。
登山好きなYAMAPユーザーのお眼鏡にかなったアイテムだけあって、機能性・ファッション性ともに優れたラインナップとなっています。
まだまだ続く冬の相棒になってくれる「逸品」が見つかるはずです。
【ウェアカテゴリー】
保温性と通気性に加え、水濡れに強いウェアが人気
暖かい11月から一転、12月の半ばから急に冷え込んだ今冬。衣替えのタイミングに迷った方も多かったのか、YAMAP STOREでも気温の変化と連動するように、人気のアイテムが変化しました。
中でも注目を集めたのが「finetrack(ファイントラック)/YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」と「Gramicci(グラミチ)/YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」。
両アイテムに共通する特徴は「保温性」と「通気性」「水濡れへの強さ」を併せ持ちながら軽量であること。水濡れに強い商品が例年にも増して注目を集めているのは、エルニーニョ現象によって、降雨量が多くなると予想されている気候を反映しているのかもしれませんね。
人気ウェアその1
finetrack(ファイントラック)/YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット
ファイントラックが独自開発した特殊素材「ファインポリゴン®︎」を中綿に使い、軽量性・保温性・通気性・水濡れへの強さを兼ね備えた化繊ミドルレイヤー「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」。

近年は、行動中に着用できる中綿入りウェア「アクティブインサレーション」が各社から発売されており、登山者の常識となりつつありますが、ファイントラックのポリゴンシリーズはその一角を担う人気商品。クルーネックでレイヤリングもしやすいYAMAP別注モデルは、特に注目を集めました。

持ち運びのコンパクトさや、夏の高山において防寒アウターとしても活用できる汎用性の高さも人気の背景にはあるようです。
人気ウェアその2
Gramicci(グラミチ)/YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ
「ポリゴンライトジャケット」と合わせて注目を集めたのが、寒冷期用ボトムス「YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ」。肌触り抜群のフリース素材「STORM FLEECE」にグリット上の凹凸を配した生地を肌面に使用し、肌触りの良さ・保温性・通気性を確保しています。

しっかりと目の詰まった生地には耐久撥水加工が施されており、雪や雨、冷たい風をシャットアウト。冷えから下半身を守ってくれます。

冬用のボトムスにありがちなシルエットのダボつき感もなく、スマートに街でも着こなせるファッション性の高さもポイントです。
人気ウェアその3
finetrack(ファイントラック)/ドライレイヤーウォームロングスリーブ

また、ここ数年、人気が継続しているドライレイヤーの冬仕様「ドライレイヤーウォームロングスリーブ」も好評。ドライレイヤー最大の特徴である「汗抜けの良さ」はそのままに、シリーズで最も厚手の生地を使ったモデルです。
ベーシックモデルと比べると1.5倍の暖かさを感じられる仕様が、雪山登山者を中心にじわじわと口コミで広がり、愛用者を増やしています。
人気ウェアその4
TAION(タイオン)/ダウンパンツ

山小屋・テント泊だけでなく日常生活でも大活躍するタイオンの「ダウンパンツ」も、その手頃な価格から大人気。800フィルパワー以上の保温力に優れたダウンを充分に使いながらも、1万円を切る価格帯。
水濡れに弱いダウンパンツは、行動時の使用には不向きですが、停滞時や日常生活においては活躍する便利な防寒ウェアです。
【小物カテゴリー】
機能性ネックゲイターを筆頭に、首から上の防寒アイテムが人気
続いて見ていくのは小物カテゴリー。多くの方が関心を寄せたのが、首から上の防寒に関するアイテムです。
中でも、「スーパーエクストラファインメリノネックゲイター」「YAMAP別注ダブルフェイス・ネックゲイター」と、ネックゲイターが2つも注目を集めていました。
レイヤリングのしやすさから、クルーネックのウェアが多く販売されている今季のトレンドを反映し、首周りの寒さをカバーするためにネックゲイターの人気が高まっている様子です。
人気小物その1
YAMAP(ヤマップ)/スーパーエクストラファインメリノネックゲイター
「スーパーエクストラファインメリノネックゲイター」は、市場でも希少性が高い「スーパーエクストラファインメリノ」を使用したアイテム。
数年前からアンダーウェアの素材として注目を集めるメリノウールですが、一般的な繊維の太さは約20μmほど。そんな中、このネックゲイターは15.5μmの超極細繊維を使用し、極上の肌触りを実現しています。
ウールの弱点とも言われるチクチク感もなく、特に肌が敏感な首〜鼻にかけてをノーストレスにカバーしてくれることが、人気の秘密。左右に耳掛けループを配置し、アクティブに動いてもずり落ちてこない使い勝手の良さを備えている点も、登山者にはありがたいですね。
人気小物その2
finetrack(ファイントラック)/YAMAP別注ダブルフェイス・ネックゲイター
合わせて注目を集めたネックゲイターが、ファイントラックにYAMAPが別注した「ダブルフェイス・ネックゲイター」。
「ダブルフェイス」の名が示す通り、「厚手・保温性重視」「薄手・通気性重視」の2種の生地で構成され、シチュエーションによって使い分けが可能な機能性に優れたアイテムです。

「厚手・保温性重視」の面は程よい保温性と通気性を備え、寒い中でのアクティビティに適しています。一方、「薄手・通気性重視」の面は、優れた通気性、吸汗性、抗菌防臭性を備え、暖かな場所や激しい運動時に適した仕様。
状況に合わせた素材を顔正面に持ってくることで、快適に首周りの防寒を行うことができる、「こんなの欲しかった」な性能を備えています。
人気小物その3
halo commodity(ハロ コモディティー)/YAMAP別注 ヘアーズファーキャップ
続いての人気小物も、首から上の防寒に関するアイテム。寒さが堪える「耳」の保温に便利な「YAMAP別注 ヘアーズファーキャップ」です。
「寒さが厳しい中で山に登っていると、耳はキンキンに冷えて痛いのに、頭には汗をかいてしまう……」という悩みから生まれたこの商品。
登山にニット帽を使っている方も多いと思いますが、蒸れやすい上にアイテムによっては耳部分まではカバーしきれないという欠点もあり、その欠点を補う「登山キャップの新定番」として注目を集めました。

イヤーフラップ部分は、暖かなファー素材。一方、頭部分は通年使用できる速乾性に優れたナイロン100%素材。サイドにメッシュを配することで、通気性も担保し、頭部のムレを予防します。

また、イヤーフラップ部分は取り外し可能なので、暖かくなったらキャップのみでの使用も可能。「春夏秋冬で活躍する使い勝手の良さ」に魅力を感じた方も多かったようです。
人気小物その4
handson grip (ハンズオングリップ)/YAMAP別注オープンミトングローブセット
小物カテゴリー最後の注目アイテムは、「YAMAP別注オープンミトングローブセット」。寒さが堪える手指の防寒対策として、人気を博しました。
冬山における手袋は、しっかりとした防寒と合わせて、ギアやスマホの操作がスムーズにできる機能性が求められます。しかしながら、「防寒を重視すれば生地が分厚くなって指が動かしづらい」「指が動かしやすいものは薄くて寒い」と、暖かさと使い勝手のどちらかを犠牲にしている方も多い模様。
そんな中、発売とともに注目を集めたのが、「手元のレイヤリング」を意識したインナーグローブとアウターグローブのこのセット。

インナーグローブには、ベースレイヤーの素材としてよく使われる、ポーラテック®︎社の機能素材「パワードライグリッド」を使用し、速乾性と吸汗性に加え、薄手の生地ならではの高い操作性を備えています。
さらに、スマートフォンの操作がスムーズにできるように、左右の親指と人差し指がオープンにできるようになっている点も秀逸です。

ミトン型アウターグローブは、親指以外の4本をまとめて保温することで、外気との間の保温層を強化する事ができます。そのため、同じボリュームの5本指アウターグローブよりも大きな保温力が得られるところが大きな魅力。
紛失を防ぐためのリーシュコードが付属していることも、小さい工夫ながら好評なようです。
【足回りカテゴリー】
足が持つ本来の機能を発揮する2アイテムが大人気
最後にご紹介する「足回りカテゴリー」は、冬に限らず、年間を通して好評を博している「BMZ(ビーエムゼット)/YAMAPオリジナルインソールシリーズ」と「YAMAP(ヤマップ)/トレイルソックスタビシリーズ」。
両方ともに、歩行の衝撃を吸収する「足のアーチ構造」をサポートする設計が特徴です。
足回りに悩みを感じている方はもとより、ずっと健康に歩き続けるためのトレーニングとして、使用を開始している方も多く見受けられました。
人気足回りその1
BMZ(ビーエムゼット)/YAMAPオリジナル インソールシリーズ

登山は、長距離にわたって、傾斜のある道を歩くハードなアクティビティ。足への衝撃も大きく、人間の体は複数の関節をサスペンションのように用いて、その衝撃を吸収しています。

中でも、重要な場所が足のアーチ構造。「YAMAPオリジナル インソール」シリーズは、そのアーチ構造の核となる「立方骨」を支え、足が本来持っているクッション性を発揮できるようにしています。

一般的なインソールが、土踏まずの部分に盛り上がりを作り、アーチ構造を固定するのに対し、YAMAPオリジナルのインソールシリーズには、盛り上がりがありません。これは、アーチ構造をあえて固定しないことで、人の足が本来備えたクッション性を充分に発揮するための工夫。
シリーズは、最上位モデルの「山を歩くインソール カーボン」、最初の一足としておすすめの「山を歩くインソール ベーシック」、トレランに最適化した「山を走るインソール」、日常生活で足のトレーニングができる「山を歩くインソール 足トレ」の4種。いずれも、大人気を博しています。
人気足回りその2
YAMAP(ヤマップ)/トレイルソックス タビシリーズ
インソールと一緒に購入されることも多く、その可愛らしい見た目からも人気なのが「トレイルソックス タビ」シリーズ。日本古来の足袋(タビ)の形状を採用しており、指を広げて地面を掴むような動きができるのが特徴です。

さらに、足のアーチ構造が正しい形で保たれることを助ける「クロスエイトテーピング構造」を採用。強度の強い縫い目がきゅっと足裏を掴む様にアーチ構造を支えてくれます。

また、足指の付け根部分とかかとの生地には細いゴム糸が編み込まれており、靴下の表と内側の両方に滑り止め効果を発揮。足、靴下、インソールやシューズのどれもがフィットして、滑らない状態を作ることができます。
吸水速乾性や防臭性、クッション性ももちろん優秀。インソールと合わせて使うことで、足本来の機能を快適に発揮することができます。
暖かいのはもはや当然。プラスαの機能が求められる冬のアイテム
この冬のトレンドと、注目を集めたアイテムを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一昔前まではあまり選択肢がなかった冬の登山アイテムも、多様な素材の登場や縫製技術の進化によって、実に多様なバリエーションが生まれています。
「暖かい」はもはや当然。その上で、優れた通気性や速乾性、使い勝手を併せ持つアイテムが登山者の支持を集めている様子です。
各アイテムに様々な工夫が凝らされているので、ディテールまでしっかりとチェックして、長く使える冬の相棒を見つけてくださいね。