寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

地球温暖化の影響で、昔と比べて冬も気温が下がらなくなっているとはいいますが、寒さがまったく苦にならない人はいないでしょう。地域や個人の感じ方で差はあるものの、1年のうちの何日かは、朝ベッドから抜け出せない、冷たい風のなか表に出たくないと思う日があるものです。今では比較的簡単に寒さをしのぐことができますが、高性能な暖房器具や軽くて暖かい防寒着もなく、気温がもっと低かったひと昔前の時代、冬の寒さは今よりもずっと厳しかったことでしょう。

寒い季節を暖かく過ごすための身近な暮らしの知恵として、古くから使われてきたのが「腹巻き」や「首巻き」。子どもの頃、夜寝るときに腹巻きをしていた思い出のある人もいるでしょう。健康管理のために普段から腹巻きを愛用する人も、男女を問わず少なくないようです。ストールやマフラー、ネックゲイターなどの「首巻き」は、手袋や帽子とともに頼りになる寒い季節の必需品。普段からいろいろな種類のものを、使い分けているかもしれません。

コンパクトで手軽に使えるこの便利なアイテムを、フィールドでも積極的に使わない手はありません。しかし、現状ではあまり多くの選択肢はなく、まだまだアウトドアの世界ではマイナーな存在。それならばと、YAMAPがオリジナルの「腹巻き」、「首巻き」作りに乗り出しました。今あるどのアウトドアブランドの製品とも違う、YAMAPだけの視点で仕上げた自信作です。

パーツを暖めると全身が暖まる?
保温と血流のメカニズム

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

製品の紹介をする前に、「腹巻き」や「首巻き」の効果について触れておきましょう。
 
どちらのアイテムも、身に付ければ暖かいのはイメージ的にはわかっても、こんなに体を覆う範囲が小さくて、どれほどの効果があるのかというのが気になるところ。
実は、暖める範囲の大きさよりも、どこを暖めるかということが、効率的に保温するための重要なポイントです。
 
「腹巻き」でカバーされるお腹には、肝臓や腎臓などの大きな臓器が集まっています。これらには多くの血液が流れ込むため、お腹を暖めることで血流がよくなり、体温を効率よく上げられます。
首には太い血管がありますが、まわりに脂肪や筋肉が少ないために冷えやすい場所。首を暖めれば体温の低下が抑えられ、体全体を暖かく保つことができます。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

今回は、具体的にどれくらいの効果があるのかを実際に見ていただこうと、熱を検知するサーモグラフィーカメラを使った実験を行ないました。こちらの2枚の写真は、モデルさんに腹巻きを着けてもらい、体温がどのように変化するかを撮影したもの。温度が高いところは赤く、低いところは青く表示されます。

1枚目は、何も着けていない状態。2枚目が腹巻きを着用して30分経った状態。
こうして見ると結果は明らか。着けていないときに青色だったお腹まわりが、腹巻きをして30分後には、かなり暖まってきたのがよくわかります。注目なのは足元。赤い部分がふくらはぎ全体に広がっていて、直接温めていない部分の温度も上がっています。体全体が暖まって、ぽかぽかしている状態が想像できるのではないでしょうか。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

今回YAMAPが作ったのは 「YAMAPオリジナル・カシミヤハラマキ」と「YAMAPオリジナル・カシミヤネックウォーマー」の2アイテム。
「腹巻き」は、古くさくて恥ずかしいというマイナスイメージを払拭するために、あえてカタカナで「ハラマキ」に。首回りの保温具の総称である「首巻き」は少しなじみが薄いので、製品のスタイルそのままに「ネックウォーマー」と名付けました。
 
使用した素材は「カシミヤ」。これこそが、YAMAPオリジナルだからできた、最大のこだわりポイントです。

YAMAPオリジナル カシミヤ ハラマキ

YAMAPオリジナル カシミヤ ハラマキ
6,210円(税込)

Material:
カシミヤ80%
ナイロン17%
ポリウレタン3%

Weight:
70g

Size:
W34cm×25cm

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YAMAPオリジナル カシミヤ ネックウォーマー

YAMAPオリジナル カシミヤ ネックウォーマー
7,140円(税込)

Material:
カシミヤ80%
ナイロン17%
ポリウレタン3%

Weight:
98g

Size:
W27cm×23cm

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YAMAPがカシミヤを選んだ理由

カシミヤとメリノウール、何が違うの?

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

高級なセーターやマフラーに使われる素材としてカシミヤの名は知っていても、あまり詳しいことはわからないという人が多いはず。アウトドアでよく使われる天然のあったか素材といえばメリノウールが一般的ですが、カシミヤとは何が違うのでしょうか?

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

【原材料】

「メリノウール」は、オーストラリアやニュージーランドの山岳地帯に生育する「メリノ種」というヒツジの毛が原材料。一般のウールに使われるヒツジよりも上質な毛糸がとれる高級品種として知られています。

「カシミヤ」の原料は、ヒツジではなくヤギの毛。主に中国や外蒙古、インド、アフガニスタンなどに生息する、「カシミヤ山羊」という種類のヤギの毛を原料としています。獣毛糸でできた製品を「ウール」とひとまとめにしてしまいがちですが、一般的に「ウール」は「ヒツジの毛」の意味で使われるため、カシミヤはウールではありません。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

【風合い】

ウールの中でも高級品とされるメリノウールは、チクチクするような不快感なく快適に着られるので、素肌に直接着けるベースレイヤーなどにも多く使われています。
普通のウールとの肌触りの違いを決めるのは、繊維の太さ。一般的なウールの太さが平均20ミクロン(1ミクロン=1/1000㎜)程度のところ、メリノウールは16.5~17.5ミクロンと非常に細いため、滑らかで肌触りのいいニットを作ることができるのです。
 
しかし、その肌触りのよさをさらに上回るのがカシミヤ。繊維の太さはメリノウールよりもさらに細い14~16ミクロンが平均とされ、繊維1本1本の繊細さが、非常に上質な肌触りを作り出します。
繊維の細さに加えて、カシミヤ山羊の毛には油分が多く含まれるため、ニットに編み上げたときにも独特のしっとりとした質感があります。どちらかというと、乾いたシャリ感のある肌触りのメリノウールと比べると、その違いは明らか。これが、カシミヤがメリノウールを越える最高級の素材として、「天然繊維の王様」、「繊維の宝石」などと称される理由です。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

【保温力】

繊維の太さの違いは、保温力にも表れます。同じ太さの1本の糸を紡ぐにも、1本の繊維が細いほど多くの繊維を束にすることができるので、中に含む空気の量が増えて、重量に対して保温力も吸湿性も高くなります。つまり、同じ厚さでもメリノウールよりもカシミヤのほうが保温力が高いということ。見た目にもふわりと柔らかく暖かそうなのがわかるでしょう。

メリノウールがアウトドアで多用される理由は?

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

これまで、アウトドアブランドの製品に、カシミヤが使われることはあまりありませんでした。メリノウールの独壇場といっていいでしょう。

メリノウールの原料となるヒツジが生息する山岳地帯は、寒暖差が非常に大きい厳しい環境。ヒツジたちが蓄える羊毛には、冬の寒さから身を守り、夏の暑さをもしのぐための羊毛をたっぷりと蓄えます。そこから作られるメリノウールの製品は、保温性と通気性を兼ね備える上に、高い吸水性で汗をすばやく吸い上げるため、汗冷えしないという点もアウトドアにはうってつけ。
そして、化学繊維にはない特徴が、ヒツジの体を守るための天然の抗菌作用。汗や皮脂による雑菌の繁殖が抑えられ、ニオイが気にならないという大きなメリットを生み出します。
 
これらは、同じく厳しい自然環境の高地で暮らすカシミヤ山羊にも共通する特性。肌触りや保温力もカシミヤのほう優れています。それなのに、アウトドア製品にはカシミヤよりも、圧倒的にメリノウールが多く使われている理由は何でしょうか?
 
第一にあげられるのが、原毛の価格。メリノウールはヒツジ1頭から、年間で2~3㎏の羊毛を作ることができますが、カシミヤは、1頭当たり150~200gしかとることができません。しかも、使われるのは表面の硬い毛の内側にある産毛のような部分なので、ヒツジのように丸刈りにした毛から糸を作るのではなく、熊手のような櫛を使って1頭1頭丁寧にかき取られます。さらには、カシミヤ山羊はヒツジほど繁殖力が強くないため、メリノ種のヒツジに比べて大幅に数が少なく、年間に流通する量はわずか。この希少性の高さから必然的に価格も上がるため、価格の安いメリノウールのほうが使いやすいのです。
 
もうひとつは、メンテナンスの手軽さです。比較的繊維の太いメリノウールは扱いが簡単で、洗濯機で洗うことができる製品も少なくありません。一方で、繊維の細いカシミヤは繊細なため、使うたびにジャブジャブ洗うような使い方には向きません。
 
しかし、その点を補って余りあるのが、カシミヤの非常に高い抗菌・防臭効果。数日続けて使ってもニオイがほとんど気にならず、化繊のウェアのように1日でギブアップしたくなることはありません。着るたびに大量の汗に触れるベースレイヤー類でなければ、洗う機会はごくわずか。洗濯機で洗えないことは、さほど大きな弱点ではないのです。

最高の素材で脇役を主役に

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

せっかくオリジナルのアイテムを作るなら、これまで世の中になかった、本当に使い心地のいいものを作りたい。YAMAPは、決して主役にはならない小さなアイテムのために、あえて希少性の高い高級素材、カシミヤを選びました。
何よりも機能性を重視するアイテムになら、化繊やメリノウールを選んだでしょう。けれども、ちょっと懐かしくて、使うことでほっこりと安心でき、山と街の境目を意識せずに使えるアイテムだからこそ、機能だけでなく肌触りや着け心地も楽しめる、カシミヤがふさわしいと考えたのです。

「YAMAPオリジナル・カシミヤハラマキ」

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

モコモコと分厚い「腹巻き」のイメージは、今すぐ忘れ去りましょう。
一目で上質とわかる素材感。素材のよさを最大限に引き出し、どんな色ともすんなりと調和する、ニュートラルグレー。年齢も性別も、街や山、インドアとアウトドア、コーディネートも時間もすべての垣根を飛び越える、これ以上ないほどのシンプル&クリーン。これが「YAMAPオリジナル・カシミヤハラマキ」です。

一重の筒状に仕立てたベーシックなスタイル。上質なカシミヤ80%に対して、ナイロン17%、ポリウレタン3%を加えました。編み方で伸縮性を与えるのではなく、薄く体にフィットするフラットな形で、着脱のしやすさや使用時のたるみを防ぐことを考えた、ベストな素材バランスです。

あえて言葉で表現するのなら、「安心感のある肌触り」でしょうか。化繊繊維でも気持ちのいい肌触りのものがたくさんありますが、天然素材にしかない高級感と安心感は、誰もが共有できるハッピーな感覚。フワフワともモコモコとも違うしっとりとした肌触りが、ゆっくりと暖かさを引き出してくれます。
 
チクチク感などのストレスがないので、ベースレイヤーの上からだけでなく、素肌に直接でも着けられます。胸の下から腰骨あたりまでをカバーする長さで、体にほどよくフィットして、着ぶくれや動きにくさ、ズレ落ちる心配もなし。薄手のウェアの下に着ていても外にひびくことはありません。
アウトドアでも日常生活でも、使っていることがわからないほどですが、このデザインと素材感なら、見えても見せてもまったく問題なし。隠しておくのがもったいないほどです。

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「YAMAPオリジナル・カシミヤネックウォーマー」

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ハラマキと同じ素材を二重の筒状に仕立てた、厚みのある仕上がり。首回りを温めるものにもいろいろな形がありますが、スッポリとかぶるだけで、風にはためいたり飛ばされたりしない、チューブタイプを選びました。

クシャっとさせたり延ばしたり、折りたたんだりして好みのバランスで使えるたっぷりの長さ。アウターの襟やフードとの組み合わせも自在な、ほどよいボリューム感。首回りだけでなく、イヤーバンドのように耳をカバーしたり、キャップの下やビーニー代わりかぶったりと、1つで何通りにも使える万能さ。

首や顔に直接触れても違和感はなし。顔をうずめたくなるような素材感を、充分に楽しんでください。息がかかって内側が濡れても、カシミヤがすぐに水分を吸い上げてくれるので、化繊のボア素材のように、いつまでも表面が冷たく濡れる不快感はありません。
 

山頂の休憩タイムに冷たい風が吹いていたら、さっとネックウォーマーを取り出して首元へ。シェルのフードを脱いでリラックスしたいときも、首元からの冷気をシャットアウトできます。 お昼ごはんのカレーに夢中でうっかり汚すのが心配なら、食事中はヘアバンドのように頭まで引っ張り上げておきましょう。耳や頭も暖められて、一石二鳥。こんなフレキシブルさが、ネックウォーマーの便利なところです。

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テントや小屋で目覚めたけれど、体が冷えてなかなか動き出せない。そんなときこそハラマキの出番です。暖めているのはお腹なのに、いつの間にか手足の冷たさも和らいで、だんだん体が目覚めてきます。しっかり体が暖まったら、ハラマキは脱いでバックパックへ。コンパクトに持ち運べるので、荷物の邪魔にはなりません。脱がずにそのまま出かけて少し暑くなってしまったら、こっそりハラマキを折り曲げて面積を小さくすれば、着けたままで温度調整も可能です。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

天然素材のカシミヤは、ウールと同じく化繊ほどの強さはありません。長く使えば、毛玉やヘタりもあるけれど、それ以上に自分の肌と一体化していくような感覚は、天然素材ならではの楽しみだと思います。使った後はブラシをかけ、ときどき毛玉の処理をして、手をかけてあげることで長くきれいに使えます。

ドライ用の洗剤を使って手洗いもできますが、お洗濯はクリーニングがおすすめ。防臭効果が高く汚れもつきにくいので、シーズン中1、2度のクリーニングで充分でしょう。

肌触りの良い素材ですが、ハラマキは体への密着度が高いため、肌質やコンディションによっては多少違和感があるかもしれません。気になる人は直接肌にではなく、ベースレイヤーの上から使ってください。ネックウォーマーも、最初は少し硬く感じるかもしれませんが、使っている間に馴染んで、日に日に肌触りがよくなっていくのもカシミヤの個性です。
また、洗濯表示やYAMAPのブランドタグが肌に当たって気になるときは、しっかりと取り扱い方法を確認した後でカットして使ってください。製品を傷つけないように気を付けて。

寒い季節を温かく過ごすための名脇役をアウトドアに。ワンランク上の素材で作る「腹巻き」&「首巻き」

そして、最後にひとつだけ。
「YAMAPオリジナル・カシミヤハラマキ」と「YAMAPオリジナル・カシミヤネックウォーマー」、どちらもそれぞれの用途に合わせてこだわって作ったのですが、できてみたらとても似たものになりました。ハラマキにはYAMAPのタグが付いていますが、小さく畳むと、どっちがどっちだか区別がつきにくいのです。山でハラマキを着けようとしたら、ネックウォーマーだったなどということがあると、かなりスリム方でも代用は難しいと思います。両方をお使いの場合は、どうぞお出かけ前によく確認をして、間違えないようにお持ちください。

紹介したブランド

  • YAMAP

    YAMAP

    登山の道具としてだけでなく、もの作りの現場から、購入していただいてから...

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