「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

山からは続々と雪の知らせが届き、街に慌ただしさが漂うこの季節、今年も恒例の「YAMAP STORE AWARD」下半期の受賞アイテム発表の時がやってきました。

YAMAP STOREが取り扱う数ある商品のなかから、もっとも注目されたアイテムを選ぶこのアワード。もともと、YAMAP STOREには、スタッフが吟味を重ねた、高品質でユニークな商品ばかりが集まっているため、審査にあたる選考スタッフたちは、毎回難しい選考に頭を悩ませます。

今回も厳正な審査の末、ようやく2022年度下半期の受賞アイテムが決定しました。選考の基準は、商品としての機能性やオリジナリティ、人気を表す販売数など多岐にわたりますが、「いいものを長く使う」というYAMAP STOREのコンセプトに共鳴することも、重要なポイントになります。

今回は、従来のウェア部門、ギア部門に加えて、新たに「YAMAP STORE特別賞」を設けました。選考委員を代表する3名が選んだ、こだわりのアイテムに特別賞を授与します。

それではさっそく、ウェア部門から発表していきましょう。

ウェア部門

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【ゴールド】
Gramicci(グラミチ)
YAMAP別注ウィンタートレイルパンツ

ゴールドに輝いたのは、YAMAPとグラミチのコラボによる、秋冬用のトレイルパンツ。冬山で使える機能と、街でもカッコいいデザイン性を兼ね備えた1本として、発売直後から大きな反響を呼びました。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

防寒性、撥水性、耐久性などが求められる冬山用のパンツは、どうしても分厚くて動きにくく、シルエットも大きくなりがちですが、それをスタイリッシュなテーパードラインに仕上げたのは、グラミチのデザイン力と素材の力。表はソフトシェル、裏はフリースのダブルフェイス素材は、4WAYストレッチで驚くほど動きやすく、防風性、撥水性もしっかりと確保。1枚でも温かく着心地のいい、新しい冬用トレッキングパンツのスタイルを確立しました。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【シルバー】
finetrack(ファイントラック)
ドラウトクロージャケット

続いてのシルバーには、今期のリニューアルでさらなる進化を遂げた、ファイントラックのミッドレイヤーが選ばれました。活動中の汗を処理する吸水蒸散性と、適度な保温性を備える、冬場のハードなアクティブシーンのための行動保温着。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

行動中は熱を放出して発汗を抑え、休憩中はかいた汗を効率よく外に吐き出すというコンセプトはそのままに、吸汗拡散性や生地表面の耐摩耗性がさらに向上。しなやかな伸びも加わって着心地もよくなり、ナチュラルなカラーの採用で、イメージも一新させました。さらに、100回洗濯を繰り返しても汗処理能力が保たれる、洗濯耐久性も実現。「より長く快適に使えるもの」を目指した点も、大きく評価されての受賞です。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【ブロンズ】
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
エクスペディションドライドットジップハイ

運動量の多い場面を想定した、吸汗速乾性に特化した化繊ベースレイヤーは多数あります。そんな数あるベースレイヤーのなかから、独自の発想で存在感を示した、ノースフェイスの1枚がブロンズの座を射止めました。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

特徴は、表と裏で異なる特徴を持つ、極薄のダブルフェイス素材。肌面は撥水加工を施したドライ層、表は吸水・拡散のための吸水層。その2層をつなぐドットが汗を吸い上げて、常に肌をサラサラに保つという仕組み。化繊にありがちな肌に貼りつく感じがなく、2層の間に空気をため込むので、保温性も期待できます。1枚で、汗処理用のメッシュインナーとベースレイヤーの2役を果たすこと、タイトすぎないシルエットでその機能を実現したことも、革新的といえるでしょう。

ギア部門

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【ゴールド】
YAMAP(ヤマップ)
鹿革スマホポーチ

ギア部門のゴールドは、上質な鹿革を使ったスマホポーチが獲得。シンプルで使いやすく、ナチュラルで高級感のある素材と、素材の質感を生かしたカラー。大人気の理由は、商品としての完成度の高さが評価されたことはもちろん、このポーチに込められた環境への想いや取り組みに、多くの方が賛同してくれたからに違いありません。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

日本の里山は、増えすぎた鹿による獣害で深刻な被害を受けています。また、その対処として捕獲された鹿のほとんどは、廃棄物として処分されています。その現状に一石を投じようと作られたスマホポーチ。自然環境や生き物の命について考えるきっかけになるという役割が、ゴールドに値すると評価されました。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【シルバー】
PAAGO WORKS(パーゴワークス)
ニンジャタープ

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

ユニークなギアを次々と世に送り出す、パーゴワークスの定番マルチタープ。工夫次第で30種以上もの張り方ができる、タープという言葉に収まりきらない独創性が、ここにきて改めて評価されました。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表


試行錯誤の末にたどりついた「手裏剣型」は、張りにくくて使い道が少ないというタープのイメージを見事にくつがえし、その可能性を大きく広げました。近年増えてきた、テント、ツエルト以外の「泊まり」のスタイルは、ニンジャタープがそのきっかけとなったのかもしれません。ユーザーの遊び心をくすぐる、自由な発想や細かい工夫。アウトドアの遊び方を広げた功績を考えると、遅すぎたともいえる今回の受賞。根強い人気が証明する、納得のアワードです。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【ブロンズ】
PETZL(ペツル)
スイフト RL

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

軽量コンパクトで超高出力な、ハイスペックヘッドランプがブロンズに選ばれました。安価なモデルも多数あるなか、安定した人気を保ち続けるのは、一度使ったら手放せない機能と安心感があるからでしょう。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

最大の特徴は、手でスイッチ操作をしなくても、必要な時に最適な光を自動で判断し照射する機能「リアクティブライティングシステム」。光を当てた対象物からの反射光をセンサーが察知して、手元や足元を見たり、先の進路を見たりと、移動中目まぐるしく変わる視線に合わせて、ビームを自動的にコントロールしてくれます。機能、使い勝手のよさ、フィット感など、どこをとっても非の打ちどころのない完成度は、満場一致の評価を受けました。

YAMAP STORE特別部門

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【ゴールド】
NORRONA(ノローナ)
リンゲン ゴアテックスアクティブジャケット

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

執行役員・YAMAP STORE事業部長

清水 直人(しみず なおと)

山歴は4年。好きな山は「伊吹山」になります。地元である関西から東京に向かうときに突然現れるどーんとした佇まいが好きです。また、正面からひたすら山頂目がけて開放的な道を登って行く時間もお気に入り。 思い出は、まだ登山にあまり慣れていない頃、初日の出を見るために一人でナイトハイクに挑戦したこと。雪と寒さで厳しい環境でしたが、今まで味わったことのない、 静けさと解放感の中姿を見せた初日の出がとても印象に残っています。

審査員コメント

NORRONAのものづくりへの執念が現れている一着です。NORRONAの中ではスノー系のカテゴリに位置しますが、登山シーンでも活躍の場は非常に多いんです。表地には2種類のゴアテックスが使われていますが、ボディのメイン部分はメンブレンが剥き出しになっているのが特徴です。これは表地が水分を吸収することを防いで、軽さを保ち、蒸れを防ぐ理由からです。私はそこまでテクニカルなシーンに身をおくことはないですが、そのような意味をもったものづくりの考え方には非常に興味があります。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

また、フロントのファスナー部分をベンチレーションとして位置付けているのもユニークです。あまり見かけないデザインですが、歩行時は基本前に向かって歩いているため、実はフロントにベンチレーションがあると効率良く換気できるので「なるほどな!」と思いました。それでいて308gと非常に軽いので夏場はザックに忍ばせておいて、稜線とか休憩時に肌寒い時の羽織として。春秋冬シーズン、雨天時はアウターシェルとして非常に重宝します。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

フィールドでどう快適に過ごせるか?も徹底的に考えられていて、例えば肩に縫い目を無くしているため、長時間ザックを背負っていても肌が痛くならなかったりなど、NORRONAのウェアは「あれ!?ストレスがない」と後から気づくことが多いんです。そして何よりデザインの良さ。やっぱり登山シーンでも格好良くいたいので、いつもイメージが浮かぶのはNORRONAのウェアです。快適に安全に、そしてファッショナブルに。登山の楽しみを広げてくれる一着です。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

【シルバー】
MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア)
YAMAP別注 ポーラテックハイロフトグリッドジャケット

YAMAP STORE 商品企画

乙部 晴佳(おとべ はるか)

アウトドアブランドのフットウェアやアパレルのMDを経て2021年YAMAPに入社。 愛車のジムニーで週末は飛び回り、納車1年で走行距離は1万3千キロ。 衣食住を背負って移動する縦走登山やバイクパッキングが好き。 最近は山の「キノコ同定」に興味津々。

Instagram

審査員コメント

登山の中間保温着は昨今さまざまなものが提案されていますが、その着心地のよさと、手入れの楽さなどからフリースジャケットを愛用している人も多くいるのではないでしょうか。私もそのうちの1人。でも、フリースって値段が安いものもたくさんある中で、なんで登山用ってこんなに高いの?と思っている人もいるかもしれません。このマウンテンハードウェアのフリースジャケットは、デザインとしては普遍的ではありますが、着た瞬間から暖かく、ストレスのない着心地と、空気が驚くほど抜けていく風抜けのよさが魅力。フリースの長い毛足部分が、暖かい空気の層をつくり、グリッド状の網目が空気を通してくれます。この保温力と通気性と着心地の良さの両立は、テックフリースブランドとして名高いポーラテック社が長年開発努力を重ねてきたからこそできることです。発売は10月でしたが、このフリースの真価を発揮するのはこれからのシーズンの登山やスノースポーツシーン。活躍してくれること間違いありません。

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

フワフワと毛足の長いフリースは、向こうが透けて見えるほど目の大きなグリッド構造。ほどよい保温性を保ちながら、行動中に発した熱をすばやく外に放出して、オーバーヒートや汗による濡れやムレを抑制します。休憩時や風が吹く環境では、ハードシェルやウィンドシェルを羽織れば、一気に保温モードにシフト。繊維に含まれたたっぷりの空気が保温力を発揮します。柔らかでストレッチ性が高く、動きを邪魔することも、重ね着のストレスとも無縁の着心地も、使う人を虜にする魅力でしょう。

「YAMAP STORE AWARD 2022上半期」受賞アイテムを発表【ブロンズ】 Gramicci(グラミチ) YAMAP別注トレイルパンツ

【ブロンズ】
finetrack(ファイントラック)
YAMAP別注 ポリゴンライトパンツ

YAMAP STORE コンテンツディレクター

豊島 七海(とよしま ななみ)

仕事もプライベートも山にどっぷりな毎日。最近は新しい刺激を求めて、沢登り、サーフィン、バックカントリー、クライミングとあれこれ手を出しています。 来年はトレランの大会に出る予定で、現在トレーニング中。海外のロングトレイルも歩きたい。

Instagram

審査員コメント

“空気を纏う”という言葉がふさわしいインサレーションパンツ。夏は縦走登山、冬はスノーボードなど、オールシーズンで山を楽しむ私にとって、大変重宝するアイテムです。シート状の中綿素材「ファインポリゴン」がつくる空気の層が、からだを包んでくれるような着心地で、「暖かい」というよりは「寒くない」という感覚。アウトドアシーンではこの「寒くない」が重要なポイントで、屋外のどんな状況でも快適な体温を保持できるということは、従来のウェアにはなかった革新性があります。インサレーションパンツは専門性の高いアイテムだと感じられがちですが、綺麗なシルエットで取り入れやすいのも魅力。忖度なしに、ぜひ皆さんに使っていただきたいアイテムです

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表
「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

停滞時の保温を目的とした従来のインサレーションパンツとは違い、行動時に使うことを前提にしたからこそのコンパクトなシルエット。立体裁断で動きやすく、中間着としてもアウターとしても使用可能。濡れに強い化繊綿でお手入れも簡単なので、スノーシーンにも臆さず使えます。超軽量コンパクトなのに、ハンドポケットやボタン仕様のウエストなど、使い勝手も考えたデザイン。山だけで使うのが惜しいほどの、スタイリッシュなルックスも魅力です。

みなさんのお気に入りはありましたか?

「YAMAP STORE AWARD 2022下半期」受賞アイテムを発表

ここまで発表してきた2022年下半期のアワード受賞アイテムの数々、みなさんの感想はいかがだったでしょうか? みなさんのお気に入りはありましたか? 今回から始まったYAMAP STORE特別賞は、選者3名それぞれの個性が表れていましたね。どの受賞アイテムも、ユニークで魅力あふれるものばかりでした。

YAMAP STOREの商品は、どれも私たちがこだわって選んだものばかり。より快適に、安全に、より楽しく豊かになるようにという、作り手の想いが感じられるものを自信をもってみなさんにお届けしています。

山の楽しみ方や好みは違っても、長く愛せる本当の意味での「良品」が、それぞれにあるはずです。このアワードが、みなさんがこれから長い時間を共にする、相棒を見つける手助けになることを願っています。

    紹介したブランド

    • Gramicci

      Gramicci

      1970年代、アメリカで “ストーンマスター” と呼ばれ、ヨセミテロッ...

    • finetrack

      finetrack

      「本当のアウトドアウエアとギアを創れるのは、本気で遊べる者だけ。」 f...

    • THE NORTH FACE

      THE NORTH FACE

      1966年、米国のカリフォルニア州サンフランシスコで創業。高品質のグー...

    • YAMAP

      YAMAP

      「つづく、つながる、ものがたる」を大切にしているYAMAP STORE...

    • PAAGO WORKS

      PAAGO WORKS

      パーゴワークスは2011年にスタートした日本のアウトドアブランドです。...

    • PETZL

      PETZL

      ペツルは1968年に初めての製品を開発して以来、「垂直と暗闇の世界」で...

    • NORRONA

      NORRONA

      1929年、ノルウェー人のアウトドア愛好家であったヨルゲン・ヨルゲンセ...

    • MOUNTAIN HARDWEAR

      MOUNTAIN HARDWEAR

      1993年にアメリカ・カリフォルニア州で設立されたマウンテンハードウェ...

    関連する記事

      関連する記事は見つかりませんでした