女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?

多くの女性ハイカーが悩むテーマといえば、女性特有のからだのトラブル。山の予定をずらせない、漏れたらどうしよう、サニタリー用品をたくさん持って行くから荷物がかさばるしゴミも出る……など、挙げたらきりがないほど、からだの悩みは尽きません。

せっかくの楽しい山が台無しにならないよう、女性のみなさんもさまざまな対策をされていますが、デリケートな内容ゆえ、あまりおおっぴらに聞けないことが実は一番の悩みだったりします。

というわけで集まってもらったのは、「YAMAP別注 吸水ショーツ レギュラー」のスペシャルアンバサダーである、アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんと、その開発に関わったYAMAP商品企画の乙部。 サニタリー期間に山で困ったエピソード、対策していることをざっくばらんに語ってもらいました。
せっかくの登山の日、からだのリズムに振りまわされない秘訣は?

(文:山畑理絵 写真:原 光平)


憂鬱になりがちなサニタリー期間、山の予定はどうしてる?

ーー今回、20代〜50代のYAMAP女性ユーザーに、サニタリー期間に関するアンケートを実施しました。「登山の予定と重なった場合、どうしていますか?」の質問に、71%の方が「予定通り行く」と回答されています。おふたりはどうしていますか?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?※「生理前後の登山についてのアンケート」2024年2月YAMAP調べ(調査対象人数 210人)
  • 乙部

    予定はキャンセルしないけど、不安がひとつ乗っかるなぁ……という気持ちにはなりますね。サニタリー用品を何個用意しよう、痛み止めの薬も忘れないように持っていかなきゃ、とか。いろいろなことを気にします。

  • 四角

    サニタリー期間はメンタルがやられますよね。私はひとりのときだと気持ちが弱って行かないこともあるけど、友達との予定だったら行きます。でも、行ったとしても無理はしない。自分の体調を最初に伝えることもあります。

  • 乙部

    メンバーに男性がいても言えちゃう?

  • 四角

    昔は言えなかったけど、最近は言うようになったかな。黙っていることで仲間に心配をかけちゃった経験があって……。たとえば、トイレの回数が増えたり、なんだか調子がでなかったり。伝えたほうが気が楽になることもありますね。

  • 乙部

    確かに言えたら楽だけど、私の場合は関係性によるかな。女性なら言いやすいけど、男性の友達には言えなかった経験があります。

  • 四角

    気心知れた人と行くのか、ツアーで初めましての人と一緒なのか、はたまたソロなのか。メンバーや歩くコースの日数や難易度にもよるし、そのときの環境によって感じる負担の大きさは変わりますよね。だからこそ悩みはつきない……。

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 乙部

    私が一番困ったのは、トレイルランニング中。はいていたトレラン用のショートパンツがゆるいフィット感だったこともあって、走っている途中にドバッと出てしまった感覚があったんです。これは絶対に漏れたと思って、気になって楽しめなかったことがありました。

    山だとちょうどいい場所にトイレがなかったり、トイレの回数が増えたりすることもある。他にも漏れやニオイなど気にしなきゃいけないことも増えるから、人知れず悩んでいる人は多いと思うんですよね。

使ってみたら便利だった「吸水ショーツ」という存在

ーー登山中、女性ならではのからだの悩みで困ったときはどんな対策をしていますか?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 四角

    痛みを感じたときのために、鎮痛薬は必ず持っていきますね。我慢はせず、早めを意識して服用しています。また、からだを冷やさないように、使い捨てカイロや腹巻きを活用したり。念のため汚れが目立たない黒色のボトムスにしたりもします。

    あと、山小屋泊などでお風呂に入れないときは、デリケートゾーンに使えるウェットティッシュを活用しています。拭くだけでスッキリした感覚になるからおすすめです。

  • 乙部

    私はこれといった対処はしてこなかったんですけど、唯一しっかり対策したのが、海外のトレランレースに出たとき。レース中も体調を万全にしておきたくて、普段あまり飲まない薬を飲みました。でも、飲むタイミングが上手くいかなくて。結果、レースの途中で具合が悪くなってしまいました。

  • 四角

    それは辛い……。薬って飲み慣れていないと難しいよね。

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 乙部

    そんな感じで、あまり対処のしようがないなって、なんとなくそのストレスを受け入れていました。でもここ最近、身近な衣料用品店でも「吸水ショーツ」といったフェムケア製品(女性のからだや健康のケアをする製品)が売られているのを知って、登山でも使いはじめたらすごく便利で。

    おかげで、さっき話したトレイルランニング中の「漏れてしまっているんじゃないか」という心配が少なくなりました。それで四角さんにも「山で吸水ショーツすごい便利ですよ!」っておすすめしたんですよね。

  • 四角

    そうそう。それで私も2年ほど前から山で吸水ショーツを使いはじめて、そしたらとっても快適で。量が少ない始まりどきや、終わりかけの日にサニタリー用品を使わずに済むから身軽になりました。

登山に合った吸水ショーツをつくりたい想いから生まれた「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」

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ーー昨今「吸水ショーツ」はさまざまなものが出ていますが、アンケートでは64%の方が「知っているけど使ったことがない」と回答されています。吸水ショーツとはどういったアイテムでしょうか?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?※「生理前後の登山についてのアンケート」2024年2月YAMAP調べ(調査対象人数 210人)
女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?吸水ショーツの中心には特殊な生地を何層にも重ねた吸水帯クロッチ
  • 乙部

    吸水ショーツは、液体を吸ってくれる吸水帯クロッチ」がついたショーツのこと。サニタリー用品のような使い捨てではなく、洗って何度でも使えるアイテムです。

ーー今回、フェムテックブランドHogara(ホガラ)とYAMAPが一緒に取り組んで、女性登山者のための「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」をつくりました。既存の吸水ショーツがあるなかで、新しい吸水ショーツを作ったきっかけは?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 乙部

    私自身、吸水ショーツというアイテムが登山でも便利に使えることを体感していたので、YAMAP STOREで紹介したいと思いました。1からオリジナルで開発することも考えたのですが、吸水ショーツは吸水帯クロッチ部分にさまざまな特許や意匠があるため、独自開発をするのは難しくて……。そこで、すでに知見があるホガラさんに出会ったんです。

    ホガラさんに共感したポイントはたくさんあります。まず、オーガニックコットンで環境負荷のなるべく少ないものづくりをされていること。今回は登山に最適な素材として、YAMAPオリジナルの吸水ショーツは化繊素材で相談しましたが、「悩んでいる女性たちの力になりたい」と快く受け入れてくれました。

    そして、ホガラさんは繊維商社で働く女性たちが立ち上げたブランドで、それぞれが専門のキャリアを積みながら新しいことにチャレンジされています。同じ女性としてそういったバイタリティにも共感し、「そんなホガラさんと一緒に女性たちの山登りを快適にしたい」という想いで企画したのが「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」です。

    吸水ショーツを登山で使うことを考えると、吸水速乾性がある素材で、激しい動きにも対応できるフィット感の高い構造が不可欠です。それに加えて、汗をかいてムレやすい環境でもニオイが気になりにくいようにデザインしました。

単体ではいてもいいし、サニタリー用品を併用してもOK。はきかたは自由

ーー「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」はどういうときに着用すればいいですか?

  • 乙部

    からだの悩みは人それぞれですし、体質も違うので、一概に「このときに使ってください」と限定はしません。

    個人的な使い方をお話しすると、量が少ない日は「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」を下着として単体ではき、多い日は吸水ショーツとサニタリー用品を併用で使います。

ーー四角さんはどんなときにはいていますか?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 四角

    少し前、ニュージーランドの山旅に出かけたときのお話しになりますが、予定していた10日間のなかにサニタリー期間がかぶっていたんです。

    そこで完成した「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」を使ったのですが、純粋に“下着としていいな”と感じました。サニタリー期間も、そうでないときも、両方に心地がいい。また、肌触りがよく、それでいてやさしくお尻を包み込むストレッチ性があり安心感がありましたね。

ーーサニタリー期間が終わったあとは?

  • 四角

    10日間の旅だったので、終わったあとも洗濯し「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」を普段のショーツとしてはいていました。

    以前は、サニタリー用品を使うときはセットでサニタリー用ショーツを使っていたので、用途の違うショーツを2枚以上持っていく必要がありました。でも、「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」ならサニタリー期間前後の日のショーツとしても違和感なくはけるので、すっごい楽でしたね。

  • 乙部

    おりものなどで下着が汚れてしまうのはちょっとな……という日にも「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」はおすすめです。サニタリー用品を持ち歩かなくていいし、交換する手間もなければ、ゴミも出ません

  • 四角

    ほんとその通りかも。サニタリー用品を余分に持っていかなくていいから、荷物が減って、その結果ゴミも減る。心の負担が少なくなったなぁ。

ーーサニタリーショーツというと生地が硬くてゴワゴワしているイメージがありますが、はき心地はどうなんでしょう?

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 四角

    それがすごくよかったです!「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」はフィット感が高いからお尻を包み込んでくれるし、生地が柔らかいので、そんなに化繊っぽさもなくて。

    吸水帯クロッチに使われている素材もよかったですね。カサカサしたビニール感がなく、肌あたりのいい素材が当てられているから、デリケートゾーンのかぶれもなかったです。いかにもサニタリーショーツだなって仕様ではないので、ずっとはいていられる感じです。

  • 乙部

    肌触りがよくて伸び感もいいから、毎日のショーツとしてつい手に取っちゃうよね。

ーーでも、お洗濯が必要ですよね。それって面倒じゃないですか……?

  • 四角

    最初は面倒かな? と思いましたが、お風呂に入るときに体を洗うついでにさっと手洗いして洗濯機に入れればいいから、そこまでデリケートな扱いでもないんだなって感じました。

  • 乙部

    私も四角さんと一緒で、お風呂のときに洗って洗濯機に突っ込む感じなので、意外と洗うのは負担じゃないですね。

  • 四角

    汚いものとして「捨てる」んじゃなくて、洗って繰り返し使うことで「自分の体を把握する手段」にもなり得るのが「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」なのかなって思っています。

    とにかく便利だったので、今となってはもっと前から使いたかったな……と思っているくらい。以前タスマニア島のロングトレイルを6日間歩いたときも全日、サニタリー期間に当たってしまい、途中でゴミを捨てられないから、使ったあとのサニタリー用品がかさばるし重くて……。あと後半はかゆみもでてしまって。

    このときは吸水ショーツの存在を知らなかったけれど、もし「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」をはいていたら、快適だったんだろうなって思います。

ブルーな日も、ハッピーな日も。毎日どこへでも行けるショーツ

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ーー女性ならではのからだの現象によって、気分が落ち込みやすい日もあると思います。そんなときの気分をあげる方法はありますか?

  • 乙部

    私は好きなお菓子を食べる(笑)!

  • 四角

    たしかに、ブルーな期間だからしょうがないやって言い訳して、チョコとか甘いもの食べやすくなるよね(笑)。この期間だけは自分を甘やかしてもいいかって。

  • 乙部

    あとは、山でも好きな服を着ること。登山をはじめたばかりの頃は「山には絶対これを着ていかなきゃいけないんだ」という考えにとらわれて我慢していた部分があったけど、最近はデザイン性の高い登山服が増えているし、色もかわいい。自分が着たい登山服を着てテンションをあげています。

  • 四角

    下着にしても、いつもは選ばないような色に挑戦してみるのもありですよね。

ーー最後に、山を楽しむ女性に伝えたいメッセージはありますか。

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 四角

    「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」は、「こういう使いかたをしなきゃいけない」と断定するアイテムではなくて、サニタリー期間前後も、ふつうの日もはけるから、山でも街でもいい。「毎日どこへでも行けるショーツ」だな、と思うんです。

    扱いに慣れてしまえばとても便利なアイテムなので、多くの女性に届けることができたら嬉しいです。

女性特有のからだの不調|山登りのとき、どうしてる?
  • 乙部

    女性ならではのからだのリズム、女性特有の日の重さそのものを変えることはできないけれど、サニタリー期間前後のストレスを軽くすることは「YAMAP別注吸水ショーツレギュラー」でできると思っています。

    より快適に過ごせる「便利なギア」のひとつとしてとらえていただき、みなさんの憂鬱な気持ちを晴らすことにつながるといいな、と願っています。

アウトドアスタイル・クリエイター

四角 友里(よすみ ゆり)

「大好きな自然と、自分らしいスタイルで繋がりたい」というメッセージを掲げ、執筆、トークイベント、アウトドアウェアの企画開発などの表現活動を続ける。山スカートを広めた、女子登山ブームの立役者。著書に『一歩ずつの山歩き入門』、『山登り12ヵ月』など。2023年秋、“自然と仲良くなるプロダクト”をコンセプトに、自身のアウトドアブランド『MOUNTAIN DAISY PRODUCTS』を立ち上げ。

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YAMAP STORE 商品企画開発マネージャー

乙部 晴佳(おとべ はるか)

アウトドアブランドのアパレルMDを経て2021年9月にYAMAPに入社。登山をメインに、スノーボードからトレイルランニングまでアウトドアを全方位楽しみながら、フィールドで得た気づきを生かして商品企画を行っている。

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ブルーな日でもほがらかに、山を楽しむための吸水ショーツ

ブルーな日でもほがらかに、山を楽しむための吸水ショーツ

気分が落ち込む日も、自分らしく山歩きを楽しみたい。不安や心配ごとは多いけど、「女性だからしかたない」で山をあきらめずに済むように、私にあった方法を見つけたい。ブルーな日もほがらかに山を楽しもう。スペシャルアンバサダーに四角友里さんを迎え、YAMAPが山✕吸水ショーツという新しい選択肢を提案します。

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