【YAMAP×finetrack】「YAMAP別注カミノパンツ」ができるまで
「数ある『登山パンツ』のなかから1本を選ぶのなら、本当に欲しいのはどんなものだろう?」
その問いに、自信をもってお答えできる登山パンツができました。
本格志向のアウトドアブランド「finetrack」の定番モデル「カミノパンツ」に、YAMAPならではのアイディアを盛り込むことで、さらに使いやすく、さらに多用途に、さらにカッコよく。
オリジナルカラーの限定生産による、オンリーワンのプロダクトです。
アウトドアブランド「finetrack(ファイントラック)」とは
「finetrack(ファイントラック)」は、アパレルやギアなど、幅広いアイテムを生産する日本のアウトドアブランド。繊維の開発から独自で行ない、裁断、縫製などのすべての工程を国内で行なう、総合アウトドアメーカーで唯一の「メイドインジャパン」ブランドです。代表の金山氏が、大手アウトドアメーカーで長年培った企画開発の経験と、豊富な繊維に関する知識を基に、どこにもないまったく新しいものを作りたいと、2004年、神戸を拠点にスタートさせました。
最大の強みは、素材開発の技術力。今では一般的になった「ドライレイヤー(*)」という製品で登山のレイヤリングの常識に革命を起こしたのも、まったく新しい発想で、それまでにない素材を開発する技術があるからこそできたことです。創業以来、革新的な技術と確かな品質で、過酷な環境に挑むコアなユーザーから高く評価を受ける商品を、次々と世に送り出しています。
(*)濡れや汗冷えで体温が奪われるのを防ぐためにベースレイヤーの下に着用する、体から水分を引き離す効果を持つメッシュ状のインナーウェア。
「最高のアウトドアウェアとギアを創れるのは、本気で遊べる者だけ」という信念のもと、社長をはじめ社員全員が、四季を通してアウトドアスポーツに惜しみなく時間と情熱を注いでいます。実際のフィールドに出て自然と真剣に向き合うからこそ、より安全に、より楽しく遊ぶためのアイディアが生まれる。それが「遊び手が創り手」をキャッチフレーズに掲げる、finetrackのものづくりの原動力です。
YAMAPが「finetrack」とコラボレーションする理由
高所登山や沢登り、BCスキーなどを楽しむ人たちからは絶大な信頼を得ながらも、一般登山者に対するfinetrackの認知度は、数年前までさほど大きなものではありませんでした。見た目ではわかりにくい素材へのこだわりや、流行に流されず必要とされる製品を作りたい、どこでも作れるものをあえて作る必要はないという一貫した姿勢から、一般のユーザーにとっては、「プロや熟練者が使うマニアックなブランド」というイメージが強かったはずです。
ドライレイヤーが一般登山者にも広まったことや、直営店「finetrack TOKYO BASE」のオープンで気軽に製品に触れる機会が増えたことも手伝い、最近では認知度も人気も高まってきました。それでも、「熟練者向けのブランド」というイメージを持っている人が、まだ少なからずいるようです。
そのイメージがもとで、製品のすばらしさが多くの人に伝わらないのはもったいないと、YAMAPは考えました。コアなユーザーだけでなく、山を始めたばかりの人や、これから続けていこうとしている新しい登山者にも、finetrackのよさを伝えたい。安全に楽しく山を楽しむために製品を使ってほしい。そのために、finetrackの哲学を、コラボ商品を通じてYAMAPが翻訳し、広く伝えることができればと考えました。
「カミノパンツ」にYAMAPならではの”工夫”を加える
「カミノパンツ」は、finetrackを代表する人気商品のひとつ。登山やハイキングからウォーターアクティビティまで、3シーズン活躍する定番の登山パンツです。ベーシックでありながら、素材の力と計算しつくされたカッティングに、実際に使ってこそ気づく小さな工夫が盛り込まれた、finetrackらしさが詰まった商品。これこそが、ブランドのよさを伝えるためのアイテムとしてふさわしいと直感しました。
何よりも、YAMAPのスタッフたちが実際に何年も山で使って、その魅力を実感していたことが、カミノパンツをコラボ商品に選んだ最大の理由です。
軽くて丈夫で動きやすく、汗をかいてもサラリとべたつかず、水をはじいて汚れもつきにくい。ほどよく細身で足がきれいに見えるシルエットは、どんなトップスとも合わせやすく、足元がすっきりしていて岩やハシゴも歩きやすい。他のパンツを履くことがあっても、結局はこれに戻ってしまうほどの使いやすさ。
その機能性を維持しながら、YAMAPならではの目線を取り入れて、finetrackのイメージを広い世代にも親しみやすいイメージにすることを目標にしました。
「finetrack」のデザイン技術が、スマホの居場所を創造する
YAMAPとしてどうしても追加したかったのが、スマートフォン専用のポケットです。山でもスマホを手放さないYAMAPユーザーのために、スマートフォンを、ストレスなく収納できるポケットの大きさと配置にこだわり、スマホの定位置を確保することを、コラボモデルの最優先課題にしました。
オリジナルのカミノパンツには、左右のサイドポケットのほかに、メンズのみ右側に1つ、ヒップポケットがありますが、位置も形も、スマホをポケットに入れて歩くことを想定していない、いわば「スマホ前」のデザイン。使いやすいとはいえないものでした。
YAMAPが提案したスマホ専用ポケットは、あまり他では見かけない位置にあります。左右のサイドポケットより後ろで、ヒップポケットよりも前。ポケットは左右両方についており、スマホを入れると、おしりの横の足の付け根のあたりにするりと収まるようにできています。
普通のヒップポケットにスマホを入れたときのうように、座ったときにおしりでスマホを踏んだり、おしりに押し出されて落としたりする心配はありません。大き目のスマホもスムーズに入り、さっと取り出せる程よい深さ。
これだけで、座るたびにスマホを入れ替える手間や、スマホを取り出すためのムダなアクションを減らせ、フィールドでの行動が変わります。サイドポケットに入れたものと干渉することもなく、驚くほどスマホが邪魔にならない、この位置には徹底的にこだわりました。ファスナーには、開閉しやすい大き目のタブコードも付けています。
変えること、変わらないこと
次に試みたのが、ブランドの「ロゴを外す」ことでした。
アウトドアブランドのアイテムのほとんどは、目につくところにロゴがあるのが常識。オリジナルのカミノパンツも、左ひざの上にロゴマークが入っています。しかし街着として使うことを考えると、ロゴの存在がコーディネートの邪魔になることがあります。
オリジナル商品からロゴを外すというちょっと無謀とも思える提案を、finetrackはすんなりと受け入れてくれました。おそらく他のブランドではありえないことでしょう。商品に対する絶対的な自信の表れなのだと感じます。
もちろんこのコラボレーションを象徴すべく、ウエストベルトの端の両側に、それぞれのロゴを小さく入れるという、スマートな演出を加えました。
そして、もうひとつの重要な要素が、オリジナルカラーの採用です。男女ともに人気の、トレンドを意識したナチュラルで深みのあるネイビーとブラックの2色をチョイス。アウトドアテイストのコーディネートはもちろん、上質な光沢のある素材感は、きれい目のトップスやジャケットとも相性のいい、幅広く使える1着に仕上がりました。
パンツのカッティングやパターンは、オリジナルのカミノパンツの長所を受け継ぎました。
一般的なストレッチ素材に使われるポリエステルに比べて、強度の強いナイロン素材を高密度に仕上げ、薄手でも丈夫で、岩や木に引っかかるのを気にせずに動くことができます。洗濯を繰り返してもヘタらず、撥水性も落ちにくいのが特徴です。
素材のストレッチ性に加えて、両脇の縫い目を、ひざの前側が狭くなるようにカーブさせたシルエット。細身なのに動きやすく、脚がすらりと見えます。縫製はすべて熟練の技術を持つ国内の協力工場の、カミノパンツと同じラインで、細かく丁寧に仕上げました。
YAMAPがウェアを作ることは、畑違いのものに手を出すように見えるかもしれません。しかし、いい道、いい山、いい情報を共有する「登山の文化」と同じように、信頼できる道具を紹介するのは、私たちの大切な役割です。これは、活動日記や地図データの提供を通して、情報をシェアすることと理念は通底しています。
そして、単にモノを売るためではなく、コラボレーションすることが、パートナーブランドのイメージを整え、ユーザーとブランドの“よき出逢い”につながるきっかけになればと思います。
カミノパンツ未体験の人も、すでにその履き心地に魅了されている人も、ぜひこのコラボモデルをチェックしてみてください。数量限定のため、手に入れるなら早めのアクションがおすすめです。
finetrack × YAMAP/ 別注カミノパンツ
finetrack(ファイントラック)
「本当のアウトドアウエアとギアを創れるのは、本気で遊べる者だけ。」
finetrackでは、四季を問わずスタッフがそれぞれ真剣にフィールドに向かうことで、本当に必要な性能を持った、本当に良い商品を作るアイディアを生み出します。アウトドアにかかわる私たちだからこそ、自然や四季に恵まれた日本というフィールドの魅力を発信し、その楽しみを一人でも多くの方に楽しんでもらいたいと願っています。