Special interview with KIKI
KIKIさんに聞く、
山と道具のこと
モデルのみならず、エッセイストや写真家としても活躍しているKIKIさん。仕事は多岐にわたるが、そんな彼女のライフワークともいえるのが、山登りだ。山や旅にまつわる著作や写真展も手掛けるKIKIさんに、これまでの山のこと、お気に入りの道具のことについて語っていただきました。
──まず、山に登るようになったきっかけを教えてください。
2008年の夏ですね。その年の春に3ヶ月ほどフランスを旅していたのですが、あらためて日本のことって意外と知らないなと気づいたんです。もっと日本のことを知りたいと思っていたところに山と出会いました。友人に山登りが好きな人がいたこともあって、身近にあった山に目が向いたんです。
──そこから山にハマっていくんですね。
よく連れていってくれたのは、写真家の野川かさねさん。お仕事でもご一緒させてもらっています。お仕事で知り合ったガイドさんと山に行くこともありました。2〜3年くらいかけて、少しずついろんな山を登っていましたね。だんだん山の楽しみ方を知っていく感じでしょうか。連れていってもらううちに、自分はこういう登山が好きだな、雪山もチャレンジしてみようかな、というように広がっていきました。
──国内だけでなく、海外の山も登っていますね。登っていた頻度は、多い時で年間どれくらいなのでしょうか。
数えていないので、具体的な数はわかりませんが、月に2〜3本は泊まりがけで行っていましたね。それに、冬の雪山やバックカントリースキーもしていたので、年間の日数は結構多いと思います。
──結構たくさん通っていたんですね! 今はどんな山を楽しんでいますか?
娘が生まれてからは、まだ小さいので以前とは違う楽しみ方をしています。昨秋には八ヶ岳近くの飯盛山、往復3時間くらいなのですが、夫がキャリーに乗せてくれて。鎌倉の裏山を歩くのも楽しいですね。昼間、日帰りで行ける山を探すようになりました。
──KIKIさんの環境下で変わっていったという感じですね。山に登るとき、どういうところに楽しみを見つけているのでしょうか。
山に行くとき、単独の行動というのはあまり好きではないんです。止むを得ず、部分的に単独になったことは今までにあるのですが、基本的には少人数の仲間と歩くのが好きですね。山で人と過ごす時間がすごく好きなんです。友達と泊まりがけで行くとなると、登っているときはもちろん、夜も一緒で、ご飯も一緒。普段の生活よりも、山ではもっと密に一緒に過ごせますよね。
いいところもあれば、自分もいやなところを曝け出してしまうし、相手の素も見えてしまう。それも含めて、山での仲間との時間って大切だなって思うようになりました。また、夕暮れ時の景色、すごく静かな夜と星空、早起きして見る朝日など、泊まりがけだからこそ楽しめる瞬間を大切にしています。
──服装について、気をつけていること、好きなことなどありますか?
自分の持っているもので選択肢がある時は、色はその季節や行く山をイメージして選びます。森が潤っているような山に行くのであれば寒色系、乾燥しているところ、秋だったら暖色系など。雪山に行く時は、白やブルーが多いかもしれません。ちょっとした「山TPO」みたいなのはありますね。
自分で買ったものはすごく長く使っています。スキーも、「まだその板乗ってるの?」ってガイドさんに言われちゃうくらい。「でもこの板、気に入ってるし!」みたいな感じです(笑)。