そしてここからが重要なポイント。改めてボディを裏から見てみると、グリッドのパターンから向こうが見えるほどの透け感があるのがわかります。一般的なニットキャップと比べると、かなり薄手。もちろん厚手のものに比べると保温性は劣りますが、それこそがこの商品の特徴であり、メリットでもあるのです。
気温は低いのに日差しが強い冬のアクティビティでは、運動で体温が上昇することで、頭には汗をかきます。その汗によっておこる帽子の中のムレを、効率よく換気し、温度や湿度を調整してくれるのが、メリノウールのすごいところ。高地で暮らす羊たちが、夏の炎天下でも真冬の寒さの中でも生きていくために与えられた機能が、そのまま製品に受け継がれているのです。
さらに、グリッド状の素材が通気性を高め、冷気を防ぎながらもムレを追い出して、頭はいつも快適。まさに、ベースレイヤーと同じ役割を、頭で果たしてくれるというイメージ。
動いた後でニット帽を脱いだら、ムレて頭がかゆいだとか、汗で髪が湿気を帯びてヘアスタイルがとんでもないことになるという悩みも、大幅に改善してくれます。
ただし、保温力は高いものの通気性がいいために、防風性はまったくありません。ベースレイヤーだけを着て、シェルを着ていない状態と同じ。天候や状況によっては、保温性不足を感じるでしょう。
逆に考えると、インナーキャップ的な使い方もできるのではないでしょうか。薄くてソフトなので、シェルや保温着のフードを被るときにも邪魔にならないし、高いダウンキャップの下に重ねるのもあり。アジャスターの位置が干渉しなければ、ヘルメットのインナーとしても使えそうです。