スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

寒さから身を守ってくれるインサレーション(保温着)。しかし、ひとことで保温着と言っても豊富なバリエーションがあり、「どの保温着が自分に合っているのだろう?」と悩んでしまうこともあるはず。

そこで、ヤマップスタッフが愛用する保温着について語る座談会を開催。それぞれが持っているウェアの魅力、使用シーンや便利な機能、自分はこう使っているなど偏愛っぷりを存分に語らいます。仕事柄さまざまなアイテムを見ているスタッフが実際に購入し、愛用しているがゆえのリアルなレビューをお届けします。

アイテムを紹介するスタッフ

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

小谷野(YAMAP STORE商品企画部)

アウトドア歴は20年。低山ハイクから北アルプスの縦走登山、雪山のテント泊までなんでもこなすオールラウンダー。購入したのは「finetrack(ファイントラック)」の「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」、Lサイズ。(身長180cm)

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

挾間(YAMAP STOREコンテンツディレクター)

登山のキャリアは北アルプスの山小屋勤務からスタート。縦走登山をするうちに満足できずに、数週間も歩くロングトレイルに傾倒。最近は子どもがいるのでもっぱら日帰り登山が中心。1年前に「patagonia(パタゴニア)の「ナノパフジャケット」のSサイズを購入。(身長164cm)

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

近藤(YAMAP STOREコンテンツディレクター)

登山歴は約半年。主に、公共交通機関を利用した日帰り低山ハイクで修行中。奥高尾や御岳、陣馬山などの山を毎週末のように登っている。自腹で購入したのは、「TAION(タイオン)」の「クルーネックボタンインナーダウンジャケット」のMサイズ。(身長165cm)

保温着の素材はどれがいい? 「化繊」と「ダウン」のメリット、デメリットを深掘り!

— まずは皆さんが購入した、お気に入りアイテムの紹介をお願いします。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

小谷野 ファイントラックの「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」ですね。さまざまな保温着を使ってきましたが、使い勝手のよさ、汎用性の高さ、着回しのしやすさを基準に選んでいます。

近年は保温と通気を両立したいわゆるアクティブインサレーションが増えてきていますが、僕にとってはそれでも「暑い」。ガシガシ登るタイプなので、あまり保温力が高いものは苦手なんです。そういう点で、「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」は薄手で、ちょうどいい中綿量だったのが購入の決め手でした。

近藤 僕はタイオンの「クルーネックボタンインナーダウンジャケット」です。まだまだ登山歴が短いこともあって、高価格帯の商品に手をだす勇気がなくて……。このダウンは8000円未満。なのに、800フィルパワーのダウンを使っていて、めちゃくちゃ軽くて暖かいんです。使用シーンとしては低山ハイクで、行動中は基本的にはフリース、寒さを感じるときにダウンジャケットを保温着として羽織っています。ダウンは汗に弱いと聞いたので、行動中にはほとんど着ていません。

挾間 私のは定番モデルなのですが、パタゴニア「ナノパフジャケット」です。雪山の日帰り登山では行動中は汗をかいてしまうので、休憩時や山小屋の滞在時に着用しています。行動向けと言われる化繊ジャケットですが、私も暑がりなので基本的には停滞時の保温着として使っていますね。

— 化繊派とダウン派に分かれましたが、それぞれのメリット、デメリットを感じることはありますか?

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

近藤 僕はダウン派ですね。YAMAP STOREでも化繊素材のインサレーションを色々取り扱っていますが、ダウンの暖かさはダウンでしか得られないと思っています。僕はキャンプや車中泊をするので、ダウンの暖かさには絶大な信頼があります! 羽織ったときの包まれる感じ、じんわりとした暖かさはダウンならではだと思います。

小谷野 ダウンの暖かさは化繊にはないものだよね。僕も山小屋やテントで泊まるときはオーバーダウンを持っていくかな。でも、行動中は暑がりなのもあって、保温性の高いダウンは避けています。雪山でも天気がよければTシャツで登るくらいなので……(笑)。

ダウンは保温着なので、宿泊するとき、小屋泊テント泊の停滞時用って感じ。僕も行動時に着ることはないですね。風が強くて動いても体温持っていかれるときであればシェルのなかに着ることもあるけど、かなり限られた環境ですね。

挾間 ダウンのよさを感じてはいるものの、私は性格が雑なので汚してしまったり、濡らしてしまうのが怖くて。そういう意味では気軽に洗濯できる化繊タイプが合っているのかなと思って「ナノパフ」を選びました。

ダウンみたいなデリケートさがないので安心して着られます。今はほとんど日帰り登山なのですが、寒さが厳しい冬山のテント泊なら保温力の高いダウン、夏の山小屋泊なら化繊というように、以前はシーンに合わせて使い分けていました。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

また、私は、保温着は日常でも普段でも山でもシームレスに使いたいと思っていて。ダウンは室内だと暑さを感じてしまうんですよね。で、化繊のインサレーションを買ってみたら、暑すぎず寒くもなく、ちょうどいい。家から電車、登山口まで。山小屋でも、帰りもずっと着ていられました。それが化繊を選ぶ理由ですね。

小谷野 化繊の方が汗抜けのよさや使い勝手のよさで分がある感じだけど、ダウンは軽量で保温力のある高フィルパワータイプや濡れに強い撥水タイプが出ていたりと進化しています。まだまだ化繊 or ダウン論争は終わらなそう。

ディテールの使いやすさと見た目のシルエットも重視

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

— 素材以外で、お気に入りのポイントはありますか?

小谷野 「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」のポイントは、熱がこもりにくいクルーネックタイプという点ですね。寒いときはネックゲイターを合わせればいいし。最近は天気予報の精度がいいので、荒天のときにわざわざ山に行くことが少なくなり、寒さ対策というよりは、ハイクアップ時にいかに暑くならないかを優先してしまいます。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

また、「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」の中綿は化繊素材なのですが、圧縮率が高く表地も薄いのでかなりコンパクトになります。持ち運びのしやすさも魅力的かな。あとは、袖のリブも好きなポイントですね。動いたときにズレにくくなっていて、日本のメーカーらしい細かな作り込みに感動します。


近藤 「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」と同じくなのですが、僕もクルーネックタイプが好みです。僕の場合はレイヤリング(=重ね着)したときに首周りがゴワゴワするのが嫌で……。フリースは襟があるタイプ、ジャケットはフードがあるものを着ているので、首周りは他のウェアにまかせて、渋滞をできるだけなくしたいんです。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

もうひとつは、ボタンタイプだということ。暑いと感じたときにバッと開けられるのがとても便利です。しかも、ボタンなら上だけ開けたり、下だけ開けたりと、ボタンの開け閉めで換気を調整できるんです。これはジッパータイプよりもアレンジしやすくて、間違いなく便利です。

挾間 私の場合、ナノパフを買った決め手はシルエットでした。アウトドア用のダウンジャケットやインサレーションジャケットって、けっこう着膨れするというか、マシュマロ感があるじゃないですか(笑)。でもナノパフのレディースモデルは腰回りがシュッと絞られているので、アウターを重ねてもシルエットが保たれるし、苦しい感じにもならないんです。

ウィンドシェルをアウターにすることで防風機能を追加


— それぞれのアイテムの魅力を引き出す「使い方の工夫」はありますか?

小谷野 「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」を手にする前は、フリース系のウェアを着ていたのですが、暑くて脱ぎ着の頻度が多かった。薄手の「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」を着るようになってからは脱ぎ着は減ったものの、暑さがクリアできたぶん耐寒性は落ちてしまったので、防風性のあるウェアを組み合わせて対応しています。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

今日はウインドストッパーのシャツを着ていますが、行動中は「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」の下に着て、風が強く寒さを感じるときは「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」の上に着ることで、風を止めて保温力を高めるというように、レイヤリングの入れ替えで機能が変わるんです。

この組み合わせは結構秀逸で、冬だけでなく春夏でも効果的。山だけでなく、シーズンも選びません。最近はそういう視点で、使い方を工夫することで通年使えるウェアを探していますね。

挾間 それは目からうろこです!通気系のインサレーションは風のコントロールが大事ですね。

私は、以前はダウンジャケットで登山をしていたのですが、汗をかかないように歩いていました。汗をかくと暑くて不快ですし、ダウンがヘタってしまうので、ウェアの特性に合わせることを心がけていました。

近藤 たしかに、僕もキャンプをしながら日中に軽く2〜3時間ほどのハイキングをすることがありますが、ダウンを行動着として登っています。汗をかかないようにのんびり歩くのであればダウンは保温力がありますし、冬の山では安心ですね。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

— それぞれお気に入りを紹介していただきましたが、他の方のアイテムみてどう思いました?

挾間 私はクルーネックタイプに憧れがありつつも、似合わないんじゃないかなと思って敬遠していたんですよ。でも「YAMAP別注 ポリゴンライトジャケット」は、登山ウェアらしくないシルエットやカラーリングもいいと思っていてずっと気になっていて……。ちょっと着てみてもいいですか?

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

小谷野 Lサイズと大きめですけど、むしろいいんじゃないかな。ロゴも同色になっているから普段使いもしやすいですよ。ジャケットとかと合わせればほとんど見えないし。

挾間 たしかに、これは着やすい!女性でもあえてゆったりめなサイズを選ぶというのもありですね。シルエットがキレイだし着回ししやすそう。

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

近藤 これからいろんな山に登っていきたいので、ダウンと化繊それぞれのメリットデメリットをもっと知りたいですね。タイオンの「クルーネックボタンインナーダウンジャケット」とファイントラックの「YAMAP 別注ポリゴンライトジャケット」はクルータイプという共通項はありつつも、使い勝手はまったく違います。素材の機能を理解して、自分に合ったアイテムを探すのって面白いですね。

う〜ん、今週末も山に行くので、「ポリゴン」か「ナノパフ」貸してください!

今回紹介したアイテムはこちら

こちらの記事も合わせてご覧下さい!

スタッフがリアルで購入した保温着、購入の決め手と愛用ポイントは? 推しのギア座談会【インサレーション編】

どんな山でも季節でも。「ポリゴンライトジャケット」を1年中着倒すシーン別コーデ

記事を見る

    紹介したブランド

    • finetrack

      finetrack

      「本当のアウトドアウエアとギアを創れるのは、本気で遊べる者だけ。」 f...

    • TAION

      TAION

      TAION(タイオン)は、日本のインナーダウンウェアブランド。ブランド...

    • patagonia

      patagonia

      パタゴニアは、1957年にイヴォン・シュイナードが、ロッククライミング...

    関連する記事

      関連する記事は見つかりませんでした