「ちっとも痛まないなんて、嘘だろ!?」YAMAP専属ガイド・ひげ隊長が体験したインソールのヒザ痛解消効果
近年、ヒザの負担を解消するアイテムとして注目を浴びている高機能インソールですが、「本当に効果があるの?」と半信半疑でなかなか手が伸びない人も多いはず。
YAMAPの専属ガイドとして活躍する「ひげ隊長(本名:前田央輝)」もそのひとり。長年のガイド業でヒザを痛めてしまい、靴やソックス、サポーターなど、さまざまなヒザ痛解消グッズを試したものの、インソールにはなかなか目が向かなかったそうです。そんなひげ隊長ですが、今ではすっかりインソールの愛用者。
インソールを使うことになったきっかけや、初めて使ったときの驚きの効果、「登山を愛する人は是非インソールを相棒にしてほしい」という思いの裏側まで、ひげ隊長に熱く語ってもらいました。
インソール歴は3年弱。道具好きなのに一度も目が向かなかった
インソール歴は3年弱くらいかな。登山歴は30年くらいなのに、インソールを取り入れたのはつい最近なのよ。
登山道具は結構好きだから、靴はこだわって選んできたんだけどね。僕は中身も見た目もクラシカルな男。「古きを愛し」みたいなところがあるから、革製のごつい靴がお気に入り。しかも、自然をこよなく愛してるから、使い捨てはきらい。革製の靴はソールを張り替えられるし、自分にベストフィットだったんだよね。もう20何年も愛用してる靴もあるし。
あと、昔、ガイド業と平行して、10年間くらい小さいアウトドアショップをやってたことがあって。そのときに登山道具を勉強してたから、靴についてもメンブレンの種類やアウトソールの機能をいっぱい学んだよ。しかも最終的に、足にとって大事なのは靴だけじゃなくて、合わせるソックスも重要だなというところにまで行き着いた。
ちょうどそのころ、ソックス専門の海外メーカーの製品が日本に入ってきてて、ソックス1枚に趣向が凝らされていることに驚いたよ。僕が登山を始めた頃は、靴下なんてただの付属品くらいのものだったから。もともと道具が好きだし、勉強して登山靴からソックスの重要性までたどり着いたのに、インソールには一度も目が向かなかったんだよね。30年もあったのに。自分でも不思議(笑)。
ガイド業は「どこか痛い」が当たり前。40才を過ぎたころ、自分にもヒザの痛みが訪れる
YAMAPに入るまでは、25年くらい屋久島と鹿児島でガイドの仕事をしてたんだ。20代は毎日のように山に入って、年間200日、山中で過ごすなんてことも普通だったね。若いときは何ともなくて、元気はつらつだったんだけど、同じように働いていた先輩ガイドたちは必ず体のどこかを痛めてて。みんなだいたいヒザか腰が悪かった。
そのうちに、僕も40才を過ぎたあたりからヒザが痛むようになってきたんだけど、先輩たちを見てたから、こんな風にどこか悪くなっていくのが当たり前だと思ってやっていた。むしろ、痛みが出て少しうれしかった。やっと一人前になれた、ガイドの勲章を得たって感じがしてね。実際、先輩たちも、僕がテーピングとかサポーターをつけるようになったのを見て「やっとお前もここまで来たか」とか言ってたしね(笑)。
以来、テーピングやサポーターでだましだまし、登山ガイドを続けてたんだけど、ヒザはどんどん悪くなって。そのうち、長期間山に入るのが苦痛なぐらいになって、川や海のガイド業にシフトせざるを得なくなっちゃった。
久々の縦走でヒザの痛みが大爆発!「もう山は登れないのかも…」
3年前、YAMAPに入社したときは46才。そのころには体中にガタがきてて。じつは川や海のガイド業で肘も痛めちゃってさ。ガイド業は過酷だね(笑)。
そのころ体がおかしくなってきてるのもあったけど、自らガイドをすることよりも、後続の人たちに自分が培ってきたノウハウを渡したいという思いも芽生えてきてて。その思いを理解して、僕を呼び寄せてくれたのがYAMAPの春山CEOなんだ。
僕がYAMAPに入ったころは、年に一回、社内アルプス登山っていう、3泊4日くらいの研修があったんだ。まだ社員数は20人くらいで、ほぼ全員参加していた。
でもね、この社内アルプス登山が僕にとって久しぶりの縦走。ここ10年はヒザがひどく痛かったし、がっつり登山はしてこなかった。
だからこそ準備万端に。爆弾を抱えたヒザにサポーターを巻いて、張り切って望んだんだけど、あっという間。2日目にはヒザが大爆発。今までにないくらい、めちゃくちゃ痛くなって。
初日は先頭を歩いてみんなをガイドしてたのに、2日目以降は最後尾で足を引きずりながらしょんぼり。何とか無事に終わったけど、あんなに痛くなったのは初めてだったし、ガイドという肩書で入社しているのに、「もう山は登れないのかも…」と思うとかなりショックだった。
勧めてもらったインソールのサンプル。半信半疑で使ってみると効果は絶大だった
社内アルプス登山の後、出張やらで飛び回ってたんだけど、久々に出社したら春山CEOがすっと僕の前に現れたんだ。「インソールのサンプルがあるんですけど、使ってみます?」って差し出されたのがBMZとYAMAPが一緒に作っていた製品だったの。僕のアルプス登山があまりにも痛々しかったんだろうね(笑)。
さっきも言ったけど、僕はそれまでインソールを使ったことがなかったし、そもそもインソール自体を若干疑ってた部分すらあった。だってさ、あんなペラペラなのにすごい効果を持つなんて、なかなか信じられないよ! 登山靴からソックスの重要性までたどり着いた男でもだよ!(笑)
でも、春山CEOの気持ちがすごくうれしかったし、せっかくだから使ってみようって気持ちになって。もらったインソールを下ろしたのは社内の登山研修。今度は九州の久住山を歩くことになっていて、日帰りだけどロングコースだから結構歩かなきゃいけない。前回ひどい目にあってるから、そりゃもう心配だったよ。
ところがだよ、もうびっくりして。少しも痛みが出なかったのよ。いつも使ってる靴にインソールを入れて歩いただけなのに。ちょっといいかも…とかじゃなくて、全然痛みがないの。「いやいや、こんなん偶然だろ?」と思ったから、それ以降もインソールを使い続けてたんだけど、結局、これまで痛みらしい痛みが出たことは一度もない。靴もソックスも、サポーターも。いろいろ試してみて、何をやっても痛かったのに。嘘みたいな話なんだけど。
今ではどちらのヒザが痛かったのか忘れちゃうくらい調子がいい。下りでは必ずヒザが痛んだから、どんな山行にもサポーターは欠かせなかったのに、インソールを使い始めてからはサポーターもいらなくなっちゃったのよ。
登山にはまりかけているあなたにこそ、インソールを登山の相棒にしてほしい
インソールって言ってもピンキリ。BMZの製品みたいに、高機能なやつは値段も高い。8000円とか、1万円とかするでしょ? 「こんな薄い板でぼったくりだな〜」と思っている人も多いだろうし、僕も使うまではそう思ってたけど、それだけの価値があると考えを改めました(笑)。
何か道具を買うときって、「よい生地を使ってるから快適に違いない」とか「軽量で背負い心地がいいらしい」とか、いろいろ期待するよね。普通はさ、期待に対して、プラマイ20%くらいなものなんだよ。インソールについては、期待なんか全くしていなかったから、使えるやつだとわかったときは本当にびっくりした。期待値0%から200%に爆上がりしちゃうんだもん。
今では、低山に行くときはローカットシューズに、しっかり歩く登山のときはミドルカットシューズに、インソールを入れ替えて使ってる。普段はビーチサンダルで過ごしてるんだけど、出張ではスニーカーを使うから必ず入れ替えて。気がつけばヘビーユーザーだよ。靴にソックス、サポーターと、ヒザによさそうなものはいろいろ試したけど、そういうものをにお金をかけるなら、インソールに投資したほうが断然いい。しかも、なるべく早くね。
屋久島のガイドたちを見てきて思うのは、どんなに健康な人でも繰り返し山に入っていれば、いつかヒザや腰を痛めてしまうということ。でも、20代、30代でインソールを使い始めていれば、一生痛みなしで登山人生を過ごせたかもしれない。僕は痛みが出てから使っているけど、本当なら痛みの予防として使うべきなんだと思う。登山が好きでやればやるほど、絶対にどこか調子が悪くなっていくから、だったら先に手を打っておいたほうがいい。
登山にはまりかけているあなたにこそ、是非インソールを使ってほしいと思う。そのほうが末永く登山を楽しめるはずだから。
(撮影:YAMAP 﨑村 昂立)
※ひげ隊長の発言内容は、あくまでも個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。
山を歩くインソールシリーズ 商品一覧
前田 央輝(まえだ ひろあき)
1972年鹿児島生まれ。登山アプリを手がける「YAMAP」専属ガイド。お酒と自然と子どもをこよなく愛するフーテンのアウトドアガイド。23歳の時にユーコンの原野を1か月かけて旅し、「この自然の素晴らしさを子ども達にも伝えたい」と自然学校のひげ校長を志すことに。今も夢に向かって全国を駆け回り、自然の楽しみ方を絶賛普及中。アウトドアショップを経営していたこともありウェアやギアなどについても詳しい。 YAMAPの専属ガイド・ひげ隊長が送る、無骨で愉快なYAMAPのB面企画「ひげチャンネル」も更新中。 https://www.youtube.com/playlist?app=desktop&list=PL0yTTQICNPPu2FSh8HyEcf8yejBf63fZe