冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

寒さの底となるこの季節。気温だけでなく積雪や凍結を懸念して「冬は登山をお休み」という人も多いのではないでしょうか。けれども冬の山には、この季節ならではの魅力もいっぱい。まさに“知らないのはもったいな過ぎる”世界です。

夏は暑さや虫に悩まされる低山も、冬に歩けば快適そのもの。この時期は空気も澄んでいるため、周囲の山々の眺望もひときわクリアに楽しむことができます。さらに雪山へ足を踏み入れれば、樹氷・霧氷など冬にしか見ることのできない白銀の絶景が待っています。

また春先の登山で多いバテや足のトラブルも、冬休みの間に低下してしまった体力・脚力が原因となっている場合が。冬の間もブランクを作らずに山歩きを続けることが、山開きを迎えた春〜夏以降の本格的な登山を成功させる秘訣といっても過言ではありません。

そこで今回は、冬の山歩き初心者の方へ「低山」と「雪山」の魅力を紹介します。おすすめのアイテムやルートもあわせて、冬山を満喫するきっかけを見つけてみてください。

気軽に始めよう!静かで快適な冬の低山歩き

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

冬の山は寒さによる凍傷や氷雪によるスリップなど危険がいっぱい......と思っていませんか。

そんな人にぜひおすすめしたいのが、冬の低山です。春〜秋の3シーズンに登山をしている人であれば、気軽に始めることができる山歩きです。

春〜秋にはない、冬ならではの低山の魅力

昨今は真夏日・猛暑日が当たり前になってしまった日本の夏。

木々が適度に日差しを遮ってくれる場所もありますが、気温が都市部とあまり変わらない低山では、夏はもちろん4〜5月や9月ですら熱中症を発症するリスクがあります。

ところが冬になると、低山の魅力は倍増します。

適度な運動によって身体が発する熱や、優しい日差しのおかげで、快適な山歩きが可能。山開きの春や紅葉に染まる秋と比べると登山者も少なく、静かな自分だけの時間を楽しむことができるのです。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

澄んだ空気のおかげで展望も抜群。関東周辺なら富士山(3,776m)や筑波山(877m)、東海周辺なら木曽御嶽山(3,067m)など、各地のランドマークである山の雄大な姿はもちろん、眼下に広がる街並みや海岸線などを一望することができます。

暑い時期の低山で悩みのタネになる蚊・ブヨ・ハチなどの虫も活動していないため、ストレスなく楽しむことができるのも冬ならでは。木々が落葉した冬枯れの道を足取り軽く進めば、その魅力を満喫できるでしょう。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

他の季節と比べると地味な印象を抱きがちな低山ですが、周囲や足元にも目を凝らしてみましょう。

常緑広葉樹であるツバキやサザンカ、ひとあし早く春を告げる福寿草や節分草などの花に出会えるかも知れません。

こうした“小さな発見”も、静かな冬の低山ならではの魅力です。

冬低山のpoint1:防風・防寒対策は抜かりなく

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

ポカポカ陽気の日で、特に登りであれば冬でも暑さを感じることがあります。けれども、低山だからといって軽装で出かけるのはおすすめできません。稜線や山頂など風通しが良い場所に出たとたん、冷たい風にさらされて体温が一気に奪われてしまう場合もあります。

アウターは防寒・防風性を備えたシェルジャケット、ミドルレイヤーは保温性と適度な通気性を備えたフリースや化繊インサレーションを重ね着するのがおすすめ。体感気温に応じてこれらをこまめに脱ぎ着するのが、快適な冬の登山のコツです。

▼おすすめのアウター

おすすめのミドルレイヤー

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身体とあわせて防風・防寒対策を施したいのが冷えやすい末梢部・特に手指です。

グローブは保温性や通気性はもちろん、カメラやスマートフォンなどの操作性も重視してチョイスすると、指先を冷やすことなく、冬の低山歩きを楽しむことができますよ。

▼おすすめのグローブ

冬低山のpoint2: 絶景を楽しむための日差し対策グッズ

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

意外と忘れがちなのが日差し対策です。夏は木陰になる樹林帯でも、冬は落葉して日差しが入り込む場合があります。また冬は、太陽の高度が低く斜めに日差しが当たるため、顔面や首も紫外線の影響を受けやすくなります。

夏よりも紫外線量自体は少なく暑さも感じないので油断しがちですが、意外と長時間・広範囲を紫外線にさらされているのが冬。これを忘れていると、皮膚が思わぬダメージを受ける場合もあります。

▼おすすめの帽子

▼おすすめのサングラス

冬低山のpoint3: 昼食は風を避けて身体を温める食事を

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

多くの場合、行動時間が短くゆとりを持って歩くことができるのも低山の魅力。ただ歩くだけでない楽しみのひとつが、休憩中に調理する山ごはんです。

温かい食事を摂って身体の中からポカポカになれば、きっとゴールまで元気に歩き通せることでしょう。

防寒と燃料の消費を考えると、特に風の強い日は山頂や稜線を避けて、なだらかな斜面や岩陰などで調理することが、冬の低山での山ごはんのコツです。山火事防止の観点から火器使用が禁止されている山もあるので、ルールに従って楽しみましょう。

▼おすすめのクッカー

白銀の世界で新たな挑戦

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

ベテラン登山者にのみ許された領域と思いがちなのが、雪山登山です。

けれども、きちんとしたアイテムを揃えて基礎的な知識を身に付ければ、初心者でも楽しむことが可能な雪山もあります。冬ならではの絶景を目に焼き付ければ、虜になってしまう人も多い魅惑の世界です。

冬しか味わえない雪山の魅力

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雪山の魅力は何といっても冠雪した山々のパノラマ。雪に包まれた山肌に太陽が当たって作り出される陰影は、同じ山であっても他の季節とはまったく異なる、美しい表情を見せてくれるのです。

凛とした冷たい空気の中で真っ青な空の下に広がる白銀の世界……。その絶景は、雪山にチャレンジした人だけが目にすることのできる特権といえるでしょう。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

雪山ならではの絶景を楽しむことができるのは、稜線だけではありません。あまり風が強くない森の中でも、木々に付着した霧氷や樹氷など、雪と氷が織りなす神秘的な光景が広がります。

雪に覆われた森の中をのぞいてみれば、シカやリスなど山に暮らす動物たちの足跡が続いていることもあります。スケールの大きな風景から、かわいらしい発見まで、雪山の魅力は尽きることがありません。

とはいえ入山者が少なく、登山道も雪に覆われているため道迷いの危険性もあります。日照時間も短い時期なので、他の季節よりもゆとりを持った登山計画で臨みましょう。

雪山のpoint1:レイヤリングを見直そう

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

安全で快適な雪山登山のために重要なのが、複数の機能を持ったウェアを“重ね着”することで、それぞれの効果を正しく発揮させる「レイヤリング」です。低温や風雪から身体を保護する防寒性も大切ですが、状況によっては暑さを感じることもあります。

こうした状況で汗をかいてしまい、再び寒さを感じる状況になると、汗冷えで不快なだけでなく、低体温症になってしまうリスクもあり、正しい「レイヤリング」は欠かせません。

汗冷えを防ぐ、ドライインナーから始まり、速乾性が大切なベースレイヤー、行動中の適度な通気性と休憩中の保温性を両立したダウンジャケットやフリースなどのミドルレイヤー、雪による濡れや風に対応する防水性・防風性・保温性を備えたアウターという構成が、雪山での「レイヤリング」の基本です。

▼おすすめのドライレイヤー

▼おすすめのベースレイヤー

▼おすすめのダウンジャケット

▼おすすめのアウター

雪山のpoint2:スノーギアで足元を冬仕様にアップデート

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

滑りやすい雪や氷の上を歩く雪山では、スリップ防止のためのアイゼンを登山靴に装着する必要があります。チャレンジする雪山の標高や傾斜に応じた爪の長さや本数のアイテムをチョイスするだけでなく、登山靴にあったサイズや装着可否をチェックすることも大切です。

樹林帯では6〜8本爪、標高が森林限界を超える場所では10本爪〜12本爪のタイプ。一方で、チェーンスパイクは平坦な路面や、落ち葉の下に滑りやすい残雪や霜柱が隠れていることがある、低山で活躍します。

もちろん登山靴も防水性だけでなく、アイゼンの装着を前提とした硬いソールと保温性のあるアッパー素材のハイカットのモデルがおすすめ。登山靴とパンツの間から雪が侵入することを防ぐため、ゲイターも欠かせません。

▼おすすめの軽アイゼン、チェーンスパイク

▼おすすめの冬向け登山靴

▼おすすめのゲイター

雪山のpoint3:アクセサリーを組み合わせて冷気をシャットアウト

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

冬は街でも手袋やマフラーを装着するのと同様に、雪山でも寒さを防ぐ小物類が重宝します。氷点下の気温が当たり前で、他の季節より風も強くなりがちな雪山。低山以上に末梢の防寒対策を重視しないと、霜焼けやひどい場合は凍傷にかかってしまう可能性もあります。

雪に触れるシーンが多いグローブは、防寒性だけでなく防水性があるものをチョイスしましょう。耳・鼻・頬などを寒さから守ってくれる帽子ネックゲイターも、気温が低く風が強い状況では心強い存在です。

▼おすすめのグローブ

▼おすすめのビーニー

▼おすすめのネックウォーマー

冬の低山|おすすめの山・コース

冬におすすめの低山コースをご紹介します。身近な低山でも、空気の澄んだ冬に登れば思っても見なかった絶景に出会えることも。ただし、積雪や凍結があると難易度が上がりますので、天候や積雪状況をYAMAPでしっかりチェックして、自分のスキルに合ったコース・タイミングを選んでくださいね。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】hiroさんの活動日記より

陣馬山 (東京都/神奈川県)
シンボルである白馬の像が出迎えてくれる山頂一帯は見晴らしの良い草原で、富士山はもちろん奥多摩や丹沢の眺望もみごと。体力に合わせた様々な登山コースのチョイスが可能な上、景信山・城山・高尾山などと組み合わせた奥高尾縦走コースも人気があります。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】みぃここさんの活動日記より

金冠山(静岡県)
温暖な伊豆半島にあり、山頂直下まで西伊豆スカイラインが通じているためクルマでのアクセスも容易です。その魅力は、何といっても駿河湾越しにそびえる富士山の大パノラマ。見晴らしの良い稜線を歩いて、南に連なる達磨山と組み合わせて歩くのもおすすめです。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】しゅわちゃんさんの活動日記より

須磨アルプス(兵庫県)
神戸市の郊外、山陽電鉄・須磨浦公園駅から板宿駅へと連なる標高200〜300m台の山々の総称が須磨アルプスです。最大の名所は迫力ある岩肌がむき出しになった「馬の背」。コースの随所から、青く凪いだ瀬戸内海や神戸港を眺望することができます。

雪山登山|おすすめの山

次にご紹介するのは、白銀の世界が広がる雪山。低山では味わえない絶景を楽しむことができますが、アイゼンの使い方など、雪山ならではのスキルも必要とされるため、初心者の方は経験者の方と一緒に登るのが、オススメです。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

入笠山(長野県)
標高1,769mまで富士見パノラマスキー場のゴンドラでアクセスでき、比較的平坦なコースが続く雪山入門にイチオシの山。途中の入笠湿原は一面の雪原となり、そり滑りを楽しむ家族の姿も。山頂からは八ヶ岳や富士山など、白銀の山々の大パノラマが広がります。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】

北横岳(長野県)
標高2,237mの坪庭まで北八ヶ岳ロープウェイでアクセス可能な、八ヶ岳でもっとも登りやすい雪山です。登山道周囲の森には雪に包まれた樹氷が立ち並び、神秘的な光景が広がります。山頂からは日本百名山・蓼科山や北アルプスなどの白銀の山々も一望できます。

冬こそ山を歩こう。 静けさを楽しむ低山から、憧れの白銀の世界まで【おすすめルートも】むーさんの活動日記より

黒斑山(群馬県/長野県)
雪化粧をした浅間山(2,568m)がガトーショコラに例えられる姿を、間近に望むことができる浅間第一外輪山の最高峰。稜線までは歩きやすい樹林帯が続きます。天候や体力次第では手前の槍ヶ鞘やトーミの頭まででも、迫力ある浅間山を見ることができますよ。

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