基本6アイテムを活用した、1日のシーン別レイヤリングをご紹介|登山装備のチェックリスト

登山を快適に楽しむためには、「道具選び」だけでなく「道具の使い方」も知っておく必要があります。「道具の使い方」の中でも最も重要なのが、「体温調整のためのレイヤリング」。下記の読みものでご紹介した基本6アイテムを活用したレイヤリングテクニックを、1日の山行シチュエーションを交えてご紹介します。

【読みもの】まず揃えたい、山道具の基本6アイテムを解説|登山装備のチェックリスト

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基本6アイテムのおさらい

基本6アイテムを活用した、1日のシーン別レイヤリングをご紹介|登山装備のチェックリスト

あらためて「基本の6アイテム」を振り返ってみましょう。快適さを支える「ベースレイヤー&アンダーウェア」、保温性がある「ミドルレイヤー」、歩きやすさのカギとなる「パンツ」、登山道を安全に歩くための「靴」、雨から身を守ってくれる「レインウェア」、そして、山道具を持ち運ぶための「バックパック」です。

基本6アイテムを活用した、1日のシーン別レイヤリングをご紹介|登山装備のチェックリスト

この6つのなかでも、山での快適性を左右するのが「ウェアの着こなし」。登山用語では「レイヤリング=重ね着」という言葉があるのですが、シーンや体感温度に合わせて着用するウェアを調整するテクニックが、快適で安全な登山につながります。

とはいえ、そんな「レイヤリング」も基本の6アイテムがあればOK。「歩きはじめ」から「休憩時」、さらには「悪天候時」まで、4つのシーンに分けて、レイヤリングについて解説していきます。

シーン① 寒さが気になる登山前から歩きはじめ

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■ 組み合わせ
①ベースレイヤー&アンダーウェア
②ミドルレイヤー
③パンツ

朝早くに登山をはじめる場合、空気の冷たさに驚くこともあるでしょう。そんなときは防寒着として用意したフリースや中綿入りのジャケットといった「ミドルレイヤー」を着用します。登山の序盤に体を冷やさないようにしましょう。ちなみにミドルレイヤーは軽量で柔らかく保温性があるので、着心地が良好。自宅から登山口への移動用ウェアとして着用するのもOKです。

シーン②歩き慣れて身体があたたまってきたら

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■ 組み合わせ
①ベースレイヤー&アンダーウェア
③パンツ

山を歩きはじめると、運動により少しずつ体温が上昇します。「暑いな」「汗をかいてきたぞ」と感じたら迷わずバックパックを下ろし、寒さ対策で着用していた「ミドルレイヤー」を脱いで収納しましょう。これがレイヤリングのテクニックのひとつ。汗抜けがよく、速乾性のあるベースレイヤーで歩くことで、快適さをキープできます。

ちなみに、最新のミドルレイヤーのなかには、保温だけでなく、行動中にかいた汗を溜め込まずに発散する機能を両立したモデルもあります。脱ぎ着の手間を減らしたい、春や秋などミドルレイヤーを着用した行動が多いのであれば、こういった保温と通気を兼ね備えた高性能タイプを選ぶのもオススメです。

シーン③冷たい風が吹く稜線付近での休憩

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■ 組み合わせ
①ベースレイヤー&アンダーウェア
②ミドルレイヤー
③パンツ
⑤レインウェア

さらに登っていくと、標高の上昇とともに気温が低下することがあります。山では100m登るごとに0.6℃下がると言われています。また、森林限界と呼ばれる木々が自生できない高さまで登ると、風を遮る木々はなくなってしまいます。そのぶん山ならではの絶景を楽しめるのですが、冷たい風に吹かれていると体温が奪われてしまうことも。

そんなときは防寒性のある「ミドルレイヤー」を着用し、さらに「レインウェア」で風をブロック。本来レインウェアは雨対策のアイテムですが、風対策としても活用可能。雨に降られなくとも、役立つシーンはたくさんあるんです。

もし気温がそれほど低くなく、風のみが気になるというときは、「ミドルレイヤー」は着用せずに「レインウェア」のみで防風するのもOK。レイヤリングの調整は寒すぎず暑すぎずがコツ。ちょうどいい組み合わせを見つけてみてください。

シーン④雨風に見舞われた悪天候のとき

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■ 組み合わせ
①ベースレイヤー&アンダーウェア
③パンツ
⑤レインウェア上下

雨が降りはじめたら「レインウェア」の出番。着ているベースレイヤーとパンツを濡らさないためにレインウェアを着用しましょう。

このときに知っておきたいのは、ウェア内環境。レインウェアは防水性だけでなく、透湿性といって汗ムレを発散させてくれる特殊素材を使用しています。歩いているときの熱や発汗を、雨から守りながら逃がしてくれることで、ウェア内が水分でベタベタになったり濡れないないように考えられているのです。もし冷え込みが厳しく寒いようであれば、「ミドルレイヤー」を組み合わせて防寒すれば完璧。

ちなみに街用のカッパは防水性がありますが、透湿性を備えていない簡易的なものがほとんど。汗でベースレイヤーやミドルレイヤーが濡れてしまうと冷えに悩まされるだけでなく、場合によっては低体温症に陥り行動不能になってしまうことも。山では山用のレインウェアを必ず着用しましょう。

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基本6アイテムを賢く使って山歩きを快適に

基本6アイテムを活用した、1日のシーン別レイヤリングをご紹介|登山装備のチェックリスト

基本6アイテムの使い方、組み合わせ方のハウツーをシーン別でご紹介しました。レイヤリングと聞くと、少し面倒で難しい印象を持つかもしれませんが、実はとってもシンプル。ウェアの機能を知り、シチュエーションごとに脱ぎ着をすればいいんです。この基本装備を上手に使いこなすことができれば、山歩きはグッと快適になります。

実際にフィールドに出てみれば、「寒いからミドルレイヤーを着てみよう」「山頂は風があるからレインウェアで防風しよう」というように、リアルな体験を得ることができます。一度に全ての山道具を揃えるのが難しければ、代用品を交えた装備でもかまいません。少しずつ経験値を蓄積していくことで、自分にとってのベストな基本6アイテム、そして最適なレイヤリングを見つけていただきたいと思います。

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