1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

尾瀬を歩く登山者をあたたかく迎えてくれる「山小屋」。食事をとったり、休憩をしたり、さらには宿泊もできる大切な山の拠点です。そんな山小屋に泊まり、2日間にわたって尾瀬を大満喫できるモデルコースをご紹介。歩行距離は短めでありながらも、朝夕の移り変わる尾瀬ヶ原の絶景を楽しめる、ビギナーにもオススメのプランです。今回ははじめての山小屋泊に親子で挑戦! YAMAP STOREセレクトの厳選山道具もあわせてお届けします。

尾瀬の大定番山歩コース「鳩待峠〜山ノ鼻」

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

■モデルコースの詳細
・所要時間(往復):3時間程度
・歩行距離:およそ7km
・標高差:約250m

尾瀬でもっともメジャーな登山口である鳩待峠から片道3km強の木道山歩。基本的に整備された木道を歩くので、ビギナーはもちろん山歩きが心配な方にも最適。食事は山小屋を活用すればデイハイクと同じ装備で楽しめるのがポイントです。雨上がりなどで濡れた木道は滑りやすいため、グリップ力の高い登山靴がオススメ。

11:00 戸倉駐車場から鳩待峠へ

2

登山口である「鳩待峠」では、4月下旬から11月初旬まで戸倉駐車場(有料)からシャトルバスが運行。尾瀬では環境保全のためにマイカー規制が定められている登山口が多く、駐車場からバスを活用するのが一般的です。荷物をパッキングしたらチケットを購入し、バスに乗り込みます。

ちなみに、公共交通機関を利用する場合はJR沼田駅から路線バスを活用するか、新宿などから「戸倉・大清水」行きの高速バスに乗車し、戸倉で鳩待峠行きのシャトルバスまたは乗合タクシーを利用するのが一般的。鳩待峠までの道のりは蛇行する山道のため、心配な方は「酔い止め薬」を飲んでおきましょう。

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

12:00 鳩待峠から、いざ出発!

1

シャトルバスに30分ほど揺られ、尾瀬の玄関口「鳩待峠」へ。すでに標高は1591m。春とはいえ、まだまだ木々は芽吹をはじめたばかり(取材は5月下旬)。少し寒さを感じるので、防寒着となるミドルレイヤーとレインウェアを着用し、山小屋を目指して山歩スタート!

2

鳩待峠から山ノ鼻へのルートは整備が行き届いており、登山ビギナーや子どもと一緒のハイクでも安心。新緑のブナの森を歩くのは気持ちよいの一言。梢でさえずる鳥の気配を感じたり、小川に魚を探したりと、自然体験の場としてもベストルートと言えるでしょう。道中にはベンチがいくつも設けられているので、疲れを感じたら休憩と給水を。コースタイム通りになかなか進まなくてもOK。のんびり尾瀬の山を感じましょう。

【TIPS】慣れない山歩きが不安なら、サポートタイツを取り入れよう

2

山小屋の標高は1400m。200mほどを登り降りするルートを歩きます。ふだん登山に慣れていないという方は、山用のサポートタイツの力を借りるのもオススメ。長時間の歩行時の脚の負担を軽減し、翌日の疲れを緩和してくれます。

13:30 山ノ鼻に到着!

3

木道を歩くこと1時間。本日の目的地である山ノ鼻に到着! 尾瀬ヶ原の入り口に位置する山ノ鼻には、いくつもの山小屋が集まっており、小さな村のような雰囲気。休憩する人、昼食をとる人など、登山者で賑わう光景は山小屋ならでは。
今回は「至仏山荘」を利用。夕方のチェックインまで時間があるので、休憩も兼ねてランチを。山小屋のあるルートの場合、バーナーやコッヘルを持たずに小屋の食事を活用することで、装備を軽量化することが可能。実は小屋泊ってとてもハードルが低い山の楽しみ方なんです。

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

14:30 ミズバショウが咲く湿原を散策

3

夕方までの時間は、湿原ハイクに出かけます。山小屋のすぐ近くには、尾瀬の自然環境がギュッと詰まった「植物研究見本園」があります。ここは尾瀬のありのままの自然を保全した天然の植物園。ミズバショウやリュウキンカの群落があり、尾瀬を象徴する景色を手軽に楽しめます。
気づけばすっかり晴れ間が広がり、ポカポカ陽気に。歩いていて暑さを感じる場合はレインウェアを脱いで体温調整をしましょう。

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

【TIPS】山用トレイルシャツで軽やかに歩こう

3

日中の行動着として持っておくと便利なのがトレイルシャツ。カジュアルなシャツスタイルでありながらも、防風性と通気性を兼ね備えたストレッチ素材を使用することで、山での実用性はバッチリ。暑さを感じるときはボタンを開ければ通気量を増やすことが可能。脱ぎ着が減らせて行動がスマートになるのも魅力です。

16:00 山小屋にチェックイン

3

散策から戻ったら山小屋にチェックイン。泊まる部屋を案内してもらい、お風呂やトイレなどの施設の使い方のレクチャーを受けます。ちなみに、併設されている売店では、尾瀬のオリジナルグッズを購入できます。ミズバショウをモチーフにしたバッジや手拭いは山の思い出にぴったり。

【TIPS】子どもの着替えを持ち運ぶなら大きめのバックパックを

3

日帰りのハイキングや小屋泊では20〜30リットル程度のデイパックでOK。今回は、子どもと一緒なので、2人分のウェアや装備をパッキングできる60リットルの大きめのモデルをセレクト。防寒着などかさばる荷物の持ち運びには大きめのバックパックが便利です。

19:00 小屋泊の醍醐味、星空散歩!

4

日帰りのハイカーが山をあとにし、静まり返った尾瀬。小屋の窓から外を眺めてみると星がちらほら出てきました。ヘッドライトを装着し、防寒着を着込んで星空ハイクに出かけます。
尾瀬は周囲を山で囲まれているため、街の明かりとは無縁。見上げれば満天の星空が広がっています。暗闇と静寂に包まれた湿原をヘッドライトを頼りに歩くのは冒険感たっぷり。都会では見ることのできない、小屋泊ならではの醍醐味です。

2

【TIPS】ナイトハイクならヘッドライトやランタンを活用

小屋泊の際にはぜひとも用意しておきたいのが、「ヘッドライト」と「LEDランタン」。ヘッドライトは暗がりを歩くときに足元を照らしたり、荷物を出し入れするときに便利。LEDランタンはヘッドライトほど光が強くないので、外のベンチでの団欒や小屋の周辺を歩くときの明かりとして活躍してくれます。

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

20:00 翌日に備えて早めの就寝

1

山小屋の消灯時間は早く、20〜21時に設定されていることがほとんど。夕食を食べ、お風呂に入って着替えたら早めに就寝しましょう。天気がよければ朝日を見に行くのも小屋泊だからこそ楽しめるイベント。夜更かしはせずに、体力回復のためにもしっかりと体を休めましょう。

【TIPS】快適性がワンランク上がるインナーシーツ

1

シーツを用意してくれている山小屋もありますが、できれば「インナーシーツ」を持っていくとより安心。一枚「壁」をつくることで衛生面での不安要素を抑えることができます。また、山小屋とはいえ夜は冷え込むため、就寝時の補助的な保温アイテムとしても役立ちます。

8:00 朝の山の清々しい空気を味わう

1

夜明けを待って、尾瀬ヶ原に早朝山歩へ。深呼吸して清々しい朝の空気を感じつつ、軽くストレッチをしてから燧ヶ岳を望む木道を歩きます。朝ならではの澄み切った尾瀬の景色を堪能。広大な尾瀬ヶ原を歩いているのはわずかな宿泊者のみ。尾瀬本来の姿を見ることができるのは、やはり小屋泊を選んだ者だけの特権と言えるでしょう。
ただし、出かけるときは防寒着をお忘れなく。このときも湿原の草は霜に覆われており、冷え込みがいかに厳しかったかを実感。歩いているうちに冷えてくることもあるので、サッと羽織れるダウンジャケットやフリースをバックパックに忍ばせておくのも有効です。

1

【TIPS】冷え込む朝晩のための防寒着

2

夏山であっても、山の朝晩は冷え込みます。ダウンや中綿の入ったインサレーションジャケットやフリースジャケットなどの防寒着は必ず持っていきましょう。防寒着は小屋内の行動着としても活躍するアイテム。登る山の気温を事前に調べ、適切な保温力を備えた防寒着を選ぶのがオススメです。

10:00 早めに帰路に

1

荷物をパッキングしチェックアウトしたら、歩いてきた木道を戻り、鳩待峠の登山口へ。小屋での思い出を話しながら歩いたり、「次はどこの山にいこうか」と、少し気の早い計画に想いを馳せるのも楽しいもの。

1泊2日の山小屋ステイ「山ノ鼻」で朝晩の絶景を楽しむ|【山歩しよう in 尾瀬】モデルコース②

山をたっぷり満喫できる小屋泊山歩

2

1泊2日の小屋泊で楽しむ尾瀬山歩。いかがでしたでしょうか。「山に泊まる」と聞くと、ハードルが高いように感じるかもしれませんが、デイハイクの装備+αがあれば誰でも楽しめる手軽さが魅力です。お子さんと夏の思い出に、仲間と山のステップアップに、ぜひとも挑戦してみてください。

尾瀬特集はこちら

小屋泊・コーディネートをご紹介

2

春から夏にかけての尾瀬山歩には、快適性と軽快さを重視したライトハイクコーデが最適。基本的には木道を歩くため、本格的なウェアは不要です。今回のコーデでは、適度な防風性と汗をかいてもドライにキープする通気性を備えた「トレイルシャツ」と歩きやすさに定評のある「山スカート」をセレクトしてみました。

湿原山歩にぴったりの「山スカート」

1

「山スカート」の魅力とは、やはり軽快な着心地。足捌きのよさはもちろん、ウェア内のムレとも無縁。アクティブに歩きたい!という方にも最適です。ちなみに、登山用の山スカートはサポーターが内蔵されていたり、速乾&伸縮生地を使用していたりと、機能も充実しているのが特徴です。タイツと組み合わせることで、適度な防寒性が加わり、枝葉とのスレから肌を守ってくれます。

荷物の多い泊まり装備で重宝する「スタッフバック」

4

小屋泊では、着替えや行動食、就寝用のアイテムなど、さまざまな山道具の整理整頓が大切。アイテムごとに定位置を決めることで、「レインウェアどこだろう」「歯ブラシが見つからない」といった悩みを解決できます。サイズ違いのスタッフバッグを使い分けるて、スマートな行動を心がけましょう。

日中用と泊まり用で「パンツ」を使い分ける

1

小屋泊の場合、歩きで汚れたパンツを着つづけるのはNG。小屋内でのリラックスウェアとして、着心地のよいパンツを持っていくのがベター。冷え込み対策として、少し厚手で保温力のあるものがオススメ。下山後の着替えとして兼用するのもOKです。

コーデで使用したその他のアイテムはこちら

今回宿泊した山小屋はこちら

1

至仏山荘

鳩待峠登山口から一番近い山荘で、尾瀬ヶ原ハイキンングや至仏山登山への拠点に最適。山小屋ステイはもちろん、日中は食堂、売店も開いており、日帰りハイカーの昼食・休憩場所としてもおすすめです。

至仏山荘ホームページへ

    紹介したブランド

    • MOUNTAIN HARDWEAR

      MOUNTAIN HARDWEAR

      1993年にアメリカ・カリフォルニア州で設立されたマウンテンハードウェ...

    • LED LENSER

      LED LENSER

      太陽とLedlenser(レッドレンザー)に共通すること。それは世界中...

    • EXPED

      EXPED

      EXPED(エクスペド)とは「expedition equipment...

    • macpac

      macpac

      1973年、ニュージーランドで生まれたマックパックは、「Simplic...

    • halo commodity

      halo commodity

      機能性とファッション性をバランス良く調和させ、時と場所を選ばず、そのシ...

    • ALTRA

      ALTRA

      「自然な走り方」ができる究極のシューズ。 アルトラのシューズは、『ヒー...

    • CARRY THE SUN

      CARRY THE SUN

      持ち運びカンタン、コンパクト、シーンを選ばず使えるソーラー充電式のLE...

    • COCOON

      COCOON

      COCOON製品は、生涯にわたる旅行体験を基に製造されています。COC...

    • GRANITE GEAR

      GRANITE GEAR

      グラナイトギアは1986年ミネソタ州でジェフ・ ナイト、ダン・ クルー...

    • patagonia

      patagonia

      パタゴニアは、1957年にイヴォン・シュイナードが、ロッククライミング...

    • Teton Bros.

      Teton Bros.

      こだわり続けた一枚のジャケットから・・・ アウトドアの聖地、米国ワイ...

    • Goldwin

      Goldwin

      自然に没入し、全身で世界との繋がりを感じる―― Goldwinは、自...

    関連する記事

      関連する記事は見つかりませんでした