伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

山×ものづくり」プロジェクトとは、ヤマップと地域文化商社「うなぎの寝床」がタッグを組み、日本の工芸技術を生かしたアウトドアアイテムを開発するプロジェクトです。

これまでにも「ヤマフロシキ」や「ヤマオウリョウキ」などの商品を開発してきました。今回、この「山×ものづくり」プロジェクトの第3弾として、福岡県の国指定伝統的工芸品の技術を生かしたプロダクトが完成。この記事では、このプロジェクトの概要と、YAMAP STOREとうなぎの寝床で販売予定の新たな山道具をご紹介します。

伝統工芸の新たなチャレンジが始まる「山×ものづくり」プロジェクト

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

山×ものづくり」プロジェクト第3弾は、YAMAPの本社がある福岡県が実施する、「福岡県伝統的工芸品新商品開発事業」の一環として始まりました。

伝統工芸産業は、生活様式の変化や海外からの安価な商品の流入、消費の低迷などにより、生産高、従事者ともにピーク時(1980年代前半)の5分の1にまで落ち込んでいます。

この事業は、このような厳しい状況下にある伝統工芸産業が生き残るための打開策として、県内の伝統工芸と企業やクリエイターとのコラボレーションにより、新商品の開発や販売を支援することを目的としています。

今回、ヤマップとうなぎの寝床による山×ものづくり」プロジェクトが福岡県伝統的工芸品新商品開発事業に参画することになったきっかけは、伝統工芸の商品開発やブランディングを手がけるデザインディレクション会社「TIMELESS」の永田さんが本プロジェクトにかねてから注目していたことに始まります。

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!「山×ものづくり」プロジェクト第1弾、第2弾で作成された「やまふろしき」と「ヤマオウリョウキ」

繊細なイメージの伝統工芸品と、ハードに使う山道具は、一見すると真逆の性質を持つ様にも思えます。しかし永田さんは、「山×ものづくり」プロジェクトで開発された商品をみて、地域の素材を用いて道具を作り出す伝統工芸の文化と、風土や自然を楽しむ登山・アウトドアの相性に可能性を見出しました。

山に登る人は、あえて手間を楽しんだり、道具へのこだわりがあり、工芸を楽しむ要素を無意識的に持っているかもしれない。プロダクトにストーリーがあるガレージブランドの山道具を選ぶ人も増えている。高品質でストーリーがあれば、伝統工芸の技術で作られた山道具を選んでくれる人は意外と多いのでは? そう考え、伝統工芸の技術を生かし、アウトドアアイテムを開発するという新たなチャレンジとして、ヤマップとうなぎの寝床の「山×ものづくり」プロジェクト、そしてTIMELESSの3社がタッグを組んだ「福岡県伝統的工芸品新商品開発事業」が始まりました。

伝統工芸の技術が生んだ三つの商品


今回生まれた商品は三つ。博多人形の造形技術を生かした、鬼の頭を持つ「オニペグ」と、山に潜む野生動物を人形で表した「ヤマニンギョウ クマ」。八女福島仏壇の木材加工技術とモチーフに着想を得た「ヤマテーブル」です。

山×ものづくりオニペグ2本セット

山×ものづくりオニペグ2本セット

博多人形師の造形技術を生かした「オニペグ」は、赤鬼と青鬼の頭を先端に配したデザインのペグです。

博多人形は400年の歴史を持つ伝統工芸で、博多人形師の中には、原型制作から素焼き、絵付けまでの全工程を一人で担う人形師もいます。その造形技術は、福岡を代表とする夏祭りである「博多祇園山笠」の飾り山の人形づくりにも生かされています。

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

ペグの先端に鬼をあしらった「オニペグ」の原型を作成いただいたのは複雑で非常に細かい造形を得意とされる博多人形師の小副川太郎さん。ペグの先端にモチーフをつけたいというプロジェクトメンバーのアイディアを形にしています。

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

テントの入り口にペアで使用することで、厳しい自然からテント内を守ってくれる魔除けのような存在となり、 オニペグの頭を打つことで厄払いになればという思いも込められています。混み合ったキャンプ場でも、このペグを打つだけでオリジナル感満載のテントサイトが出来上がります。似た様なテントが並ぶ中から、鬼を探して自分のテントに辿り着くことができるのです。

山×ものづくりヤマニンギョウ

山×ものづくりヤマニンギョウ

登山者にとって畏怖や憧れの存在でもあるクマを、博多人形の写実性を生かしつつ、愛らしい姿の人形に再現したのが「ヤマニンギョウ 」です。博多人形の造形技術と写実性が生かされている「ぺたん」(左)と「すてん」(右)の2種類。博多人形師の松尾吉将さんが原型から型取り、彩色まで手がけています。

山に行けない忙しい日々でも、後ろ髪を引かれつつ下山した後も、山の絵画や写真のように、家にいながら山への思いを馳せることのできる、今までの山道具とはちょっと違った新しい山の相棒です。

山×ものづくりヤマテーブル

山×ものづくりヤマテーブル

八女福島仏壇の木工技術を生かした「ヤマテーブル」の天板は、雲の形をしています。これは、仏壇の引き出しの装飾部分をくり抜いた際に出た端材から着想を得た形です。

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

アウトドア用品には、機能性を重視するためにどうしても金属やプラスチックなど無機質な素材を使用することが多いですが、ヤマテーブルは自然に馴染む温かみのある木地でできていて、天板と足の部分は、分解して持ち運ぶことができます。山だけでなく、家の中のインテリアとしても使いたくなる雰囲気のある仕上がりとなりました。

3社の掛け合わせが起こす化学反応

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!プロジェクトチームの3人。左から、ヤマップの乙部さん、TIMELESSの永田さん、うなぎの寝床の白水さん。うなぎの寝床旧寺崎邸にて

山×ものづくり」プロジェクト第3弾では、ヤマップ、うなぎの寝床、TIMELESSという違う視点を持つ3社が集まったことで、これまでにない商品が生まれました。

いつも工芸品に携わっているうなぎの寝床で商品を開発する場合、生活に馴染ませるためにカジュアルにしたり、ベーシックなものを作ろうとしてしまうことが多いと、うなぎの寝床の白水さんは言います。しかし今回のプロジェクトでは、他の人の意見を取り入れ、無理に特徴を変えるのではなく、伝統工芸の良さを生かしたデザインを大切にしたそうです。

また、何かをどんどん足して作り込む伝統工芸と、携帯性を考えてどんどん削って軽くしていかなければならない山道具という、真逆の製造工程の二つを掛け合わせるところにも面白さがあったといいます。

ヤマップの担当者の乙部さんは、スタートが全く違う伝統工芸と山道具に、短絡的な共通点を見出すというよりも、普段使う山道具に職人さんの息遣いや歴史文化といったエッセンスが入ることで、愛着が湧くプロダクトが生まれるのでは、と考えたそう。誰が作ったものなのか、どういう思いが込められているのかを知ると、より使いたくなるし持って行きたくなるかもしれない。そういった商品の背景が伝われば嬉しいと話します。

山道具に伝統工芸を

伝統工芸と山道具をつなぐ「山×ものづくり」プロジェクト商品第3弾誕生!

手間や時間を省くことが重視される現代の生活様式の中で、旧来の伝統工芸品が使われるシーンは減る一方。伝統工芸は日常との接点が少なすぎるという問題に直面しています。伝統工芸品が失われることは、受け継がれてきた技術も失うことになります。

うなぎの寝床の白水さんは伝統工芸を、その土地の成り立ちにアクセスできる媒体と表現します。伝統工芸品には、その土地の風土が生きています。そう考えると、地域によって異なる植物や地形を楽しむ登山は、伝統工芸を楽しむことと、とても近いように思えます。

長く愛され受け継がれてきた伝統工芸。そのエッセンスが入った「山×ものづくり」プロジェクトの山道具を、一生物の道具として愛用してみませんか。丁寧に作られた道具を持つことが、伝統工芸や伝統技術を守り生かすことにもつながるかもしれません。

「山×ものづくり」プロジェクト第三弾 商品一覧

【山×ものづくりプロジェクト】山をテーマに日本の地方とものづくりを考える

【山 × ものづくりプロジェクト】山をテーマに日本の地方とものづくりを考える

「山をテーマに日本の伝統工芸や文化を紹介し、その価値を再提案すること」、「つくり手にきちんと還元される仕組みを作り、技術の伝承や地域活性化につなげること」。この2つのテーマを柱に、「山×ものづくり」のプロジェクトを展開していく【山×ものづくりプロジェクト】。
第一弾「ヤマフロシキ」、第二弾「ヤマオウリョウキ」についてご紹介しているこちらの記事も、ぜひご一読ください。

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【山×ものづくりプロジェクト】商品一覧

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