YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

YAMAPオリジナル「山で飲みたいコーヒー」のために力を貸してくれたのは、東京練馬区にある、スペシャルティコーヒーの専門店「さかい珈琲」さん。産地からの直接買付けや深い信頼関係にある商社のサポートにより、世界各国からクオリティの高い豆を集め、長年の研究と経験で、それぞれの最高に引き出す焙煎をします。さかい珈琲だからこそ手に入るすばらしいコーヒーで、地元に愛される街の専門店です。
店主の阪井寛治さんに、コーヒーに対するこだわりやスペシャルティコーヒーがおいしい理由、おいしく楽しむコツなどを教えていただきました。(聞き手:YAMAP 清水直人)

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

こちらにお店を持たれたのはいつ頃ですか?

今年で15年になります。以前私はコーヒー会社に39年間務めていて、57歳のときに退職してここで店を始めました。もともとコーヒーが大好きでコーヒー会社に就職し、退職するころにはスペシャルティコーヒーの責任者を務め、多くのコーヒー産地を訪ねて、栽培から生産までに触れることができました。日本にスペシャルティコーヒーという概念が入ってきたのが1998年ごろ、少しずつその概念が日本にも広がりつつあった頃でしたが、まだまだ広くは知られておらず、少しでも多くの人にそのすばらしさに出会ってほしいと思い、自宅近くのこの場所に店を構えました。

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

あらためて、スペシャルティコーヒーとはどういうものなのかを教えてください。

コーヒーにもいろいろな味や種類、分類の仕方があるのですが、スペシャルティコーヒーは「コーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者(コーヒーを飲む人)が美味しいと評価して満足するコーヒーであること」と定義され、これらの印象度を国内外の"コーヒーカッパー"によって評価されたものになります。

より詳しく知りたい方はコチラ
http://scaj.org/about/specialty-coffee

多くのコーヒーの中でも、プロにおいしいと評価を受けた特別なコーヒーというわけですね。

そのとおりです。点数は「甘さ」、「酸味の特性」、「口に含んだ時の質感」、「フレーバー」、「後味」、「全体のバランス」などの要素で決まります。審査会では、一人のカッパーが点数を決めるのではなく、例えば20人のカッパーがそれぞれの評価を数値化し、同時にそれぞれの感想を言葉で表現します。例えば甘さなら、「ブラウンシュガーのような」だとか、「クリームを感じさせる」だとか。酸味はフルーツに例えて表現されることが多いです。

ワインをソムリエが表現するのに似ていますね。


味を表現する方法は似ているかもしれません。こうして選ばれる「スペシャルティコーヒー」は、コーヒー全体の生産量のわずか約10%。ひとくくりにコーヒーといっても、世の中には本当にピンからキリまで、多くの豆が存在していますが、うちでは、84点から90点を取ったものだけを厳選して扱っています。

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コーヒーの味の違いは、何で生まれるのでしょうか。やはり豆の種類ですか?

もちろん豆の種類も重要ですが、ほかにもいろいろな要素の組み合わせで味が変わります。産地、土壌、気候、木の状態。それから焙煎の方法も味を左右する大きな要因です。
同じ豆でも、標高が高く昼夜の気温差が大きい場所でなければおいしく育ちません。同じ農園で作っても、その年の天候によって出来に良し悪しが生まれます。さまざまな条件が揃って、はじめて本当においしいコーヒーができるのです。
それに加えて、豆を収穫してからの処理も味を大きく左右します。スペシャルティコーヒーは一般のコーヒーに比べて価格が高いですが、おいしくするためには収穫後すぐに人の手によるスピーディーな作業が必須で、その人手に対して支払われる対価が、価格に反映させていることが理由のひとつです。売る人と生産者の絶対的な信頼関係があって、初めて完成する特別なコーヒーです。

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最近はフェアトレードやサステナビリティという言葉をよく聞きますが、生産者の方たちに正当な利益がもたらされてこそ、私たちが安定しておいしいコーヒーを飲むことができるのですね。

どんな豆でもなんとなく作っていては、おいしいコーヒーにはなりません。最初からスペシャルティコーヒーを作るのだという意思を持って育てられてこそ、それだけの価値を持った豆が育つのです。
ただ、よく誤解されるのは、価格が高ければおいしいという訳ではないということです。例えば、「ブルーマウンテン」は、高級でおいしいコーヒーというイメージを持たれる方が多いと思いますが、現在流通しているブルーマウンテンの多くはスペシャルティコーヒーの評価外のもので、豆の希少性はあったとしても、最高級のコーヒーとはいえません。

確かにブルーマウンテン=高級でおいしいというイメージを持っていました。味には好みもあると思いますが、おいしいコーヒーに出会える秘訣みたいなものはあるんでしょうか?

うちのお店に来てくださるお客さんに、どんなコーヒーが好みですかとお聞きすると、多くの方が「酸味がないものがいい」とおっしゃいます。でも、みなさん果物は好きですよね? 果物の酸味は、かなり酸っぱくてもさわやかに消えていきます。コーヒーの酸味が嫌いな方は、後に残るとか舌に差し込む感じとか、あまり上質でないコーヒーの酸味を体験してしまったんだと思います。上質なコーヒーの酸味は、まさに果物のように後に残らず、甘味にからんできれいな後味で、とてもおいしいものなんですよ。先入観を捨てて、ぜひスペシャルティコーヒーで本当のコーヒーの酸味を体験して、味の楽しみの幅を広げてほしいと思います。

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「山で飲みたいコーヒー」は山で手軽にスペシャルティコーヒーが飲めるというコンセプトのティーパックタイプになっていますが、通常のコーヒーとの違いはどのようなところでしょうか?

挽いた豆を1杯分ずつにパックし、ドリッパーなしで入れられるタイプのコーヒーは、その手軽さから、もしかしたら普通のコーヒーよりもランクが落ちるとか、おいしくないと思っている人がいるかもしれませんが、それは誤解です。
コーヒーは野菜と同じで、鮮度が味に大きく関わり、豆の状態から粉に引いた時点で劣化が始まり、どんどん味が落ちていってしまいます。それを防ぐために、豆を挽いた状態で売られているものは、パックに窒素を充填して鮮度を保っているのですが、一度封を空ければ、やはりそこから劣化が始まってしまいます。

その点「山で飲みたいコーヒー」は、1杯ずつパックした状態で窒素充填処理がされているので、常に鮮度が保たれているということになります。もちろん製造からできるだけ早く飲むのがいいですが、1年くらいはおいしく飲むことができます。

なお、スーパーやコンビニで売られている個包装のドリップパックは、ほとんどが1杯30円前後のものなので、当然コーヒーの質もそれなりのものですし、使われているドリップ紙などの素材もそれなりのもの。もし今までに「ドリップパックはおいしくない」と思ったことがあるなら、それはドリップパックだからではなく、コーヒーの質自体が良くなかったのかもしれません。

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

なるほど。いつも開けたての新鮮さで、コーヒー本来の味を楽しめるということですね。山でコーヒーを飲むときに、おいしく淹れるコツなどはあるんでしょうか?

山に限らずコーヒー全般に共通することですが、あまり熱いお湯を使わないことです。コーヒーの成分であるカフェインは高い温度で溶けやすいため、抽出に沸騰したお湯を使うと、コーヒーのよけいな苦みや酸味が強調されてしまいます。おいしく淹れるために適切な温度は、約85℃が目安。一度沸騰させたら少しおいて、温度を下げてから使うのがひとつのコツ。屋内ではフタを開けた状態で、沸騰から約4分で85℃程度まで温度が下がりますが、標高、気温や風などの影響を受ける山では、もう少し短い時間で適温になるはずです。
なお、コーヒーバッグは沸騰したお湯をかけて約4分待ったのち、最後にゆらゆらと揺すると美味しく召し上がることができます。
 
さっそく試してみます! 今日はありがとうございました。

さかい珈琲

さかい珈琲
〒179-0081 東京都練馬区北町8-33-8 ソフィアビル101
TEL/FAX 03-3936-0023
東京メトロ(有楽町線)地下鉄赤塚駅4番出口より歩3分
営業時間:午前10時~午後7時 定休日:毎週月曜日、火曜日

山のシーンで飲み分ける3つの味
スペシャルティコーヒーでちょっと贅沢な山コーヒーの時間を

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

スペシャルティコーヒーの専門店「さかい珈琲」さんとYAMAPが作り上げた、その名のとおり「山で飲みたい」と思えるコーヒー。道具を使わずに手軽に入れられるコーヒーバッグタイプを、1杯分ずつの個別包装にしました。
「朝のめざめ」「お昼どき」「夜のひととき」の三種類を2袋ずつ詰め合わせた、合計6袋のセットにしました。ぜひ、シーンに合わせて味の違いをお楽しみください。

YAMAPオリジナル「山で飲みたいコーヒー」
こだわりの3つの特徴

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

1. 厳選したスペシャルティコーヒーのみ使用

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

国内外の"コーヒーカッパー"によって評価された「スペシャルティコーヒー」のみを使用。豆の種類や生産農場、加工から流通までのすべてで高いクオリティを保ち、どこの農園で収穫され、だれが作ったかまでがクリアにされています。専門店でしか手に入らない特別なコーヒーのすばらしさに、山の空気や心地よい疲労感、風のにおいや満天の星が、さらにおいしさを添えてくれるでしょう。

2. シーンに合わせて飲み分ける3つの味

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

今回用意したのは、コーヒーがよく合うシーンに合わせた3つの味。それぞれのシーンにどんなものがふさわしいのか、試行錯誤の末にたどり着いたYAMAPこだわりの味わいです。3つの味と3つのシーンの出会いが生む、新しいコーヒーの楽しみ方を、ぜひ体験してください。

3. 山コーヒーの理想形「コーヒーバッグ」

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」さかい珈琲店主・阪井寛治さんインタビュー

山で手軽に本格的な味を楽しんでもらうために採用したのが、ティーバッグならぬ「コーヒーバッグ」。カップとお湯だけで淹れられる手軽さだけでなく、テクニックいらずでムラなくおいしく抽出できるのもいいところ。お湯の中でゆらゆらさせる時間で、好みの濃さを調整することもできます。粉がこぼれる心配がないのでゴミの処理も楽々な、山のコーヒーとして文句なしのスタイル。1杯分ずつのパックにすることで、いつでも挽きたての新鮮な味を楽しめます。

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」ができるまで

YAMAPオリジナルコーヒー「山で飲みたいコーヒー」ができるまで

「せっかくなら、山でもとことんおいしいコーヒーが飲みたい」。ひとりのスタッフの言葉をきっかけに、YAMAPがオリジナルのコーヒーをつくりました。シーンに合った味を作り出すには、実際に山で体験してみるしかない!ということで、コーヒーのテイスティングのためだけに、山に登ることに。コーヒーがよく合うシーンに合わせた、こだわりの3つの味が生まれました。

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