Vol.1 September

一緒に行こうと約束した、秋のライトハイクへ

尾瀬沼 -尾瀬国立公園-

山をとりまく環境が一変して、長い月日が経ちました。
仲間と過ごすかけがえのない時間を、いまや過去のものと感じている人も少なくないはず。
「でも、山は友達と一緒に登るから豊かなんだ」
そんな山の楽しみを共有することの素晴らしさを求め、
山好きモデルの菖蒲理乃さんが、友人の丸山果恋さんを誘って尾瀬へ。
とある秋の一日のストーリーをお届けします。

かつては毎週のように友達と山に登っていた。
「落ち着いたらまた行こうね」と約束してから
あっという間に夏は終わり、
秋はもうすぐそこ。

浮かんでくるのは、友達と山を歩いた思い出。
やっぱりふたりで登りたい。
「次の週末、一緒に山に行かない？」
とメッセージ。

「もちろん！秋の山、きっと綺麗だよ」
過ぎた時間を巻き戻してくるのは
きっと山なんだ。

—山で会おうよ—

声をかけた人

菖蒲理乃さん

Ayano Shobu

モデル／タレント

高校生のときに訪れた屋久島で山登りに目覚める。大学ではワンダーフォーゲル部に所属し、現在は登山に限らず釣りやキャンプなど様々なアウトドアを楽しんでいる。

声をかけられた人

丸山果恋さん

Karen Maruyama

モデル／ラジオDJ

自転車のラジオ番組やランニング大会などのスポーツMCとして主に活動。自身もランニング、ロードバイク、MTBなどを楽しむアクティブ派。

@大清水登山口

登山口で待ち合わせ。
「かれんちゃんと山で会うのはいつぶりだったかな」
これから山に向かうワクワクと、一緒に登るドキドキが入り混じる。

尾瀬へとつづく登山口はいくつかあるけれど、
今回は山歩きも楽しめる大清水口からのルートをセレクト。
天気予報は曇りときどき雨、山は一足先に秋の気配。
信頼できるレインウェアがあるから雨でも安心。
登山靴の紐を締めて、さあ出発！

@一ノ瀬から登山道へ

「ちょっと鈍ってるかも（笑）」なんて話ながら登山道へ。
会えなかった時間を巻き戻すように溢れ出す会話。
ちょっと長いかなと思ったルートも
あっという間に歩き切ってしまいそう。

尾瀬沼まではコースタイム3時間ほど。
久しぶりの山歩き。森の香りが懐かしい。
「もう紅葉してる！」「赤い実見つけた！」
そこかしこに秋の彩りがありました。

@三平峠

静かな森にふたりだけ。
立ち止まって深呼吸してみる。
「やっぱり山の空気は美味しいなあ！」

尾瀬沼までは整備された木道を歩いていく。
「本日の最高地点、1760m！」
「久しぶりの登山にはちょうどいいルートだね」
登り切った先に待っていたのは、幻想的な針葉樹の森。
空気は少し冷たいけど、ハイクアップでほんのり暑い。
でも、ウェアがしっかり湿気を逃してくれるおかげで快適なまま。

@尾瀬沼三平下

「わあ！ついに尾瀬沼に到着だね」
「あっちに小屋があるみたいだから行ってみよう」
霧の奥に見える対岸の景色を眺めながら、
草原にまっすぐ伸びる木道を歩いていく。

予報どおり、時おり雨がぱらつくこともあったけど、
静かな尾瀬の湿原をふたりだけで堪能できた。
流れていく霧、ゆらゆらと揺れる水面、秋の装いをまとった草木。
「思っていたより寒かったね」「ちゃんとウェアを持ってきてよかった」
あらためて自然に身を置くことの素晴らしさを実感しつつ、
安心して山歩きを楽しめる装備の大切さも再認識。

@長蔵小屋横

一緒に食べる山ごはん。
今日は特製サンドイッチ。
たくさん歩いてお腹はペコペコ。

「ベンチもあるし、雨も大丈夫そう」
「眺め最高！ここが特等席だね」
調理してきた具材をバーナーでこんがり焼いたバンズに挟めば
ぜいたくな山のサンドイッチが完成。
こうして一緒にごはんを食べるのもいつぶりだろう。
ほおばるサンドイッチの美味しさもさることながら、
時間を共有することの豊かさを噛み締める。
持ってきたフィルムカメラでパチリ。

「尾瀬、ずっと前から歩いてみたかったんだ。
かれんちゃんと一緒に来られてよかった」

「雨に降られることもあったけど、景色は幻想的だったし、
あやのちゃんとたくさん話せて楽しかったな」

こうして気兼ねなくふたりで時間を過ごせるのも山だから。
都会では息苦しさを感じることもあるけれど、
山に来ればすーっと解放されていく。

「いつか行こうね」と約束した山の計画はあるはず。
秋の山に、友達を誘って出かけてみませんか？