雪山登山の必需品「ピッケル」。アイスアックスとも呼ばれているアイテムなのですが、長いシャフトに尖った刃がついた、歩行時の安定、滑落時の停止など、雪山登山での安全に欠かせない大切な道具です。ただ、ピッケルにはさまざまな形状があり、用途も多岐にわたります。斜度のあまりないゆるやかな雪山から、氷に覆われた垂壁まで、シチュエーションごとに機能やデザインが異なるんです。
そんな数あるピッケルのなかでも、「PETZL(ペツル)/グレイシャー」は、初心者〜中級者向けのオーソドックスなスタイルのピッケル。比較的緩やかな斜面で、ピッケルを使って登るというよりは、前述のように歩行時の安定、滑落時の停止に使うのがメイン。
「歩くのならストックの方がいいのでは?」と思うかもしれません。雪原のようなシチュエーションではストックの方がいいというケースもありますが、斜面で転んだときに滑落を止めてくれるのはやはりピッケル。登山道に起伏があり、トレッキングポールでは頼りない、滑落の危険があるような雪山であれば、ピッケルを携行しましょう(滑落停止などの危険回避の技術の習得は雪山講習やガイド講習などで教えてもらうことを推奨します)。