YAMAPスタッフの本音レビュー|実際に使い倒しているウェア&ギアを紹介します Vol.2
登山用のウェア・ギアを買うとき、みなさんは何を参考にしていますか? スペック・価格・用途はもちろんですが、やはり誰かの意見を参考にしている、という方も多いはず。周囲の友人・知人以外にも、山が好きな人・山に詳しい人がどんな道具をどんなふうに使っているのか、気になったことがあるかもしれません。
登山・アウトドアが大好きなYAMAPのスタッフたちに、実際に自分が使っているものの中で「個人的に熱烈におすすめしたい!」と思うウェア・ギアをプッシュしてもらうこの企画。前回とてもご好評をいただいたので、今回はまた別のスタッフにおすすめアイテムを聞いてきました。
仕事でもプライベートでも山に行く編集者から、商品情報を熟知したYAMAP STOREの担当者まで。年齢・性別・経験・登山スタイルもさまざまなスタッフが登場し、自分のお気に入り道具について本音で語ってもらいました。少しでもみなさんの道具選びの参考になりますように。
「普段着でもカッコいい」ハーフパンツを探している方へ
HOUDINI(フーディニ)/ワジショーツ
自分がアウトドアのウェアを買うときの大きな判断軸の一つが、普段着としてもカッコよく使えること。防風性や透湿性を気にしなくていいハーフパンツなら、なおさらのことです。
そんな自分が惚れ込んでいるショートパンツがHOUDINIの「ワジショーツ」です。
まず、特筆すべきはその質感。サラサラとしていてストレッチも効く、HOUDINI独自開発のリキッドロックという生地が最高に気持ちいいです。
そして、シルエットがカッコいいのも推せます。普段着で使うにあたり、シルエットは最重要項目。ワジショーツはゆったりとしたつくりなのですが、野暮ったく見えることもありません。また、アウトドアのパンツによくある丈が短すぎることもなく程よい長さです。ビッグシルエットのシャツなんかを上に合わせると、いい感じに力の抜けたスタイルをつくることができます。もちろん、ゆったり設計なので締め付けや蒸れもなく快適。
お値段はそれなりですが、そのお値段に納得できます。売り文句ではなく、本当にアウトドアでも普段着でも使えるショートパンツをお探しの方に、本気でおすすめしたい一着です。
山小屋泊・テント泊を快適に。ガシガシ使えるトラベルシーツ
COCOON(コクーン)/インセクトシールド サファリトラベルシーツ コットン
最近は山小屋でもトラベルシーツや寝袋持参で割引のところもあるので、宿泊用のアイテムもうまく利用したいところ。
そこで私が愛用しているのは「インセクトシールド サファリトラベルシーツ コットン」です。山で宿泊するときの快適性がとにかく上がります。
とても肌ざわりが良く、シーツ自体はあぐらをかけるくらいの広さ。そして綿なので気にせず何回も洗えますし、テント泊の頻度が年に数回程度なら、おそらく10年くらい使っても大丈夫そうです。また、アウトドアシーンって扱いが多少雑でも耐えられるものがいいので、扱い方を気にせずどんな場面でも使える万能選手です。
寝袋を自分の汗で汚さないという意味でも、非常に有意義なアイテムです。頭側にはまくら用ポケットがあるのですが、むしろ頭からかぶってしまうことで、寝袋が汚れないように使っています。
気に入らない点は唯一、襟元のマジックテープが見つけにくいところ。自分で小さなループやタグを縫い付けておくといいかもしれません。
執行役員・マーケティング戦略本部長
小野寺 洋(おのでら ひろし)
2年前からテント泊をはじめました。9月に立山の雷鳥沢でテント泊をした際には、早朝のあまりの寒さのため、持ってきている服を全部着込みました。いい失敗経験でした。好きな山は立山、伯耆大山、双六岳、秋田駒ケ岳など。天草を望む雲仙・普賢岳も好きです。
濡れにも強い圧縮スタッフバッグで、荷物を小さくコンパクトに
GRANITEGEAR(グラナイトギア)/シルドライサック
キャンプ好きなファミリーなんですが、家族4人分の荷物をいかに小さく収納するかいつも悩まされます。特に秋以降のキャンプでは、ダウンに寝袋に敷き毛布、ベンチコートなど、子供達が寒がらないよう「念のため…」と、どんどん荷物が膨れ上がります。
そこで活躍しているのが「シルドライサック」です。
元々寝袋に付属していたバッグは圧縮できないタイプだったので、「シルドライサック」に総入れ替え。半分までとはいかないものの、大幅サイズダウンに成功しました。それが家族分ともなると、かなりのスペース捻出になります。
また、キャンプ場について中身を出した後にも役に立つのが、ロールトップ部分が持ち手になるところ。キャンプ場近くの温泉に行く時には、タオルと着替えを入れてバッグ代わりに使っています。
登山では、山頂で着用する防寒ウェア、テン場で着用するダウンなどを圧縮して持ち運べば、限りあるバックパック内のスペースを有効に使うことができます。
また、水に強いので汗や雨に濡れた着替えを入れて持ち帰るのもアリ。サイズも選べるので、着替え用、ダウン用、汚れ物用、など荷物整理に使うのも良さそうですね。
YAMAP STORE コンテンツディレクター
大室 明子(おおむろ あきこ)
男児ふたりを引き連れて、低山ハイクにキャンプにとアウトドアな育児を満喫中。スタミナと筋力をアップして、もう少し高い山も目指したい。紫外線が天敵。
足を上げ放題、突っ張りをまったく感じない快適ショーツ
Gramicci(グラミチ)/YAMAP別注トレイルショーツ
YAMAPスタッフ随一の暑がり&汗かきで、夏だけじゃなく4〜10月は山でも下界でも短パン族。「登山中は短パン派」に転向してはや4年、有名アウトドアブランドからファストファッションブランドまで、試してきたショーツは10本以上。
そんな私が愛用しているのが、YAMAPとグラミチのコラボアイテム「YAMAP別注トレイルショーツ」です。この短パンに足を通したときの感動をみなさんに伝えたかったあまりに、この企画に自ら手を上げてエントリーさせてもらいました。
なにが良かったの?と聞かれれば「圧倒的に足を動かしやすくて快適なんだ」と答えるでしょう。一般的に、山ではくショーツには化繊が使われていますが、素材によっては少し突っ張る感じがして足を上げにくいな…ということがよくあります。短パン族のみなさんなら、あのキュッと引っかかる感じ、分かってもらえるのではないでしょうか…。
でもこのトレイルショーツ、伸縮性にすぐれた素材を使っているため、突っ張りをまったく感じないのです。だから足は上げ放題、大股の一歩を踏み出し放題。
そして撥水性能が高いのも地味に嬉しいポイントで、雨などで多少水がかかる程度なら問題なし。着用したまま少しだけ沢にドボンしたのですが、濡れずに撥水している部分もあったのには驚きました。(※長時間浸かっているともちろん濡れます)
グラミチって街中のおしゃれなセレクトショップでよく見るためか、あまり登山時に着るイメージがなかったブランドだったのですが、このショーツはあまりにも登山にぴったりだったので、いい意味でその印象を裏切ってくれたアイテムです。2色買って、山でも街でも毎日着用しています(本当に!)。
すべての短パン族のみなさんをきっと満足させられる「YAMAP別注トレイルショーツ」は、この夏のベストバイアイテムになること間違いなし。
写真好きならわかる「帽子のつば事情」を解決する軽量ハット
MINIMALIGHT(ミニマライト)/ファストパスハット
突然ですが、写真が趣味の私は、山にいく時は必ずカメラを持参します。
標高の高い山では、日差しも強く、帽子はマストアイテム。そう頭では分かってはいても、帽子のつばって、写真を撮るときにものすごく邪魔なんです。ファインダーを覗きたいのに、つばとカメラがぶつかって、うまく覗き込めない。
こんな理由で、実はつい最近まで帽子をかぶるのがすごく嫌だったんです。共感してくれる方はいるでしょうか?
そんなこと?!と感じるかもしれませんが、当事者の私にはかなりのストレスに感じていました。しかし、だからと言って帽子を被らないのは、髪の毛や頭皮、顔の日焼けにつながるのでいい選択ではありません。
気がつけば、帽子探しの条件のひとつになった「柔らかいつば」。普段から帽子を被ることが少ない私の山の相棒になったのがこの「ファストパスハット」なんです。
柔らかいつばを実現させるこの素材、なんと言っても軽い&通気性がいい!帽子を被り慣れていない私でも、本当にストレスなく使うことができています。写真好きのハイカーにはとってもおすすめの帽子です!
アウトドアにも街にも。「万能ワンピース」を選ぶならコレ
HOUDIN(フーディニ)/ルートシャツドレス
あれは1年ほど前の初夏のころ。女性誌などで活躍するスタイリストの福田麻琴さんにご担当いただいた「アウトドアコーディネート特集」で、編集している自分自身が思わず目を奪われたのがこの「HOUDINI(フーディニ)のルートシャツドレス」でした。
そのときユーザーのみなさんにお送りしたメールマガジンでも、つい興奮ありあまり「YAMAPスタッフが思わず全身買いを決意したコーディネート」としてご紹介し、有言実行で購入したものです。
しっかりアウトドア素材なのに、ストンと綺麗なラインを作ってくれる万能丈のワンピース。バックパックの奥にしまい込んでも、シワになりにくく、旅行や出張なんかにも役立ちそう。山でも街でも器用にフィットしてくれます。
きっと欧州のハイカーはこれに5分丈のパンツを合わせて、前をちょっと開けてカーディガンっぽく着こなして、サングラスなんかかけてオシャレに闊歩してるんだろうな、と思いながら新たな組み合わせを考えるのも楽しいですよ!
YAMAP MAGAZINE 編集長
原田 佳奈(はらだ かな)
学生時代から山登りに目覚め、国内外の山々へ。山ガールブーム前夜だったため、おこがましくも「元祖・山ガール(?)」を自称。好きな山は鳥海山。思い出のトレイルはツール・ド・モンブラン。趣味はマラソン、トレイルランニング、ワイン。
十人十色なYAMAPスタッフたちのレビューをお送りしてきましたが、みなさんが気になるアイテムはありましたか? 人のおすすめを聞いていると、自分が思ってもみなかった用途だったり、気付かなかった利便性を発見できることもありますよね。各スタッフの熱意の数だけ、みなさんに新しい価値をお伝えできていたら、とても嬉しく思います。
YAMAPスタッフのおすすめアイテムレビュー、今後も順次ご紹介していきたいと考えています。また次回もお楽しみに。