足や腰のトラブルに効果を発揮する、「山を歩くインソール」のバランス理論に迫る

多くの登山者が抱える「ヒザのトラブル」や「腰の問題」といったお悩みが、インソールを替えることで解決するというウワサを聞いたことはありませんか? この記事では、インソール専門メーカーのBMZとYAMAPが共同開発した「YAMAP別注 山を歩くインソール」の使用で、足のお悩みに効果が出る理由を徹底検証。

土踏まずをサポートする他社のインソールはたくさんありますが、「山を歩くインソール」は「立方骨」をピンポイントで支えているのが特徴です。足のアーチを支えるだけでなく、その運動性も保ち、足本来のコンディションを引き出してくれるというのですが……。パフォーマンスをサポートする理由を追跡しました。


インソールの役割は「体の土台」となる足を支えること

足や腰のトラブルに効果を発揮する、「山を歩くインソール」のバランス理論に迫る

近年、ヒザや腰などの体の不調を和らげるアイテムとして、インソールが注目されています。スポーツ用品店や登山道具店には、さまざまな高機能インソールが並ぶようになりました。

一躍脚光を浴びるインソールですが、なぜ、これほどまでに重要視されているのでしょうか。その答えは、足が体の土台であるから。土台がしっかりしていないと、その上にある骨格や全身のバランスが崩れ、余計な筋力を使ったり、変なところに負荷がかかったりして足に問題が生じてしまいます。土台となる足を支えてサポートすること。これがインソールの役割なんです。

足や腰のトラブルに効果を発揮する、「山を歩くインソール」のバランス理論に迫る

 

衝撃を吸収する「足のアーチ」

土台となる足で特に重要なのは、足のアーチを崩さないこと。足を地面に着くと、地面から衝撃(反発)を受けます。この衝撃は、土踏まずなどの足のアーチから、足首、ヒザ、股関節、脊椎までの関節が連携して吸収しています。中でも足のアーチは衝撃吸収において、とても重要な役割を果たしています。


ところが、運動を続けると、筋肉の疲労などによって足のアーチは崩れていくことに。そもそも姿勢が悪いとアーチをつくる筋力が衰えてしまうこともあり、普段からアーチがつぶれがちになっている人もいます。

足のアーチが崩れると、大きな衝撃が足首やヒザなどの関節に伝わってしまい、それを受け止めたり逃がしたりするために不安定な動きになってしまいます。ひいては、余計な筋力を使ったり、どこかを痛めたりと、体全体の不調につながってしまうのです。


運動性を保ったままアーチをつくるために「立方骨」を支える

そこで登場するのが、足を支える高機能インソールです。

高機能インソールの多くは、土踏まずを下から支えるような形になっています。これだとアーチを保つことはできるのですが、ひとつ問題が生じます。それは、土踏まず自体の動きを妨げてしまうこと。自動車のサスペンションと同じで、衝撃を吸収するにはしなやかに動けないとダメなのに、インソールでしっかり支えると固定されてしまうのです。また、土踏まずのアーチは推進力を生み出す機能も担っているので、本来ならしっかり動かなくてはいけない部位でもあります。

アーチを崩さず、なおかつ、その運動性も損なわない。相反するこれらを両立させたのがBMZのインソールです。そして、「YAMAP別注 山を歩くインソール」ももちろん、BMZのこの理論を根幹として製作されています。

BMZのインソールは「立方骨」という部位をピンポイントで支えます。この骨は小指側にあり、足の半分より少し後ろ側に位置します。インソールで立方骨をサポートしつつ、通常のインソールとは異なり土踏まず部分のふくらみをなくした形状になっているのです。

足や腰のトラブルに効果を発揮する、「山を歩くインソール」のバランス理論に迫る小指側にあるこの骨が立方骨

ここで「あれ?」と思った方はするどい! 土踏まずのアーチは親指側にあるのに、小指側の立方骨を支えるという不思議な構造に気がつきましたか?

足のアーチは複数ある。これらの屋台骨となっているのが立方骨

じつは、足のアーチは親指側の土踏まずだけでなく、小指側や中央横向きにもあり、ドームに近い形になっています。このドームを支えているのが立方骨なんです。

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立方骨の上には、舟状骨という骨が屋根のように左右に広がって乗っています。この屋根には3つの楔状骨がついていて、この骨は足の前方に向かって延びています。簡単に説明すると、立方骨の上にはドームのような形で骨が乗っているということ。つまり、立方骨を支えれば、ドームを支えられるということなんです。

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また、小指側のアーチは主に安定性を生み出す機能があります。例えば、何かにつまづいて転んでしまったとき、手をつくのは小指側になるはず。というのも、人の体は外側で安定がとれるような構造になっているからで、足も同様に小指側でバランスをとっています。小指側のアーチの中央付近にある立方骨を支えることは、安定性を高めるという意味でも合理的なんです。

また、土踏まずは人によって高さが違うため、アーチそのものを支えるとなるとしっかりフィットしたインソールを選ぶ必要があります。一方で、立方骨の高さは大差がなく、これを支えるタイプのインソールはどんな人にも合いやすいというメリットもあります。

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立方骨(キュボイド)を支えることで、運動性と安定性という相反する要素を同時に満たす。これを「キュボイドバランス理論」といい、BMZが導き出したインソールのサポート理論です。同社はこの理論で特許を取得し、「YAMAP別注 山を歩くインソール」や自社のインソールに広く採用しています。

立方骨を支えるインソール。誕生の秘密はスキー靴の調整にあり

2001年、BMZの前身であるBMZ&TAKAHASHIが設立されたときは、スキーブーツの調整とオーダーメイドインソールの製作を請け負っていました。なぜ、スキーブーツとインソールがセットになっているかというと、スキー競技においてインソールは欠かせないものだったからです。

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スキー競技では、板と靴で足元が固定されてしまうため、前傾姿勢の形成やヒザのねじれの調整などはインソールで行っていました。また、時速100km以上で滑降するアルペン競技は雪面からの反発が激しく、足に対する負担を軽減するという意味でもインソールは有用でした。今ではスポーツや日常生活でインソールを使うことは珍しくありませんが、20年前はインソールを活用するスポーツはスキーくらいだったそうです。

選手の体のバランスを整えるために始まったインソールの開発ですが、選手からのフィードバックには運動性を求める声もありました。試行錯誤の上でたどり着いたのが「立方骨」を支えるインソールだったのです。

現在、BMZの製品はスキーのトップ選手はもちろんのこと、野球やゴルフなど、さまざまなスポーツのトップアスリートたちに愛用されています。特に、ハードな運動が長時間続くサッカーでは愛用者が多く、持続的な安定性と高度な運動性が高く評価されているそうです。

さまざまな大学とも効果を共同研究。インソールでパフォーマンスの向上やダイエット効果も!

BMZはインソールの開発だけでなく、さまざまな大学との共同研究を行い、その効果を実証することにも力を注いでいます。いくつかの研究例をご紹介しましょう。

インソールを使用すると無駄な筋力を使わない(東北大学/医学博士 目黒謙一教授)

東北大学・目黒教授との共同研究では、インソールで無駄な筋力を使わないことが立証されました。

体のバランスが悪いときは、それを安定させるために脳の前頭葉が働いて、各筋肉へ指令を出します。インソールを使うと前頭葉が働きにくくなるというデータが得られ、各筋肉への余計な指令が抑えられることを証明できました。

さらには前頭葉の代わりに、視床下部が活性化したという結果も出たそうです。視床下部はヨガや瞑想で活性化する部位でもあるため、潜在能力を引き出しやすい状態になっているということ。脳科学のアプローチから、パフォーマンスを引き出す効果も立証されたのです。

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研究者:東北大学/医学博士 目黒 謙一 教授(日本を代表する認知症の権威)

内容:インソール使用時の視床下部の活性化の確認

インソールでダイエット効果も!(高崎健康福祉大学/中村賢治講師)

驚きなのは、ダイエット効果も実証されていること。BMZの製品「アシトレ」(※YAMAPとの共同開発による登山専用のものの商品名は「YAMAP山を歩くインソール/足トレ」)を週5日以上、3か月間使うと、90%以上の治験者に脂肪量・体重の減少が見られたというのです!

「アシトレ」はその名の通り、足をトレーニングしてくれるインソール。現代人が使わなくなってしまった、足の指の筋肉を活性化させるものです。

このインソールは立方骨に加えて、かかとの骨の前部を支える構造になっていて、靴の中でも足の指をしっかり動かせるようになっています。さらに、足の指の付け根にパッドを配置し、足の指が地面と接しやすい状態になっています。

このインソールを使い続けることで、足の指の筋肉だけでなく、すねやふくらはぎの筋肉も使えるようになり、脚全体の筋肉が増加。ひいてはダイエット効果も得られたというわけです。

足や腰のトラブルに効果を発揮する、「山を歩くインソール」のバランス理論に迫る

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研究者:高崎健康福祉大学/中村 賢治 講師

内容:「アシトレ」使用時の、骨格筋量の上昇、脂肪量の減少によるダイエット効果の確認


体の土台である足を支えるインソール。足本来のコンディションを引き出すことで、パフォーマンスのサポートや筋力アップなど、体のさまざまな部位に影響を与えることも少しずつ明らかになっています。

このように独自の理論と、大学での共同研究を積み重ねてきたBMZ。そのBMZが「登山専用」として初めて取り組んだインソールが、YAMAPとの共同開発による「山を歩くインソール」です。快適に登山をずっと続けられるよう、足元から体のことを考えてみませんか?


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    紹介したブランド

    • BMZ

      BMZ

      "足から健康元気に"をモットーに、「立方骨」を支える特許取得インソール...

    • YAMAP

      YAMAP

      「つづく、つながる、ものがたる」を大切にしているYAMAP STORE...

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